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洞窟の住居群2

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 ソラーノの考古学公園の洞窟の住居(記事はこちら)の中には、こんなふうに二つ並んだ岩屋の戸口が向かい合っていて、部屋から部屋へ(家から家へ?)と移動できるようになっているものもあります。

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Abitazioni rupestri di Vitozza (Sorano, Maremma Toscana)


 ちなみに、この右手の岩屋の中は、前回もご紹介しましたが、こんなふうになっていて、

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 床に掘られた穴から、下の階の洞窟に下りることができるようになっています。

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 一方、二つ並んだ岩屋のうち、左側の戸口から入ったところにある洞窟はとても小さいのですが、そのすぐ先には、

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こうした大きな洞窟があって、辺り一体が、岩壁を掘って造り上げたアパートのようになっています。

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二階建ての岩屋から階段を下に下って行くと、道が二手に分かれます。夫の提案で、まずは右に曲がって、レンテ川の水源(Sorgente del fiume Lente)を目指して、歩くことにしました。

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川の源へと下りていく道も、なかなか風情があってすてきで、

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途中で色の美しい花を見かけたりもしたのですが、ひたすら道を下った挙句、分かれ道があり、どちらに進むべきかという道しるべがなかったので、あきらめて、来た道を引き返しました。

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 そして、先ほどの分岐点に立っていた看板の左側に進み、納骨所(colombari、複数形)を目指しました。夫がのぞいている洞窟の中が、納骨所になっています。

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 この納骨所(colombario)は、古代ローマ時代、紀元前1世紀から紀元1世紀に遡る古いもので、岩壁に掘られた無数の穴には、骨壺が並んでいました。ヴィトッツァの洞窟の住居群の中には、こうした古代ローマ時代の納骨所がいくつかあるのですが、中世には、ハトの飼育に利用されたと考えられています。

 “Fra le varie grotte ci sono alcuni colombari d’età romana, che durante il Medioevo erano presumibilmente destinati all’allevamento dei piccioni, pratica molto diffusa nel territorio di Sorano.” (“Viaggio attraverso La Civiltà del Tufo”, p.39)

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 納骨所を訪れた頃から、にわかに空がかき曇り、雷鳴がとどろき始め、雨が降って来ました。雨に濡れぬよう、雷に打たれぬようにと、非難する場所を探したのですが、高い木の下は危険だし、洞窟の住居も、天井に裂け目があったりします。何世紀も風雨に耐えてきたのだから、洞窟の下の方が安全だろう、崩れてきたらすぐに逃げ出せるように、と考えて、洞窟の入り口で雨をしのいでいたのですが、帰宅してからインターネットで調べると、洞窟の中は比較的安全だけれども、入り口付近は危険なので避けるようにと書かれていました。何事もなくて、よかった、よかった。

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 雨がやんでから、別の道を通って、出発地点まで戻りました。こんなふうに高い城壁がまだ残っている場所や

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美しい色とりどりの花が咲く

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草むらを通り、

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il rudere della “Chiesaccia” (Sorano, Maremma Toscana)


 そうして、廃墟と化した教会の脇を通って、時に雨宿りをしながら、駐車場にたどり着きました。せっかくなのでPitiglianoにでも宿泊しようと考えたのですが、町の周囲に車を置ける場所が見つからず、雨もやみそうになかったため、結局すぐにペルージャに戻ることにしました。

参考資料 / Riferimenti bibliografici e web
- “Viaggio attraverso La Civiltà del Tufo. Sorano – Sovana – Pitigliano. Storia, Arte e Natura. Passeggiate lungo le Vie Cave”, la Cooperativa 《La Fortezza》(a cura di), Editrice Laurum, 2010.
- 落雷に対して安全な場所と危険な場所を把握しましょう(pdf)

関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- tufo(凝灰岩)の里を訪ねて、ソラーノ / Città del Tufo, Sorano, Pitigliano, Sovana & Onano (7/12/2010)
- tufoの里を訪ねて2、オナーノとカソーネのレストラン / Verso Sorano, Lago di Corbara – Onano – Casone, Park Hotel Ristorante Bel Vedere (8/12/2010)
- tufoの里を訪ねて3、ソラーノ温泉 / Terme di Sorano (12/12/2010)
- ソラーノ考古学公園、洞窟の住居群1 / Abitazioni rupestri di Vitozza I - Parco Archeologico “Città del Tufo”, Sorano (5/6/2011)
- ソラーノ、凝灰岩の町 / Sorano, Città del Tufo (GR) (5/12/2015)
- イタリアのかかし二人で楽しそう / Spaventapasseri simpatici a Sorano (GR) (9/12/2015)

参照リンク / Riferimento web
- Parco Archeologico "Città del Tufo", Sorano - Il Parco Archeologico

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by milletti_naoko | 2011-06-06 19:24 | Toscana | Trackback | Comments(8)

洞窟の住居群1

 この数日、ペルージャでは、というより、イタリア中部全体で、おかしな天気が続いています。午前中は晴れ間が見えて、暖かくいい天気なのに、午後になると急に空がかき曇り、雷鳴がとどろき、雨が降り出す。そんな日が続いています。

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Lago di Bolsena


 6月3日金曜日は、午後の天気予報がPioggia e schiarite(雨のち晴天、または雨と晴天が交互に繰り返し)だったのですが、朝は天気がよかったので、ペルージャを車で出発して、昨年12月にも訪れた、tufo(凝灰岩)の里、ソラーノ(記事はこちら)を目指して、出発しました。途中、昼食に、パンとポルケッタを購入した町、Grotte di Castroで、ボルセーナ湖の浜辺で食べるといいと勧められ、打ち寄せる波の音を聞きながら、パニーノをほおばりました。

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 ソラーノ(Sorano)近くにあるヴィトッツァ(Vitozza)には、上の写真に見えるように、凝灰岩(tufo)をくりぬいた洞窟がたくさんあります。こうした洞窟は、かつては、住居や仕事場、あるいは家畜小屋として、使われていました。ヴィトッツァには、こうした洞窟の住居(abitazioni rupestri)が、なんと200以上も存在します。上の写真に見える住居は、18世紀のものですが、この洞窟の居住地区は、すでに12世紀から存在していました。

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 ところどころに、こうして、この居住地区全体の地図や説明を示す案内看板がありました。

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 上の写真の洞窟の前には、野イチゴがあり、いくつかは、もうすっかり赤くなっていました。真っ赤に熟れたイチゴは、もちろんすぐに摘み取って、おいしくいただきました。

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 この日、散歩をしている人は少なかったのですが、馬を木につないで、昼食を食べているグループに出会いました。「危険なので、あまり後ろ足の近くを歩かないように。」と、声をかけられました。

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 本来の考古学公園(Parco Archeologico)の入り口は、実はこの馬に出会った地域で、「ここからは、これまでとは比較にならぬほど、興味深い洞窟の住居がたくさんあるんですよ。」と、乗馬グループのガイドをしている青年が、教えてくれました。

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 道中は、おもしろい洞窟がたくさんありました。こちらの洞窟には、棚が掘ってあります。

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階段を登った先にあるこちらの洞窟の住居には、穴があって、

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こうして立てかけたハシゴを登って、

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上にある住居まで、行くことができるようになっています。高所恐怖症のわたしは、ハシゴではなく、岩の住居の左手にある階段を上りました。この写真で鮮やかな黄色を見せる植物はとても興味深く、黄色く見えるのは、日光が差し込む洞窟の入り口から見たときだけです。

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不思議なことに、こうやって水たまりに近づき、別の位置から眺めると、表面の植物は、泥のような茶色に見えます。夫の推測では、水の表面に生えている植物には、日光を受けて光を発する部分がある(夫はその部分のまねをして、ポーズを取っています)のではないかということです。

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 この洞窟のわきにある階段をさらに上ると、岩の上に、それは美しいセンペルビブム(semprevivo)の花が、たくさん咲いていました。

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 中には、こんなふうに岩を深くくりぬいた洞窟もあり、なんだか風呂桶のように見え、わたしは急に、日本のお風呂への郷愁を感じました。(つづく)

関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- tufo(凝灰岩)の里を訪ねて、ソラーノ / Città del Tufo, Sorano, Pitigliano, Sovana & Onano (7/12/2010)
- tufoの里を訪ねて2、オナーノとカソーネのレストラン / Verso Sorano, Lago di Corbara – Onano – Casone, Park Hotel Ristorante Bel Vedere (8/12/2010)
- tufoの里を訪ねて3、ソラーノ温泉 / Terme di Sorano (12/12/2010)
- ソラーノ考古学公園、洞窟の住居群2/ Abitazioni rupestri di Vitozza II - Parco Archeologico “Città del Tufo”, Sorano (6/6/2011)
- ソラーノ、凝灰岩の町 / Sorano, Città del Tufo (GR) (5/12/2015)
- イタリアのかかし二人で楽しそう / Spaventapasseri simpatici a Sorano (GR) (9/12/2015)

参照リンク / Riferimento web
- Parco Archeologico "Città del Tufo", Sorano - Il Parco Archeologico

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by milletti_naoko | 2011-06-05 20:26 | Toscana | Trackback | Comments(6)

雨の合唱祭

 今年も、コルチャーノ合唱祭(記事はこちら)が、中世の町並みの美しい(記事はこちら)コルチャーノ(Corciano)の町で、催されました。

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 午後から空がかき曇り、雨が降り始めたのですが、雨に濡れた町にも、独特の風情があります。

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 城門の向こうにあるもう一つの門をくぐり、長い階段を上ると、左手に、

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会場であるサンタ・マリーア教会が見えます。

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前を通り過ぎると、教会の美しい一角が見えます。階段など、建物の造りも趣があるのですが、いつ来ても、色とりどりの花がたくさん飾られていて、とてもすてきなのです。

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 コンサートは、午後6時半に始まりました。まずは夫の属する地元の合唱団、コラーレ・テティウム(Corale Tetium)が、『Gradual』(ブルックナー)と 『Salve Regina』(シューベルト)の2曲を披露します。

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 後方の祭壇画は、ラッファエッロが師と仰いだ巨匠、ペルジーノ作で、聖母マリアの昇天の様子が描かれています。

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“Commedia Harmonica” (Assisi)

 合唱祭では例年、ウンブリア州から、そして他州から、合唱団を一つずつ招待して、それぞれに数曲ずつ、歌ってもらっています。まずは、アッシジの合唱団、コンメーディア・アルモーニカが、荘厳な宗教曲の数々を歌ったあと、最後に、宗教曲でありながら、軽快で楽しい一曲、『Ande Pues nostro …..La Bomba』を、聞かせてくれました。

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Corale “Roma Polifonia” (Roma)

 それから、ローマの合唱団、ローマ・ポリフォニーアが、モーツァルトやバッハなどの曲を、力強く歌いました。中でも夫がいいなと言っていたのは、『Canto di Madonna povertà』(M. Frisina)という歌でした。

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 最後に、練習はまったくなしで、参加した合唱団の団員全員が、一曲共に歌ったのですが、みごとな合唱に、会場の皆が、感動しました。

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 コンサートのあとは、夕食の会場に移動します。教会前の階段を下り、一つ目の門を出て、左に曲がると、

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 すぐに会場への入り口があります。石壁に茂っている緑の植物は、ケッパー(capperi)で、早くも白い花をたくさん咲かせています。(ケッパーの花についての記事はこちら

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会場となる建物の前にも、やはりケッパーの白い花が、たくさん見えています。

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会場の中には、合唱団員やその家族の手作りの料理やデザートがいっぱい並んでいます。セルフサービスで、自分の食べたいものを皿に取って、食べて行きます。

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甘いものも、写真に収まり切らないほどの、おいしそうな数々のデザートが、横長のテーブルいっぱいに並んでいました。

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 おいしいものをたくさん食べ、おしゃべりを交わしたあとは、合唱団が軽快な民謡を一緒に歌います。それから、遠くから来た合唱団の人々にあいさつをして、会場を片づけてから、帰途につきました。

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by milletti_naoko | 2011-06-05 00:11 | Feste & eventi | Trackback | Comments(4)

日伊の架け橋、アニメと漫画

 わたしたちが日本語を教える教室の右横では、アラビア語の授業が行われていて、レバノンやイラクなど、政治的にも軍事的にも、難しい地域に赴任することになっている軍人さんたち3人が、アラビア語を学んでいます。

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 この3人もやはり、とても気のいい人たちで、「先生が授業をおてやわらかにしてくれるように」と言って、飴やチョコレートを持ってきては、時々、隣の教室で教えるわたしにも、一つ二つと分けてくれます。ちなみに、この「甘いもの作戦」を最初に考え出したのはミンモさんで、お隣さんたちは、横を通るたびに、「この飴、一ついただきますね。」と手を出したりしていたこともあり、自分たちも持参することになったようです。授業中にこういうものが机の上にあるのはいただけない、とわたしは授業の間は、机の下の目に見えない場所に置いて、そのまま忘れてしまうので、時々、「ああ、またこうやって隠すから、食べるのを忘れちゃうんだよね。」と言われます。

 ある日、このアラビア語の生徒さんの一人が、わたしの名前を「なおと」と呼び間違えました。「なおこですよ。」と言うと、「あ、すみません。実は、幼い頃から、アニメの『タイガーマスク』(L’Uomo Tigre)が大好きで、その主人公の名前、『なおと』と混同してしまって…」と言うではありませんか。『タイガーマスク』は、わたしも幼い頃に見ていましたが、主人公の名前など記憶になかったので、まずは、彼が今もその名を覚えていることに驚きました。ちなみに、あとでインターネット上で調べて、本当に主人公の名が「なおと」だということが分かりました。

 この話が発端になって、いろいろなアニメの話になり、3人とも、『UFOロボ グレンダイザー』を見て育ったということが分かりました。『荒野の少年イサム』まで知っている人がいて、実はわたしも幼い頃に見ていながら、結局イサムが父親とめぐり会えたかどうかが分からなかったのに、バグダッドに赴任することになっている軍人さんが、「最後には、父親と会えたんだよ。」と教えてくれました。30年以上も前に見て、結末が分からずにいた日本のアニメがどう終わったかを、イタリアで軍人さんに教わるなんて、世の中おもしろいなあ、とつくづく思いました。3人ともひどくまじめな人たちなのですが、『愛してナイト』も、よく見ていたようです。「父親が鉄板の上で何かを焼く店を開いていて」、「男性の主人公が髪を染めていて」、「猫の名前がジュリアーノとイタリア語名」だと聞いて、3人が何のアニメの話をしているのかが、ようやく分かりました。

 グレンダイザーは、イタリアでは、Goldrakeとう名前で放映されていました。40代の軍人さんたちにとっては、心に一番残るアニメの筆頭であるようで、このことは、すでに授業中にミンモさんから聞いていました。イタリアで各家庭にカラーテレビが導入されたのと、グレンダイザーが放映されたのが、ちょうど同じ時期で、そのため、ミンモさんは、「カラーテレビの色彩の美しさを、グレンダイザーを通して実感し、楽しんでいた」そうです。ミンモさんのお母さんもやはり、その色彩の美しさに感嘆し、いつも一緒にグレンダイザーを見ていたそうです。わたしもやはり、小学生の頃、グレンダイザーを見ていましたが、カラーとグレンダイザーを特に結びつけて意識した記憶がなかったので、驚きました。

 以前にも書いたように、外国語というのは、歌を通して覚えると、聴覚も動員し、リズムもあるので、記憶に残りやすいし、正しいイントネーションや発音が身につきやすいので、外国人大学の授業では、よく学生たちといっしょに、『春が来た』などの歌を歌っていました。(記事はこちら)ミンモさんにも、最初から、「時々歌をうたって、勉強しましょうね。」と言っていたのですが、「ぼくは、歌はへただし、隣の教室に迷惑をかけるから、歌だけは絶対うたわない。」と、言われていました。というわけで、結局、日本語の歌は歌わずじまいだったのに、グレンダイザーの話をしたとたん、ミンモさんは、自分から、グレンダイザーのイタリア語のオープニング(リンクはこちら)を、すべて歌って披露してくれました。きちんと歌えるし、歌もじょうずじゃない、と言うと、「Goldrakeだけは特別で、何度も何度も聞いたから。」とのことでした。グレンダイザーは夫も好きで、よく見ていたようですが、オスカノ城での夕食(記事はこちら)のあと、別れ際に、何がきっかけでか、ミンモさんがGoldrakeをすべてすらすら歌ったとき、夫もいっしょに歌おうとしたものの、忘れていたところがあったので、ミンモさんは、本当にグレンダイザーが好きなんだなあと、つくづく思いました。

 そんなことがあったので、この日は、廊下で他の外国語を学ぶ軍人さんに会うたび、その人にとっての懐かしの日本のアニメを尋ねていたら、やはり中東の難しい地域に赴任することになり、ダリー語(だったと思いますが、あとで確認します)を学ぶ軍人さんが、ガンダムの大変なファンだということが分かりました。ガンダムは、わたしも中学・高校時代に大好きだったので、妙に話が盛り上がりました。イタリア語に訳された、ガンダムの漫画まで持っているそうで、今度学校に持ってきてくれるそうなので、楽しみです。「他のアニメとは一味違うすばらしい作品だ」と語るのを聞いて、「そうですよね。ひょっとして、ガンダムの世界にあこがれて、軍人になったんですか。」と尋ねると、「それは考えたことがなかったけれど、ひょっとしたら、そうかもしれない。」ということでした。

 こうやって話をしていると、皆、子供のように生き生きと瞳が輝いてきて、「ああ、いいなあ。こんな話をしていたら、自分も日本に行きたくなってきた。」と、ミンモさんをうらやましがるのでした。ただ、この隣のクラスのアラビア語の生徒さんたちや、少し離れた教室で、ロシア語を学ぶ生徒さんは、自分たちの学ぶ言語が難しくて、めげそうになると、わたしたちの教室にやって来て、ミンモさんがノートに書いている日本語を眺め、黒板に書かれた言葉を見て、「ああ、自分より難しいことを勉強している人がいる」と、自分たちを慰めています。そう言えば、最近はミンモさん、「また(授業中に)たたきのめされた」とは、言わなくなりました。(記事はこちら

 3か月の語学研修を終えると、やがて、それぞれの赴任先へと向かっていく軍人さんたち。情勢の非常に厳しい地域に行かれる方も多く、それでも、まじめに、かつユーモアと笑顔を忘れずに、決して易しくはない言語の習得に、励んでいます。わたしたちの教える希少言語の教室の並ぶ教棟には、将校クラスの人が多いのですが、優しくきさくな軍人さんがほとんどです。授業はあと1か月で終わる人が、ミンモさんも含めて大勢います。生徒さんだけでなく、先生方も、世界中のさまざまな国、文化を背景にした方ばかりで、話していて、とても興味深いものがあります。

 外国人大学では、外国人がイタリア語・イタリア文学を学ぶ場合が圧倒的に多いのに対して、この軍語学学校の中では、イタリアの中で、イタリアの軍人さんたちが、自分たちが赴任する先の国の言語や文化を学ぶため、わたしたち外国人が教員で、イタリア人側が、生徒ということになり、そういう関係もなんだかおもしろいなと思います。そう言ったら、「試験前や試験中に、将校たちを苦しめるのもなかなか楽しいものよ。」などと、本気か冗談か、答えていたある外国語の女の先生もいました。いずれにせよ、軍人さんたちが赴任する前に、勤務先の言語・文化を学ばせようという姿勢は、すばらしいと思います。世界中から来た人々が集まり、それぞれの国の言語や文化を教える場所。イタリアのために、世界のために、命を賭して働く使命を自分に課した軍人さんたちが学ぶ場所。とてもすてきな環境で、働くことができることを、うれしく思います。

 昔、日本の高校で教えていた頃には、担当するクラスや学年がかわったり、教えていた生徒たちが卒業したり、異動で学校がかわったりすると、ひどく悲しくて、よく泣いたものです。この学校で授業が終わり、ここで知り合った軍人さんたちに、さよならを言うときも、きっとひどく寂しいだろうなという気が今からしています。あと1か月、悔いのないように、精いっぱいいい授業をしていけたらと思っています。

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by milletti_naoko | 2011-06-02 23:10 | Giappone - Italia | Trackback | Comments(12)

お城で夕食

 ペルージャ郊外のチェネレンテ(Cenerente)の村には、それは優雅で美しいホテル兼レストラン、Castello dell’Oscano(発音は「カステッロ・デッロスカノ」、訳すと「オスカノ城」)があります。

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Castello dell’Oscano e Papaveri 6/6/2010

 わたしたちが日本語を教えるミンモさんを始め、軍外国語学校(ホームページはこちら)で学ぶ十数名の軍人さんが、このホテルに滞在しています。昨日、5月31日火曜日は、ミンモさんが、わたしたち日本語教師3人を、お城での夕食に招待してくださいました。

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 夫と二人で、車で会場に駆けつけ、お城の写真を撮ろうとしたとたん、うっかり足を滑らせると、「どこに行くつもり?」と、聞き慣れた声が聞こえてきました。ミンモさんの登場です。

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 4月に授業が始まってから、学校ではミンモさんに夫のことを、家では夫にミンモさんのことを、話す機会も多かったのですが、とうとうこの二人が出会うことになりました。

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 あいさつの後、お城の中に入り、内装のすばらしさに感嘆しました。すでに来ていた他の方にあいさつし、夫を紹介した後は、生徒さんたちが、お城を案内してくださいました。こちらの木でできた優雅な階段を登って行くと、

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 屋上に出ます。塔が立ち並ぶお城のつくりも、そして周囲の山々の眺めも、それは美しかったです。夕食には、日本語クラスとヘブライ語クラス合同の夕食会です。ミンモさんと、日本語を教える3人組、りえさん、たけしさん、わたしと夫に、ヘブライ語の生徒さんと先生が加わり、計7人が集まりました。

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 これを機会にと、夫が、日本語クラスとヘブライ語クラスの記念写真を撮ってくれました。

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 外観もなのですが、内部も、天井も壁もすべて木で覆われ、装飾の施された部屋があったり、教会のように天井に彫刻を施した部屋があったり、それはみごとでした。内部の様子に興味のある方は、下に添えてあるCastello dell’Oscanoのホームページをご覧ください。

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 夕食は、レストランの中の、優雅な本棚の並ぶ一室でいただきました。写真に写っているのは前菜です。前菜からデザートまで、どれも、盛りつけも美しく、とてもおいしかったです。生徒さんも先生方も、とてもすてきな方ばかりで、おしゃべりを楽しみながら、そして、料理のおいしさに舌鼓を打ちながら、あっという間に時が過ぎていきました。ごちそうしてくださったミンモさんたち、本当にどうもありがとうございました。

 秋から東京イタリア大使館に、3年間勤めるために、日本語を学んでいるミンモさんは、優しく、ユーモアがあって、それでいて、きまじめで責任感の強い人です。赴任直後は仕事などが忙しくて時間がないだろうけれども、余裕ができたら、夜間に通える日本語の授業で学び、ゆくゆくは、たくさんの日本の方と知り合い、おつきあいすることができたらと、語ってくれます。「日本では、他の国の人と会う機会が多くなるだろうけれど、できれば日本の人と話がしたい。」というミンモさんの思いはまた、かつてのわたしも含めて、イタリアでイタリア語学校に通う多くの方に共通するものの、なかなか実現が難しいものかもしれません。わたしもマルケの小村で留学生活を始めたときは、すぐに村の多くのイタリア人と知り合いになれたのに、ペルージャでは、最初の数年は、外国人の友人がほとんどでした。東京のような大都会になるとまた、外国から来る方に限らず、初めての人と知り合い、つきあっていく気持ちの余裕や機会がないということが、多いかもしれません。

 以前、出会った外国人の英語の先生には、「日本語を勉強したくて、日本語で話しかけるのに、日本の人が英語で答えがちだ」と悩んでいた方も多くいました。ミンモさん本人は、「大使館勤務だから」と敬遠されないようにと願うのですが、わたしは、イタリア人男性に対する偏見も心配しています。

 日本国民に敬意を抱き、問題点も知りつつ、すばらしい文化だと思ってくれるミンモさんが、日本で過ごしていく間に、どうか多くのすてきな温かい日本の方と、日本語で交流ができますように、そして、3年間の勤務が心に残るいい思い出になりますように、と、外国人大学の学生さんたちと違って、ミンモさんはわたしより年も上だし、責任のある仕事を持たれている方にも関わらず、心からそう祈っています。

Castello dell'Oscano
Strada Forcella, 37 I - 06070 Cenerente (PG)
Tel : +39 075 584371, Fax: +39 075 690666
Email: info@oscano.com
Sito : http://oscano.com/index.html

*******************************************************
Cena al Castello dell'Oscano 31/5/2011

- Castello stupendo, cena squisita e una serata molto piacevole.
- Grazie infinite agli allievi gentilissimi che hanno invitato
noi insegnanti e mio marito a cena :-)))
*******************************************************

LINK
- Castello dell’Oscano - HOME

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2011-06-01 16:12 | Umbria | Trackback | Comments(10)


日本語教師・通訳・翻訳家。元高校国語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより


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Naoko Ishii
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