カテゴリ:Umbria( 375 )

夕焼けのトラジメーノ湖

 傾いていく太陽と雲が、トラジメーノ湖(Lago Trasimeno)に映る様子が美しいので、思わず写真に収めました。

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 蘇軾が詩で称えた西湖のように、ウンブリア州の西に位置するトラジメーノ湖もまた、晴れた日だけでなく、雨の日、そして曇った日にも、それぞれの美しさで魅せてくれます。

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 写真は昨年10月18日に、ペルージャの西方にある湖畔の村、サン・フェリチャーノ(San Feliciano)で撮影したものです。

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 右手に見える緑の島は、湖に浮かぶ3島のうち、最も大きいポルヴェーゼ島(Isola Polvese)です。夏の間は、ポルヴェーゼ島へ、サン・フェリチャーノからフェリーで行くことができます。自然の美しい島はわたしたちお気に入りの散歩場所です。

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 こちらは、この日初めて訪れた村、モンテ・デル・ラーゴ(Monte del Lago)です。地名をあえて訳すと、「湖の山、湖畔の山」。車で通りかかったとき、石造りの建物に覆われた小高い丘が湖に突き出している様子が美しかったので、訪ねてみることにしました。

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 駐車場は湖畔にあります。夕陽が湖を少しずつ紅に染めていきます。

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 中心街へと登る階段を一歩、また一歩と登って行きます。奥の方、左手にマッジョーレ島(Isola Maggiore)、右手にミノーレ島(Isola Minore)が見えます。

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 湖畔に近い部分では、湖やオリーブ園の眺めが美しく、上に登ってくと、今度は石造りの町並みに風情があります。

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 沈みゆく日はやがて、石壁も赤く染めていきます。

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「人は悲しいと、夕日が見たくなる」と、星の王子さまが言っていますが、わたしの夫は、悲しいときに限らず、夕日を見るのがとても好きです。

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 おかげで、さまざまな場所からの美しい夕日を、わたしも眺めることができました。沈んでいく夕日には、いつも二人でこうあいさつします。

「さようなら。今日の日をありがとう。また明日も、どうかよろしく。」

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Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-10-06 15:56 | Viaggi in Umbria | Comments(0)

アンゴラうさぎとカンナーラ午後の散歩

 アンゴラうさぎの毛をニット製品に利用することを思いついたのが、ルイーザ・スパニョーリ(Luisa Spagnoli)であり、彼女が、ペルージーナ社の創業者であると同時に、バーチ・チョコレートの産みの親でもあることは、以前にもお話しました。(詳しくはこちら)ただ、わたしは、つい最近まで、アンゴラうさぎが一体どういう風貌をしているのかを知りませんでした。

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 それが、9月14日火曜日に、初めて、このアンゴラうさぎの写真を見ることができました。夫とCIA(イタリア農業者連合)の支部に出かけたときに、部屋の壁に、世界中のうさぎの写真のポスターが、貼ってあったからです。

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 ちなみに、こういうポスターが農業連合会に貼ってあるのは、イタリアではウサギ(coniglio)を食用として育てるからです。(日本では食べないけれども、ペルージャで食べる動物については、こちら

 ふかふかで柔らかそうな毛並みは想像したとおりでしたが、写真写りが悪いのか、モデルの問題か、思い描いていた姿とかなり違っていたのでびっくりしました。

 夫が農業連合での用事を終えたあと、先日玉ネギ祭り(記事はこちら)で訪れたカンナーラ村を、日の光のもとで散歩することにしました。

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 ペルージャから車でカンナーラに近づくと、道路の左手にアッシジの町が見えます。横に長い台形のような形をしたスバージオ山のふもと近くに見える白い部分に、アッシジの美しい町並みがあります。夫によると、聖フランチェスコは、このアッシジのスバージオ山とペルージャのテッツィオ山(記事はこちら)が双子の兄弟(gemelli)だと語ったということです。

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 車を駐車し、トピーノ川(fiume Topino)を渡って、カンナーラ(Cannara)村の中心街へと向かいます。

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 わたしたちが玉ネギ尽くしの夕食を堪能したレストラン・ブースは、この石壁の内側に、設置されていました。石畳の道や外灯に、風情があります。石壁の中をのぞくと、レストラン・ブースは今年のお役目を終了したものの、まだテントが設営されたままで、子供たちが何人か、テーブルの間を走り回って遊んでいます。

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 村の中心にある美しい教会。祭りのときには、出店やコンサート、大勢の人々でにぎわっていた教会前の広場も、今は人がまばらで、ひっそりとしています。

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 こちらは夫が撮影した街角の写真です。4階建ての家の屋根近くまで、高く生い茂っている緑は、なんとジャスミン(gelsomino)です。

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 こんな風に、さりげなく壁に飾られた花たちが、優しい空間を作り出しています。

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 ふと見上げると、しっぽが太くふさふさとした猫が、わたしたちをじっと見つめています。

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 夕日が傾き始め、石壁に温かい色の光を投げかけています。

 アッシジ、スペッロ、フォリンニョなど、近くに美しい町が多いので、近くを何度も素通りしてしまっていたのですが、玉ネギ祭りをきっかけに、また一つすてきな村を見つけることができました。

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by milletti_naoko | 2010-09-20 17:02 | Viaggi in Umbria | Comments(2)

アグリトゥリズモの夕宴

 農場を営む夫妻、エーレナとブルーノから、7月7日、夕食に招待されました。この農場・アグリトゥリズモ、プレッジョ(Preggio)は、以前にもご紹介したように(記事はこちら)、ペルージャ北方の村、プレッジョにあります。

 緑の丘に囲まれたアグリトゥリズモに到着すると、エーレナが愛犬たちと共に、わたしたちを迎えてくれました。
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 さっそく農場内をいろいろと案内してくれたのですが、見ていてとにかく微笑ましかったのは、卵からかえったばかりのヒヨコたちです。
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 小さくかわいいヒヨコたちは、母親が歩き出せば、列をなしてしずしずと後についていき、母親が立ち止まれば、一斉に止まって、辺りをキョロキョロと見回します。この「刷り込み現象」は、遠い昔に生物の授業で習いましたが、こうやって振る舞う小鳥たちを見るのがこんなに楽しいとは思いも寄りませんでした。
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 写真左手前にはローズマリーがあり、その奥にオリーブの木々が並んでいます。のんびりとくつろぐ犬たちの右手奥には、ブドウ畑が広がっています。
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  敷地内には、ミツバチの巣箱もあります。そもそもわたしの夫がエーレナと知り合ったのは、今年の春に同じ養蜂の講習会に参加したからです。
 
 今回、エーレナがわたしたちを招待してくれたのは、夫が彼女にトマトと花の苗をたくさん贈ったお礼です。

 夫がかつて会員であったCiviltà Contadina(「農民文化」と訳せるでしょうか)という協会は、イタリアに伝統的に栽培されてきた農作物を、次の世代に伝えていくことを目標の一つに掲げており、そのために、希望する会員がいれば、そうした農作物の種を無料で配布しています。この在来種のトマトを、夫が種から育てたものを、昨年の夏に食べたのですが、パスタに使うトマト・ソースにすると、ほどよい甘みとコクのある非常においしいソースができ、生で食べても、味わいが深くて、それはおいしかったのを覚えています。
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右にあるのが、この従来種のトマトです。撮影は昨年8月。今年はまだ熟していません。

 見かけが少し不恰好で、さらに最近の品種に比べて病気に弱いこともあって、最近はこの伝統的な従来のトマトが姿を消しつつあるのだと思うのですが、夫は、エーレナが有機農業を志していることを知って、昨年収獲したトマトの種から育てた苗を50本ほど贈ったのです。この日の晩、エーレナは譲り受けたトマトの苗すべてを植えつけた畑も案内してくれました。
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 いよいよ夕食です。ワインは、ウンブリア州自慢のグレケット(Grechetto)。イタリア北部出身で味にうるさいブルーノと質にこだわるエーレナが選んだだけあって、さわやかでおいしかったです。
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 前菜には、プレッジョ産のサラミソーセージ、そして、ペコリーノチーズにソラマメのクリームを添えたものをいただきました。
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 プリモは、エーレナ手作りのラザーニャ。目にも留まらぬ速さで、次々と皿に盛りつけていきます。エーレナは、今年8月に滞在を予約した日本人女性から、料理講習を頼まれていて、引き受けたのはいいけれど、英語で大丈夫だろうかと、ひどく心配しています。英語とイタリア語しか説明のないサイトを見て申し込んだくらいだから、英語でも大丈夫なはずだと、励ましました。
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 セコンドの肉料理も、付け合わせのズッキーニと玉ネギも、味がしっかり素材に染み込んでいて、おいしくいただきました。今回は友人として招かれたので、エーレナ自身が腕をふるってくれましたが、アグリトゥリズモに宿泊する場合には、料理を専門に担当する女性が、夕食を支度することになります。

 一つひとつの部屋の設備も豪勢なため、わたしたちから見ると、宿泊費が非常に高いのですが、エーレナによると、夕食に関しては、希望する宿泊客全員に提供していると、現在の料金ではむしろ赤字になってしまうので、今年いっぱい様子を見てから、来年以降どうするかを考えたいということでした。イタリア各地で、アグリトゥリズモやホテルに泊まってみると、規模の小さいところでは、夕食は週末やイベントのある日のみ、あるいは客の人数が多いときのみというところも多く、他の日には、近所のおいしいレストランを紹介してくれることも多かったのは、そういう事情があるからか、と思い至りました。
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 これはエーレナが、すべての仕事を法に則り、税金もきちんと払った上で、客においしく質の高い食材を提供し、料理人にも相応の給料を払おうとしているためでもあります。アグリトゥリズモやホテルの経営者の中には、エーレナと同じように、質のよいサービスを法に則って客に提供しようとする人も多い一方、残念ながら、ふつうの家庭料理と大差ない素朴な夕食を法外な値段で提供するアグリトゥリズモもあれば、客に領収書を渡さない、つまり、本来払うべき税金をごまかそうとするような宿の主人もいます。

 最近は、地方料理をうたう店でも、経営者や給仕がその地方出身ではなかったり、イタリア人ではなかったりということも、増えてきた気がします。ただし、今月旅行していて思ったのですが、外国から来た料理人の方が地元のコックよりも、よっぽどおいしい地元料理を作る場合もあるので、皆さんも、イタリアを旅行する際には、料理人や給仕の国籍や出身地に目くじらを立てないようにしてくださいね。
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 最後のデザートは、わたしの夫手製の、パイナップルとココナツのティラミスです。マスカルポーネの代わりに、クリームに生クリームを少々加えてあり、ビスケットにはパイナップルの果汁がたっぷり染み込んでいます。さわやかな夏の味がおいしく、エーレナとブルーノも喜んで食べていました。

 こうして、おいしいものを味わいながら、皆でおしゃべりを楽しむうちに、夜が更けていきました。

 上の写真にはブルーノ、エーレナとわたしだけで、撮影した夫が写っていないこともあり、ティラミス作成中の夫の真剣な姿をご披露して、締めくくりとします。
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by milletti_naoko | 2010-07-23 23:27 | Viaggi in Umbria | Comments(0)

ピザと教会と音楽と

 イタリアでは年間を通じて、食や音楽・芸術などに関する催しが各地で行われますが、特に夏になると、村祭り(sagra)やコンサートなどの開催が目白押しになります。

 ペルージャやその近辺でも、夏は有料・無料のコンサートが多く、昨日7月3日土曜日は、教会にオーケストラを聴きに出かけました。

 コンサート会場は、サン・ドメーニコ教会。「パノラマ鳥瞰」の記事(リンクはこちら)でもご紹介したように、この写真の左手にある鐘楼を修復中の教会です。ちなみに、写真中央よりやや右、奥の方に小さく細長い鐘楼が見えるのは、サン・ピエートロ教会で、サン・ドメーニコ教会同様に、歴史の古い美しい教会です。

 一方、こちらは、昨夜のコンサートの前に、サン・ドメーニコ教会(Basilica di San Domenico)を、正面から撮影したものです。
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 午後9時15分から、オランダのオーケストラ、VU-Orkestの無料コンサートがあり、バーンスタインやガーシュインなどの音楽を披露してくれました。
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 メロディーの美しい曲や陽気な曲もあり、久しぶりにオーケストラの演奏を生で楽しむことができました。こうしたコンサートの情報は、観光案内所にチラシが置いてある上に、開催地近辺の掲示板にも貼り出してあります。

 催し物の情報は、インターネット上にもあります。たとえば今回のコンサートは「若手合唱団・オーケストラ国際フェスティバル2010、Musica dal mondo」の一環として行われたのですが、8月末まで続くこの音楽祭や7月9日から始まるウンブリア・ジャズのプログラムは、現在、ペルージャ市のウェブページ(リンクはこちら)からダウンロードすることができます。このウェブページには、他にも講演や各地の村祭り、美術展の案内もあります。

 コンサートの前に、会場に近いピザ屋で、夕食にピザを食べました。
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 ナポリ風の生地の厚いピザがおいしい、このピザ屋、ポンペイ(Pizzeria Pompei)は、上の写真の左側、日よけ・雨よけのためのオレンジ色のオーニングがある店です。ペルージャ中心街のはずれにあり、ちょうど最初の写真でご紹介した二つの教会、サン・ドメーニコとサン・ピエートロを結ぶ道路沿い、しかもそのほぼ中間地点にあります。写真の奥には、サン・ピエートロ教会の鐘楼が見えています。
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 夫の好きなピザ屋の一つで、わたしが昨日頼んだゴルゴンゾーラ・チーズとクルミのピザ(上の写真)もおいしかったです。一風変わった映画を上映することの多いCinema Zenithに近いので、この映画館で映画を見る前、あるいはその後に、ここでピザを食べることが、たまにあります。
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 わたしが座った席の横にはポンペイの遺跡の壁画らしき絵がありました。店内は、ナポリやその周辺に関連する絵や写真で、飾られています。テーブルの上には、ナポリ名物のデザート、ババ(babà)があります。ラム酒に浸されたこのデザート、夫も大好きなのですが、昨日注文したのはルーカでした。

 さて、中心街のはずれとは言え、上のピザ屋の写真を見れば、道路の両脇に隙間なく路上駐車されているのがお分かりかと思います。そのため、Zenithで映画を見るときやポンペイでピザを食べるときは、サン・ピエートロ教会の近くの路上、または教会の駐車場まで行って、そこに駐車することになります。
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 昨夜も、ピザを食べる前に、車をサン・ピエートロ教会(Chiesa di San Pietro)に駐車しました。有名な芸術作品の多い教会を訪れようと、境内に入ったのですが、残念ながら、教会は閉まっていました。
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 それでも教会の扉の横にある古い壁画は見ることができました。というわけで、この日の晩は、おいしいものを味わっただけでなく、美術・音楽の作品も楽しめて、とても充実したときを過ごすことができました。

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by milletti_naoko | 2010-07-04 21:50 | Viaggi in Umbria | Comments(2)

パノラマ鳥瞰

 こちらは、ペルージャ中心街からのパノラマです。
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 よく晴れた日には、遠くの山の中腹にアッシジの町並みが見え、さらにはるか彼方にはシビッリーニ山を見渡すことのできるとても眺めのいい場所です。

 「鳥瞰」と言っても、ここでは、辞書どおり「空飛ぶ鳥が上から見下ろしている」という意味ではありません。塀の上をよくご覧になると、鳥が1羽いるのが見えますが、この鳥が眺めを楽しんでいる、と言いたかったのです。
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 このツグミ(merlo)、他の鳥たちが木々の間で戯れたり、歩道の上に観光客の落とすパンくずに群れたりする中で、1羽孤高に、感慨にふけりながら風景に眺め入っているように見えます。

 次の写真は、ツグミのやや左側に見えた風景です。
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 左側に見えて、鐘楼を修復中の教会は、サン・ドメーニコ教会(Chiesa di San Domenico)で、回廊(chiostro)が美しかったのを、ぼんやりと覚えています。

 写真の中央よりやや右手、奥の方に小さく見える細長い鐘楼は、サン・ピエートロ教会(Chiesa di San Pietro)です。歴史の非常に古い教会で、内部には、ペルジーノ(Perugino)、ラッファエッロ(Raffaello)、ヴァザーリ(Vasari)など、著名な芸術家の作品が多数あります。

 さて、この見晴らしの美しい場所にはどうすればたどり着けるのかというと、ペルージャの観光案内所があるマッテオッティ広場(詳しくはこちら)から、まずはイタリア広場に向かって、バッリョーニ通り(Via Baglioni)を進みます。
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 しばらく歩くと、すぐに上の写真にあるイタリア広場(Piazza Italia)が右手に見えます。お疲れの場合は、しばらくベンチに腰を下ろしてゆっくり休まれてもいいでしょう。銅像は、1861年のイタリア統一時の国王、エマヌエーレ・ヴィットーリオ2世のものです。

 まだ体力に余裕のある場合は、イタリア広場に立ち寄らず、来た道を突き当たり付近までずっと進んでください。
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 美しい眺望を遠方まで270度見晴らせるこの場所まで、たどり着けるはずです。

 では、残りの90度の眺めはどうかというと、これは次の写真に収めてあります。
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 右に見える道路の奥の方が、バッリョーニ通り。左に見える緑は、カルドゥッチ庭園(Giardini Carducci)です。
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 地元の人や観光客などが、緑の木陰を散歩したり、ベンチでおしゃべりをしたり、休んだりしています。外国人大学の語学・文化コースに通っていた頃、この庭園に来て勉強をするのが好きだという友人もいました。まもなく始まるウンブリア・ジャズでは、この庭園もコンサート会場の一つになります。

 引き続き、ペルージャのパノラマを楽しむ散歩を続けましょう。マッテオッティ広場から、バッリョーニ通りをまっすぐ進み、イタリア広場を右に通り過ぎて、突き当たったところを右に曲がって、下って行くと見えるのが、次の風景です。
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 右手に見えるのはカルドゥッチ庭園、左側には、ペルージャのこれまでとは違う方面のパノラマが見えてきます。
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 中央に見える鐘楼は、サント・スピーリト教会(Chiesa di Santo Spirito)のものです。この方面では、道のすぐ下方に赤い屋根の家々が見える上、遠くの丘や山も見晴らすことができます。

 このまま道を下って曲がり角まで行くと、別の新しい方面のペルージャのパノラマを楽しむことができます。今の季節には、空や家々の間を飛び交うアマツバメたちがたくさん見え、また、西に向かっているため、夕日がそれは美しいので、まだわたしが学生生活を送って、ペルージャの中心街に住んでいる頃には、夫とよく散歩した場所の一つです。

 今回の写真を撮影したのは、実は去る4月30日です。この日は、正午に大学の授業を終えたあと、帰宅前に、バスの待ち時間を利用して撮影をしたため、この曲がり角まで行く時間はなく、上の写真の地点まで歩いてから、引き返しました。
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 さて、冒頭のツグミですが、眺めをゆっくり楽しんでいる傍らで、わたしがいい写真を撮ろうと周囲をうろうろするのが、気になったのか、一度後ろを振り返りました。

 首をかたげた様子がなんとも愛らしく思えましたので、最後はこの写真で締めくくることにします。
Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-07-02 20:00 | Viaggi in Umbria | Comments(0)

コルチャーノ合唱祭 ~名画と名唱を楽しむ夕べ

 6月5日土曜日、午後6時半から、石畳の町並みが美しいコルチャーノ(Corciano)の町で、コルチャーノ市と市の合唱団、コラーレ・テティウム(Corale Tetium)共催のコルチャーノ合唱祭が行われました。
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 こちらが、今年で創立25周年を迎えたコラーレ・テティウムが合唱している様子です。教会音楽を中心とする古今の多声音楽に加えて、ウンブリアやその周辺地域の住民の文化や生活感も色濃い民謡など、レパートリーが広く、イタリア各地、時には海外からも招待を受けて、名唱を披露しています。

 ラテン語、イタリア語から方言まで、歌詞の言語もさまざまで、男女混成四部合唱のハーモニーの美しさが際立ち、胸を打ちます。指揮者であるマエストロ、アントーニオ・ズマッキ(Antonio Smacchi)率いるこの合唱団のコンサートに、わたしが6年前からほぼ欠かさず参加しているのは、実は、夫のルイージと彼の弟パオロが、合唱団の創立メンバーであり、25年間ズマッキ氏と協力して、合唱団を盛り上げ、歌い続けてきているから、という個人的な理由もあります。
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 コルチャーノ合唱祭は、毎年6月の第一土曜日に催され、今回が第17回。会場は、コルチャーノの町の中心にあるサンタ・マリーア教会です。
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 14世紀に建てられたこの教会の見所は、何と言っても、あのラッファエッロが師と仰いだ巨匠、ペルジーノ(Perugino)の祭壇画(pala d'altare)です。
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 この祭壇画には、美しく温かい色使いで、聖母マリアが、十二使徒に見守られながら昇天する様子が描かれています。

 今年のコルチャーノ合唱祭は、当日朝の新聞、『LA NAZIONE』の地方版でも、写真入りで、詳しく紹介されていました。
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 さて、定刻を少し過ぎてから、合唱祭が始まりました。まずは、コラーレ・テティウムの団長(presidente)、サーラとコルチャーノ市側からのあいさつ。コルチャーノ合唱祭では、例年、イタリア国内から、評判の高い合唱団を二つ招待して、町の人々が様々な名唱を楽しめる機会を提供しています。最初は、招待した側のコラーレ・テティウムが、あいさつと歓迎も兼ねて、美しい合唱曲を2曲披露します。(記事の最初の写真)

 合唱団名は、メンバーが練習や活動に励む地域にそびえるテッツィオ山(Monte Tezio)のラテン語名、Tetiumに由来しています。
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Polifonica Pievese (Città della Pieve)

 最初に、みごとな合唱で耳を楽しませてくれたのは、チッタ・デッラ・ピエーヴェの合唱団、ポリフォーニカ・ピエヴェーセ。やはり歴史の長い合唱団で、迫力のある歌声が心に響きました。指揮は、ジュゼッペ・ダンジェロ(Giuseppe D'Angelo)。謡ったのはすべて、1900年代に作曲された新しい歌ばかりで、特に心に残ったのは、「Shema'」(Marco Frisina、1954)という歌で、男性および女性の独唱が美しく、かつ合唱とみごとに融合していました。
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Gruppo Corale S. Cecilia (Cortona)

 続いて壇上にのぼったのは、コルトーナのサンタ・チェチーリア合唱団。こちらは、打って代わって、グレゴリオ聖歌やヴィヴァルディ、ペロージの作品など、伝統的な歴史の長い合唱曲ばかりを扱っていました。わたしが心を打たれたのは、「Jesu Rex admirabilis」という作品の合唱です。実は、このサンタ・チェチーリア合唱団も、ちょうど今年25周年を迎えたということで、歴史が長く、歌を愛して歌い続けている人の多い様子が、ハーモニーの美しさからもうかがえました。
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 それぞれの合唱団が7、8曲ずつ、歌を披露しました。会場が教会であるためもあり、すべて教会音楽ですが、時代は古今にわたり、世界各国の合唱曲が歌われていて、内容は多岐にわたっていました。無伴奏で混声合唱の美しさを聞かせる歌が多かったのですが、いくつかはオルガンの演奏を伴うものもありました。聴衆も、名画の前で歌われる美しい歌の数々に、感動しながら、聞き入っていました。
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 合唱がすべて終了すると、まずは招待者側からの感謝の言葉とあいさつ。続いて、今回招かれたチッタ・デッラ・ピエーヴェとコルトーナの合唱団の代表者のあいさつ。それから、記念品の交換。記念品は、町の旅行ガイドだったり、自分たちの合唱を収録したCDだったりしました。

 聴衆からの温かい拍手と共に、音楽祭が終了しました。

 この後、合唱団のメンバーおよびその家族は、サンタ・マリーア教会を後にして、1キロメートルほど離れたパーティー会場へと向かいました。
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 教会正面の左手も、家の造りが美しい上に、テラスからの眺めがいいので、ぜひ訪れてみてください。コルチャーノの町は高台にあるため、遠くの山々や下方に広がる田園風景を見晴らすことができます。
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 中世の町並みが美しいので、歩くのも楽しく、苦になりません。(ただし、この写真は、コンサート前に、教会に向かって歩いて行く途中に撮ったものです。)
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 こちらは、立食パーティーの会場です。コラーレ・テティウムのメンバーおよびその家族が作ったさまざまな料理やデザートが会場のテーブルの上に並んでいます。人数が多いので、皆先を争って、これはと思う料理を、自分の皿に載せながらテーブルの周りを回っています。ルイージ分の料理としては、わたしが巻きずしを作りました。パオロのためには、お義母さんが、自慢のパイを焼きました。
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 おいしそうな手作りのデザートが、テーブルにたくさん並んでいます。皆が食事に殺到している間に撮影しました。
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 メインの食事が終わると、皆一斉にデザートのテーブルの前に並びます。今回は、招待した合唱団が25、6人と大人数であったため、いつもは余って困ってしまう料理もデザートもほとんど残りませんでした。今回はデザートはあきらめていたのですが、幸い、それはおいしいイチゴのデザートを食べることができました。
 
 当日の合唱や日頃の活動について、食事をしながら談笑したり、礼を述べたりして、接待の立食パーティーも終了。皆で協力して、会場を片づけ、あいさつをして、満足しながら、帰途につきました。
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by milletti_naoko | 2010-06-07 14:30 | Viaggi in Umbria | Comments(0)

ペルージャ大冒険 ~アルトゥーロ旋風(2)

 トンネルに突入したミニメトロは、やがて終点、ピンチェット駅に到着しました。ミニメトロ初乗車にすっかり満足したアルトゥーロ(記事はこちら)は、車両から出たあとも、しばらく感嘆のまなざしで、ミニメトロを見つめ続けていました。
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 丘の中腹にあるピンチェット駅から、頂上にあるペルージャ中心街までは、エスカレータあるいはエレベータで登ることができます。ガラス窓からの見晴らしが最高のエレベータ(上の写真)は、実は、「お年寄り、妊婦、体の不自由な方、ベビーカー専用」で、扉の前にこう書かれているため、今までわたしは利用したことがありませんでした。今回は幼い子供も一緒ではあるものの、少々後ろめたい気分でドアの前で待っていたのですが、到着したエレベータから降りてきた人が皆健康な20代から30代の人だったので、少し気が楽になりました。

 写真の下方に見えるのは、もちろんアルトゥーロの頭です。パノラマとぐんぐん登るエレベータに、何度も感興の声を上げています。
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 ピンチェット駅からペルージャ中心街に出てすぐのところに、ペルージャ市の観光案内所(詳しくはこちら)があります。久しぶりにペルージャに戻ったバルバラが、学生時代の他の友人たちとここで出会うことにしたのは、うち一人が観光案内所で研修(stage)をしていて、残念ながら仕事中で外出ができないからです。
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 これが、観光案内所の入り口から正面に見える風景を撮った写真です。突き当たりに見える大きい建物が、プリオーリ宮殿(Palazzo dei Priori)。向かって正面に見える、宮殿の大きい扉は、国立ウンブリア美術館(Galleria Nazionale dell'Umbria)の入り口です。
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 美しい装飾の施された扉から、大勢の観光客が美術館に入って行きます。
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 一方、アルトゥーロはと言えば、母親が旧友たちとの再会を喜ぶ傍らで、観光案内所の椅子の座り心地(歩き心地?)を見ているようです。
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 観光案内所は、マッテオッティ広場(写真中央)に面する中世の奥ゆかしい建物(写真左手)の中にあるのですが、この同じ建物内には、他にもバールにパン屋から雑貨屋、化粧品店まで、さまざまな店があります。ちなみに、上の写真で左手に見える大きな建物は、ペルージャ中央郵便局です。夕方まで開局しているので便利なこの郵便局は、大きなアーチが三つ並んだところが、正面入り口になっています。そして、郵便局のすぐ前、正面入り口の右側に、小さい緑色のブースが見えますが、これがポルケッタの街角販売店です。おいしいポルケッタ入りのパニーノを頼んで、昼食を軽く済ませるのもおすすめです。
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 観光案内所を出たわたしたちは、おなかをすかせたアルトゥーロのために何か食べるものを、と近くのパン屋の中に入りました。
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 バルバラが、初めてペルージャを訪れる息子に見せたかったのは、まずは中心街のシンボルである大噴水(Fontana Maggiore)(詳しくはこちら)。ただ、アルトゥーロは噴水そのものよりも、むしろ噴水の水を飲みに来る鳩たちに関心があるようです。上の写真でも、噴水の礎の上に上がって、柵の間から、パンを持っている方の手を、鳩たちに向かって差し出しています。どうやら、「エサをあげるから、ぼくのところにおいでよ。」と呼びかけているようです。
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 鳩と友達になろうと噴水の柵から離れない息子を、バルバラが写真に収めようとしています(写真右)。左手に見えるのは、プリオーリ宮殿の側面。正面に見える大きな扉の中には、壁面のフレスコ画の美しい広間、Sala dei Notariがあり、この広間は、コンサートや会議など、さまざまな催し物の会場としてよく使われています。

 プリオーリ宮殿(Palazzo dei Priori)は、ペルージャが都市国家として栄えていた中世に建設されました。priore(prioriは複数形)は、中世の都市国家で政治を担った「執政官」のことで、この宮殿は当時その政治舞台となっていたわけです。

 大きな扉の上にある像は、中世からの町のシンボル、ライオン(leone)とグリフォーネ(grifo, grifone)。この像は複製で、本物の像は宮殿の中にあります。

 宮殿の前にある階段を登ると、バルコニーの上で、少し高い位置から大噴水を眺めることができます。大噴水の下の位置からは見えにくい噴水上の彫像が、このバルコニーからはよく見えます。
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 ただし、アルトゥーロがこのバルコニーまで登ったのは、大きな鳩がいたので、その鳩を近くから見たかったからです。写真は、鳩が逃げてしまった後、がっかりして踵を返したところです。
 
 大噴水の周囲に、修学旅行生がたくさんいるのがお分かりですか。大噴水の向こう側に見えているのは、ペルージャの大聖堂(cattedrale, duomo)です。

 プリオーリ宮殿と大聖堂に囲まれ、大噴水のあるこの広場は、名を11月4日広場(Piazza IV Novembre)と言い、コンサートや民族舞踊など、多彩な催し物の会場としても、使われています。
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 再び鳩が来るのを待って、いつまでも動かない息子を見て、お母さんが迎えに行きました。
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 ようやく11月4日広場を離れ、目抜き通りのヴァンヌッチ通りを歩き始めたと思ったら、プリオーリ宮殿の前を通り過ぎる前に、アルトゥーロの足がはたと止まりました。

 この大通りには、ここかしこで音楽家が演奏をしたり、ピエロが芸を披露したりしていることがよくあるのですが、この日は長いひげのおじいさん(写真左)が、ギターを奏でながら、朗らかな歌を歌っていました。陽気な歌声と明るいメロディーに魅かれて、アルトゥーロは足を止め、立ち止まってじっと歌い手を見つめ、歌に耳を傾けています。(写真前方、中央よりやや右)
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 母親が渡してくれた小銭を、おじいさんの前に置かれているギターケースまで投げ入れに行って、戻ってきた後、もう一度歌に耳を傾けていたアルトゥーロは、やがてギターのメロディーに合わせて、ゆっくりと踊り始めました。
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 両手を前後左右に振り、音楽に合わせて、体や頭も左右にゆっくりと動かしていきます。目を閉じてにっこり微笑む様子から、どんなに音楽とダンスを楽しんでいるかが分かります。
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 しばらくこうして夢中で踊った後、母に手を引かれて歩き始めたアルトゥーロでしたが、名残惜しそうに時々立ち止まっては振り返って、歌い続けるおじいさんの方をじっと見やっています。おじいさんの方も、今はアルトゥーロの方を見ながら歌ってくれています。

 ちなみに、上の写真で中央に見える通りは、ヴァンヌッチ通りから、プリオーリ宮殿を通り抜けて、かなり急な下り坂へと続いていて、その名も、プリオーリ通り(Via dei Priori)。以前にご紹介したピザ屋、La Cambusa(記事はこちら)は、このプリオーリ通りを歩いて5分ほど下って行くと、道の左手にあります。

 しばらくすると空がかき曇り、雨が降り始めた上、アルトゥーロも前日からの長旅や次から次に出会った新しい顔や物事に疲れ果てた様子だったので、散歩はおしまい。

 大人や慣れた目には何ともない風景や物事が、子供の目を通すといかにも新鮮なものに思えて、わたしにも興味深い1日でした。
Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-05-15 19:52 | Viaggi in Umbria | Comments(0)

気分は宇宙旅行 ~アルトゥーロ旋風(1)

 ペルージャの新しい交通機関、ミニメトロ(il Minimetrò)(詳しい説明はこちらの記事にあります)のことを、うちの夫はいつも「navetta spaziale」(スペース・シャトル)と呼んでいます。確かに銀色に光る車体が宙を走る様子は、宇宙船のようです。
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 男の子は、乗り物が大好き。というわけで、わたしとバルバラ(前日の記事参照)は、アルトゥーロにミニメトロ乗車体験をさせるべく、ピアン・ディ・マッシアーノ駅を訪れました。
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 ピアン・ディ・マッシアーノの駐車場を降りて、レールの上を行き交うミニメトロを見たアルトゥーロは、案の定大喜びです。そして、母から「今からミニ電車(trenino)に乗りましょうね。」と聞いて、また大はしゃぎ。

 ちなみに、上の写真でミニメトロのすぐ後ろにある大きな建物が、ペルージャ県警察本部(Questura di Perugia)です。
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 最初の問題は、改札口で発生。バルバラと一緒に改札口(上の写真)をいったん通り抜けたアルトゥーロは、何を思ったのか、その後再び扉から後ろに逆戻り。しばらくすると透明な扉が自動的に閉まってしまいました。

 幸い駅の係員が一部始終を見ていて、「今度はよく気をつけるように」と母子に言い聞かせながら、駅員用のカードを使って、アルトゥーロが駅に入れるように、改札口の扉を開けてくれました。

 小さいお子さんと一緒に利用される方は、ご用心。
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 いよいよミニメトロの車両が到着です。右手に見える青いスクリーンには、ミニメトロの利用法や利用時間などの情報が代わるがわる映し出されます。
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 扉が開きました。外側はすべて銀色なのに、車内は一面赤い色をしています。ミニメトロの上方には、矢印のあとに「市の中心街」を表す記号があり、続いて「ピンチェット方面行き」と書かれています。中心街にあるピンチェット駅に向かって、ミニメトロが出発するからです。

 始発駅や終着駅では、方向を間違えて乗ってしまうことはありえないのですが、途中駅から乗るときは、行き先に十分ご注意ください。

  わたしは時々うっかりしていて逆方向行きのミニメトロに乗り込んでしまうことがあります。すぐに気づいて一駅後に乗り返しはするのですが、そもそもプラットフォームの案内からして、デザインを優先しているからでしょうが、行き先を薄い灰色や透明なガラスの上に白い文字で書いているために、字が自然にぱっと目に飛び込んでくるわけではなく、利用者が注意してよく見ないと、どちら行きかをしっかり見きわめることができないのです。

 今日5月14日も(イタリアでは、まだ14日の夕方です)、大学の授業を終えた後、中心街のピンチェット駅からミニメトロに乗ったのですが、フォンティヴェッジェ駅で途中下車して、近くのスーパーで買い物をしたあと、うっかりして再び中心街行きに乗ってしまいました。乗り継ぎのミニバスに間に合わないと思って慌てていたせいもあるのですが、同じ間違いがこれでもう3、4度目です。わたしだけではないと思いたいのですけれども…… 幸い無事、予定通りミニバスに乗り換えることができました。
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 いよいよミニメトロが動き始めました。アルトゥーロはすっかり興奮して、反対方向に向かうミニメトロとすれ違うたびに、食い入るような目でじっと見つめています。
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 幼い男の子がはしゃぐのを、他の乗客も皆、ほほえましそうに見守っています。上の写真は、カメラを携えた紳士(写真右)がアルトゥーロに名前と年齢を尋ねているところです。恥ずかしそうに、名前を言ったあとで、「2歳」と答えるのですが、指で2という数を示すのに、親指と人差し指の2本を使っていました。
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 この写真では、ミニメトロは、高層マンションに囲まれたマドンナ・アルタ駅に停車しています。向こう側に続くレールは、徐々に上へと登りつつ、大きく左へと曲がっているのですが、このカーブを曲がり始めたあたりが、絶好の撮影ポイントです。
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 カーブを曲がり始めると、こんなふうに、遠景にペルージャ中心街の町並みが見えてくるからです。

 景色に感嘆して写真撮影に夢中になっていたバルバラとわたしは、このときしかし、大きな問題があることに気がつきました。

 反対線を走るミニメトロをじっと見つめていたアルトゥーロが、しばらく前から、「ぼくもミニ電車(trenino)に乗りたい」と言い出していたのですが、この頃になって、わたしたちはようやく、「アルトゥーロが、すでに自分たちもミニメトロに乗っていることが分かっていない」ということに気づいたのです。

 言われてみれば、銀色の外装と真っ赤な内装には、かなりの差があります。

 アルトゥーロがすれ違うミニメトロを見つめていたのは、近くで見られるのがうれしかったからではなく、自分も乗りたい、いつ乗れるのだろうという期待感からだったのです。

 「わたしたち、もうミニメトロに乗っているのよ」と、バルバラと二人で繰り返し言ったのですが、どうにも納得がいかない様子です。

 そこで、一度停車したしたときにミニメトロから降りて、自分たちが乗っているのもミニメトロだということを、本人に自分の目で確かめさせるしかないということになりました。
 
 次のフォンティヴェッジェ駅で、停車中に3人とも外に出ました。

「ほら、わたしたちもミニ電車(trenino)に乗っていたんだってことが、分かったでしょう。」

「うん。」

「じゃ、もう一度中に入りましょう。」

「このミニ電車は不細工(brutto)だから、別の電車に乗りたい。」

と、アルトゥーロが駅に到着しつつある次の車両を指差したので、わたしたちもこれまでのミニメトロは見送って、次の便を待つことにしました。

 内装の赤い内側からしか見ていなかったので、美しく銀色に光る他の車両と比べて、見劣りがしたのでしょうか。
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 ミニメトロが、終点ピンチェット駅まで続く長い長いトンネルにさしかかりました。
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 このトンネルの入り口付近にあるのが、次のクーパ駅。実は、バルバラが学生時代に初めて住んだアパートは、このクーパ駅のすぐ近くにあります。緑に囲まれた静かな環境と小さくても居心地のいいアパートが気に入っていたバルバラはしかし、入居後1年半経ってから始まったミニメトロ建設工事の騒音に堪えきれずに、やがて引越を余儀なくされました。至近距離で1日24時間ぶっ続けに工事が続き、完成予定日が何度も何度も延期されたのですから、無理もありません。

 当時は彼女にとって、大きな苦しみの種であったミニメトロ。今回、便利な乗り物だと分かり、息子も大喜びなので、「ペルージャに、もう一つすてきなものが増えた」と喜ぶバルバラでありました。
Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-05-15 02:12 | Viaggi in Umbria | Comments(0)

ミニメトロでペルージャ満喫

 数年前、ペルージャに新しい交通機関、ミニメトロ(il Minimetrò)が登場しました。
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 ミニメトロは、ペルージャの歴史的市街区(centro storico)の交通渋滞やスモッグを緩和する環境に優しい乗り物、通勤者や観光客の新たな足として、建造されました。1車両のみのミニ・モノレールで、遠隔操作によって運行されています。

 膨大な建設費の住民へのしわ寄せ、沿線住民の騒音への苦情など、議論や問題もまだ尽きないミニメトロですが、観光や留学のためにペルージャにいらっしゃる方には、非常に便利で、これを利用しない手はありません。
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ミニメトロ路線図(ペルージャ市発行の観光地図から)


 美しい中世の町並み、エトルリア門、国立美術館など、観光名所が無数にあるペルージャ歴史的市街区。ミニメトロの始発駅は、この市街区のピンチェット駅(Pincetto)です。ピンチェット駅から、鉄道のペルージャ駅があるフォンティヴェッジェ駅(Fontivegge)まで、約10分。

 そして、始発駅のピンチェット駅から、終着駅のピアン・ディ・マッシアーノ(Pian di Massiano)までは約15分。この終着駅には、無料の大駐車場があります。サッカーの試合が行われる競技場(stadio)や県警察本部(questura)は、この終着駅から歩いてすぐです。また、ピアン・ディ・マッシアーノ(Pian di Massiano)の大駐車場は、ペルージャ春の市や中世からの歴史ある「死者の市」などの大規模な市の会場となる上、毎週土曜日にも、終着駅から歩いてすぐの広場に土曜市が立ち、新鮮な野菜や生活用品、衣料品、ポルケッタやプシュット、チーズなどの食品の出店が数多く並んで、にぎわっています。

 どの駅でも、約2分30秒ごとに新しい車両が来るので、バスのように時刻を気にする必要がなく、また、バスや車と違って、交通渋滞に巻き込まれる心配がないので非常に便利です。

 そこで、今回は、このミニメトロの利用法をご紹介します。
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 上の写真で、大噴水とプリオーリ宮殿の左側を通っているのがペルージャの目抜き通り、ヴァンヌッチ通り(Corso Vannucci)です。このヴァンヌッチ通りを、大噴水からプリオーリ宮殿前へと歩いて行き、写真の左手に見える黄色い建物の手前にある通り、ファーニ通り(Via Fani)を左に曲がってください。

すると、すぐにマッテオッティ広場(Piazza Matteotti)に行き当たります。
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 尖頭アーチが二つ並んでいます。i のマークが見える、左側のアーチが、ペルージャ市観光案内所の入り口になっています。上記のミニメトロ路線図もある便利な市街区の地図や、美術館、催し物、ホテルやレストランの案内など、 便利な情報がたくさん入手できます。

 一方、ミニメトロの始発駅へは、この右側のアーチの下をくぐって行くことになります。(入り口は他にもいくつかあります。)
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 これが始発駅のピンチェット駅です。手前に赤く見えるのが切符(biglietto)の自動販売機。すべてのミニメトロの駅に、この自動販売機があります。
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 これが切符です。ペルージャ市内を走るapmのバスなどにも利用できる共通切符となっています。

 わたしは、郊外に住んでいて、バスやミニメトロをよく利用するため、上の写真にあるような10回利用できる切符(multiviaggio 10 corse)を使っています。ミニメトロ駅の自動販売機で買うと、上にあるような真っ白の切符、バス会社apmの切符販売所で買うと、下にあるような色つきの切符(利用できる回数によって色が違います)になります。

 1回利用の切符は、現在1ユーロ。使用開始から、70分までの間なら、同じ切符でそのまま、バスからバスへ、パスからミニメトロへなどと、乗り換えることができます。切符なしでバスに乗車して、運転手から購入すると、1.5ユーロと高くなりますので気をつけてください。そういうときに、小銭がないと、ひどく迷惑をかけることにもなります。一方、10回利用できる切符は8.60ユーロで、有効期間は利用開始から365日間です。観光客が24時間利用できる切符(turistico 24 ore)もあり、こちらは3.60ユーロです。(値段はすべて、2010年5月12日現在のものです。現在2012年2月には、すべての料金が値上がりしています。詳しくは記事の最後にある追記をご覧ください。)
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 切符を買ったら、自動改札機に切符を通します。(上の改札機は、コルトネーゼ駅のものです。)普段は閉じている透明な扉が開きますので、改札(刻印)されて出てきた切符を受け取ってから、扉を通り抜けて、駅の構内に入ります。

 改札(刻印)機は、バスの中にもあります。載ったらすぐに、刻印機を見つけて、刻印してください。ミニメトロ駅でも、バス内でも、刻印機に切符を通すと、切符の裏側に、利用開始年月日とその時刻が印刷されます。上の切符の写真のうち、右側にあるのが、切符の裏面の刻印された部分です。10回利用の切符なので刻印がいくつもありますが、1回の利用での刻印記録は1行です。バスに切符なし、あるいは切符を刻印せずに乗車すると、時折ある検札の際に無賃乗車とみなされて、罰金(現在、30.99ユーロ)を課されてしまいますので、ご注意ください。

 また、もちろんですが、刻印した切符を持っていないと、到着した駅から出ることができませんので、切符は最後まで所持してください。時々、いきなり車内アナウンスが入るので驚かれるかもしれませんが、たいていは、「切符は旅行中ずっと所持してください」、あるいは「手すりにきちんとつかまってください」と言っています。また、最初の刻印から70分以内に、ミニメトロで引き返す、あるいはapmのバスなどに乗り換える場合には、同じ切符を再度使うことができますので、念のために切符は大事に取っておくことをおすすめします。
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 ピンチェット駅から、大駐車場のあるクーパ駅(Cupa)までは、ずっとトンネルの中を通ります。ペルージャの町は高い丘の頂にあり、ミニメトロはその丘の中腹を突き抜ける形で、丘手前の中腹にあるピンチェット駅から、丘を反対側に突き抜ける直前にあるクーパ駅まで進むからです。

 クーパ駅を出てしばらくすると、ミニメトロはようやくトンネルから外に出ます(上の写真)。写真で、トンネルの上に見えるのは、ペルージャ中心部の町並みです。

 次の駅の名は、「カーセ・ブルチャーテ」(Case Bruciate)。これは地区名で、和訳すると「焼けた家々」で、少し物騒なのですが、高層マンションが立ち並ぶ住宅街です。
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 始発駅から約10分で、フォンティヴェッジェ駅(Fontivegge)に到着。
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 鉄道のペルージャ駅は、ミニメトロ駅から歩いてすぐ。上の写真では、右手に小さく、駅に停車している電車も見えます。
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 ミニメトロがフォンティヴェッジェ駅を発ってすぐに、車内から鉄道駅がかなりよく見える瞬間があります。上の写真で、前に電車が停車している黄色い建物がペルージャ駅です。駅のすぐ近くには、スーパーCOOPがあり、この店は同じCOOPでも中心街の店に比べて規模がかなり大きく品数が揃っている上に、値段も安いという印象があります。

 フォンティヴェッジェ(Fontivegge)は、実は地区名で、これがミニメトロや鉄道の駅名にもなっています。この地名は、駅の近くにある17世紀に築かれた噴水、ヴェッジョの噴水(Fonti di Veggio)に由来するものです。
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ヴェッジョの噴水(ペルージャ市発行の観光案内から)
 

 この噴水(fonte)は、当時この地域の所有者であったヴェッジョ(Veggio)の名を取って、ヴェッジョの噴水(Fonti di Veggio)と呼ばれ、その呼称がやがて地域一帯にまで押し広げられて、地域全体がフォンティヴェッジェ(Fontivegge)と呼ばれるようになったと、ペルージャ市発行の観光案内、『Camminanare per Fonti e Fontane』(噴水をたずね歩く)にあります。

(噴水と地名の説明および「ヴェッジョの噴水」の写真は、この案内パンフレットから引用しました。数年前に夫とヴェッジョの噴水付近を散歩したときに、初めて噴水を見、地名の由来を教えてもらったのですが、そのとき噴水の写真を撮ったかどうか覚えていません。)
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 ミニメトロがさらにフォンティヴェッジェ駅から離れると、背景に広がるペルージャ中心街の町並みが見渡せます。
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 役所や店の多い鉄道駅付近を通り過ぎると、レールはさらに下方へと下り、やがて大きく右に曲がります。それからは、高層マンションに遮られて、ペルージャの中心街が見えなくなってしまいます。

 この右カーブのあと、すぐに現れるのが次の駅、マドンナ・アルタ駅(Madonna Alta)。高層マンションに囲まれた住宅街のただ中にあります。

 この後、ミニメトロは再び短いトンネルに突入し、このトンネルを抜けてしばらく行くと、次のコルトネーゼ駅(Cortonese)が見えてきます。
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 駅名は、この付近を走る大通り、コルトネーゼ通り(Via Cortonese)に由来しています。ペルージャから、北北西の方向にあるコルトーナ(Cortona)の町へと向かっていく道筋にあるので、この名を持つそうです。コルトーナはトスカーナ州にある町で、ウンブリア州との州境にあります。レスキオに住んでいた頃は、ペルージャよりコルトーナの方が近かったので、わたしたちもよく訪れました。アメリカ映画、「トスカーナの休日」の舞台にもなっていて、この映画の中では、コルトーナの美しい中世の町並みや郊外の緑を十分に見て楽しむことができます。失恋したヒロインが心機一転のために渡伊し、さまざまな出来事や人々との交流を通して、少しずつ自分の人生を新しく切り開いていくというすてきな映画です。イタリア人男性が少しステレオタイプで描かれているのと、言語が英語なのが残念ですが、イタリアの雰囲気を味わうのにはうってつけだと思いますので、機会があれば、ぜひご覧ください。

 「コルトネーゼ通り」と聞いて、すぐわたしの脳裏をよぎるのは、この通りにあるペルージャ県警察本部(Questura di Perugia)です。現在は、ほとんどの滞在許可証の申請を郵便局を通じてするようになったようですが、受領は昔も今も、この県警察本部です。

 ちなみに、この記事の最初の写真は、このコルトネーゼ通りから一直線に、終着駅、ピアン・ディ・マッシアーノ(Pian di Massiano)に向かって伸びるレールを撮影したもので、写真で、レールの右側に生えている大きなポプラの木2本の間に垣間見える建物が、県警察本部です。

 上の写真でもお分かりのように、このミニメトロの最後の2駅は至近距離にあり、県警察本部はそのほぼ中間付近に位置しています。
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 終着駅の、ピアン・ディ・マッシアーノ(Pian di Massiano)が近づいてきました。駅の周囲には広大な駐車場が見えます。この駐車場は、現在は無料で使用できます。また、観光バスはここに駐車し、観光バスで訪れる観光客はここからミニメトロを使って、ペルージャ中心街を訪れることになっています。年に二度大きな市(冒頭参照)が立つときは、この駐車場が会場となりますし、毎週の土曜市もこのすぐ近くで開かれます。写真では見えませんが、この写真を撮ったとき、ミニメトロの車内からは右手に県警察本部が、そして左手にはサッカー競技場(stadio)が見えていました。どちらも終着駅から、歩いてすぐです。

 終着駅付近には、バールや美容室、眼鏡屋におもちゃ屋と、さまざまな店が並び、駅から少し歩くと、市民の健康のための散歩・ジョギングコースである緑のコース(Percorso verde)があります。「緑の」(verde)の名のとおり、緑の木々が生い茂る中を、大勢の老若男女が、楽しくおしゃべりしながら、あるいはストイックにひたすら速足で歩いたり、ジョギングしたりしています。

 ミニメトロに乗るのだけが目的でも、終着駅では一旦車内から降り駅の構内から出て、再び反対側にある入り口で改札をして乗り直すことが義務づけられていますので、ご注意ください。

 イタリア国内を車で旅行され、ペルージャに数時間滞在するという場合には、終着駅、ピアン・ディ・マッシアーノ駅の無料駐車場に車を置いて、ミニメトロで中心街を訪れた方が、渋滞に巻き込まれたり有料の駐車場の空室探しに難航したりしない上に、かえって安くつく場合があるかもしれません。原則として夜間は運行していませんので、乗車前に、駅入り口の案内やミニメトロのホームページで、運行時間をよく確認してください。

 皆さんも、ペルージャ訪問の際には、ぜひ一度このミニメトロを利用してみてください。

 最近は、観光客や修学旅行生が多く、車両がいっぱいになってしまうこともたまにあります。わたしはコルトネーゼ駅で一時間おきにしか出ないバスに乗り換えなければいけないので、満員でも仕方なく乗りますが、皆さんの場合は、旅行中などで時間があれば、こういう集団の旅行客がすべて乗車してしまうまで10分ほど待って、それから空いた車両に乗り込んで、ゆっくりとミニメトロ乗車を楽しむことが可能かと思います。普段はあまり利用客がいないので、通学ラッシュの朝8時および午後1時前後を除けば、満員になることはめったにありません。

追記(27/2/2012)
 現在では、ペルージャ市内のバス・ミニメトロの利用料金が値上がりし、1回利用の切符は1.50ユーロ、バスの車内で購入すると2ユーロ、10回利用できる切符が12.90ユーロとなっています。また、24時間乗り放題の観光客用切符も、5.40ユーロで販売されています。(詳しくはこちら

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by milletti_naoko | 2010-05-12 20:37 | Viaggi in Umbria | Comments(2)

雨の日の散歩 ~ ミジャーナからサン・ピエートロまで

 5月1日(土)の夜は、皆で楽しく語らいあったあと、真夜中頃に解散。友人たちは、オリーブの木々に囲まれた丘の中腹にテントを立て、わたしと夫は、現在改修計画中の家の一室にあるかなり古いベッドの上で、それぞれ寝袋を使って眠りました。
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 5月2日(日)は予報どおり1日天気が悪く、朝友人たちがテントを片づけている途中から小雨が降り始めました。草むらのここかしこに、美しいランの花が咲いています。上の写真では、草原の左端あたりに見えます。わたしたちがこの2日間にテッツィオ山で見た、それぞれに趣の異なる美しいランの花に興味のある方は、記事、「百花繚"蘭"」をご覧ください。
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 朝食はテーブルを二つ合わせて、15人全員で食べました。もちろんイタリア流の甘い朝食です。各自持ち寄ったパンやビスケット、ジャムなどが、テーブルに並んでいます。大人は、ほぼ全員がエスプレッソ・コーヒーを希望したため、直火式コーヒー沸かし器Moka(写真では、ティーポットの後ろ)を使って、次々にコーヒーを沸かしました。コーヒーにミルクをたっぷり入れて、カッフェッラッテ(caffellatte)にして飲む人もいれば、熱湯をたっぷり注いでカッフェ・ルンゴ(caffé lungo)にして飲む人もいます。
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 雨も降っているので、登山はあきらめ、ミジャーナと同じくテッツィオ山の中腹にあるサン・ピエートロ(San Pietro)という場所を、訪れることにしました。家を出発して、道を左に曲がるとすぐに、ミジャーナの町が現れます。中央にあり、鐘楼の見える建物が教会で、夫の伯父ドン・アンキーゼは長い間、このミジャーナの教会で牧師を努めました。その昔は200人近くも住民がいたミジャーナの町は、夫が成年を迎えるまでの間に急速に過疎化し、牧師の伯父と暮らしていた夫たちの家族がミジャーナを後にしたときには、もう一家族しか残っていませんでした。自然や静かな環境を求めて、再び人々が、わずかな人数ではあるものの、ミジャーナに来て暮らし始めたのはごく近年のことのようです。今、この教会は、病と闘う人々が暮らす場所となっています。

 ずっとこの一本道を歩いて、教会や町の家々の前を通り過ぎたところに、墓地(cimietero)があります。出発前、雨の中の散歩を嫌がる子供たちの興味をそそるために、フランコが「ミジャーナの町の近くに墓地があるよ。」と繰り返し言って聞かせたため、何がおもしろいのだか、子供たちはうれしそうに墓地の中に入り、あちこちを見て回ってなかなか墓地から出ようとしません。
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 墓地を通り過ぎると、道は緑の木々に囲まれます。そして、さらに歩いていくと、この緑色の鉄の扉が現れます。正面に見えるこの扉には、「(車は)進入禁止」の標識が見え、錠もかけてありますが、この扉の左側にはごく狭い通り道があり、人が一人ずつなら自由に出入りできるようになっています。
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 かつて、サン・ピエートロには、農業を営む家族が住んでいました。今は、狩りをする人々が猟犬を訓練するための場所として使われているのですが、幸い狩猟シーズンは終わり、雨も降っているので、猟犬に出くわす心配はありません。野バラやエニシダに囲まれた小道の右手にはオリーブ園があり、左手にはなだらかな緑の丘がどこまでも続いています。
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 野の花が美しく、とりわけ咲き始めたヒナゲシ(papavero)の鮮やかな真紅が目を引きます。昔は、どの麦畑でも、初夏にはたくさん咲いていて、緑と赤の対照が美しかったのに、近年では除草剤(diserbante)の使用によって、ヒナゲシが生えず、緑一色の麦畑が多くなったのが残念だとは、夫からしばしば聞いていました。野山を散歩すると、夏の間、その鮮やかな赤い色で目を喜ばせている花がわたしも大好きなのですが、今記事を書くために辞書を引いていて、初めてこのヒナゲシの別名が「虞美人草」だと知ってびっくりしました。

 「力山を抜き 気世を覆ふ
 時利あらず 騅逝かず
 騅逝かざるを 如何すべき
 虞や虞や 汝を如何せん」

 劉邦軍に囲まれて、「四面楚歌」の状態となり、項羽が我が身の不遇を嘆き、暗に愚美人に死を願う。この「垓下の歌」も、そのあと愚美人が自害したあとに生えたと言われるのが「虞美人草」だということも、12年間高校で国語を教えた間に、それこそ何度も繰り返し教えてきたというのに、その「虞美人草」を、自分がイタリアでしばしば目にしていたことに、まったく気がつきませんでした。確かに、このヒナゲシの花は、鮮血を思わせるような真紅の色をしています。

 司馬遼太郎さんの小説、『項羽と劉邦』の人間ドラマがおもしろくて、読みながら物語の中にぐんぐん引き込まれていったことも懐かしく思い起こしました。
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 雨の中を皆で歩いて、崩れかかった住宅が数軒建つサン・ピエートロの中心までやって来ました。さらに道を進んでいけば、前日にテッツィオ山から、はるか下方に眺めることができた小さな湖(laghetto)があります。

 子供たちは湖まで行きたがったのですが、柵からここまでは下り坂が続いていたため、帰りはずっと坂を登らなければいけません。それに、湖の近くは草が高く生い茂っているため、雨の日に歩くと、足元がずぶ濡れになってしまいます。そこで、子供たちを説得し、来た道を引き返すことにしました。

 上の写真の右手に、崩れかけた家の壁の上辺が、緑の草に覆われている部分があります。その部分を撮影したのが下の写真です。
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 天井も壁も崩れつつある家の戸口やテラスを、自然に生えた青草が覆っていて、うら寂れた風情があります。
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 このキンポウゲ(ranuncolo)も、春先に野山でよく見かける花です。ペルージャ郊外に住むわたしたちの家の近くの道端にも生えているし、かつて住んでいたレスキオの森の中には、ここかしこに、このキンポウゲやワスレナグサ(nontiscordardimè)の花が群れをなして咲いていました。

 サン・ピエートロには、他にも、ラン、orchidea scimmiaが道端に美しく咲いていた上、野生のアスパラガスも見つかり、咲き初めた野バラの花が可憐だったのですが、そうした野の植物の写真は、また別の機会を見て、ご紹介するつもりです。

 帰り道は、右手になだらかな丘陵、左手にオリーブ園を見ながら、長い坂をゆっくりと登って、サン・ピエートロの入り口である鉄の扉まで到着。 
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 そのあとミジャーナの町までの道は幸い平坦で、緑に囲まれています。上の写真は、道端に見つけたスイカズラ(caprifoglio)の花です。ちょうど桃色のつぼみが開いて、純白の花を咲かせ始めたところ。このスイカズラもテッツィオ山のあちこちに自生していて、散歩中に美しい花で目を楽しませてくれます。

 ずっと道を進んで行き、ミジャーナの町中に入る手前に、野生のアスパラガスがここかしこに生えている草むらがありました。エミリア・ロマーニャの友人たちは摘み立てのアスパラガスをそのまま口にして、「おいしい」と喜んでいます。紫色と緑色のアスパラガスは、料理すると味に違いがないのですが、生で食べると、さわやかな苦味があっさりとおいしいのは紫色の方だけです。緑色のものは生では苦味が強すぎるので、やはり料理したほうがおいしくいただけるような気がします。夫も、「料理した方が断然おいしい」と言いながら、めざとくアスパラガスを見つけては、摘んでいきます。
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 写真中央に見えるのは、ミジャーナの町の給水場(fontana)です。水道がまだ通っていなかった頃には、町で唯一清水を供給できる場所であったために、女たちが家庭で必要な水を汲むために、たらいを持っては給水場を訪れていたそうです。また、左側の一段下がった石造りの部分は、洗濯をするための水槽であり、女たちは、ここで洗濯をするために、洗濯物を持っては、やはり給水場に来ていました。夫は幼い頃、そうやって水を汲みに行く母に同行したときのことをよく覚えていて、「町中の女性が、皆集まる場所だったんだ。」と懐かしそうに語ってくれます。

 ミジャーナの町のほぼ中央にあるこの給水場の少し手前、上の写真の右端にあるアヤメ(iris)の花は、遠い昔に近所の住民が植えたものが、今は人の手を借りずに自然に育って、花を咲かせているのだ、と夫は言います。
 
 ちょうどわたしたちが、この給水場のあたりを通りかかった頃に、正午を告げる鐘の音が聞こえてきました。幸い、雨も降りやんだようです。

 一行は、まもなく家に到着。散歩に行きたくないという子供たちがいたため、家に残ったロージーが、子供たちと一緒にすでに昼食の用意を始めてくれていました。

 散歩から帰ったわたしたちも、さっそく準備に取りかかりました。
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 昼食のメインは、今が旬たけなわの野生のアスパラガスの卵とじです。この日は、夫自ら腕をふるって料理しました。先週、お義父さんがテッツィオ山の一つ目の十字架まで登って収獲した両手に抱えきれないほどのアスパラガスと、我が家の鶏たちが産んだ新鮮な生卵23個を使って、ルーカが持参してくれた大きな大きな鍋で料理。

 友人たちの大半は、野生のアスパラガスがあまり育たない地域に住んでいます。そのため、ペルージャ生まれペルージャ育ちのルイージやルーカが、この2日間の散歩中、皆に野生のアスパラガスを見つける方法を教えたりもしていました。野生のアスパラガスやその卵とじを、初めて食べた人も大勢いて、皆おいしいと大喜びでした。
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 前夜、炭火で焼いた肉が残っていた上に、ハムやサラダ、ゆで卵などもテーブルに並んでいたので、全員ほしいものを好きなだけ食べることができました。

 わたしたちが昼食の後片づけをしている間に、友人たちは荷物をまとめて、出発の準備を始めました。
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 幸い雨がやんでいたので、その後は、皆で前庭に集い、思い思いにおしゃべりをしたり、子供たちと遊んだり。双眼鏡をのぞいているマヌエーラは、きっと前日の登山中に訪れた、一つ目の十字架(la Prima Croce)を見ているのでしょう。
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 カンフーを始めて4年になるというブランドが、流麗な型を披露してくれました。エミリア・ロマーニャ州のチャンピオン(campione)というだけあってみごとなもので、大人も子供も感嘆の思いで見守っていました。あとで、他の子供たちも真似しようと試みていましたが、やはりそう簡単にうまくできるようなものではありません。
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 今回、ミジャーナを訪れた子供たち全員とロージー。うち二人がロージーの子供です。一番手前にいるエリーアはまだ小さいのに、この日の朝、みごとにサン・ピエートロまでの彼にとっては長い道のりを歩き通しました。お母さんのシルヴィアも息子の大達成と成長ぶりを見て、大満足。

 やがて、再び雨が降り始めたためもあり、またエミリア・ロマーニャまで帰るにはアッペンニーニ山脈を越えて車で2時間半と遠いため、友人たちは午後3時ごろに旅立ちました。

 みんな、楽しい週末をありがとう。 
Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-05-07 01:06 | Viaggi in Umbria | Comments(1)