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ミニメトロでペルージャ満喫

 数年前、ペルージャに新しい交通機関、ミニメトロ(il Minimetrò)が登場しました。
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 ミニメトロは、ペルージャの歴史的市街区(centro storico)の交通渋滞やスモッグを緩和する環境に優しい乗り物、通勤者や観光客の新たな足として、建造されました。1車両のみのミニ・モノレールで、遠隔操作によって運行されています。

 膨大な建設費の住民へのしわ寄せ、沿線住民の騒音への苦情など、議論や問題もまだ尽きないミニメトロですが、観光や留学のためにペルージャにいらっしゃる方には、非常に便利で、これを利用しない手はありません。
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ミニメトロ路線図(ペルージャ市発行の観光地図から)


 美しい中世の町並み、エトルリア門、国立美術館など、観光名所が無数にあるペルージャ歴史的市街区。ミニメトロの始発駅は、この市街区のピンチェット駅(Pincetto)です。ピンチェット駅から、鉄道のペルージャ駅があるフォンティヴェッジェ駅(Fontivegge)まで、約10分。

 そして、始発駅のピンチェット駅から、終着駅のピアン・ディ・マッシアーノ(Pian di Massiano)までは約15分。この終着駅には、無料の大駐車場があります。サッカーの試合が行われる競技場(stadio)や県警察本部(questura)は、この終着駅から歩いてすぐです。また、ピアン・ディ・マッシアーノ(Pian di Massiano)の大駐車場は、ペルージャ春の市や中世からの歴史ある「死者の市」などの大規模な市の会場となる上、毎週土曜日にも、終着駅から歩いてすぐの広場に土曜市が立ち、新鮮な野菜や生活用品、衣料品、ポルケッタやプシュット、チーズなどの食品の出店が数多く並んで、にぎわっています。

 どの駅でも、約2分30秒ごとに新しい車両が来るので、バスのように時刻を気にする必要がなく、また、バスや車と違って、交通渋滞に巻き込まれる心配がないので非常に便利です。

 そこで、今回は、このミニメトロの利用法をご紹介します。
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 上の写真で、大噴水とプリオーリ宮殿の左側を通っているのがペルージャの目抜き通り、ヴァンヌッチ通り(Corso Vannucci)です。このヴァンヌッチ通りを、大噴水からプリオーリ宮殿前へと歩いて行き、写真の左手に見える黄色い建物の手前にある通り、ファーニ通り(Via Fani)を左に曲がってください。

すると、すぐにマッテオッティ広場(Piazza Matteotti)に行き当たります。
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 尖頭アーチが二つ並んでいます。i のマークが見える、左側のアーチが、ペルージャ市観光案内所の入り口になっています。上記のミニメトロ路線図もある便利な市街区の地図や、美術館、催し物、ホテルやレストランの案内など、 便利な情報がたくさん入手できます。

 一方、ミニメトロの始発駅へは、この右側のアーチの下をくぐって行くことになります。(入り口は他にもいくつかあります。)
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 これが始発駅のピンチェット駅です。手前に赤く見えるのが切符(biglietto)の自動販売機。すべてのミニメトロの駅に、この自動販売機があります。
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 これが切符です。ペルージャ市内を走るapmのバスなどにも利用できる共通切符となっています。

 わたしは、郊外に住んでいて、バスやミニメトロをよく利用するため、上の写真にあるような10回利用できる切符(multiviaggio 10 corse)を使っています。ミニメトロ駅の自動販売機で買うと、上にあるような真っ白の切符、バス会社apmの切符販売所で買うと、下にあるような色つきの切符(利用できる回数によって色が違います)になります。

 1回利用の切符は、現在1ユーロ。使用開始から、70分までの間なら、同じ切符でそのまま、バスからバスへ、パスからミニメトロへなどと、乗り換えることができます。切符なしでバスに乗車して、運転手から購入すると、1.5ユーロと高くなりますので気をつけてください。そういうときに、小銭がないと、ひどく迷惑をかけることにもなります。一方、10回利用できる切符は8.60ユーロで、有効期間は利用開始から365日間です。観光客が24時間利用できる切符(turistico 24 ore)もあり、こちらは3.60ユーロです。(値段はすべて、2010年5月12日現在のものです。現在2012年2月には、すべての料金が値上がりしています。詳しくは記事の最後にある追記をご覧ください。)
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 切符を買ったら、自動改札機に切符を通します。(上の改札機は、コルトネーゼ駅のものです。)普段は閉じている透明な扉が開きますので、改札(刻印)されて出てきた切符を受け取ってから、扉を通り抜けて、駅の構内に入ります。

 改札(刻印)機は、バスの中にもあります。載ったらすぐに、刻印機を見つけて、刻印してください。ミニメトロ駅でも、バス内でも、刻印機に切符を通すと、切符の裏側に、利用開始年月日とその時刻が印刷されます。上の切符の写真のうち、右側にあるのが、切符の裏面の刻印された部分です。10回利用の切符なので刻印がいくつもありますが、1回の利用での刻印記録は1行です。バスに切符なし、あるいは切符を刻印せずに乗車すると、時折ある検札の際に無賃乗車とみなされて、罰金(現在、30.99ユーロ)を課されてしまいますので、ご注意ください。

 また、もちろんですが、刻印した切符を持っていないと、到着した駅から出ることができませんので、切符は最後まで所持してください。時々、いきなり車内アナウンスが入るので驚かれるかもしれませんが、たいていは、「切符は旅行中ずっと所持してください」、あるいは「手すりにきちんとつかまってください」と言っています。また、最初の刻印から70分以内に、ミニメトロで引き返す、あるいはapmのバスなどに乗り換える場合には、同じ切符を再度使うことができますので、念のために切符は大事に取っておくことをおすすめします。
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 ピンチェット駅から、大駐車場のあるクーパ駅(Cupa)までは、ずっとトンネルの中を通ります。ペルージャの町は高い丘の頂にあり、ミニメトロはその丘の中腹を突き抜ける形で、丘手前の中腹にあるピンチェット駅から、丘を反対側に突き抜ける直前にあるクーパ駅まで進むからです。

 クーパ駅を出てしばらくすると、ミニメトロはようやくトンネルから外に出ます(上の写真)。写真で、トンネルの上に見えるのは、ペルージャ中心部の町並みです。

 次の駅の名は、「カーセ・ブルチャーテ」(Case Bruciate)。これは地区名で、和訳すると「焼けた家々」で、少し物騒なのですが、高層マンションが立ち並ぶ住宅街です。
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 始発駅から約10分で、フォンティヴェッジェ駅(Fontivegge)に到着。
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 鉄道のペルージャ駅は、ミニメトロ駅から歩いてすぐ。上の写真では、右手に小さく、駅に停車している電車も見えます。
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 ミニメトロがフォンティヴェッジェ駅を発ってすぐに、車内から鉄道駅がかなりよく見える瞬間があります。上の写真で、前に電車が停車している黄色い建物がペルージャ駅です。駅のすぐ近くには、スーパーCOOPがあり、この店は同じCOOPでも中心街の店に比べて規模がかなり大きく品数が揃っている上に、値段も安いという印象があります。

 フォンティヴェッジェ(Fontivegge)は、実は地区名で、これがミニメトロや鉄道の駅名にもなっています。この地名は、駅の近くにある17世紀に築かれた噴水、ヴェッジョの噴水(Fonti di Veggio)に由来するものです。
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ヴェッジョの噴水(ペルージャ市発行の観光案内から)
 

 この噴水(fonte)は、当時この地域の所有者であったヴェッジョ(Veggio)の名を取って、ヴェッジョの噴水(Fonti di Veggio)と呼ばれ、その呼称がやがて地域一帯にまで押し広げられて、地域全体がフォンティヴェッジェ(Fontivegge)と呼ばれるようになったと、ペルージャ市発行の観光案内、『Camminanare per Fonti e Fontane』(噴水をたずね歩く)にあります。

(噴水と地名の説明および「ヴェッジョの噴水」の写真は、この案内パンフレットから引用しました。数年前に夫とヴェッジョの噴水付近を散歩したときに、初めて噴水を見、地名の由来を教えてもらったのですが、そのとき噴水の写真を撮ったかどうか覚えていません。)
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 ミニメトロがさらにフォンティヴェッジェ駅から離れると、背景に広がるペルージャ中心街の町並みが見渡せます。
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 役所や店の多い鉄道駅付近を通り過ぎると、レールはさらに下方へと下り、やがて大きく右に曲がります。それからは、高層マンションに遮られて、ペルージャの中心街が見えなくなってしまいます。

 この右カーブのあと、すぐに現れるのが次の駅、マドンナ・アルタ駅(Madonna Alta)。高層マンションに囲まれた住宅街のただ中にあります。

 この後、ミニメトロは再び短いトンネルに突入し、このトンネルを抜けてしばらく行くと、次のコルトネーゼ駅(Cortonese)が見えてきます。
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 駅名は、この付近を走る大通り、コルトネーゼ通り(Via Cortonese)に由来しています。ペルージャから、北北西の方向にあるコルトーナ(Cortona)の町へと向かっていく道筋にあるので、この名を持つそうです。コルトーナはトスカーナ州にある町で、ウンブリア州との州境にあります。レスキオに住んでいた頃は、ペルージャよりコルトーナの方が近かったので、わたしたちもよく訪れました。アメリカ映画、「トスカーナの休日」の舞台にもなっていて、この映画の中では、コルトーナの美しい中世の町並みや郊外の緑を十分に見て楽しむことができます。失恋したヒロインが心機一転のために渡伊し、さまざまな出来事や人々との交流を通して、少しずつ自分の人生を新しく切り開いていくというすてきな映画です。イタリア人男性が少しステレオタイプで描かれているのと、言語が英語なのが残念ですが、イタリアの雰囲気を味わうのにはうってつけだと思いますので、機会があれば、ぜひご覧ください。

 「コルトネーゼ通り」と聞いて、すぐわたしの脳裏をよぎるのは、この通りにあるペルージャ県警察本部(Questura di Perugia)です。現在は、ほとんどの滞在許可証の申請を郵便局を通じてするようになったようですが、受領は昔も今も、この県警察本部です。

 ちなみに、この記事の最初の写真は、このコルトネーゼ通りから一直線に、終着駅、ピアン・ディ・マッシアーノ(Pian di Massiano)に向かって伸びるレールを撮影したもので、写真で、レールの右側に生えている大きなポプラの木2本の間に垣間見える建物が、県警察本部です。

 上の写真でもお分かりのように、このミニメトロの最後の2駅は至近距離にあり、県警察本部はそのほぼ中間付近に位置しています。
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 終着駅の、ピアン・ディ・マッシアーノ(Pian di Massiano)が近づいてきました。駅の周囲には広大な駐車場が見えます。この駐車場は、現在は無料で使用できます。また、観光バスはここに駐車し、観光バスで訪れる観光客はここからミニメトロを使って、ペルージャ中心街を訪れることになっています。年に二度大きな市(冒頭参照)が立つときは、この駐車場が会場となりますし、毎週の土曜市もこのすぐ近くで開かれます。写真では見えませんが、この写真を撮ったとき、ミニメトロの車内からは右手に県警察本部が、そして左手にはサッカー競技場(stadio)が見えていました。どちらも終着駅から、歩いてすぐです。

 終着駅付近には、バールや美容室、眼鏡屋におもちゃ屋と、さまざまな店が並び、駅から少し歩くと、市民の健康のための散歩・ジョギングコースである緑のコース(Percorso verde)があります。「緑の」(verde)の名のとおり、緑の木々が生い茂る中を、大勢の老若男女が、楽しくおしゃべりしながら、あるいはストイックにひたすら速足で歩いたり、ジョギングしたりしています。

 ミニメトロに乗るのだけが目的でも、終着駅では一旦車内から降り駅の構内から出て、再び反対側にある入り口で改札をして乗り直すことが義務づけられていますので、ご注意ください。

 イタリア国内を車で旅行され、ペルージャに数時間滞在するという場合には、終着駅、ピアン・ディ・マッシアーノ駅の無料駐車場に車を置いて、ミニメトロで中心街を訪れた方が、渋滞に巻き込まれたり有料の駐車場の空室探しに難航したりしない上に、かえって安くつく場合があるかもしれません。原則として夜間は運行していませんので、乗車前に、駅入り口の案内やミニメトロのホームページで、運行時間をよく確認してください。

 皆さんも、ペルージャ訪問の際には、ぜひ一度このミニメトロを利用してみてください。

 最近は、観光客や修学旅行生が多く、車両がいっぱいになってしまうこともたまにあります。わたしはコルトネーゼ駅で一時間おきにしか出ないバスに乗り換えなければいけないので、満員でも仕方なく乗りますが、皆さんの場合は、旅行中などで時間があれば、こういう集団の旅行客がすべて乗車してしまうまで10分ほど待って、それから空いた車両に乗り込んで、ゆっくりとミニメトロ乗車を楽しむことが可能かと思います。普段はあまり利用客がいないので、通学ラッシュの朝8時および午後1時前後を除けば、満員になることはめったにありません。

追記(27/2/2012)
 現在では、ペルージャ市内のバス・ミニメトロの利用料金が値上がりし、1回利用の切符は1.50ユーロ、バスの車内で購入すると2ユーロ、10回利用できる切符が12.90ユーロとなっています。また、24時間乗り放題の観光客用切符も、5.40ユーロで販売されています。(詳しくはこちら

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-05-12 20:37 | Viaggi in Umbria | Comments(2)

雨の日の散歩 ~ ミジャーナからサン・ピエートロまで

 5月1日(土)の夜は、皆で楽しく語らいあったあと、真夜中頃に解散。友人たちは、オリーブの木々に囲まれた丘の中腹にテントを立て、わたしと夫は、現在改修計画中の家の一室にあるかなり古いベッドの上で、それぞれ寝袋を使って眠りました。
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 5月2日(日)は予報どおり1日天気が悪く、朝友人たちがテントを片づけている途中から小雨が降り始めました。草むらのここかしこに、美しいランの花が咲いています。上の写真では、草原の左端あたりに見えます。わたしたちがこの2日間にテッツィオ山で見た、それぞれに趣の異なる美しいランの花に興味のある方は、記事、「百花繚"蘭"」をご覧ください。
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 朝食はテーブルを二つ合わせて、15人全員で食べました。もちろんイタリア流の甘い朝食です。各自持ち寄ったパンやビスケット、ジャムなどが、テーブルに並んでいます。大人は、ほぼ全員がエスプレッソ・コーヒーを希望したため、直火式コーヒー沸かし器Moka(写真では、ティーポットの後ろ)を使って、次々にコーヒーを沸かしました。コーヒーにミルクをたっぷり入れて、カッフェッラッテ(caffellatte)にして飲む人もいれば、熱湯をたっぷり注いでカッフェ・ルンゴ(caffé lungo)にして飲む人もいます。
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 雨も降っているので、登山はあきらめ、ミジャーナと同じくテッツィオ山の中腹にあるサン・ピエートロ(San Pietro)という場所を、訪れることにしました。家を出発して、道を左に曲がるとすぐに、ミジャーナの町が現れます。中央にあり、鐘楼の見える建物が教会で、夫の伯父ドン・アンキーゼは長い間、このミジャーナの教会で牧師を努めました。その昔は200人近くも住民がいたミジャーナの町は、夫が成年を迎えるまでの間に急速に過疎化し、牧師の伯父と暮らしていた夫たちの家族がミジャーナを後にしたときには、もう一家族しか残っていませんでした。自然や静かな環境を求めて、再び人々が、わずかな人数ではあるものの、ミジャーナに来て暮らし始めたのはごく近年のことのようです。今、この教会は、病と闘う人々が暮らす場所となっています。

 ずっとこの一本道を歩いて、教会や町の家々の前を通り過ぎたところに、墓地(cimietero)があります。出発前、雨の中の散歩を嫌がる子供たちの興味をそそるために、フランコが「ミジャーナの町の近くに墓地があるよ。」と繰り返し言って聞かせたため、何がおもしろいのだか、子供たちはうれしそうに墓地の中に入り、あちこちを見て回ってなかなか墓地から出ようとしません。
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 墓地を通り過ぎると、道は緑の木々に囲まれます。そして、さらに歩いていくと、この緑色の鉄の扉が現れます。正面に見えるこの扉には、「(車は)進入禁止」の標識が見え、錠もかけてありますが、この扉の左側にはごく狭い通り道があり、人が一人ずつなら自由に出入りできるようになっています。
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 かつて、サン・ピエートロには、農業を営む家族が住んでいました。今は、狩りをする人々が猟犬を訓練するための場所として使われているのですが、幸い狩猟シーズンは終わり、雨も降っているので、猟犬に出くわす心配はありません。野バラやエニシダに囲まれた小道の右手にはオリーブ園があり、左手にはなだらかな緑の丘がどこまでも続いています。
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 野の花が美しく、とりわけ咲き始めたヒナゲシ(papavero)の鮮やかな真紅が目を引きます。昔は、どの麦畑でも、初夏にはたくさん咲いていて、緑と赤の対照が美しかったのに、近年では除草剤(diserbante)の使用によって、ヒナゲシが生えず、緑一色の麦畑が多くなったのが残念だとは、夫からしばしば聞いていました。野山を散歩すると、夏の間、その鮮やかな赤い色で目を喜ばせている花がわたしも大好きなのですが、今記事を書くために辞書を引いていて、初めてこのヒナゲシの別名が「虞美人草」だと知ってびっくりしました。

 「力山を抜き 気世を覆ふ
 時利あらず 騅逝かず
 騅逝かざるを 如何すべき
 虞や虞や 汝を如何せん」

 劉邦軍に囲まれて、「四面楚歌」の状態となり、項羽が我が身の不遇を嘆き、暗に愚美人に死を願う。この「垓下の歌」も、そのあと愚美人が自害したあとに生えたと言われるのが「虞美人草」だということも、12年間高校で国語を教えた間に、それこそ何度も繰り返し教えてきたというのに、その「虞美人草」を、自分がイタリアでしばしば目にしていたことに、まったく気がつきませんでした。確かに、このヒナゲシの花は、鮮血を思わせるような真紅の色をしています。

 司馬遼太郎さんの小説、『項羽と劉邦』の人間ドラマがおもしろくて、読みながら物語の中にぐんぐん引き込まれていったことも懐かしく思い起こしました。
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 雨の中を皆で歩いて、崩れかかった住宅が数軒建つサン・ピエートロの中心までやって来ました。さらに道を進んでいけば、前日にテッツィオ山から、はるか下方に眺めることができた小さな湖(laghetto)があります。

 子供たちは湖まで行きたがったのですが、柵からここまでは下り坂が続いていたため、帰りはずっと坂を登らなければいけません。それに、湖の近くは草が高く生い茂っているため、雨の日に歩くと、足元がずぶ濡れになってしまいます。そこで、子供たちを説得し、来た道を引き返すことにしました。

 上の写真の右手に、崩れかけた家の壁の上辺が、緑の草に覆われている部分があります。その部分を撮影したのが下の写真です。
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 天井も壁も崩れつつある家の戸口やテラスを、自然に生えた青草が覆っていて、うら寂れた風情があります。
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 このキンポウゲ(ranuncolo)も、春先に野山でよく見かける花です。ペルージャ郊外に住むわたしたちの家の近くの道端にも生えているし、かつて住んでいたレスキオの森の中には、ここかしこに、このキンポウゲやワスレナグサ(nontiscordardimè)の花が群れをなして咲いていました。

 サン・ピエートロには、他にも、ラン、orchidea scimmiaが道端に美しく咲いていた上、野生のアスパラガスも見つかり、咲き初めた野バラの花が可憐だったのですが、そうした野の植物の写真は、また別の機会を見て、ご紹介するつもりです。

 帰り道は、右手になだらかな丘陵、左手にオリーブ園を見ながら、長い坂をゆっくりと登って、サン・ピエートロの入り口である鉄の扉まで到着。 
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 そのあとミジャーナの町までの道は幸い平坦で、緑に囲まれています。上の写真は、道端に見つけたスイカズラ(caprifoglio)の花です。ちょうど桃色のつぼみが開いて、純白の花を咲かせ始めたところ。このスイカズラもテッツィオ山のあちこちに自生していて、散歩中に美しい花で目を楽しませてくれます。

 ずっと道を進んで行き、ミジャーナの町中に入る手前に、野生のアスパラガスがここかしこに生えている草むらがありました。エミリア・ロマーニャの友人たちは摘み立てのアスパラガスをそのまま口にして、「おいしい」と喜んでいます。紫色と緑色のアスパラガスは、料理すると味に違いがないのですが、生で食べると、さわやかな苦味があっさりとおいしいのは紫色の方だけです。緑色のものは生では苦味が強すぎるので、やはり料理したほうがおいしくいただけるような気がします。夫も、「料理した方が断然おいしい」と言いながら、めざとくアスパラガスを見つけては、摘んでいきます。
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 写真中央に見えるのは、ミジャーナの町の給水場(fontana)です。水道がまだ通っていなかった頃には、町で唯一清水を供給できる場所であったために、女たちが家庭で必要な水を汲むために、たらいを持っては給水場を訪れていたそうです。また、左側の一段下がった石造りの部分は、洗濯をするための水槽であり、女たちは、ここで洗濯をするために、洗濯物を持っては、やはり給水場に来ていました。夫は幼い頃、そうやって水を汲みに行く母に同行したときのことをよく覚えていて、「町中の女性が、皆集まる場所だったんだ。」と懐かしそうに語ってくれます。

 ミジャーナの町のほぼ中央にあるこの給水場の少し手前、上の写真の右端にあるアヤメ(iris)の花は、遠い昔に近所の住民が植えたものが、今は人の手を借りずに自然に育って、花を咲かせているのだ、と夫は言います。
 
 ちょうどわたしたちが、この給水場のあたりを通りかかった頃に、正午を告げる鐘の音が聞こえてきました。幸い、雨も降りやんだようです。

 一行は、まもなく家に到着。散歩に行きたくないという子供たちがいたため、家に残ったロージーが、子供たちと一緒にすでに昼食の用意を始めてくれていました。

 散歩から帰ったわたしたちも、さっそく準備に取りかかりました。
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 昼食のメインは、今が旬たけなわの野生のアスパラガスの卵とじです。この日は、夫自ら腕をふるって料理しました。先週、お義父さんがテッツィオ山の一つ目の十字架まで登って収獲した両手に抱えきれないほどのアスパラガスと、我が家の鶏たちが産んだ新鮮な生卵23個を使って、ルーカが持参してくれた大きな大きな鍋で料理。

 友人たちの大半は、野生のアスパラガスがあまり育たない地域に住んでいます。そのため、ペルージャ生まれペルージャ育ちのルイージやルーカが、この2日間の散歩中、皆に野生のアスパラガスを見つける方法を教えたりもしていました。野生のアスパラガスやその卵とじを、初めて食べた人も大勢いて、皆おいしいと大喜びでした。
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 前夜、炭火で焼いた肉が残っていた上に、ハムやサラダ、ゆで卵などもテーブルに並んでいたので、全員ほしいものを好きなだけ食べることができました。

 わたしたちが昼食の後片づけをしている間に、友人たちは荷物をまとめて、出発の準備を始めました。
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 幸い雨がやんでいたので、その後は、皆で前庭に集い、思い思いにおしゃべりをしたり、子供たちと遊んだり。双眼鏡をのぞいているマヌエーラは、きっと前日の登山中に訪れた、一つ目の十字架(la Prima Croce)を見ているのでしょう。
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 カンフーを始めて4年になるというブランドが、流麗な型を披露してくれました。エミリア・ロマーニャ州のチャンピオン(campione)というだけあってみごとなもので、大人も子供も感嘆の思いで見守っていました。あとで、他の子供たちも真似しようと試みていましたが、やはりそう簡単にうまくできるようなものではありません。
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 今回、ミジャーナを訪れた子供たち全員とロージー。うち二人がロージーの子供です。一番手前にいるエリーアはまだ小さいのに、この日の朝、みごとにサン・ピエートロまでの彼にとっては長い道のりを歩き通しました。お母さんのシルヴィアも息子の大達成と成長ぶりを見て、大満足。

 やがて、再び雨が降り始めたためもあり、またエミリア・ロマーニャまで帰るにはアッペンニーニ山脈を越えて車で2時間半と遠いため、友人たちは午後3時ごろに旅立ちました。

 みんな、楽しい週末をありがとう。 
Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-05-07 01:06 | Viaggi in Umbria | Comments(1)

Monte Tezio I - verso Le Tre Croci

Questo fine settimana si sono riuniti a Perugia i camminatori che avevano partecipato al pellegrinaggio alla Verna nell'ottobre scorso.
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Molti dei pellegrini sono romagnoli. Sabato 1 maggio, attraversando gli Appennini questa volta con la macchina, sono arrivati a Migiana di Monte Tezio, un piccolo paesino sul versante del Monte Tezio nel quale è cresciuto mio marito. Dopo saluti e baci siamo partiti per una nuova avventura verso le 15.50.

Partenza: Migiana di Monte Tezio
Destinazione: Le Tre Crocidi di Monte Tezio

Il Monte Tezio (961m) si trova a circa 10 km a nord di Perugia e la sua forma si assomiglia alla schiena del cammello con due gobbe. La Seconda Croce e la Terza Croce si trovano vicino alla cima di ciascuna gobba del monte, mentre la Prima Croce si situa un po' più giù, sopra il paese di Migiana.

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A volte camminando su un sentiero largo e panoramico, a volte immergendoci nei fitti alberi verdi, salivamo sempre di più sul Monte Tezio.
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Siamo arrivati alla Prima Croce. Le due cime sono ancora lontane, ma il panorama era meraviglioso; potevamo vedere colline e montagne verdi fino all'orizzonte e sotto i nostri occhi si vedevano sparsi i paesi e i campi. Ci siamo riposati un po' per riprendere forza dopo una salita lunga e faticosa, ammirando il panorama fantastico.
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Questo è ciò che si vede guardando giù dalla Prima Croce. A destra si vedono raggruppate diverse abitazioni di Migiana. Siamo partiti dal piazzale in mezzo agli olivi, salendo verso il Castello di Procopio (a sinistra). Passati accanto all'antico castello in ristrutturazione, abbiamo continuato a salire tra gli alberi fino a qui, alla Prima Croce.
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Il sentiero è rallegrato dai fiori bellissimi di orchidee. Si trovano tantissime orchidee lungo il sentiero e sul versante del monte. Porpora, rosa, viola, crema - i colori sono molto variegati e pure le forme e i disegni dei petali.
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Ogni tanto ci imbattevamo in gruppi di orchidee bellissime. Così incoraggiati dalla bellezza dei fiori e dei paesaggi, proseguivamo la salita.

Chi raccoglie gli asparagi selvatici trovandoli con gli occhi allenati, chi scatta le foto ogniqualvolta che si incontrava con qualcosa che colpisce gli occhi, chi cerca funghi ...
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Finalmente siamo alla Seconda Croce. Ormai il castello si vede piccolissimo. Appare anche un bellissimo laghetto, finora nascosto, a sinistra.
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Anche tre bambini hanno camminato fino alla Seconda Croce, vincendo una grande sfida. Di nuovo ci riposiamo godendo del panorama mozzafiato.

Alla Seconda Croce i bambini hanno preso la strada di ritorno accompagnati dai genitori.

Erano verso le 18.00. Avevamo già camminato due ore e saremmo tornati a casa molto tardi, se fossimo andati fino alla Terza Croce. La metà di noi, però, ha voluto proseguire la strada.
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La Terza Croce si trova vicino alla cima dell'altra gobba del Monte Tezio. La Seconda Croce e la Terza Croce sono collegate da un sentiero senza molto dislivello, ma sono lontanissime tra di loro. Continuavamo a camminare per un sentiero panoramico con i piedi stanchi.
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Finalmente siamo arrivati alla nostra meta, la Terza Croce verso le 18.45. La salita è stata dura e lunga, ma ci appagavano i paesaggi bellissimi che ci circondavano.

In lontananza si vedeva anche la città di Perugia, pur nella foschia, in cima alla collina (a sinistra della foto) .

Dopo aver ammirato il panorama bellissimo, abbiamo incominciato a scendere giù e giù verso casa.

Poiché Franco era desideroso di rivedere il Grande Tiglio, Luigi ed io l'abbiamo accompagnato deviando dalla strada di ritorno e siamo scesi giù su un versante assai ripido, rischiando di cadere e scivolare ogni tanto.
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Ecco il Grande Tiglio, l'albero antico che si erge nascosto in mezzo al bosco.
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Entrando nel bosco abbiamo camminato tra gli alberi verdi. Lungo il sentiero c'erano tanti luoghi coperti di bellissimi fiori di ciclamino.

Siamo arrivati alla casa di Migiana verso le 20.00, appena prima del tramonto.

A casa era già iniziata la preparazione della cena. Ringraziando gli amici già al lavoro, siamo messi a tavola.
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La carne e le salsicce si cuocevano alla griglia in un camino. Se ne occupava Franco, esperto della cucina alla griglia.
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Chi taglia la focaccia con il rosmarino fatta a mano da Luigi è Simona, maestra di aikido.
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Dopo tanto tempo abbiamo rivisto gli amici dell'Emilia Romagna. Ottima carne distribuita, le chiacchierate piacevoli e il fuoco del camino rallegravano ancora di più la gioia della serata trascorsa insieme agli amici.

La passeggiata sul Monte Tezio è durata quattro ore e per me non è stata affatto facile. Tuttavia, quanto è stato bello condividere la cena, diverse notizie e le risate con un bicchiere di vino dopo l'avventura faticosa ma bellissima fatta insieme.

Anche il giorno dopo, domenica 2 maggio abbiamo fatto una passeggiata sotto la pioggia. Di questo parlerò nei prossimi giorni.

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-05-03 13:00 | Viaggi in Umbria | Comments(0)

テッツィオ山登頂

 この週末、5月1日(土)から5月2日(日)にかけては、昨秋ラヴェルナへの巡礼の旅(詳しくはこちら)を共にした仲間の大勢が、エミリア・ロマーニャ州からやって来て、ペルージャに集合。
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 初日は、あいさつを交わした後、午後4時前から、ミジャーナの家(上の写真)を出発して、テッツィオ山(Monte Tezio)を登ることにしました。
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 時には広い散歩道を歩き、時には緑の木々をかき分けながら、皆で上へ上へと登って行きます。
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 テッツィオ山には、山頂付近に建てられた大きな十字架(croce)が三つあります。まずは最初の目的地である一つ目の十字架に到着。まだまだ頂上は遠いのですが、はるか彼方まで緑の山々を見晴らし、あちこちに散らばる町や畑も見下ろせて、眺めは最高です。登り道がずっと続いて大変だったので、美しい景色を堪能しながらしばらく休憩。
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 こちらが、一つ目の十字架近くからすぐ下を見下ろすと目に入る風景です。右手に見える家々が連なっているところが、夫が生まれ育ったミジャーナの町。

 わたしたちは今回、一番手前にある住宅群から左側に見える古城目指して進み、さらに古城の横を通り過ぎて、ここまでひたすら山道を登ってきたのです。
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 山道のここかしこに美しいランの花が咲いています。赤紫色のものが一番多いのですが、よく見るとランの色や花びらの形が少しずつ微妙に違っているのがわかります。
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 クリーム色のランが群れをなして咲いているところも、時々見かけました。こうして辛く苦しいのぼり道を、美しい風景や花々に励まされながら進んでいきました。

 目ざとく野性のアスパラガスを見つけては、摘んでいる人もいます。
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 ようやく二つ目の十字架に到着。古城がもうこんなに小さく見えます。また、これまでは見えなかった湖も姿を現しました。
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 子供たち3人もよく頑張って、ここまできちんと歩いてくることができました。すばらしいパノラマを楽しみながら、疲れた足をゆっくり休めます。

 子供たちは、二つ目の十字架まで登った後、両親に伴われて山を下ることになりました。午後6時5分前。

 すでに2時間も山を登ってきているし、三つ目の十字架まで行って下山すると帰宅が午後8時頃になることが予想されます。それでもメンバーの半分は、せっかくだからと三つ目の十字架を目指してさらに歩いて行くことにしました。
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 テッツィオ山は、フタコブラクダの背中のような形をしており、二つのコブの間にあたる部分は若干の上り下りはあるものの、ほぼ同じ高さです。二つ目の十字架はちょうどその一つのコブの頂付近にありますそして三つ目の十字架があるのは別のコブのやはり山頂付近。というわけで、高度差こそあまりないものの、かなり長い距離を疲れた足でひたすら歩き続けることになります。
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 ようやく三つ目の十字架に到着。ここからも、また峰を歩いている途中にも、四方の景色が非常に美しく、大変ではありましたが、ここまで歩いてきてよかった、と満足。霞がかかっていはいますが、写真の左手にある山の緑の斜面の横にうっすらと見えるのは、丘の頂にあるペルージャの町並みです。時間は、午後6時45分。

 パノラマを十分に堪能してから、今度は別の道を通ってひたすら山を下りて行きます。
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 フランコがぜひ見たいというので、わたしと夫も一緒に3人で少し帰り道から外れて、急斜面をすべりながら下って見に行ったのが、この菩提樹(tiglio)の巨木です。
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 森の中に入り、緑の木々の間を歩いて下っていると、山の斜面いっぱいに小さなシクラメンの花が咲いているところが、あちこちにありました。

 ようやく出発地点のミジャーナの家にたどり着いたのは、ちょうど午後8時ごろ。日が暮れる直前のことでした。

 ありがたいことに、登山には最初から参加しなかった小さい子供たちやそのお母さんたち、そして先に下山したメンバーがすでにかなり夕食の支度を進めてくれていました。

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 暖炉に薪と木炭をくべ、網に肉(carne)やサルシッチャ(salsiccia)を載せて、じっくりと焼き上げていきます。担当はピザも魚も、炭火で焼くのが名人の域に入ったフランコ。
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 ルイージ手作りのローズマリー風味のフォカッチャ(focaccia)を切り分けているのはシモーナ。合気道の先生で、日本文化に興味津々です。
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 特に、エミリア・ロマーニャから来た友人たちとは本当に久しぶりに再会しました。絶妙な焼き加減を見て、フランコが配ってくれる焼肉をおいしくほおばり、皆が持ち寄ったワインを味わいながら、楽しくおしゃべり。暖炉の火がその陽気さをますます盛り上げてくれます。

 4時間にわたったテッツィオ山登り。登山は大変でしたが、見晴らしも野の花も美しく、そのあとで皆で共有するおしゃべりや食事のおいしいこと。

 翌日日曜日に、雨の中でした散歩については、また次回お話するつもりです。

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by milletti_naoko | 2010-05-02 23:50 | Viaggi in Umbria | Comments(0)

外国人大学と町並みを訪ねて

 今回は、ペルージャ外国人大学の学舎をペルージャの町並みの写真と共にご紹介します。世界各国から来た生徒たちがイタリア語を学ぼうと語学講座に通い、イタリア人を中心とする学生たちが、国際社会での活躍を目指して大学の課程に通う、この外国人大学の学び舎は、実は、芸術的・観光的な魅力も非常に高いのですが、このことはあまり知られていません。

 大学に通っていても、その魅力と恩恵に気づかない学生がいることや、わたし自身も、せわしなく過ごしていると、ついその美しさに感動する心を忘れてしまうことが残念です。
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 これが、Palazzo Gallenga(ガッレンガ校舎/ガッレンガ宮殿)。語学講座に通う学生が、最初に入学手続きをする事務室(segreteria)や主要な式典や行事が催される講堂(aula magna)があるのはこちらです。イタリア語のPalazzoは、「貴族などの住む館や宮殿」も意味すれば、「住居や公共施設などの大きな建築物」(たとえばマンションとかビル)も意味します。

Palazzo Gallengaの場合、このpalazzoという言葉は、本来は貴族の館であったことを考えると「宮殿」と訳せますが、現在は大学の建物として使われていることに着目すると「校舎」になります。

 かつて貴族の館であったために、語学講座や大学課程の授業が行われる教室(aula)も、壁に大きな絵画があったり、装飾模様を施した布が貼られていたりする場合があります。そうした教室では、
、机や椅子、そして扉が、木に美しい装飾絵画を施したものであり、照明は豪華なアンティークのシャンデリアです。廊下の絵画を注意深く見ると、秘密の扉や隠し階段への入り口が見つかったりもします。

 また、4階のテラスは、校舎の周囲360度を取り囲んでいます。このテラスからは、ペルージャの町並みや遠くの山々を見晴らすことができ、その眺めが本当にすばらしいのです。
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 そして、大学正面から、向かってすぐ右手に、道路を挟んで見えるのが、このエトルリア門(Arco Etrusco)。エトルリア人が紀元3世紀に建造したこの壮大な門は、今もペルージャの中心街へと登っていく坂道の入り口に、そびえ立っています。2千年以上も昔に、巨大な石の塊を見事な計算を尽くして積み重ねでできた荘重な門。エトルリア人がこうして積み重ねた石は、現在もこの門の右側に続く壁や住宅の下方に認めることができ、町を取り囲む城壁も、エトルリア壁(mura etrusche)と言える部分があちこちにあります。

 さて、このガッレンガ校舎とエトルリア門から、ペルージャの町の中心街(Centro)に行くには、三つの方法があります。最も距離が短く時間がかからないのは、エトルリア門の下をくぐって、なだらかな坂道を登って行く道です。けれども、見晴らしがすばらしいのは、門のすぐ右側を車道に沿って歩いて行く石畳の歩道(下の写真は、この道からのパノラマです)、あるいは、門のすぐ左側にある急な階段をひたすら歩いて登って行く道なのです。
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 写真の右側、上方にはペルージャの町の城壁とその上に建てられた家が見えるのですが、この城壁の下の方の白い部分もエトルリア人が石を積み上げて築いたものです。城壁の左側に見えるのは、もちろんガッレンガ校舎。ガッレンガ校舎とエトルリア門に挟まれた道路を、エトルリア門の右手に続く城壁に沿って登って行くと、見えるのがこの風景です。

 下方に見える細い道のようなものは送水路(acquedotto)。中世に、清水が湧き出る近隣の高い丘から、ペルージャの中心街に作られた大噴水(Fontana Maggiore)まで水を運び込むために、築かれたものです。この送水路の上は、整備されたすてきな遊歩道になっています。家々の間を、見晴らしを楽しんだり、近所の家の庭を上から覗き込んだりしながら、石畳の美しい道を通っていくこの送水路の散歩もおすすめです。
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 けれども、そもそもペルージャの町自体か非常に高い丘の上にあるために、噴水まで水を運ぶ事業は失敗を繰り返したとか。大噴水に施された彫刻も美しく、上方の女性像は若さ・成熟・老いを表す三つの顔を持ち、中央の十二角形にはそれぞれの頂点にカトリック教や町にとって重要な人物の彫像が配置され、下段の白い大理石の部分には、柱で仕切られた長方形の中に、十二の月をそれぞれ象徴する彫刻やさまざまな職業・学問を表す彫刻で飾られています。

 今回の町や美術の説明は、ほとんどがElvio Lunghi先生の説明の受け売りです。ペルージャ外国人大学で、まだ語学講座に通っていた頃(もう7年前になります)、中世イタリア美術の授業を担当するルンギ先生は、しばしば学生たちをペルージャの町の中心街や美術館、送水路、教会やアッシジまで連れ出して、町や教会の中にある美術作品について、冗談も交えながら、詳しく説明してくださいました。

 たとえば、この大噴水についても、歴史や芸術的意義について真面目に説明したあとで、「ペルージャの大噴水は高い柵に囲まれているから、人間には近づけず、水を飲めるのは鳩だけです。柵の先端が尖っているのは、鳩を食べようというペルージャ人のたくらみかもしれませんね。」などと冗談を言っていました。

 そうです。ペルージャの人は鳩(piccione)を食べるのです。食用の鳩はそのために飼育されたものであり、町で見かける鳩とは種が異なり、大きさもかなり小さいものです。小さい鳥が丸ごとお皿の上に載っているのを見るのはいたたまれなくて、わたしはまだ鳩は食べる気になれません。ウサギ(coniglio)は時々義母が料理したものをいただくので食べ慣れましたが、それでも、料理をする気にはなれません。残酷と言えば、どの動物も同じことで、鶏だってウサギだって、基本的に義母が料理するのは我が家で飼育しているものでもあるのですが……
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 話を変えて、今度はガッレンガ校舎から、エトルリア門のすぐ左手にある急な階段を登って行く道についてお話したいと思います。上の写真で、ガッレンガ校舎の前から手前に向けて伸びている茶色の部分が、歩行者用の階段になっています。上から撮影したので分かりにくいのですが、この階段は急傾斜で、歩くのにはかなり厳しい心臓破りの階段です。
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 けれども、少し上に登ると、緑の山々の上に連なる城壁や四方に伸びるペルージャの町並みが見えて、眺めが本当に美しいのです。高い位置にいるために、真下に目をやると、家々の壁の間に木や花に覆われた緑の庭が広がっているのも見ることができます。階段の壁に心ない落書きがあるのが残念。
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 まだまだ登り道が続きます。上の写真で、建物がある場所、木の下に学校遠足の児童たちが集っている場所まで、歩いて登らなければいけません。(写真には見えませんが)この建物の正面に、市立図書館があり、学生生活を送っていた頃は、本を借りたり勉強したり、インターネットを利用したりするために、ガッレンガ校舎と図書館の間を往復することがよくありました。距離が最短であるために、この階段を登ることが多かったのですが、暑い夏は図書館にたどり着く前にすっかり汗だくになってしまい、遠回りでもなだらかな道(エトルリア門の下を通る道)を選べばよかったとよく後悔したものです。
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 あと少しで、階段も終わり。ここまで来ると、再び下方にガッレンガ校舎が見えます。美しい町並みの向こうには緑のなだらかな丘が見えるのですが、その丘のさらに後方にうっすらと見える山、フタコブラクダのこぶのような形をした山が、これまでも何度かお話したテッツィオ山(Monte Tezio)です。

 観光にペルージャにいらっしゃる方には、中心街からエトルリア門まで降りるときには、この階段を下り、再び中心街に戻るときには、エトルリア門の右手にあるなだらかな坂道を登って、美しいパノラマや町並み(上から3枚目の写真)を楽しみながら歩かれることをおすすめします。

 ペルージャの町はただでさえ坂や階段、歩くところが多いので、この心臓破りの階段で疲れてしまうと、あとが大変だと思うからです。

 さて、ガッレンガ校舎とペルージャの中心街を結ぶ道が、いかに眺めの美しいものであるかを述べてきたのですが、ここで、話を元に戻して、ペルージャ外国人大学の他の校舎も見てみましょう。
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 こちらはPalazzina Valitutti。「授業風景」の記事には、雨の日に正面から撮影した写真を載せましたが、今日は斜め横から撮ってみました。写真の奥の方に見える修復中の塔は、聖ドメニコ教会のものです。歴史ある教会で、修道院もあり、今なお修道士たち(monaci、単数形はmonaco)が祈りに捧げる日々を送っています。写真の右側手前の部分に、今日もわたしが授業をした教室があります。この教室内で、先週の授業中に学生たちをとった写真も、やはり「授業風景」の記事にあります。写真でお分かりのように、朝の授業では教室に日が当たらないので、わたしのほうから学生たちに、日本語で、「電気をつけましょうか。」、「電気をつけてください。」と言って、「~ましょうか」、「~てください」という表現の復習をするのにも役立ちます。
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 左手に見えるのはPalazzina Valitutti。この1階に、いつもお世話になっている語学助手の先生方の研究室(Sala del Lettorato)があります。日本語だけではなく、スペイン語や英語、アラビア語の先生方も皆利用するため、落ち着いた雰囲気ではないときもたまにあります。そして、この校舎の2階に、大学や語学講座に通う学生たちがコンピュータやインターネットを利用できる情報処理室(Sala informatica)があり、何十台ものコンピュータが学生に無料で開放されています。教室もいくつかあり、つい最近になってPalazzina Valituttiが完成するまでは、わたしの授業はここ、あるいはPalazzo Gallengaで行っていました。

 写真の右手に見えるのが食堂(mensa)です。学生たちが手軽にバランスのとれた食事をとれる場所で、セルフサービスで、いくつかあるメニューや組み合わせの中から、自分の食べたいものを選んでいきます。値段は安いし、栄養のバランスも取れ、何より便利ではやいのですが、味はまずまず、といったところです。

 校舎の右手で、赤紫色の鮮やかな花を咲かせている木は、セイヨウハナズオウ。イタリア語では、albero di Giudaと呼ばれ、これは「ユダの木」という意味です。弟子でありながらイエス・キリストを裏切ったユダ(イタリア語で「Giuda」)がキリストの死後に悔恨の情に襲われて、この木の下で自ら首をくくって死んだという俗信から来る名前のようです。
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 最後になりましたが、これがPalazzina Prosciutti。イタリア語の入門・初級の授業はほとんどがこの校舎で行われるようです。教育実習のために、わたしもここで授業観察をさせていただきました。世界各国からさまざまな年齢層の学生がイタリア語を学習しに来ています。

 この近年は、伊中両政府が協力して実施中のマルコ・ポーロプログラムのために、中国人学生が毎年イタリアの大学に多数留学しています。ペルージャ外国人大学は、そうした中国人学生たちが、まずイタリア語の力を十分につけるための語学講座も開設しています。このプログラムを利用して他の大学に入学する前に当学に来る中国人学生の数があまりにも多い上、イタリア語学習は中国人学生にとってはとりわけ難しく、他言語を母国語とする人以上の困難があるために、現在こうした学生に対しては、彼ら専用の授業を、レベルによってクラス分けをした上で実施しています。

 校舎の奥の方、手前に見える1階建ての小さい建物はバール(bar)です。コーヒーなどの飲み物を頼んだり、菓子パンやサンドイッチなどを買って食べたりできるので便利です。

 今日はとても天気がよかったので、授業が終わってから、うれしそうにあちこちで写真を撮影していたら、帰りのバスに乗り遅れてしまい、昼食の支度が遅くなってしまったのでありました。

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by milletti_naoko | 2010-04-30 19:30 | Umbria | Comments(5)

アグリトゥリズモ、Preggio

 先週4月20日(火)に、プレッジョ(Preggio)郊外にある豊かな緑に囲まれた美しいアグリトゥリズモ、Agriturismo Preggioを訪れました。(ホームページはこちらです。)
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 プレッジョは石造りの町並みの美しい小さな町です。ペルージャ中心街から、車で北に30分ほど。新緑の鮮やかな麦畑や咲きほこる菜の花畑の間を通り抜け、さらに連なる緑の丘の峰を走る道路をしばらく進み、松林を通り抜けたあたりに、さらに一際高い丘があります。プレッジョの町は、この丘の上にあります。
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 ペルージャからプレッジョまでの道路は、オリーブ園に囲まれた丘の坂道を登り始めたあたりから、トラジメーノ湖(Lago Trasimeno)や山々、下方に広がる平地を見晴らすことのできる絶好のドライブ・コースでもあります。

 今回、このアグリトゥリズモのある農場(azienda agricola)、Preggioを訪れたのは、夫が養蜂の講習を受けたときに、経営者のエーレナと知り合ったからです。エーレナもご主人のブルーノもイタリア北部の出身なのですが、北部の人の波や喧騒に耐えられず、自然の中に暮らし、大地の恵みを生かして働くことを志してウンブリア州、プレッジョの田舎に、農場を開きました。
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 わたしの夫の母の家族は、プレッジョの町のさらに北方、車で10分ほど行ったところにあるレスキオ(Reschio)という村の出身です。レスキオはウンブリアとトスカーナの州境に位置し、緑の丘や森、田園に囲まれたそれは美しい場所で、実はかつてわたしは夫と二人で、1年余りこのレスキオで暮らしたことがあります。その1年ほどの間は、夫の母が生まれ育った家に住んだのですが、今は人手に渡ってしまったこの家では、水道の蛇口から水が出るものの、それが井戸の水なので節約の必要があったり、暖房は薪をくべる旧式のストーブと暖炉しかなくて冬は仕事が多い上に寒かったり、最も近い店が車で10分ほど行ったところだったりと、生活はなかなか大変でした。けれども、ナイチンゲール(usignolo)の歌声が聞こえたり、春には野の花の咲き誇る森の中の道を散歩したり、夏には静かに広がる畑の中で夫と二人で舞い踊る蛍(lucciola)の光を眺めたり、すてきな思い出もたくさん残っています。

 そういうわけで、近くに住んでいた上に、夫の親友も住んでいるため、プレッジョを訪れることはしばしばありました。にも関わらず、この農場が、緑に囲まれ、見晴らしのいい、非常に美しい場所にあるため、わたしたちも、すっかり農場に魅了されてしまいました。

 養蜂に興味のある夫のために、エーレナはわたしたちをミツバチの巣箱(arnia)まで案内してくれました。鶏やアヒルたちがのどかに闊歩する道を通り抜け、可憐な白い花の美しいリンゴ並木の下を通って、巣箱の前に到着。
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写真のリンゴの木は我が家のものです。農場にはカメラなしで行ったのが残念。


 それから、畑や果樹園についても、有機農業(agricoltura biologica)での企業を志す夫のために、エーレナは畑を回りながら、自分たちがどんなふうに作物を育てているかを詳しく説明してくれました。

 オリーブ・オイル(olio d’oliva)が健康によいことは近年日本でもよく知られているようで、Wikipedia日本語版の「オリーブ・オイル」の項にも、「健康とオリーブ・オイル」について、詳しい説明があります。

 中でも最良とされるのが、エキストラ・バージンのオリーブ・オイル(olio extravergine d’oliva)。そして、さらにその中で、最高級とみなされるのがDOP (Denominazione d’Origine Protetta、「保護を受けた原産地呼称」)を有するものです。 Wikipedia日本語版「DOP」の説明にあるように、DOPは、「伝統的食材に対し、品質管理と産品保護のため地域を指定した上、基準をみたすものにのみ特定原産地の名称を付して販売することを許可する制度」によって、外部機関から厳しいチェックを受けて合格した、本当に優れたごく限られた食材だけに認められるものです。

 イタリアで生産されるオリーブ・オイルは無数にありますが、このDOPを有するエキストラ・バージンのオリーブ・オイルは、イタリアにも数えるほどしか存在しません。(その一覧表は、こちらのページでご覧になれます。)

 ウンブリア州で、DOPを誇るエキストラ・バージンのオリーブ・オイルは、その名も「Umbria」で、その原産地として記述されているのはColli del Trasimeno、「トラジメーノ湖の丘陵」です。
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 このウンブリア州が誇るl’olio DOP “Umbra”については、トラジメーノ湖およびその周辺のミニ観光ガイド、『Trasimeno 2010』(上の写真)にも、もちろん説明があります。

 農場Preggioは、家族経営の零細企業でありながら、品質と有機栽培にこだわり、見事このl’olio DOP “Umbra”の生産許可を獲得し、最高級のエキストラ・バージンのオリーブ・オイルを生産しているのです。
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 イタリア政府の農業食糧林産資源省が発行するオンライン雑誌、『AGRICOLTURA ITALIANA』(イタリアの農業)の昨年12月号には、「Regali di Natale? olio d’oliva made in Italy」という記事があります。題を訳すと、「クリスマス・プレゼント? (おすすめは、)イタリア産オリーブ・オイル」。この記事は、「贈り物を選ぶ際には、卓越した品だと公的に認められたDOPやIGPのものを選びましょう」と締めくくられているのですが、「卓越したDOP商品」の例として、この記事の写真に選ばれたのは、この農場Preggioが生産するl’olio DOP “Umbra”なのです。皆さんも、記事と写真をこちらからご確認ください。
 
 残念ながら、農場のShopping On Lineでは、現在はイタリア国内向けにしか販売を行っていないのですが、日本のオンライン・ショップで売られている他のDOPの商品と比べると、かなり良心的でお得な値段(750ml入り、16ユーロ)で販売されています。他の商品にはなんと3倍やそれ以上の価格で売られているものもありますから……。

 実際、Wikipedia日本語版の「オリーブ・オイル」の項にも、「最高級クラスのオリーブ・オイルのほとんどは手搾りなので、入手困難な稀少品である。しかしこの事は日本ではあまり知られていない。最高級クラスのオリーブ・オイルの生産者は零細な農家ばかりで、プラント化と大量生産が可能な業者がいないからである。」とありますが、この家族経営の農場Preggio も、まさにそうした生産者であり、上質なものを有機栽培で、じっくり手がけて作るために、生産量が限られているのです。

 原産地域も生産方法もきちんと管理・保証された農場Preggioが生産する 最高級のl’olio DOP “Umbra”。日本へも、たとえばオリーブ・オイルを愛好するグループやレストラン、卸業者などで一定量の注文があれば発送も考えるとのことですし、イタリア国内にお住みの方やペルージャ周辺を旅行で訪れる方にはおすすめです。輸出となると関税や送料・保険料で値段が高くなるとは思いますが、現在はちょうど今年9月に消費期限が切れてしまう在庫もあるため、特にこうした品についてはさらなる割引も可能とのことです。新鮮なオリーブ・オイルは開けたらできるだけ早く使い切る必要がありますし、我が家では揚げ物意外はすべてオリーブ・オイルを使っていますので、1か月に1本は楽に消費してしまいます。ちなみに、義母は揚げ物にもすべてオリーブ・オイルを使っています。
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  このl’olio DOP “Umbra”については、観光ガイド、『トラジメーノ湖2010』の34ページ(上の写真)に、「particolarmente indicato per tutte le pietanze delicate e per il pesce」(特に、あっさりとした風味の料理や魚料理におすすめです)とありますので、日本料理にもうってつけではないかと思います。わたし個人は、日本料理も(時には揚げ物まで)オリーブ・オイルで料理して食べるのに慣れてしまいましたので、あまり断言ができませんが、生での使用にも炒め料理にも、健康に最良なのはエキストラ・バージンのオリーブ・オイルですから、多少オリーブの風味に癖があっても、できればオリーブ・オイルを使われることをおすすめします。

 日本からイタリアを訪れるのに、仕事の都合などで、日程が限られていて、慌しく各地を回らなければいけない方が多いのはよく承知しています。ローマ、フィレンツェ、ヴェネッツィアなどの町並みや美術館、風景をぜひ見たいと考えて、忙しく移動する方も多いことでしょう。

 ただ、日本でも最近は、slow tourism、ゆっくりと楽しむ旅を楽しまれる方が増えてきたと、トスカーナ州が発行していた観光動向か何かで読みました。熟年の方や定年退職された方で、時間にも経済的にも余裕のある方が多いようです。

 そういう大人の旅をじっくり味わいたい方にとっては、このAgriturismo Preggioでの滞在はうってつけだと思います。
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 優しい緑と美しい景色に囲まれてゆっくりと安らぎ、自家生産の蜂蜜・野菜・穀物、手作りのパン・パスタ、最高級のオリーブ・オイルを使った伝統料理を味わうことができるからです。

 車でいらっしゃる方には、アカデミー賞も受賞したベニーニの傑作、『ライフ・イズ・ビューティフル』の舞台となった中世の町並みが美しいアレッツォ(Arezzzo)の町やトラジメーノ湖もすぐ近くなのですが、車なしでも、せわしく移動することなく美しい自然の中で、散歩を楽しんだり、大地の恵みをおいしい伝統料理で味わったりしたいという方にはおすすめです。

 エレーナもブルーナも自分たちが人混みや喧騒から逃げ出して来たために、「たくさん客を泊めて収入を上げること」よりも、「もし満室になっても互いの存在が煩わしくなく、ゆったり過ごせる静かな落ち着いた空間を提供すること」を重視しています。そして、イタリアの法律で定められた公共施設の屋内での禁煙に加えて、このアグリトゥリズモでは、屋外も全域が禁煙です。
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 本当に健康にいいこと、自分たちが納得のいく質のいいものを提供することに専念しているのは、オリーブ・オイルやワインなどの生産物だけでなく、部屋(大きくゆったりしたバブル・バスのある部屋もあります!)や希望すれば食べられる昼食・夕食も同じ。

 わたしと夫は、二人だけで、あるいは友人たちと共に、イタリア各地のアグトゥリズモで食事をしたり、宿泊したりすることも多いのですが、実は、アグリトゥリズモとは名ばかりで、耕地や果樹園が木の剪定や果実の収獲もせずに放ったらかしで、単に緑の自然には囲まれているものの、農業活動はまったくしていないか、していても形だけのところがたくさんあります。そうした中で、この農場Preggioは、伝統の味と技術を守ろうとして、真剣にかつ愛情を持って、農作業に取り組む人々によって経営されています。

 美しい自然の中で、本物のアグリトゥリズムで、一味違う乙な休暇を過ごしてみたいという方は、ぜひ宿泊、あるいは自家製のオリーブ・オイルやパスタの購入のために立ち寄ってみてください。
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 わたしの夫自身が目指す農業が、やはり伝統や自然を大切にしたものなので、この農場訪問ではかなり啓発・刺激を受けて、「自分も頑張らなければ」と思ったようです。実は夫がうちの野菜畑で育てているトマトなどの野菜も、イタリア伝統の、従来の純粋な品種を種から育てたものです。そして、その種は、「イタリアの食と農業の伝統である在来品種を絶やさず、後世に受け継ぐべく努めよう」とする農業家から、譲り受けたものです。

 最近流行のトマトと比べると皮が厚く種の多いものもあれば、病気にも弱いのでしょうが、生でサラダとして食べても、パスタのソースに使っても、コクのある甘さが本当においしいので、夫もわたしも昨年は大喜びで、お義母さんも時々味を試しては、おいしいと言っていました。(我が家の野菜畑には、お義父さんが市場で買ってきて育てている一般に出回っているトマトも各種あり、数もはるかに多いのです。)

 ブルーノから、つい最近「日本から宿泊の予約が入ったよ」と電話で聞きました。Agriturismo Preggioの英語版ホームページを見て、特にレストランで食べられる自家生産の品々を使ったおいしい伝統料理に魅かれたからということです。「手作りのパスタを食べられるなら、そのパスタ作りを自分も学びたい」という日本人旅行者の方の希望にも応じたとのことです。

 交通には不便なので、今のところイタリア国内やヨーロッパから車で訪れる客が圧倒的に多いとのことですが、至近の鉄道の駅、パッシンニャーノ(Passignano)までは車で送迎サービスも可能だそうです。上記の日本の方も、フィレンツェから鉄道で到着するのを車で出迎えに行く予定だとか。

 興味のある方は、ぜひAgriturismo Preggioのホームページ(イタリア語)をご覧ください。英語ページもあります。イタリア語を勉強中の方は、Prezzi e Prenotazioni(値段と予約)Cosa produciamo(農場で生産しているもの)など、興味のあるリンク先をクリックすると、イタリア語のいい勉強にもなります。

 日本からオリーブ・オイルの注文をぜひしてみたいという方は、もし一定の数以上の希望があり、送料・手数料や税金で価格が高くなってもいいからということであれば、サイト上にある農場の連絡先に直接ご連絡ください。

 英語もイタリア語も苦手だという場合には、わたしの方で仲介の努力もいたします。こちらにメールアドレスがありますので、ご連絡ください。ある程度希望者が募れば、ブルーノたちも日本への輸出を真剣に考慮するかもしれません。売ることや宣伝することより、もっぱら質の高いものを作って提供し、質の高い生き方をすることにばかり関心の高い二人なのではありますが……

 何となく宣伝めいた記事になってしまいましたが、とてもすてきな農場を見つけたので、もし「そんなアグリトゥリズモを探していた」という人がいたら、価値あるものを提供する人と価値あるものを求める人の架け橋になれたらという気持ちになったからだけのことです。それが気に障ったという方がいたら、失礼いたしました。

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by milletti_naoko | 2010-04-29 07:55 | Viaggi in Umbria | Comments(4)

トラジメーノ湖、ポルヴェーセ島の散歩

 4月3日(土)は朝からとても天気がいいので、午後から夫と二人で散歩を楽しむことにしました。
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 ウンブリア州で、私も夫も大好きな場所の一つに、トラジメーノ湖(Lago Trasimeno)があります。緑の丘に囲まれた広大な湖は、その湖水が日光や空の色の加減によって、淡い水色、濃紺、そして穏やかな緑色とさまざまに色を変えるのですが、高速道路で近くを通りかかってもはっきりと見えて、美しい風景が心を慰めてくれます。

 トラジメーノ湖には島(isola)が三つあり、その名もIsola Minore、Isola Maggiore、そしてIsola Polvese。Isola Minoreは個人の所有する島で訪ねることができないのですが、Isola MaggioreとIsola Polveseは、小型フェリーで訪れることが可能です。
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 さて、今日は、ペルージャから車で30分ほど行ったところにあるSan Felicianoの町に車を置き、港からフェリー(traghetto)でポルヴェーセ島(Isola Polvese)に向かいました。

 船の旅はわずか10分間。沿岸や遠景の山々が美しく、島に近づくに従って、さまざまな水鳥の姿が見え、また鳴き声が聞こえてきます。暖かい日差しの中、私たちは3時ごろから6時まで、緑に囲まれた島の散歩を存分に楽しみました。
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 まずは、湖岸に沿って、打ち寄せる湖の波の音を聞きながら、1時間ほどかけて島を歩いて1周しました。そして、バールでアイスクリームを食べて一休みしてから、島の中部にある小高い丘を登りました。オリーブ園に松林、そして、そこかしこに咲いている色とりどりの野の花が美しく、また野生のアスパラガスもところどころにすっくりと伸びていました。

 小さい島なので、歩いていてもほとんどの場所から穏やかな美しい湖が目に入り、優しい木々や野の緑と共に、心を穏やかにし、またはずませてくれます。どこを歩いていても、朗らかな鳥のさえずりが快い音楽を奏でています。最近は特に仕事の方が慌しく、ストレスのたまることも多かったので、たくさん歩いて足は疲れましたが、すてきな心の休養になりました。
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     夕暮れのトラジメーノ湖(Monte Tezio山頂から、2009年7月に撮影。)

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by milletti_naoko | 2010-04-03 23:41 | Umbria | Comments(0)