2017年 05月 31日 ( 1 )

巨木と花に出会い被災地を望む、イタリア

 土曜にマッジョ山を登ったとき、思いがけずそれはみごとなブナ(faggio)の巨木に出会いました。もとは一つだった幹がいくつもに分かれたのか、それとも隣接して立っていた木々がいつしか一つになったのか、また、土が雨に流されて、根が表面に出てしまったためか、あるいは育った根が、地面がかたいために地表で大きくなったのか。山を歩いていてブナの巨木に出会うことは多いのですが、このブナはひどく珍しい変わった風貌をしています。

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Grande Faggio, Monte Maggio, Umbria 27//2017

 残念なのは、本来は一面緑の葉に覆われているはずの時期に、枯れて茶色くなってしまった葉が多いことです。

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 この木に限らず、牛や馬が放牧されていた頂上付近にも、この写真の後方に見えるように、多くの葉が枯れてしまっている木々が目立ちました。この春は、4月下旬に急に気温が下がり、標高の低いペルージャでさえ、最低気温が零度、あるいはわずかに氷点下となる日が続きました。そのとき、標高の高い山で、すでに育っていた緑の若葉が、寒さに枯れてしまったのではないかと夫は言います。

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 いくつもの厳しい冬を超えてきたであろうブナの巨木に、そうして、他の木々にも、この春の凍結で受けた被害に負けず、元気でいてほしいものです。

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 昨日お話ししたように、マッジョ山の登山は大変だったのですが、この山に夫が行きたいと言ったのは、上の写真でマッジョ山を登る夫の右手奥に見える青い山脈、

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光学ズームを使って撮影したこの写真で、一番奥に見えるヴェットーレ山(Monte Vettore)をはじめとするシビッリーニ山脈(Monti Sibillini)が、マッジョ山の頂上付近から、よく見えるからです。

 昨年夏以来、ノルチャ・ヴィッソ・カステルサンタンジェロなど、シビッリーニ山脈の数々の市町村が、たびたび大地震の震源となり、多くの建造物が崩壊しました。上の写真では高い山脈が二列並んで見えるのですが、手前の山脈の前に広がる平野に、ヨーロッパの守護聖人である聖ベネデットの生地、ノルチャがあり、手前の山脈を登っていくと、その後方の山脈との間の高みに、広大な高原が広がっています。その高原こそ、夏にはヒナゲシをはじめとする色とりどりの野の花が美しいので有名な高原であり、カステッルッチョの町は、その高原のただ中にある丘の上にあります。しばしば訪ねていた美しい山や市町村を、可能であれば訪ねたいと、ウンブリアからヴィッソへと続く道を車で行ったりしてみたのですが、あと数キロというところで、まだ通行止めになっていました。インターネットで調べてみても、なつかしい山や市町村には、まだ道路などが復旧されていないためか、行くことができないようです。シビッリーニ山脈は標高が高いため、ペルージャやミジャーナからでも、天気のいいときには、遠くに小さく見えるのですが、土曜はより近くから、いろいろな意味でヨーロッパのふるさととも言えるであろうシビッリーニ山脈を、被災地の早期の復興を願いながら、眺めました。

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 この写真は、昼食のパニーノを食べた場所近くの麦畑の前で撮影したものです。残念ながら、この麦畑では除草剤が使われているようで、ヒナゲシ(papavero)などの野の花は、畑の外にわずかに見えるばかりでしたが、カステッルッチョの高原では、例年、レンズマメなどの畑が、ヒナゲシの花で赤く、またヤグルマギクの花で青く染まる様子が、それは美しいのです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2017-05-31 23:40 | Umbria | Trackback | Comments(6)