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授業の打ち上げ

 軍語学学校で4月から始まった3か月の日本語特訓講座、いえ基礎日本語講座も、他の希少言語の基礎講座と共に、試験と試験結果の発表を待って、7月1日に終了。

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 7月1日は、日本語とヘブライ語クラスの皆と共に、我が家で授業の打ち上げをしました。

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 写真手前に見えるアラビア風パンは、ヘブライ語の先生の手作り。焼き立てでおいしかったです。アラビア風パンというのは、この先生はイスラエル人ですが、バイリンガルで、母語はアラビア語、そして、イスラム教徒だからです。アラビア風パンは、左手に見えるヒヨコマメのクリームに、オリーブと酢漬けのキュウリを添えたお皿の具を、間に挟んでいただきました。巻き寿司と押し寿司は、わたしが作ったものです。

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 セコンドには、まずは、りえさん手料理の南蛮漬け。しょうがの風味がきいていて、けれどもさっぱりしていて、とてもおいしかったです。わたしも、ミンモさんの好物と知っていた焼き鳥を、作ってみました。

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 ワインやリキュールは、ミンモさんとヘブライ語の生徒さん、そして、たけしさんが考えてくれました。テーブルに写っているワインは、ミンモさんのお里、サバウディアの白ワイン。水の後ろに見える器には、りえさんの南蛮漬けがあります。左手のサラダボウルの中には、我が家の野菜畑で採れたてのサニーレタスとプチトマト(正確には、雨が降りそうだったので、午後2時頃に収穫したのですが)。

 生徒さんたちは、わたしたち教師陣にと、贈り物を用意してくださっていて、上の写真では、ミンモさんが、贈呈の辞を述べているところです。ナポリの特産品とかわいい小瓶に入ったオリーブオイルとバルサミコ酢のセットを、それぞれいただきました。思いがけなくて、とてもうれしかったです。

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 デザートはまず、りえさん手作りのおいしい抹茶風味のティラミス。ヘブライ語の生徒さんのおばさんの焼いたビスケットも、パンテッレリーア島のパッシートに浸して、おいしくいただきました。ルイージの作ったパンナコッタも好評でした。ブルーベリーなど、三つの果物からそれぞれパンナコッタに合わせるソースも、時間をかけてじっくり準備していました。

 すてきな先生方や生徒さんと、充実した3か月の講座を締めくくるすてきな夕食会になりました。最初の乾杯のときに、夫が言った、「世界から来た人々と、世界に向けて旅立つ人々に乾杯」という言葉も、我が夫ながらいいことを言うなあと思いました。

 みんな、本当にありがとう。

Link・関連記事
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2011-07-29 15:47 | Gastronomia | Trackback | Comments(16)

カレーばんざい

 旅行中に、カレー風味の鶏肉料理を食べたこともきっかけになって、このところ、無性にカレーライスが食べたくなっていました。

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 それで昨日、旅行帰りの最初の買い物で、カレー粉を買い、インターネットで、カレー粉から、手軽においしそうなカレーができるレシピ(リンクはこちら)を見つけて、さっそく作ってみました。左手が不自由で、肉や野菜を切るのに苦労しましたが、懐かしい日本の味のカレーを食べることができて、とてもうれしかったです。

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 緑色をしているのは、夫に庭で取ってきてもらった月桂樹の葉です。懐かしい色と香りを楽しみながら、ぐつぐつと煮込んでいると、いい香りがするね、と夫がのぞきに来ました。けゆあさんのレシピには、「カレー粉(大人用・大匙2) 大さじ1」とあるのですが、甘口に慣れたわたしには、大さじ1杯で十分に思えたので、もう1杯は入れませんでした。ただし、これは、カレー粉にもよるかと思います。

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 ちなみにわたしが今回近所のスーパー、Pamで購入したのは、上の写真のカレー粉です。これしか置いていなかったからで、ちなみに近くにあった、同じメーカーの瓶入りの商品は、量は少ないのになぜか値段が高く、原材料も製造地も同じだったので、こちらを選びました。ふたの上には、小さな冊子が貼りつけてあって、開いてみると、おいしそうなカレー粉を使った料理がいろいろと並んでいます。

 レシピには、ジャムを入れてもいいと書かれていたのですが、わたしはハチミツを少し加えてみました。左手をあまり使えなかったのですが、それでも、1時間40分ほどで、おいしいカレーができて、とてもうれしかったです。夫は、昔友人たちとインドを旅行したときから、インド料理が好きで、甘口のカレーも、おいしいと喜んで、おかわりまでしてくれました。

 日本に帰ったとき、買っておいたルウはもうないし、幼い頃から、リンゴとハチミツ入りの甘口カレーに親しんでいる身では、ペルージャのインド料理店のカレーも口に合わないだろうと、頼んだこともありませんでした。ずいぶん前にたまたまインターネットで見つけたレシピは、ひどく本格的で、材料をそろえるところから大変そうと、あきらめていていました。それだけに、ルウなしでも比較的簡単に作れると分かって、うれしかったです。今日になって、記事を書くためにもう一度レシピを見ていたら、なんと、以前に作ったルウなしで作るクリームシチューを書かれたのと、同じ方のレシピではありませんか。けゆあさん、ありがとうございます! おかげさまで、異国でも日本の味(? ? ?)を楽しむことができます。

リンク・関連記事
- COOKPAD カレー粉で作る基本のカレー(けゆあさんのレシピ)
- COOKPAD 基本のクリームシチュー(けゆあさんのレシピ)
- ネコとpizzaとクリームシチュー

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by milletti_naoko | 2011-07-27 14:59 | Gastronomia | Trackback | Comments(16)

ただいま

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 7月11日月曜日に、バスと電車、フェリーを乗り継いで、大学時代の友人、バルバラを訪ねて、エルバ島(Isola d’Elba)を訪れ、

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7月15日金曜日に、島からのフェリーの着くピオンビーノ港まで、ペルージャから車で来てくれた夫と合流して、北上。カッラーラ(Carrara)で高速道路から下り、大理石の採石などで知られるコロンナータ(Colonnata、上の写真を訪ねたあと、かずこさんのB&Bに宿泊。

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 7月16日土曜日から24日日曜日まで、ピエモンテ(Piemonte)にあるAlpi Marittime自然公園に滞在し、水が豊かで野の花が咲きほこる美しい山々を、夫と共に歩きました。ただ、7月21日木曜日に、上の写真の美しい湖、Lago del Vei del Boucを訪れたあと、山を下る途中に、うっかり足を滑らせて、左手の特に中指で無理に体を支えたため、指がひどく痛んで、曲がらなくなり、

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翌朝、クーネオ(Cuneo)の救急病院に行くと、不完全骨折で、たいしたことはないけれど、3週間こうして中指を固定するようにと言われました。

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 ピエモンテを後にしたのは、7月24日日曜日。ペルージャまではひどく遠いこともあり、帰りも再び、カッラーラのかずこさん(リンクはこちら)のB&Bを訪ね、紅に染まるアプアーノ・アルプス(Alpi Apuane)の下、かずこさんのお友達のご夫婦と共に、手作りのおいしい日本料理を、ごちそうになりました。

 そうして、今日、ようやくペルージャに帰って来ました。するべきことは多いのに、右手だけでは、こうして記事を書くのも、皿洗いもひどく大変です。というわけで、これからもう少し詳しく、今回の旅についてお話していくつもりですが、記事もコメントも、いつもより簡潔になるかと思います。

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by milletti_naoko | 2011-07-25 23:47 | Viaggi | Trackback | Comments(16)

蓮と睡蓮の競演

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 昨日、フェリーでトラジメーノ湖(Lago Trasimeno)を渡り、ポルヴェーセ島(Isola Polvese)水生植物園(Giardino delle Piante Acquatiche)(記事はこちら)を訪れると、

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思いがけず、色とりどりの美しいスイレン(ninfea)の花がたくさん咲いていて、目を楽しませてくれました。

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花の大きさや花弁の形も、さまざまです。ご覧のように、トンボもうれしそうに、池の周り、花の上を飛び交っていました。

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 日本では秋の風物である赤トンボも見つけました。イタリアの野山を歩いていて、トンボを見かけることはあっても、こちらに来てから、まだ赤トンボを見たことがなかったので、うれしくなりました。

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こちらのスイレンは、花弁の先がまるくなっています。

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緑の大きな葉の下に、こっそりと花を咲かせているスイレンも、いくつもありました。

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ご覧のように、水辺には、ユリの花もたくさん咲いていました。

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 夫の左手に咲いている大きな大きな花は、

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ハス(loto)の花です。小さなスイレンたちの間にあるため、花の大きさがいっそう際立っています。泥の中に根を下ろしても、清らかな花を咲かせるハスのような心がけで生きられたらと思いつつ、理想に近い生き方は、まだまだ遠い先にある気がします。

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 ポルヴェーセ島は、これまで数年の間に、何度も足を運んでいるのですが、

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ハスの花を見たのは初めてですし、こんなにたくさんスイレンの花が咲いているところを見るのも、初めてでした。我が家の庭のキョウチクトウ(oleandro)が、最近花盛りなので、島のキョウチクトウもさぞかし美しかろうと思いつつ、島を訪れて、思いがけず咲きほこるスイレンの花を見られて、とてもうれしかったです。

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by milletti_naoko | 2011-07-09 00:07 | Fiori Piante Animali | Trackback | Comments(16)

思い出と未来に乾杯

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かつて修道院だった美しい軍外国語学校で
世界中から来たさまざまな国の先生方と
任務のために世界各国に赴く軍人さんたちと過ごした3か月間。

Tre mesi trascorsi nella scuola bellissima con persone fantastiche
provenienti dal tutto il mondo,
pronte a vivere nei Paesi lontani per missione,
e/o responsabili e orgogliosi di lavorare a scuola.

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漠然と抽象的にとらえがちだった軍隊という組織が
今はわたしの中で、
自分の仕事に誇りと責任を持って取り組む
勇敢で、けれど謙虚で優しい軍人さんたち一人ひとりからなる
より血の通ったものとなり、

L’Esercito era prima per me un ente un po’ astratto,
ma ora mi è chiaro che è costituito da
molte persone coraggiose, responsabili e simpaticissime,
mi è più vicino al cuore.

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距離的に、心理的に遠かった場所や国々さえも、
同僚の先生方の故郷、あるいは
軍人さんたちがこれから赴く任地であるために、
近しく、親しみのわく土地となりました。

Anche i luoghi e Paesi prima lontani
sia geologicamente che psicologicamente
ora mi sono familiari e vicini,
perché sono i posti dove sono cresciuti carissimi colleghi docenti
e dove vanno a vivere carissimi allievi militari.

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6月29日水曜日は、生徒さんたちの企画で、午後1時から
希少言語講座修了を祝う打ち上げの会がありました。
生徒陣を代表してのあいさつが、とてもすてきでした。
何も分からない赤ん坊のようだったぼくらが、忍耐強い先生方のおかげで
まずは初めの「ママ」ならぬ「せんせい」という言葉から、
難しい言語を少しずつ身につけていくことができました。

Mercoledì 29 giuno, al rinfresco di fine corso organizzati gentilmente dagli allievi,
erano bellissime e commoventi le parole del loro rappresentante.
Come bambini abbiamo iniziato a imparare da zero
sotto la guida dei docenti -
come la prima parola, abbiamo imparato ‘maestra’ anziché ‘mamma’.

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この日あたりと眺めのいい日本語の教室での
ミンモの最初の一歩と、瞳に浮かぶ誇りと喜びをわたしがよく覚えているように
他の先生方も、生徒さんたちも、教え学ぶ過程の一つひとつを
大切に覚えているはず。

Ricordo bene i primi passi del nostro allievo,
la gioia e l’orgoglio nei suoi occhi
in questa aula di giapponese luminosa con vista.
Sarà così anche per altri docenti e allievi.

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わたしも、生徒さんから、他の先生方から、たくさんのことを教えてもらいました。
今は、世界各国のいろんな言葉であいさつを交わした廊下も思い出のひとこま。
みんな、すてきな思い出をどうもありがとう。

これからも、どうかそれぞれの土地で、頑張ってくださいね。どうかお元気で、実りのある歳月を過ごしてください。さようなら。いつかまたどこかで会えることを楽しみにしています。

Anch’io ho imparato e ricevuto molto da voi, allievi militari e colleghi docenti. Ora fa parte dei ricordi anche il corridoio dove ci salutavamo in diverse lingue. Vi ringrazio di cuore per le vostre gentilezze e i bellissimi ricordi.

Tante belle cose per il vostro futuro – Sayonara, mi farà sempre un grande piacere rivedervi un giorno in qualche parte del mondo.

LINK
- SLEE - Scuola Lingue Estere dell’Esercito 

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by milletti_naoko | 2011-07-07 16:11 | Insegnare Giapponese | Trackback | Comments(6)

クッコ山で迷子

 クッコ山への登頂を見合わせたわたしたちが、出発地点へと戻り始めたのは午後4時頃のことでした。(記事はこちら

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 再び、緑の木々の間の中を進む1番コースを通って、歩いて行きます。所要時間1時間40分とありますから、遅くとも午後6時には、散歩を終えることができるはずでした。

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 途中、こうした壮大な眺めも、楽しみました。

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 谷間、Val di Rachena(標高1146m)から、山道を下り、このLa Fidaと呼ばれる場所(標高1001m)まで、たどり着いたのは、午後4時38分のことでした。案内標示を見て、出発地点であるVal di Rancoに戻るには、1番コース以外に、もう一つ17番コース(Sentiero 17)があることが分かりました。この二つのコースは、所要時間はどちらも1時間10分、距離も約3kmです。ただし、地図を見ると、1番コースが山道を少しずつ下りていくのに対し、17番コースは、、まずは、川のふもとまで急斜面を下り、川沿いに長い間歩いたあと、最後に再び、山道を登るというものでした。

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 夫がまだ歩き足りないことも、できれば別の道を歩いて引き返したいこともよく知っていたため、わたしは、坂道が厳しいだろうと承知しつつも、夫が望むなら、17番コースを通ってもいいと了承しました。かなり急な下り道を歩いて行くと、ランの花がたくさん咲いていました。

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 美しい花たちとの出会いはうれしかったのですが、下り坂がかなり険しかったため、わたしは途中で夫に、足が痛むから、自分は引き返して1番コースを歩くことにすると言いました。夫は、自分も一緒に引き返そうとしてくれたのですが、わたしは、「すでに1度通った道だし、危険もなさそうだから、一人で大丈夫。」と言って、夫には、せっかくだから17番コースを歩き続けるよう言いました。

 問題は、わたしが再び道の分岐点近くまで引き返したとき、発生しました。にぎやかな犬の鳴き声に似た動物の叫びが、何度も何度も、絶えることなく続いたのです。

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 以前に隣人の犬に噛まれたことがあり、イノシシに出くわしたこともあるわたしは、こわくなって、再び夫を追って、17番コースを下り、こうして川のほとりまでやって来ました。夫を呼べど、もうかなり先に進んでしまったのか、返事がありません。携帯電話で電話しようにも電波がありません。

 そして、一番困ったのは、川沿いの案内標示には、三つほど行き先とコースが示されていたものの、わたしが行くべき場所の名前が書かれていなかったことです。初めて歩く山だったので、この日に限って、地図は夫だけが持ち、わたしは持っていませんでした。

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 そこで、まずは途方に暮れて、これまで下ってきた方向を見やりました。クッコ山(Monte Cucco)の山頂をちょうど太陽が照らし出しています。再び坂道を登っても、犬か野生動物がうろついているかもしれない1番コースを一人で歩く勇気はありません。川に沿ってどちらの方向に進めばいいかは分かっていますから、もし道に迷っても、再び山の斜面を登って、1番コースに合流すれば、動物に出会う危険をやり過ごすことができると考えました。ちょうど午後5時頃のことです。

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 それが、「このコースに違いない」と見当をつけて、歩いていた川沿いのコースの目印を、途中で見失ってしまいました。木の幹にあるはずの目印を探せど探せど、見つかりません。そこで、山の斜面をひたすら登って、再び1番コースに合流しようと考えたのが、午後5時10分頃。険しい斜面を、木の根を足がかりにし、枝を支えにして登って行くと、低木が茂りすぎていて、歩くことが不可能な場所にたどり着きました。それで、今度は、しばらく川沿いに逆方向に引き返してから、別の斜面を登り始めました。

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 遭難してしまうのではないかと心配しながら、登れそうな斜面を登って行き、赤と白のおなじみのCAIのトレッキングコースの目印を見つけることができたのは、午後5時40分のことでした。トレッキングコースにたどり着きはしたものの、コース番号は書かれておらず、どちらに進んでいいかもはっきり分からぬまま、「きっとこれは1番コースで、こちらに行けばいいのだろう。」と思われる方向へと歩いて行きました。

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 山の中を歩くトレッキングコースというのは、互いによく似ています。 「歩いているのは、1番コースじゃないかもしれない」、「出発地点をすでに通り過ぎて、別方向に進んでいたらどうしよう」と、遠くに見える山並みを眺めながら、自分の位置を確認しようと試みつつ、不安の残るまま、ひたすら歩いて行きました。

 ようやくその不安が消し飛んだのは、この細い清水が流れ落ちる谷間を通ったときでした。行きがけに、この小川を苦労して渡ったこと(記事はこちら)を、まだはっきり覚えていたからです。

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 その5分後には、こちらの案内標示も見つかりました。歩いているのが、1番コースであることが確認でき、さらに目的地は、まだ行く手にあることが分かりました。このとき、すでに午後5時56分。横道に逸れずに1番コースをまっすぐに進んでいれば、ゆっくり歩いても、もう出発地点に戻っているはずの時間です。それが、案内標示を見ると、出発地点、Val di Rancoまでは、まだ1.7kmあり、35分かかるとあります。

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 夫が心配しているだろうと思いながら、先を急ぎ、再びAcqua Freddaを通りかかりました。こちらの給水場は、わたしたちが昼食時に訪れたときには、桶の下から水が流れ出ていたため、中には水がたまっていませんでした。昼食後に夫が、周囲の石を拾い集めて、水の出口をふさいだため、わたしが再び通りかかったこのときには、ほぼ桶いっぱいに水がたまって、よく山で見かける他の給水場と同じ風貌をしていました。

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 緑の優しいブナの森、Madre dei Faggiを再び通り過ぎ、さらに歩いて行くと、
 
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もし川沿いを歩き続けたら、わたしが歩いたはずであったトレッキングコースと川の流れが下方に見えました。

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 出発地点である駐車場を目指して、さらに歩いていると、「一体どこに行くの?」という声が、傍らのバールのテラスから聞こえてきました。テラスには、テーブルでくつろぐ夫の姿が見えます。そのとき、すでに午後6時半。わたしの到着はかなり遅くなったのですが、わたしの歩くのが遅いことも、すでに疲れていたこともよく知っていたために、それほど心配もしていなかった様子です。「そんなに登り下りを無駄に繰り返したなら、結局クッコ山の頂まで登った方が、疲れなかったね。」と笑われました。同じことは、翌日学校でこの話をしたミンモにも言われました。「遭難の可能性だけではなく、危険な人物もうろついているのだから、気をつけるように」、「イタリアは日本じゃないのだから」と、諭されて、わたしが、「でもイタリアでは、殺人は見知らぬ相手に対してよりも、男性がかつての恋人や配偶者を殺すように、よく知っている間柄同士の場合がほとんどでは。」と答えると、ミンモの反論があり、そこから、授業はおあずけになり、しばらくおしゃべりが続きました。

 月曜日の最初の授業は、復習も兼ねて、「週末は何をしましたか。」と質問をして、しばらく日本語で話をするのですが、この日本語のおしゃべりが、途中からイタリア語のおしゃべりになってしまったわけです。

 とにかく、一時は本当に遭難するのではないかと、本当に恐い思いをしましたし、実際に遭難しても、何の不思議もなかったわけです。今後は、遠慮しないで、夫に一緒に歩いてもらうようにしよう、そして、地図はわたしも必ず携帯するようにしようと、つくづく思いました。

LINK
- クッコ山で散歩1 / Passeggiata sul Monte Cucco – Parte1
- クッコ山で散歩2 / Passeggiata sul Monte Cucco – Parte2
- クッコ山で散歩3 / Passeggiata sul Monte Cucco – Parte3
- Parks.it – Parco del Monte Cucco – 1. Da Val di Ranco a Pian delle Macinare (sentieri 1-17-3)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2011-07-06 16:42 | Viaggi in Umbria | Trackback | Comments(10)