<   2011年 02月 ( 23 )   > この月の画像一覧

雪のラヴェルナ2

 洞窟(記事はこちら)を後にして、さらに岩山のふもとを歩いて行きます。

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 南西から北東へと細長く伸びる岩山、ペンナ山(Monte Penna)の北東の端が、行く手に見えて来ました。

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 これまでずっと、山の北側を歩いて来たのですが、先を歩く夫が道を右に曲がれば、もう道は、山の南側を進むことになります。

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 これが岩山、ペンナ山の北東の端です。

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 岩山の端を回って、南側の小道を歩き始めると、山の斜面に、小さな黄色い花が、たくさん咲いていました。

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 山の南側の道は、北側と違って、平坦で歩きやすく、しかも、なだらかな上り坂をほぼまっすぐに進んで行きます。

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 南側には日が当たるため、水も凍っては解け、また凍ってということを繰り返すのでしょう。たくさんの落ち葉が、氷に封じ込められていました。

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 午前11時45分にベッチャを出発して、ようやくラヴェルナ(La Verna)に到着したのは、午後2時前のことでした。修道院の入り口の右手の岩壁には、つららが幾列か垂れ下がっていました。

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 修道院の周囲に、いつになく車が何台も並んでいるのは、ボランティアで救援作業をしている人たちの宿泊研修があったからです。

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 到着したのが、午後2時と遅かったため、レストランで食べることができるかどうか、不安に思いながら、屋内に入りました。幸い、営業時間は終わっていたものの、席について、暖かい食事を取ることができました。

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 食事の後は、しばらく境内を散歩しました。まだ雪がそこかしこに残っています。

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 赤屋根も、白い雪に覆われています。

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 教会で祈りを唱えたあと、十字架を捧げて行進する修道士たちに従って、共に祈りを捧げたあと、岩山の南西の端にそびえる建物の外にめぐらされた、こちらの階段を登りました。

 初めて夫とこの場所を訪れたのは、2004年の5月。ちょうど空高くアマツバメたちが飛び交っていた頃で、この同じ場所で、夫が両手をぐるぐる回して見せて、「こうすると、アマツバメたちが近くに寄ってくるんだよ。」と言っていたのを、よく覚えています。

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 真下は絶壁の壁になっていて、はるか下の方に、わたしたちが通ってきた散歩道が見えています。

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 帰りは、ラヴェルナからベッチャまでの参詣路(記事はこちら)となっている石畳の坂道を下って、駐車場へと向かいました。途中に、ラヴェルナの修道院が、それはよく見える場所があります。

 崖の上にそびえる修道院の右手に、小さな赤い点が見えます。上の2枚の写真で、わたしたちが歩いていた崖に突き出している階段は、ここにあったのです。赤く見えるのは、宿泊研修中の救助隊員の方のユニフォームです。

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 すぐ近くの石壁には、スミレが咲き、やがて訪れるであろう春を、一足早く告げてくれていました。

 ベッチャまで歩いて、駐車場で登山靴をはきかえ、「さあ、ペルージャに帰ろう。」と思ったら、夫には、寄り道をしたいところがありました。ベッチャからペルージャとは逆方向に、くねくねの山道を7kmほど行くと、リンボッキ(Rimbocchi)と言って、パンのおいしい町があるのです。ウンブリアでは伝統的に、塩分のない「トスカーナのパン」(pane toscano)と呼ばれるパンが、家庭でも焼かれ、店でも売られています。リンボッキは、トスカーナの中でも、このパンがおいしいことで有名で、毎年夏には、村で「パン祭り」(Sagra del Pane)が催されます。

 ペルージャの人は、というより夫の家族は、義父母も夫の3兄弟も、皆パンに目がないのです。ブルスケッタにして味わうだけではなく、ふだんの食事でも、「パンがなければ食事にならない」と、おいしそうにパンを食べています。日本人のわたしたちがおかずと一緒にごはんを食べるように、おかずと共にパンを食べるだけではなく、義父母は、パンは、リンゴやイチジクと一緒に食べてもおいしいと言います。

 リンボッキのパン屋で、目当てのパンを買った夫は、それは満足そうでした。翌日の日曜日、大家族での昼食の際には、義弟も、「ああ、このリンボッキのパンは、やはりおいしい。」と、舌鼓を打ちながら、食べていました。

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by milletti_naoko | 2011-02-28 22:56 | Viaggi in Toscana | Comments(10)

雪のラヴェルナ1

 昨日、2月26日土曜日は、白い雪に包まれた聖なる森を散歩しました。

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 聖フランチェスコが聖痕を受けた聖地、ラヴェルナ(La Verna)は、切り立った岩山の上にあります。今回は、この岩山、ペンナ山(Monte Penna)のふもとを取り囲む森の中を歩いて、ラヴェルナの修道院を訪れました。

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地図は、”Parco Nazionale delle Foreste Casentinesi, Monte Falterona e Campigna – Carta Escursionistica” (S.EL.CA.)から借用


 上の地図に茶色い線で印してあるのが、今回わたしたちが歩いた道です。出発地点のベッチャ(Beccia)に、いつものように車を置いて、まずはCAIの53番コースを歩いたのですが、ベッチャからラヴェルナに一直線に向かう(記事はこちら)かわりに、昨日は、途中で左に曲がり、53番コースを進み続けて、岩山の周囲を回り、途中から、56番コース、最後に50番コースと、常にCAIのトレッキング・コースに従って、ラヴェルナまで歩きました。

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 晴れた空の下を、まずはいつものように、ベッチャのホテル前の坂道を上って行きます。

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 夫に言われて、道の左側を見ると、地面のそこかしこから、クロッカス(croco)のつぼみが、顔を出していました。

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 さらに少し坂道を上ってから、左に曲がり、ラヴェルナの修道院を戴く崖のすそを、時計回りに歩いて行きます。

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 これは、ちょうど修道院の真下を通ったときに、崖下から撮影した写真です。

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 同じ場所で、地面を見ると、たくさんのマツユキソウ(bucaneve)が、鮮やかな白い色で、クロッカスの花と共に、野原を彩っていました。

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 山道をしばらく登って行くと、森は一面、白い雪に覆われています。

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 森のあちこちに、緑の苔に覆われた大きな岩や石が、積み重なっています。幸い、雪は浅かったので、登山靴で歩くのに、それほど苦労しませんでした。

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 どういうわけか、山の高みに、一部だけ雪のまったくないところがありました。上の写真の上の方、地面が見える部分です。本来のトレッキング・コースは、夫の手前に見える部分ですが、昨日は、ご覧のように、厚い氷に覆われていました。雪解けの水が、トレッキング・コースを伝って流れ出したのが、寒くなったので、凍ってしまったのだろうと、夫が言いました。

 わたしが写真を撮ろうとすると、楽しそうに、こんなふうに、双眼鏡を目にあてて、ポーズを取っていました。

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 しばらく登ると、こんなふうに、見晴らしのいい場所がありました。

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 分岐点で、53番コースを後にして、56番コースを歩き出すと、風景は再び、白い雪と苔むした岩に覆われます。CAI(イタリア山岳クラブ、Club Alpino Italiano)のトレッキング・コースは、時には岩に、時には木の幹に記された赤と白の目印を、手がかりに進んでいきます。

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 ずっと先を歩いていた夫が、立ち止まりました。今回の散歩で、ぜひ訪れたいと思っていた洞窟、grotta di fra Davidを見つけたようです。以前から、近くを通りかかるたび、道案内の看板があったので、気になっていたのです。

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 洞窟(grotta)と言っても、実際には大きな岩がいくつも重なり合い、その下にわずかなすきまができているのを、こう呼んでいるようです。

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 岩の上には十字架が立てられ、その下に、ダーヴィッド修道士(fra David)の顔写真が置かれています。写真の下に、名前と生没年が書かれており、若くして夭折したことが分かりました。ただ、なぜこの場所に、この修道士の名を冠する洞窟があるのかは、帰宅してから、本やインターネットで調べても、分かりませんでした。次回、ラヴェルナで尋ねてみたいと思います。(つづく)

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by milletti_naoko | 2011-02-27 18:29 | Viaggi in Toscana | Comments(6)

町にお出かけ

 今日の午後は、バスを乗り継いで、ペルージャの中心街(Centro di Perugia)へ行きました。ミニメトロができる前は、郊外の我が家から中心街まで、乗り換えなしに行けるバスの便があったのですが、ミニメトロ完成後は、この路線が変更されてしまったのです。

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 広場、Piazza Cavallottiでバスを降りて、急ぎ足で、坂道を上って行くと、右手に、趣のある噴水とアーチが見えます。

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 さらにしばらく歩くと、右手に、プリオーリ宮殿(Palazzo dei Priori)の美しい建物が見えてきます。

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 同じ場所で、左手を見ると、大噴水(Fontana Maggiore)の後方に、ペルージャの大聖堂、Cattedrale di San Lorenzoの側面の壁が見えています。この広場は、Piazza IV Novembre。もっと暖かい季節には、この広場は、しばしば、コンサートやダンスなどの催し会場になります。

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 今日は、時間がないので、急ぎ足で目抜き通り、Corso Vannucciに出て、プリオーリ宮殿の美しい扉の前を通り過ぎます。この扉は、国立ウンブリア美術館(Galleria Nazionale dell’Umbria)の入り口でもあります。

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 先の扉のすぐ後に、現れるのがこちらの扉。ペルジーノと弟子たちによる、それはみごとな壁画のある、Collegio del Cambioの入り口です。ペルージャでぜひ訪れたい場所の一つなのですが、壁画のすばらしさは、Collegio del Cambio自体のサイト(リンクはこちら)のGALLERIAという言葉をクリックして現れたページで、左側に見える壁画の下にあるVマークをクリックして、数々の作品をご覧になれば、お分かりかと思います。

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 中心街に着いてバスを降りたのは、午後4時半過ぎ。急ぎ足で眼鏡屋さんに向かいます。先週土曜に、眼鏡のフレームが壊れてしまい、修理はできないと言われて、新しい眼鏡を注文していたのが、今日できたと聞いて、取りに来たのです。幸い、すぐに支払いを済ませて、店を出ることができました。

 今度はしばらくCorso Vannucciを、逆方向に進みます。西日が差していて、見づらいのですが、左手にプリオーリ宮殿、正面奥に、大噴水と大聖堂が見えています。

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 ただし、今度は大噴水まで行かずに、途中で右に曲がります。帰りは、ミニメトロを利用しなければいけないからです。駅に急ぐ道すがら、スバージオ山が雪を頂いているのが見えました。

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 スバージオ山(Monte Subasio)は、聖フランチェスコが、「テッツィオ山(Monte Tezio)と双子だ」と語ったというアッシジの山です。確かにどちらの山も、横に長い台形の形をしています。ペルージャからアッシジを眺めると、スバージオ山の斜面に広がるアッシジの町は、霧や霞に覆われて、見えないことも多いのですが、幸い今日は、石で築かれた美しいアッシジ(Assisi)の町が、よく見えました。

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 同じ場所から右手を見やると、右の奥には、聖ドメーニコ教会が、そして、その左側には小さく聖ピエートロ教会の尖塔が見えました。写真の右下、何やら細長い白いものが見えます。

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 この白いものは、ミニメトロの始発駅、ピンチェット駅(Terminal Pincetto)の屋根なのでした。赤丸で囲んでいる部分が、下の道路から階段を登って、駅に入る際の入り口です。矢印で示している赤いものは、切符の自動販売機です。

 駅より高い位置にいるわたしは、この後、エスカレータを駆け下りて、駅に向いました。午後4時55分までに、ミニメトロに乗らないと、乗り継ぎのバスに乗り遅れる可能性があるからです。

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 写真を撮ったり、景色を眺めたりして、道草をしたものの、何とか予定時刻に、ミニメトロ(Minimetrò)に乗ることができました。ドアの上に書かれているPian di Massianoは、ミニメトロの終着駅で、巨大駐車場があるところです。現在では、大型観光バスは、ペルージャ市内に乗り入れることができず、旅行者は、巨大駐車場から、ミニメトロに乗って、中心街を訪れることになっています。

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 乗車からしばらくは、ミニメトロはずっと暗いトンネルの中を進みます。ようやくトンネルから出て、後ろを振り返ると、中心街の町並みが次第に遠ざかっていくのが、よく見えます。

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 鉄道駅に近い、ミニメトロの駅、フォンティヴェッジェ駅(Stazione Fontivegge)の近くからは、鉄道の線路と、並ぶ電車がよく見える瞬間があります。

 こうして、ミニメトロに10分ほど乗った後、コルトネーセ駅で降りたわたしは、幸い、午後5時5分発の、乗り継ぎのバスに乗ることができ、その数分後には、家に帰ることができました。行きも帰りも乗換えが必要だったのに、眼鏡を購入して、家を出てから1時間後に帰宅できるとは思っていなかったので、うれしかったです。1時間後に出る次のバスを待っていたら、日が暮れてしまい、寒さに凍えたことでしょう。切符は、乗車して刻印してから70分間有効なので、1枚の切符だけで、往復することもできました。

関連記事
・「ミニメトロでペルージャ満喫」(リンクはこちら
・「気分は宇宙旅行 ~アルトゥーロ旋風(1)」(リンクはこちら
・「気分は宇宙旅行 ~アルトゥーロ旋風(2)」(リンクはこちら

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by milletti_naoko | 2011-02-26 00:07 | Viaggi in Umbria | Comments(8)

夕日とかけくらべ

 2月18日金曜日の夕方に、夫と二人で、テッツィオ山(Monte Tezio)へ、トラジメーノ湖(Lago Trasimeno)の夕焼けを眺めに行きました。

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 テッツィオ山の散歩コースには、湖の見晴らしが美しいミーララーゴ(Miralago)という場所があるのです。

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 こちらが、テッツィオ山自然公園の入り口です。手前の駐車場に車を置いて、登山靴にはきかえます。緑の鉄柵の左側から、公園に入ると、坂道が続いていて、そのまま、まっすぐ行くと、頂上までの登山コースに行くのですが、坂道の途中で左に曲がると、湖の眺めがいい場所に、たどり着くことができます。

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 夏には、道の端々に野生のアスパラガスが見つかり、ヒナゲシやエニシダなどの花が咲き、緑でいっぱいの道(記事はこちら)も、冬には、常緑樹が多いとは言え、なんだか冬枯れの風情を見せています。

 ふだんは、ここに夕日を見に来るときは、日没の直前に到着して、日が沈むのを見届けてから山道を下りるのですが、この日はひどく寒かったため、最初の写真のように、雲に隠れていた夕日(tramonto)が、ようやく顔を見せて、空と湖を茜色に染め出してから、すぐに山を下ることにしました。

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 日が沈んで、寒くなる前にと、帰り道を急ぐわたしたちの右手に、木々の間から、紅に染まりゆく空と湖が、よく見えました。

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 「茂みに隔てられているから、いい写真は撮れないよ。」と、夫に急かされながら、それでも、時々立ち止まっては、夕日にカメラを向け、夫の後を追いながら、坂道を下って行きます。

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 曲がり角を右に曲がり、まっすぐに駐車場と下る坂道は、両側に背の高い木が並んでいるため、空の低い部分は見えず、青い空の高みに、横長に伸びるピンク色の帯が、目に映ります。

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 午後5時半に、夕日と湖に別れを告げてから、25分ほど歩いて、駐車場に戻りました。靴をはきかえながら見た南の空は、まだ明るく、水色やピンク色など、淡いパステルカラーに美しく染まっていました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2011-02-24 22:27 | Viaggi in Umbria | Comments(2)

滞在許可証よもやま話4

 イタリアにお住まいで、身分証明書をお持ちの皆さん、5年から10年への延長手続きをする際には、二度手間を避けるため、滞在許可証を持参しましょう。

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Corso Vannucci, Palazzo dei Priori, Fontana Maggiore – Perugia 26/04/2010


 昨日、ペルージャ市役所から、自宅に文書が届きました。「お持ちの身分証明書(Cartà d’Identità)の有効期間が、5年から10年に延長になったので、有効期間中に、市役所担当課ないしは出張所で、延長手続きをしてください。」とありました。

 そのとき、ひょっとしたら、滞在許可証(permesso di soggiorno)がいるかもしれない、と思いはしたのですが、書面には何も書かれていないし、以前から、「身分証明書を携帯していれば、滞在許可証やパスポートを常時持ち歩く必要はない」と聞いていたので、結局は持たずに、自宅に近い市役所の出張所を訪ねました。

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Panorama di Perugia verso la Chiesa di Sant’Angelo 26/04/2010


 この出張所が、今日はかなり混んでいて、かなりの人が待っていました。入り口近くに、ちょうどペルージャ市の市民へのサービスを説明したパンフレットが置いてあったので、暇つぶしにめくっていると、「窓口での平均待ち時間は7分」と書いてあります。もう長いこと待っているらしい年配の方にそれを言うと、「君も知っているだろうけど、ここはイタリアだからね。7分と書いてあっても、17分、いや、27分かかるかもしれない。」という返事が返ってきました。

 幸い約7分待った頃に、わたしの番が回ってきました。市役所から来た文書を見せ、身分証明書を提示して、さあ、これで延長手続きは終わり、と思ったら、係りの女性から、「滞在許可証は?」と言われました。「そんなこと言われても、文書には滞在許可証が必要だなんて書いてないし……」と答えるわたしに、パソコンの画面をのぞいていた女性は、こう言いました。

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Panorama di Perugia verso la Chiesa di San Pietro     26/04/2010


 「あなたの滞在許可証は、市役所のデータでは、2005年に有効期限が切れたことになっているのよ。」

 「でも、2007年に結婚の手続きで、次の滞在許可証を提示したはずだし、去年の冬には、日本免許のイタリア免許への書き換えの手続き(記事はこちら)にあたって、市役所のわたしのデータを一部更新してもらったし、そのときには、今も有効な滞在許可証も持っていたのに、何も言われなかったのだけれど……」

 「とにかくそれは別の窓口であって、わたしたちに見せに来たわけではないでしょう。滞在許可証を更新するたびに、居住地のある市役所に、新しい許可証を提示しなければいけないのよ。」

といった具合で、残念ながら、身分証明書の延長手続きは、また次回、滞在許可証も持参して、ということになりました。

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Panorama di Perugia verso la Chiesa di Santo Spirito 26/04/2010


 幸い時間に余裕はあるし、出張所がそれほど遠いわけではないので、まあいいのですが、それにしても、不思議です。というのは、

1.昨年末に市役所で、わたしに関するデータを更新してもらったときに、係りの人は、滞在許可証の有効期限が切れていることについて、何も言わなかったのです。そのとき言ってくれれば、現在も有効な滞在許可書証は持っていたというのに。

 ちなみに、データの更新は、「結婚の際に提示した戸籍の翻訳を使って、出生地を新たに記載する」というものでした。というのは、日本の証明書類には、運転免許証にしても、パスポートにしても、出生地の記載が一切ないのですが、イタリアでは、運転免許証にこの記載があり、イタリア免許に変更するには、「出生地」の証明が必要だったからです。(記事はこちら

 ただし、この「出生地の更新」は、本来わたしが結婚したときに市役所側がしておくべきだったのが、結婚したのが教会で、式を執り行った神父さんが書類に「出生地」をきちんと書いていなかったため、市役所側も、更新をし忘れたということです。責任のたらい回しの感はぬぐえませんが。

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Acquedotto, Palazzo Gallenga, Mure Etrusche – Perugia 26/04/2010


2.身分証明書を取得したとき、「滞在許可証を更新するたびに、新しい許可証を見せに来るように」とは、言われなかったし、そのときくれた紙にも書かれていません。以来、居住地は変わっていませんが、市役所から、「市役所のデータ上、滞在許可証の期限が切れているので、新しい許可証を提示するように。」という連絡も、一度も受けていません。(記事を書いた翌日、イタリア内務省のサイトに、住民登録をしている外国人は、滞在許可証を更新するたびに市役所に届け出る義務がある、と書かれているのを発見しました。下の追記をご覧ください。)

3.どの役所でも、すべてデータはコンピュータ管理されているはずなのに、ペルージャ警察署からペルージャ市役所に、更新の連絡が行っていない上、また市役所側から、警察側に「期限の切れた滞在許可証を持つEU圏外の外国人がいる」という連絡もないようです。ということは、滞在許可証が切れたまま、イタリア国内に残っている人がいても、身分証明書さえ有効期限内であれば、イタリア国内に平気でいられるわけです。これは、ペルージャの場合だけかもしれませんが……

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Arco Etrusco – Perugia   26/04/2010


 というわけで、身分証明書の有効期限が切れるまでに、滞在許可証を持って、市役所の出張窓口を訪ねるべく、現在、滞在許可証を探しているところです。コピーは手元にあって有効期限は、2012年7月。このところ、勉強部屋の改築やら日本語の試験の準備やら、ブログやメルマガのネタになりそうな記事の切り抜きや旅行情報のパンフレットの山積のおかげで、恥ずかしながら、本物の滞在許可証が迷子になっています。これを機会に、たまりたまった紙の山を、しっかり整理するつもりでいます。

 大学の授業や試験にしても、2005・2006年度の授業や試験問題のプリントがまだあったりするのです。幸いおかげで、今月半ばに、当時授業に通った女学生に、当時の試験問題で受験させることができたのですが、そうかと言って、そういうわずかな可能性のために、何もかも取っておくわけにもいかないので、少しずつ、プリントや書類の山を片づけていくつもりです。語学留学時代のノートやプリントもまだあって、自分のイタリア語学習の軌跡も分かるし、メルマガで使えるかと思うと、処分するのに気がひけるのですが……

*追記(2月24日)
 遠い昔に語学留学時代の同級生から、身分証明書があればパスポートや滞在許可証を持ち歩く必要はないと聞き、以来いろんな人から同じようなことを聞いたことがあるのですが、今回の件をきっかけに、インターネットで調べてみると、身分証明書だけではだめで、滞在許可証も常に携帯する必要があるようです。イタリア政府や警察がこの件について明言しているページはまだ見つかっていないのですが、新たに何か分かり次第、こちらに情報を追加します。

 イタリア内務省(Ministero dell’Interno)のサイトに、以下のように書かれているのを発見しました。
「滞在許可証の更新から60日間以内に、市役所の戸籍課の職員に、新しい滞在許可証のコピーと共に、居住地を届け出る義務がある。この届出を行わないと、市の住民名簿から抹消されるおそれがある。」
(該当説明のあるページはMinistero dell’Interno - Immigrazione – Stranieri e anagrafe 。 “E’ importante sapere che:”という項の最後の段落に記載されています。)

 こうやって内務省のサイトに書いてあっても、警察も市役所も外国人住民に何も言わなければ、この義務の行使が徹底するはずもないと思うのですが、とりあえずこのブログを通じて、読者の皆さんに、この義務の存在をお知らせします。ツイッターでイタリア在住の方に尋ねると、「フィレンツェにいたときは、毎年更新に来るようにとの手紙が届いていたような」というお返事をいただく一方、わたし同様に「滞在許可証の更新のたびに市役所に行く必要があるとは知らなかった。」という方もいらっしゃいます。他の町にお住まいで、ここではこうだという例があったら、教えていただけると幸いです。
 
Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2011-02-23 23:24 | Sistemi & procedure | Comments(10)

春の足音

 2月は、まだ冬のさかり。天気予報によると、ペルージャでは、日曜日まで、最低気温が氷点下になる日が続くようです。それでも、この数日のように、天気のいい日が続くと、そこかしこで花が開き始め、少しずつ春が近づいてくるのが、はっきりと感じられます。

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 テラスの掃き掃除をしようと外に出ると、ネコたちが日だまりで、暖をとっていました。

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 ネコたちの左手の鉢では、ローズマリー(rosmarino)が、かれんな花を、たくさん咲かせています。

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 後方にあるミモザ(mimosa)の木では、まだほんのわずかですが、小さな黄色い花が、咲き始めています。

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 庭には、くす玉のように、白い花を球状に咲かせる、こんな木もあります。

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 まだまだ、つぼみの方が、咲いた花よりも、数が多そうですが、それでも、不思議な華やかさがあります。

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 椿(camelia)のつぼみも、いっそう膨らみ、赤く色づいてきました。

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 今日の午後は、ミジャーナ(Migiana)のオリーブ園に出かけた夫が、今年初めて見つけたスミレ(violetta)の花を、摘んできてくれました。このところ夫は、オリーブの木々が精力を取り戻すようにと、1本1本の幹にブラシをかけては、苔などを払い落とす作業に取り組んでいるのです。

 そう言えば、ペルージャの町を離れて、初めて二人きりで、スペッロの町を散歩したのも、ちょうど2月で、このときも、散歩中に、スミレの花を夫が見つけて、摘んでくれました。そんなことを懐かしく思いながら、スミレを紙の間に挟み、押し花にしようと、厚い本の中に差し込みました。

 まだ春は遠いものの、少しずつ、春の気配が感じられる今日この頃です。

*追記(2月23日)
 今日、お義父さんに訪ねると、「くす玉のような花」は、イタリア語でsambuchellaというそうです。手持ちの伊伊辞典にも伊和辞典にも記載がなく、インターネットで調べると、学名は
Sambucus ebulus Linne。Sambucus ebulusの名前を、日本語で記載したサイトを見ると、英語名を使って、ドワーフエルダー(dwarf elder)あるいはデーンワート(danewort)としています。スイカズラ科ニワトコ属の植物だということです。

参照したサイト・リンク
Metabolomics.JP - Species: Sambucas
ハーブのデータベース・ナ行の部 - ニワトコ - デーンワート

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by milletti_naoko | 2011-02-22 21:57 | Fiori Piante Animali | Comments(10)

雪のアッペンニーニ

 わたしたちがペルージャから、友人たちの住むリミニへと、車で向かうときは、ふつう、サンセポルクロ(Sansepolcro)(トスカーナ州アレッツォ県)からE45を下りて、ヴィアマッジョ峠(Passo di Viamaggio)を通り、バディアテダルダ(Badia Tedalda)を通って、アッペンニーニ山脈を越えていきます。

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 ペルージャから、登って行く山道にはほとんど雪がないのに、標高が上がり、峠が近づいてくると、周囲がすっかり霧と雪に覆われています。

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 木の枝も地面も、白い雪に包まれ、風景が霧にかすみ、墨絵のような風情があります。

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 少し坂を下ると、気温が上がるため、枝に積もった雪が解けて、玉水となり、車の窓に落ちて、流れます。

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 実は、数年前の冬に、夫とリミニからの帰りに、ヴィアマッジョ峠を目指して登っていて、路面が凍結していたために、車が道路から右に滑り出してしまったことがあります。幸い、ご覧のように、道の右手に若干平らな部分があるので、車はそこで止まり、事なきを得ました。そうして、通りかかったジープの人が、チェーンを使って牽引してくれたので、再び、道路に戻ることができました。

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 雪に覆われたブナ林が美しいのですが、枝の上に残る雪はわずかで、そのわずかな雪も次々に解けては、頭上に降りかかってきました。

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 雨が降ったし、雪解けの水もあるから、プレサリーノ滝(Cascata di Presalino)を見に行こうと、夫が提案しました。バディアテダルダから、小道に入って、滝に着いてみると、夫の言うとおり、滝水が激しい音を立て、水しぶきを上げながら、勢いよく流れ落ちています。

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Cascata di Presalino, Badia Tedalda, Arezzo 10/10/2010


 参考までに、こちらは昨年10月10日の、同じ滝の写真です。紅葉を楽しみながら散歩したとき(記事はこちら)に、撮影したものですが、2枚の写真を比べれば、季節ごとに、また天候によって、滝の水量や趣が、かなり違うのが、よくお分かりかと思います。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2011-02-21 16:20 | Viaggi in Toscana | Comments(4)

バレンタインの夕餉

 ヴィテルボ(Viterbo)の町を散歩し、温泉で、夕日が空とプールの水面を茜色に染めていく様子を楽しみながら、くつろいだあとは、宿泊するアグリトゥリズモに戻って、夕食の時間を待ちました。

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 レストランでは、お金をかけずに、手をかけ、心を込めれば、ロマンチックな雰囲気を醸し出せることと、そのためのヒントを、いろいろ教えてもらいました。テーブルの上には、小さな赤いハート型に切り抜かれた紙が、散りばめてあります。部屋の中央にあるテーブルには、大きな赤いハート型の飾りが、いくつも並べてあります。

 わたしたちのテーブルのろうそくの周囲には、赤い小さな巻紙があります。

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 開いてみると、愛に関する名言が書かれていました。左側の紙には、「だれかを愛して失うほうが、まったくだれも愛さないよりもいい」というイギリスの詩人、テニスンの言葉が、イタリア語で書かれています。

 ハートに混じって、キューピッドの愛の弓矢をかたどった紙も、置かれていて、上の写真では、左手の巻紙の上に、見えています。パンと一緒に運んでくれた、ピザまでハート型をしています。

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 まずは、前菜を、二人で一皿頼みました。実は、メニューはふつうのメニューだけで、バレンタイン用の特別メニューがあったわけではないのですが、前菜を頼んだら、チーズも、卵焼きも、ピザも、ポレンタも、みんなかわいいハート型をしていたので、うれしかったです。中央に盛ってあるのは貝の肉や海老のサラダです。

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 わたしが頼んだのは、キノコとサルシッチャたっぷりのトマトソースのパスタです。ソースがとてもおいしかったです。

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 夫が食べたのは、黄身のとろりとした目玉焼きとサルシッチャの載ったピザです。生地は薄くて、パリパリカリカリ。ピザにはうるさい夫ですが、満足そうに食べていました。

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 デザートのミルフィーユ(millefoglie)、前菜と同様、店のふつのメニューから頼んだのですが、これまたハート型をしていました。チョコレートがたっぷりかかっていて、おいしかったです。

 もともとこのアグリトゥリズモは、温泉に近いこと、値段も手頃なこと、そして、釜焼きのピザがあることから、夫が選び、ロマンテチックなバレンタイン・ディナーを食べたかったわたしは、前日友人たちと豪勢な昼食を食べた(記事はこちら)ばかりでもあったので、まあいいかと思いながら、了承しました。夫がピザが大好きなので、外食と言えばピザ屋なので、バレンタインくらいは他の食事をと思っていたのです。

 結果的には、二人とも自分の好きなものが食べられた上、前日も当日の昼もたくさん食べていたので、量もちょうどよかったし、何よりレストランの心遣いで、ハートにあふれる夕食になって、うれしかったです。

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 Agriturismo Poggio della Guardia(ホームページはこちら)では、宿泊所とレストランが、それぞれ独立した建物になっています。上の写真に見えるのが宿泊所で、わたしたちが泊まった部屋は、2階の一番右側にある部屋です。

 この日の晩は、以前に映画館で見て、感動した映画、『Ex』が、テレビで放映されていたので、二人で、部屋で映画を見ました。この映画については、イタリア語学習メルマガでも何度か取り上げて、予告編の映像を、ヒアリング教材として活用しています。興味のある方は、下にメルマガ該当号へのリンクを貼っておきますので、イタリア語学習にお役立てください。

 映画の話が出たついでに、わたしが夫と二人で見た最初の映画は、『ラスト サムライ』でした。夫と知り合った最初の頃は、夫も含めた友人たちと皆で繰り出して、大人数で映画を見に行くことが多かったのです。初めて二人きりで映画館に行こうというときの、夫の誘い文句は、「日本人としての君の意見を聞いてみたいんだ。」でした。二人だけで外出できるのが、とにかくうれしかったのを覚えています。

 そう言えば、まだ出会ったばかりの頃に、夫がイタリア語版の『荘子』を手に、わたしの住むアパートまで来てくれたとき(記事はこちら)、二人で近くのバールまで歩いて行ったことがありました。チョコレート菓子を食べながら、何かを飲んだのですが、このとき帰り道に、、何かのきっかけで、わたしは、「ペルージャでは、小鳥の鳴き声を聞いたことがない。」と言いました。日本で暮らした最後の数年は、自然の豊かな土地の学校に勤めたために、家にいても、牛や馬の鳴き声が聞こえたり、田んぼで蛙が合唱するのが聞こえたりするところに住んでいたのです。これは、若手の独身教員は駒として動かしやすいために、田舎の学校に配属されることが多かったからなのですが、何はともあれ、緑の中に住み慣れたわたしは、石畳に覆われた町中では、自然に触れる機会が少ないのを、寂しく思っていたのです。

 そのわたしに、ルイージが、「じゃあ、君を鳥の鳴き声が聞こえるところに、連れて行ってあげよう。」と言ってくれたのを、今でもよく覚えています。その言葉どおり、以来今まで、自然のあふれる野山に、よくわたしを連れ出してくれています。今住んでいるペルージャ郊外の家にも、緑があふれていて、朝夕ツグミが朗らかな鳴き声を聞かせてくれます。

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 さて、翌朝は、宿の主人の都合もあって、朝食は、頼んだ時刻に、部屋に運んでくれました。クロワッサンとコーヒーの他に、わたしはジュースを、夫はヨーグルトを頼みました。少し寂しい朝食なのですが、二人一泊朝食つきで部屋代が50ユーロというのは、ローシーズンとは言え、今時めったにない安い料金なので、まあこんなものかなと思いました。寒がりのわたしは、滞在中ずっと、暖房が十分に効いていたのが、ありがたかったです。

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 朝食のあと、身支度をして出発しようとしたら、宿の主人が不在だったので、帰りを待つ間、アグリトゥリズモの敷地内を、少し散歩しました。ペルージャでは、まだ咲き始めたばかりのアーモンド(木はmandorlo、実はmandorla)の薄桃色の花が、南方にあるヴィテルボ郊外では、美しい花をいっぱいに咲かせていました。

映画『Ex』を取り上げたバックナンバーへのリンク
第5号 「動詞andareと前置詞、イタリアの移民問題、映画『Ex』」 (2009年2月27日)
第6号 「春ー木・果実を表す名詞、映画『Ex』(2)」 (2009年 4月16日)
第13号 「映画Ex(3)、イタリアへの旅行・留学をお考えの方へ」(2009年7月7日)

「バレンタイン小旅行」関連記事へのリンク
・「バレンタイン小旅行」 2011-02-16 (リンクはこちら
・「ヴィテルボ町歩き」 2011-02-17 (リンクはこちら

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2011-02-18 22:09 | Viaggi nel Lazio | Comments(12)

ヴィテルボ町歩き

 温泉、Terme dei Papiに近いという理由で、訪れることになったヴィテルボ(Viterbo)の町は、とても美しい町で、街角に、さまざまな時代の面影が残っていました。 

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 駐車場を探して、城壁の周囲を車で回りながら、まずは、高く張り巡らされた、中世のみごとな城壁に驚きました。わたしたちは、こちらのPorta Fiorentina(フィオレンティーナ門)近くの駐車場に車を置き、この門から、町の中に入りました。

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 中に入ると、大きな広場があり、中世の城塞、Rocca Albornozが門の近くに建っています。長い歴史の間に何度も取り壊され、再建されたこの城塞は、教皇パウルス3世(1468-1549)の住居にもなりました。この教皇は、ペルージャとの政争に打ち勝ち、当時ペルージャで権勢を誇ったバッリョーニ家のものであった町の一角を破壊して、パオリーナ城塞(Rocca Paolina)を建築するように命じた人物であり、また、ミケランジェロに、ローマのサン・ピエートロ大聖堂の建築を依頼した教皇でもあります。

 現在、この城塞は、国立エトルリア博物館(Museo nazionale etrusco)となっています。

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 幸い、この広場、Piazza della Rocca(訳すと、「城塞の広場」)には、観光案内看板がありました。主な観光地をくまなく回れるように、おすすめの散歩コースが、黄色い線で記されています。観光名所は、地図には番号で示され、下に、写真と説明が書かれています。

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 おすすめコースに従って歩き、最初に行き当たったのは、こちらの教会、Chiesa di San Faustinoです。この教会は、1266年にすでに存在しており、古いロマネスク様式の教会だったのが、18世紀に改築されました。

 ヴィテルボの町には、街角のあちこちに、みごとな噴水があるので、驚いたのですが、町で最も大きい噴水は、Piazza della Roccaの噴水(2枚目の写真)だということです。

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 手元に地図がないので、記憶を頼りに、おすすめコースと思われる道を歩いて行きました。途中で観光案内所も見かけたのですが、残念ながら閉まっていて、地図を手に入れることができませんでした。

 店の立ち並ぶ下り坂を下りていると、前方に高い塔と鐘楼の上部らしきものが見えたので、今度は、この塔を目指して歩くことにしました。

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 そうして、1487年に再建された時計塔(Torre dell’Orologio)の建つ広場、Piazza del Prebiscitoに、たどり着きました。時計塔の右手には、11世紀末に建てられた教会、Chiesa di S. Angeloが見えています。この広場は、中心街の中央部で、こうしてカメラを構えていたわたしの左手には、13世紀に建造されたプリオーリ宮殿が建っていました。宮殿の内部がそれはみごとだということは、残念ながら、今ヴィテルボ県のサイトのページ(リンクはこちら)を見て、初めて知りました。

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 奥に大聖堂の見える道を歩いて行くと、左下に、昔の公共の洗濯場がありました。右手前の美しい建物は、Palazzo Farnese(ファルネーセ宮殿)。こう呼ばれるのは、アレッサンドロ・ファルネーセ枢機卿が、パウルス3世として教皇となる以前に、住んでいた家だからですが、館自体は、13世紀にすでに存在していました。

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 大聖堂、Cattedrale di San Lorenzoは、12世紀に建てられたもので、左にそびえるゴシック様式の鐘楼(campanile)は、13世紀末に築かれました。ただし、後に幾度も改築が繰り返され、教会正面は、ルネサンス期のものです。

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 こちらのPalazzo dei Papi(教皇の宮殿)も、大聖堂が面するのと同じ広場、Piazza San Lorenzoにあります。ゴシック様式のこの宮殿は、13世紀後半に建てられたもので、ヴィテルボの名所として知られています。

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 サン・ペッレグリーノ地区(quartiere S. Pellegrino)には、今なお中世の趣が、至るところに残っています。夫が歩いていく道の左手の壁には、Via S. Pellegrinoと、通りの名前が書かれています。

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 通りの下に伸びるこうした何気ない路地にも、何とも言えない風情があります。

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 塔や家の前に伸びる石の階段が、中世に迷い込んだような気分にさせてくれます。

 美しい街角や建造物に目をみはりながら、散歩を楽しんでいたのですが、この地区を訪れたあとは、できるだけ最短距離を通って、駐車場まで戻ることにしました。午後3時に有料駐車場に車を置き、日が暮れる頃に温泉に戻ろうと、2時間分の料金を払っていたので、時間内に引き返す必要があった上、二人とも、すっかり歩き疲れていたからです。

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 と言っても、地図がないので、道を人に尋ねながら、こうだと思われる方角を目指して進んで行きました。

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 ようやく駐車場にもフィオレンティーナ門にも近い広場、Piazza della Roccaまで戻って来ました。まだ少し時間があったので、左手に見える建物内のバールで、ホット・チョコレートを飲みました。このホット・チョコレートが思いがけずおいしくて、すっかり夫の気に入ったようです。イチゴの載った、小さなシュークリームも、二人で食べました。

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 それから、城壁前にある駐車場に戻り、再び温泉、Terme dei Papi(記事はこちら)へと向いました。中世に築かれた高い城壁は、夕日を浴びて、茜色に染まり、その上には、まだ白い月が見えていました。

参照した資料・LINK
・"Italia etrusca”, Giunti Editore, 2008.
・"Centro Storico – Città di Viterbo, Assessorato al Turismo”. (ヴィテルボ中心街に立っていた観光案内看板の説明)
Provincia di Viterbo – Turismo – Visitare la Tuscia - Viterbo
Provincia di Viterbo – Turismo –Visitare la Tuscia – Palazzo dei Priori 
Umbria e Arte – Perugia – Rocca Paolina

関連記事へのリンク
・「バレンタイン小旅行」 2011-02-16 (リンクはこちら
・「バレンタインの夕餉」 2011-02-18 (リンクはこちら

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2011-02-17 18:10 | Viaggi nel Lazio | Comments(10)

バレンタイン小旅行

 2月14日月曜日は、バレンタインデーを祝うために、1泊2日の小旅行に出かけました。

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 訪れたのは、ラッツィオ州の ヴィテルボ(Viterbo)の町とその周辺です。写真は、ヴィテルボの町のPorta Fiorentina(フィオレンティーナ門)から城壁内に入って、門とRocca Albornoz、噴水を撮影したものです。

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 朝ペルージャを発って、まずは、宿泊予定のヴィテルボ郊外のアグリトゥリズモに、荷物を置きに行きました。すぐ近くを電車が通ってはいますが、宿を取り囲む自然の美しさに感嘆しました。

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 ヴィテルボを旅行先に選んだのは、こちらの温泉、Terme dei Papi(テルメ・デイ・パーピ、訳すと「教皇たちの温泉」)(ホームページはこちら)で、リラックスするためです。右に掲げてある看板を見ると、エトルリア人に発見されたこの温泉は、教皇たちだけではなく、古代ローマ時代の執政官やダンテ、ミケランジェロも、この温泉を愛し、足を運んだと書かれています。

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 正午頃に、ゆったりとした広い温水プールで、照りつける太陽のもと、温泉浴をしばらく楽しんだあと、温泉施設内で、セルフサービスの昼食を食べました。前日食べ過ぎたので、あっさりとした昼食をと思っていたのに、ミラノ風カツレツを見たとたんに、ついつい食べたくなってしまいました。食べ始めてかなりしてから写真を撮ったので、食べる前は、カツレツはもっと大きかったし、野菜も量がもっと多かったことだけ、一言申し添えておきます。

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 食後は、すぐに温泉プールに入るわけにもいかず、また日差しがあまりにも強かったために、しばらく温泉施設から出て、車で近くのヴィテルボの町を訪れ、散歩を楽しんでから、夕方再び温泉に戻ることにしました。

 高い城壁に囲まれたヴィテルボの町を、夫と二人で、あちこちの街角の美しさに、目をみはりながら、散歩しました。写真は、13世紀に建てられたPalazzo Papale(教皇の宮殿)です。

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 午後3時から午後5時まで、ヴィテルボの町を散歩して、すっかり歩き疲れてから、再び温泉、Terme dei Papiに戻りました。駐車場を歩いて、温泉に向かう途中に、沈みゆく夕日を見ることができました。

 温泉の中で、くたびれた足をゆっくり休めながら、西の空が徐々に茜色に染まっていく様子を楽しむことができました。午後6時半頃に温泉を後にしたときには、とっぷり日が暮れていて、駐車場から温泉プールの方向を眺めると、濃紺の空に白い湯煙が、もうもうと立ち上っていました。

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 宿泊したAgriturismo Poggio della Guardia(ホームページはこちら)と同じ名前、同じ敷地内にあるレストランで、夕食を取りました。バレンタインデーだからということで、テーブルには、ハートに囲まれた赤いろうそくがともされ、前菜も、チーズ、卵焼き、ピザなど、いろいろなものがハート型をしていたのが、うれしかったです。二人で一つ注文したデザート、ミルフィーユ(millefoglie)も、かわいいハート型をしていました。

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 翌日、2月15日火曜日は、宿の主人の勧めで、BagnaiaにあるVilla Lanteという、それは美しいイタリア式庭園を持つ別荘を訪ねました。ローマのVilla d’Este(記事はこちら)を模してつくられたというこの庭園の、あちこちに配された美しい噴水や、水の流れの巧みな利用に、感心しました。

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 Villa Lanteを訪ねたあとは、すぐ近くにあるTrattoria “da Cioffa”で、おいしい昼食を、手頃な値段ですませました。店の自慢のRigatoni alla Cioffaは、トマトと生ハム、チーズを使ったパスタで、わたしも夫も、カラブリア出身という店の主人の興味深いおしゃべりを聞きながら、おいしいと満足しながら、平らげました。

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 別荘、Villa Lanteに近いこのトラットリーアには、かつて別荘の家畜小屋(stalla)であった部屋もあります。それがこちらの部屋です。別荘の噴水を始めとして、Bagnaiaの町の家は皆、火山岩、ペペリーノ岩(peperino)を使って建てられているのですが、この部屋は、そのペペリーノ岩をくりぬいてできたものです。わたしたちの右にいるのが、店の主人。ちなみに、店名にあるCioffaは、やはり店で働く若い息子さんが幼い頃からのニックネームだそうです。

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 帰りに、ぜひわたしが寄りたいと思っていた町に行くはずが、道を間違えてたどり着いたのが、こちらの村、Lubriano(ルブリアーノ)です。バールでコーヒーを飲んだあと、せっかくなので、この趣のある小さな村を、しばらく散歩しました。

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 ルブリアーノで行き方を聞いて、ようやく着くことができたのが、こちらのCivita di Bagnoregioの村です。ご覧のように、そそり立つ岩の上に建つこの村には、昔はふつうの道を通ってゆくことができたのですが、土砂崩れで地面が崩れ落ちたために、今は高い橋の上を、歩いて行かなければいけません。

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 花盛りのアーモンドの向こうに、美しい眺めが広がっています。

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 高所恐怖症のわたしは、行きも帰りもハラハラしましたが、村は、いたるところに風情のあふれていて、心から、訪れることができてよかったと思いました。

 散歩を終えたあとは、車に戻り、少しずつ日が暮れてゆき、空が暗くなる中を、ペルージャへと向いました。

関連記事へのリンク
・「ヴィテルボ町歩き」 2011-02-17 (リンクはこちら
・「バレンタインの夕餉」 2011-02-18 (リンクはこちら

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2011-02-16 00:40 | Lazio | Comments(16)