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外国語上達の極意その2

 一昨日書いた三か条を読み返して、「極意」と呼ぶのは大げさだと、自分でも思ったのですが、わたしは常々、楽をせずに即効で成果を上げる近道や秘伝には、まやかしが多く、たとえ成果があっても、「悪銭」と同じで、自分の「身につか」ないものであり(Easy come, easy go.)、何かを成し遂げるには、目的に適した手段を用いて、こつこつと努力を積み重ねていくことが必要だと考えています。だから大変なのではありますが、逆に言うと、ふさわしい手段を見つけて、根気強く努力をすれば、外国語は必ず上達していくはずで、大枚をはたく必要もなければ、自分には才がないとあきらめることも決してありません。就職や進学、社会的・経済的成功については、運・不運もあるでしょうが、それでも、かつての同僚が離任式の壇上で生徒に語っていたように、「努力は人を裏切らない。努力をして目指したそのものが得られなくても、自分を成長させてくれる」ものだと信じています。星の王子さまにキツネが語りかけるように、何かのために、だれかのために注いだ時間や思いは、自分自身をも豊かにし、大切な愛情やきずなを育んでいくものだと考えています。

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Colle della Maddalena (Col de Larche) 3/7/2012

 外国語学習に限っていえば、注いだ努力や時間に応じて、必ず何らかの成果があるもので、難しいのは、目標に応じた学習手段を見つけ出すことと、特に独学の場合には、努力を継続することです。それなのに、現実には、ちまたの高価な即効性を謳う学習教材の喧伝に迷わされて、「大枚をはらって特別な教材を使わなければ、自分には無理だ。」とか、自分の好みやレベル・学習目標に合わない勉強をして、「自分には外国語学習は無理だ、いくら勉強しても効果が上がらない。」と嘆いている方も、多いように思います。そこで、そういう現状だからこそ、「外国語を学習する目的に応じた勉強法で、短期スパンの具体的な目標を立てて、こつこつと勉強を積み重ねていけば、外国語は必ず上達するのだ。」という当たり前の基本が、「極意」と呼べるかもしれないと思い、記事の題名はこのまま置いておくことにしました。現代社会では、外国語を学ぶ動機も、将来的にその外国語をどう活かしたいのかも、人によってさまざまなので、具体的な学習方法や教材の例は、これからも少しずつ挙げていくつもりですが、今のところは、極意その1のページにリンクを載せている記事を、参考にしていただけたらと思います。

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 前置きが長くなりましたが、今日は、極意その2について、ご説明します。

2.学習目標は最終到達点を漠然と思い描くだけではなく、月・年単位での具体的かつ実行可能な達成目標を決め、週・日など短い期間の学習課題をしぼり込むこと。
 「英語やフランス語が話せるようになりたい」という漠然とした到達目標を思い描いているだけでは、特に独学の場合には、着実に勉強を続け、成果を上げるのが難しくなります。パーキンソンの法則と言って、人は何かをするのに、自分にある時間をすべて使ってしまいがちで、たとえばはがきを書くのに、5分しかなければ5分で書けるところを、2時間あると2時間かかってしまうと言います。逆に、毎日入門書を4ページ勉強するとか、1日に30分、外国語を学習するとかいう細かい具体的な目標を設定しておくと、その時間が、1日の中で、すでに必要な時間として組み込まれているわけですから、時間の浪費を防ぎやすくなります。

 わたし自身、フランス語の学習を、今年2月に始めたものの、本当にエンジンがかかったのは、6月の2週間パリ留学を心に決めてからですし、ペースが上がったのは、ようやく留学の日程が決まってからです。日本でイタリア語の独学を始めたときも、最初の1年は、ほとんど勉強が進まなかったのが、2年目からは、通信教育を利用し、毎月の学習目標を設定することで、何とか勉強を軌道に乗せることができました。(詳しくはこちら)一方、ポルトガル語やギリシャ語は、約1か月後に旅行が控えていたため、学習開始時に、入門書のページ数を旅行までの日数で割り、1日に学習すべきページ数を決めて、無事にノルマを果たすことができました。

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 入門書を1冊終えてしまえば、歌や映画など、多様な教材が活用できるので、勉強も波に乗りやすいのですが、特に独学では、入門の段階に、座礁してしまう可能性が多いのではないかと思います。入門の段階に限りませんが、目標は、「今年はイタリア語を話せるようになる」とか「旅行中に切り抜けられるだけのフランス語を勉強する」という大きな目標と並んで、では、そのためには、毎日どれだけ、どのくらいの期間勉強する必要があるかを、計算してはじき出し、自分の仕事や生活習慣を考えた上で、無理のない学習日課を設定する必要があります。たとえば、ギリシャ語の入門書であれば、全160ページで旅行までに1か月余りあるから、勉強できない日もあることを考慮して、160ページを30日で割り、1日平均5.3ページを目安に勉強するというように、学習量を基準にしたノルマを決めることもできます。また、1日に30分、あるいは1時間、入門書や参考書を勉強するというふうに、時間を基準にしたノルマでもいいでしょう。たとえば外出したり、家事や仕事が忙しくて難しいという日もあるでしょうから、1週間平均すれば、このくらいの勉強時間であれば生み出すことが可能だという学習目標を設定するのがいいでしょう。理想や目標は、高すぎると達成するのが難しく、挫折しやすくなるし、低すぎると、望むほどの向上が得られません。今、わたし自身は、フランス語については、毎日1時間は、入門書を勉強するぞと心に思いつつ、実際には週で平均して30分だったり、47、8分だったりという日が続いています。週末や連休には学習時間を取ることが難しいので、平日の学習目標が1時間、そうすると、週平均(60÷7)は42.8分で、今この記事を書きながら、これを当座の学習の目安にしようと思いました。

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 机に向かって問題集で学習するのは、外国語の数ある学習法のごく一つです。他にも、その外国語の歌を聞いたり、映画を見たり、本を読んだりと、学習方法は多彩で、入門から中級、さらに上級へと、語学力がつくにつれて、学習の選択肢が広がります。しっかりとした文章を書き、話せるようになりたいということでしたら、その外国語で多くの本を読む必要があります。また、日本語ではなく、自分が学ぶ外国語のリズム、アクセント、イントネーションで話せるようになりたければ、ナチュラルスピードで話された音声に多く触れる必要がある上、日常会話・改まった場面での会談など、自分がその言語で話したいと考えている場面を扱った、あるいは、それに近い音声が聞ける映画やドラマ、学習CDの音声を、多量に吸収していく必要があります。わたしは、日本の高校で国語を教えた12年の間に、高校生の日本語の力が下がっていくのを、ひしひしと感じました。読書習慣のないまま育った生徒たちは、言葉の正しい使い方や文の書き方、文章の展開の仕方(接続詞の選択、段落構成など)が分からず、就職作文や大学入試の小論文、あるいは読書感想文として、とんでもない文章を書いてくることもよくありました。改まった場で大人と交流する機会のないまま育った生徒たちは、見聞きする機会が少ないので、敬語の使い方を知りません。同様に、外国語の学習でも、特に、日本にいながら勉強する場合には、意識して外国語のinput(詳しくはこちら)の種類と量を増やさないと、その外国ではアクセントやイントネーションがどうなっているのか、文はどのような構造をしていて、文章はどんなふうに組み立てるのかが、つかめません。日本語なまりの英語やイタリア語を話してしまうのは、一つには、入門期に外国語の発音を片仮名で覚えるために、外国語を話す際にも、日本語の音節構造を、流用してしまうため(詳しくはこちら)、一つには、接するイタリア語の音声モデルが少ないので、文をどう発音していいか分からず、母国語のイントネーションを流用するためです。さらに、日本の入門書の多くは、たとえ付属の音声CDがついていても、まとまった会話や文章ではなく、互いに関連のない短文を次々に読み上げたものであることが多いために、会話や朗読におけるリズムや抑揚のつけ方が学べないためでもあります。

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 今、わたしが、これはいい学習目標だなと思い、参考にしようと考えているのは、 puntarellinaさんが提唱し、tiemme78たちが応じている1年間に1000時間の多言語学習という目標です。

 机上で問題集に取り組むだけで1年に1000時間は、外国語を専攻している学生さんでもないと難しいと思うのですが、たとえば自分が勉強中の外国語の映画を鑑賞したり、歌を聞いたり、本を読んだりする時間も含めた上、わたしがよくするように、外国語の音声CDを聞きながら、料理・片づけ・アイロンがけなどをする時間も含めれば、少しの背伸びと努力で、十分達成可能な目標だと思います。これも1年に1000時間というだけでは、設定期間が長すぎるので、1か月に83.3時間、1週間に19.2時間、1日平均2.7時間というふうに、1日あたり、1週間あたりの所要学習時間を割り出すと、1日、1週間の中に、どんなふうにこの学習時間をふり分け、そのうちわけはどうあるべきかという、さらに細かいノルマを設定することができ、こうして目標を細分化、具体化していくと、学習を軌道に乗せやすくなります。

 たとえば、1週間に、英語の読書を2時間、イタリア語・フランス語の新聞や本を読むのが3時間、ニュースや映画を見て、音声CD、歌などを聞く多聴が、ながら聞きを含めて8時間、テキストを見ながらの精聴やシャドウイングが1時間、机上でフランス語を学習するのが5時間、イタリア語・フランス語で文章を書くのに1時間とすると、これで合計20時間となります。これを1週間の自分の生活リズムの中にどう配分するかを考え、さらに細かい計画を立てると、自分にはっぱもかけやすくなり、目標の実践が容易になります。わたしの場合は、イタリア語で話したり、イタリア語でメッセージを書き合ったりする時間は、週に20時間をゆうに超えているためもあって、考慮に入れませんが、まだイタリア語を勉強し始めたばかりという場合は、こういうイタリア語での会話の時間も、りっぱな、そして大切な学習法の一つとして、学習時間に数え上げることができます。また、たとえば上のような学習計画を立てたあとで、この20時間のうちわけは、書き言葉が11時間、話し言葉が8時間、書き言葉と話し言葉を融合した学習が1時間といった具合に、それぞれの合計時間をはじき出せば、学習に偏りが出ないか、また自分が重点を置いていること(話すこと、専門書を読むことなど)に、より多くの時間を配当できているかどうかをチェックすることができます。

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 外国語学習に読書を組み込むことは、tiemme78さんが、積極的に実践されています。先に述べたような理由から、外国語をきちんと身につけようと思えば、その外国語の本をたくさん読むことが不可欠です。この学習中の言語での読書を習慣づけていくいい方法を、遠い昔に、雑誌、『基礎ドイツ語』の記事から教わりました。最初の1か月目は、毎日1ページを目安にし、2か月目は1日2ページ、3か月目は1日3ページと、徐々に読むページ数を増やしていけば、いずれ、外国語の熟達に必要とされる1万ページの読書も、無理なく達成できるというのが、その記事の主旨であったように覚えています。この学習法を、当のドイツ語学習に生かせたかどうかは記憶にないのですが、ずっと後になって、社会人になってからの英語の再勉強や、イタリア語の学習にあたっては、大いに参考になりました。ただし、1日10ページを超えると、読書の比重が大きくなりすぎるため、1日10ページという月まで到達したら、以後は、ノルマはいつまで経っても1日10ページ、ただし、本がおもしろければ、本を読み続けることとして、上限は設定せず、1日最低10ページの英語・イタリア語の読書を日課にしていた時期が長くありました。

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 話が長くなりましたが、学習目標は、こういうふうに、具体的に、短期スパンで設定すると、勉強に取りかかる習慣がつきやすく、また目標が実現しやすくなります。たとえば、今日(もう真夜中を過ぎたので昨日です)、わたしは、郵便局などでの待ち時間に、フランス語ポケット旅行会話集を利用して、合計50分間勉強することができたのですが、これも、1日ごとの所要学習時間を、念頭に置いているおかげでです。

 2013年が、もうそこまで来ています。この記事が、新年の抱負として、外国語学習を考えている方の参考になれば幸いです。

 写真は、Colle della Maddalena。アルプス山脈を越えて、イタリアからフランスへと渡る国境があり、フランス語名はCol de Larcheです。わたしたちがプロヴァンスにラベンダー畑を訪ねようと通りかかった7月(記事はこちら)には、美しい緑の高嶺の間に、色とりどりの野の花が咲きほこり、国境直前に見える湖は、晴れた空を映して、きれいな青色でした。国境を越えてフランスに入る前に、イタリア風のおいしいコーヒーを味わいたければ、湖近くのバールに立ち寄りましょう。

関連記事へのリンク
- 外国語上達の極意その1
- 外国語上達の極意その3

Colle della Maddalena (Col de Larche) 3/7/2012

- Una valle stupenda piena di fiori che si incontra prima di attraversare il confine tra l'Italia e la Francia.
- Prima di entrare in Francia, potete prendere l'ultimo caffè buono alla italiana al bar accanto al laghetto.

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2012-12-30 02:47 | Piemonte | Comments(12)

湖と夕日と月と

 昨日、12月28日の夕方、夫と二人でトラジメーノ湖(Lago Trasimeno)を訪ねると、青い空の下に青い湖水がひろがり、

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いくつか帆船が浮かんでいました。

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 パッシンニャーノ(Passignano)の中心街から、少し離れた無料駐車場に車を置き、港を目指して歩きます。左手には湖、右手にはこちらの高い塔がそびえ立ち、三色旗が強い風になびいていました。数年前に一度、この塔のてっぺんに登り、高みから、湖のすばらしい見晴らしを楽しんだことがあります。

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 まずは、こちらの水位計を見に行きました。-92cm。数か月前には-142cmまで水位が下がっていたので、それから今までに降った雨で、50cmも水位が高くなりました。

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 天気がよくて、日ざしが暖かいので、いつもより、散歩の足を伸ばしました。

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Grande padella

 湖畔を西へと歩いていくと、こちらの大きなフライパンに出くわしました。夏の村祭りでは、このフライパンで、湖で獲れた小魚やジャガイモを揚げて、食べるそうです。

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 夫からそう聞いて、初めて、いつも見かけるこの看板の「フライパン祭り」が、どういうお祭りなのかが分かりました。

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 フライパンを通り越して、さらにしばらく歩きました。ふり返ると、旗のなびいていた塔や、水位計が設置された桟橋が、遠くに小さく見えています。青いあおい湖の眺めをしばらく楽しんでから、元来た道を引き返しました。

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 夕日が空と湖を染めながら、沈んで行きます。中央にはマッジョーレ島(Isola Maggiore)が、写真の右端には、巨大なフライパンの柄が見えています。

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Tramonto sul Lago Trasimeno, Passignano 28/12/2012 16.35

 夕日がアミアータ山(Monte Amiata)の山すそに隠れ始めてからは、足を止めて、沈む夕日を見守りました。

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 向こうの冬の装いをした木立の前に、夫が車を置いた駐車場があります。少しずつ色の変わっていく空と湖の眺めを楽しみながら散歩を終えて、帰途につきました。

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 途中、寄り道して、すっかり暗くなった中を進んでいくと、金色に輝く大きな丸い月が、空に見えました。高速を走る車の中から、しかも性能は今ひとつのわたしのカメラで撮影したので、月の美しさは残念ながらとらえることができませんでしたが、澄み切った空に沈んでいく金色の夕日を見送ったあとで、やはり金色に光る満月を見ることができて、感動しました。

Lago Trasimeno, tramonto & luna piena 28/12/2012

- Bellissimo! Sotto il cielo azzurro le acque del lago sono limpide, calme e rispecchiano il colore del cielo. Ora mancano solo 92cm; il lago è cresciuto di mezzo metro in due mesi (1 novembre: -142cm)

- Mentre passeggiamo, d'improvviso si vede una grande padella e mio marito spiega che durante la festa paesana si friggono i pesci del lago e le patate nel padellone.

- Nell'aria limpida tramonta il sole e dopo il cielo viene illuminato da una stupenda luna piena.

関連記事へのリンク / Link ad un articolo correlato
- あと1メートル / Ora mancano solo 100cm! (9/12/2012)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2012-12-29 00:35 | Viaggi in Umbria | Comments(4)

外国語上達の極意その1

1.自分の力と外国語学習の目的にあった適切な教材・学習方法を選ぶこと。
2.学習目標は最終到達点を漠然と思い描くだけではなく、月・年単位での具体的かつ実行可能な達成目標を決め、週・日など短い期間の学習課題をしぼり込むこと。
3.その課題をできるだけ着実にこなしていき、時々自分のそれまでの学習をふり返って、目標やノルマの設定し直しをしたり、初心を思い出して、自分のやる気を奮い起こすこと。

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Fiori di bucaneve, Cammoro in Valnerina 11/3/2012

 1については、たとえばイタリア旅行中に、イタリア語で切り抜けたいとか、現地の人と話したいというのであれば、旅行会話集や、会話を中心にされた音声CDつきの入門書が最適でしょうし、専門書を読むのに必要だというのであれば、文法を順序だてて、きっちりと説明した入門書で勉強する必要があるでしょう。また、ネイティブスピーカー並みの語学力が身につくように、腰をすえて勉強しようとしうのでしたら、さまざまな場面での話し言葉に接せる幅広い音声教材を使い、旅行や語学学校などでイタリア語を使える機会を増やし、またさまざまな文法書や演習問題をこなしながら、文法や語彙の知識を蓄えつつ、少しずつその外国語で書かれた本を読みこなしていく、また、日記にせよ、メールにせよ、その外国語で書く量を増やしていく必要があるでしょう。マラソンに参加するのに、短距離走と同じ訓練をするのは見当はずれで、いくら同じ走る陸上競技でも、訓練の仕方が違ってくるように、同じ外国語を学習するのでも、望ましい学習方法や教材は、学習目標、どういう場面でイタリア語を役立てたいのかによって、また、それまで一人ひとりが身につけてきた学習の習慣や癖・好みによって違ってきます。

 ずいぶん前の話ですが、実用英検1級に合格し、数年前、イタリアの元教育相である名高い言語学者の先生から、「あのみごとなイタリア語を話す日本人女性はだれですか。」と言っていただき、また、シエナ外国人大学の大学院課程で、イタリア語検定試験CILS運営の統括をする先生から、「あなたの教科の成績がひどくいいのは、イタリア語を上手に話すから、それが成績評価に反映されるからじゃないかしら。」(イタリアの大学の試験の多くは、口述試験だからです。これはイタリア語についてはほめ言葉でも、教科の力については疑われていたわけですが)と言われたことがあります。今では、英語の勉強から遠ざかり、英語力が低下したのはもちろん、イタリア語も、大学・大学院課程の勉強で、多くの専門書を読んだり、大学で日本文学を教えていたりしていた頃に比べると、改まったイタリア語をさっと話せる力は下がったかもしれません。それでも、一応、英語とイタリア語に関しては、自分でも満足が行き、周囲にも評価してもらえるレベルまで到達できたと思うわたしが、外国語上達の極意としてすぐに思いつくのは、冒頭に書いた三つです。外国人へのイタリア語教授法を、ペルージャとシエナの外国人大学で、5年間かけて学んだ中では、外国語学習・教育についての最新の研究結果もいろいろと学んだのですが、上記三つの極意は、こうした研究結果にも裏づけられています。

 2、3についても、それぞれ、なぜそれが上達につながるのか、また、具体的にはどう実践していけばいいのかを述べるつもりですが、特に2の項が長くなりますので、次の記事でお話しするつもりです。

⇒「外国語上達の極意その2」につづく。(リンクはこちら

関連記事へのリンク
外国語学習上達のヒント(1言語について書いていても、多言語の学習に通じるものを含みます)
- 外国語学習成功の要因 (二つ目の記事)
- 両極端なフランス語学習
- 重要3000語で95%
- イタリア語学習を成功させるヒント (三つ目の記事)
- イタリア語のTPO
- イタリア語の効果的な学習法 ― 音声の大切さ(1)
おすすめの学習教材(イタリア語・フランス語・日本語・ポルトガル語・英語)
- イタリア語学習におすすめの教材(入門編)
↑↑ 二つ目の記事の半ばに、わたしが日本で、どんなふうにイタリア語を勉強したか、書いてあります。
- おおシャンゼリゼ (使用中のフランス語学習教材)
- 久しぶりの授業 (イタリア人におすすめの日本語の入門書)
- Manuale di Giapponese (同上、記事はイタリア語で書かれています)
- イタリアで英語学習
- 2006年はポルトガル語 

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2012-12-28 12:30 | ImparareL2 | Comments(6)

いとこ訪ねて山を越え

 昨日、12月26日も、イタリアでは国民の休日でした。クリスマスや年末には、例年、親戚を訪ねたり、友人たちと集ったりすることが多いのですが、昨日は山を越え、マルケに住む夫の従兄、クラウディオの家を訪ねました。

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Vista della città di Camerino 26/12/2012

従兄夫婦の家からは、丘の上にあるカメリーノの町や、遠くの山並みがよく見えました。

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Vendita diretta di patate rosse, Colfiorito 26/12/2012

 義弟の車で、義母、義弟夫婦、夫とわたしの計5人で、山を越えてマルケに向かいました。通り道に、皮の赤いジャガイモ(patata rossa)がおいしいので名高いコルフィオリートがあるので、道端でジャガイモを販売していたら買いましょうと、皆で言っていたら、こちらのトラクターの屋台に出会いました。さっそく車を停めて、赤いジャガイモとタマネギ、ヒヨコマメを購入しました。ちなみに、ジャガイモは、左手に見える大きい一袋が10ユーロでした。

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 2時間近くのドライブのあと、従兄夫婦宅に到着し、あいさつのあと、おいしい手料理を食べながら、おしゃべりがはずみました。食事のあとで、一緒に裏山を登って行くと、雲に覆われているものの、シビッリーニ山脈(Monti Sibillini)も見えます。

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 ヒナギク(margherita)の花がまだ咲いているのに驚きました。クラウディオが、遠くに見える渓谷を指さして、「ピオーラコはあの谷間に、セーフロは、左手の山の間にあるんだよ。」(記事はこちら)と、教えてくれました。

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 曇り空の広がるウンブリアを後にして、マルケ州に近づいた頃から晴れ間が見え、クラウディオの家についた頃には、青空が広がっていたのですが、昼食後はだんだん空が曇り、遠くの山は、雲と霞に隠れてしまいました。

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Presepe della chiesa di Tuseggia, Camerino 26/12/2012

 再び家に戻って、ひとしきりおしゃべりをしたあと、村の教会に、従兄夫婦が創り上げたプレゼーぺを見に行き、教会の前であいさつをして、ペルージャへの帰途につきました。

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 この教会の祭壇に、大天使ミカエル(Sat’Arcangelo Michele)が描かれているのを見つけて、春の巡礼で、大天使ミカエルが出現したといわれるモンテ・サンタンジェロを訪ねて以来、各地で聖天使の絵や像を見つけるたびに、目を輝かせる夫は、とてもうれしそうでした。

Ieri siamo andati nelle Marche a trovare la famiglia di un cugino di mio marito

- Grazie a tutta la famiglia per l'accoglienza!
- Pranzo squisito e abbondante, incontro e chiacchiere dopo tanto tempo
- Panorami stupendi della città di Camerino e delle montagne, pur nascosti dalle nuvole.
- Nella chiesa di Tuseggia, presepe creato dal cugino & sua moglie e il quadro di Sant'Arcangelo Michele!
- A Colfiorito abbiamo comprato le patate rosse, le cipolle e i ceci.

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2012-12-27 15:08 | Famiglia | Comments(10)

クリスマス2012

 12月25日、わたしは前夜に夫が寝入ってから、クリスマスツリーの下に贈り物を置いたのですが、夫は、わたしより一足先に、クリスマスツリーの緑の枝と飾りの中に、うまく贈り物を隠していました。わたしからの贈り物を開いたあと、「あれ、君には何もないの? 木をよく見てごらん。」と言われて、必死で探したら、まずは包みが一つ、それを開けたあと、さらにもう一つ、うまくかくれんぼしていた贈り物の包みが見つかりました。いろいろ考えて、選んでくれた品物たちで、うれしかったです。

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 ミサには、義父母と夫と共に、教区教会に出かけました。ミサのあと、プレゼーペ(presepe)を見に行くと、広い場面の上に、星の散らばる夜空が広がり、大きな彗星がゆっくり流れていきます。暗い中に緑色の光があり、そこから水があふれて流れているのが、神秘的でとてもきれいです。

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 辛抱強く待っていると、夜が明けて、プレゼーペの細部まで、よく見えるようになりました。岩穴の中から湧き出る水が、緑の木々の間をくぐり抜け、滝となって、池に流れ込んでいます。銀色のリースでわたしたちが作った滝もいいけれど、本当の水を使って、川や滝を表したこういうプレゼーペはいいなと感心しました。

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 教会の外に出ると、寒さに枯れしぼんだ庭の中に、一輪だけ、凛として、美しい花を咲かせているバラがあります。

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 いつものように、家族皆でクリスマスを過ごせることに感謝しながら、いつものように、クリスマスツリーの下や周囲にプレゼントを重ね置き、前菜のあとに、スープ入りのカッペレッティ、オーブンで焼いた肉を食べました。(写真と詳細は2010年の記事を参照)デザートには、姪たちのトーディに住む母方の祖母手作りの大きな大きなセルペントーネ(serpentone)やパネットーネ、トッローネなど、クリスマスならではのお菓子が、テーブルに並びます。

 昨年は、姪たちが食後のコーヒーまで待ちきれず、デザートのあとに、贈り物を開封したのですが、姪たちも成長して、今年は、大人たちがコーヒーを飲み終えるまで、ちゃんと待つことができました。わたしたちが贈った本とピアスを、姪たちがそれは喜んでくれたので、とてもうれしかったです。家族全員で、トンボラで遊んだあと、わたしと夫は、妹娘に贈った本の『オズの魔法使い』を読むように、姪たちに勧め、姪たちが代わる代わる声を出して読みました。次々と起こるできごとが興味深いし、近々翻案映画も公開されるので、ちょうどいいだろうと考えたのです。姉娘は途中から飽きて、義父母のところに行きましたが、妹娘は、『オズの魔法使い』を読み終えたあと、さらに『ハイジ』を読みたがり、しばらくは、こちらも声を上げて、読んでいました。ハイジのアニメは好きでよく見たことがあるようですが、どういうわけか、自分たちがすでに知っている話を読んだり聞いたりするのが好きなので、夫がたまに読み聞かせる『グリム童話』の本でも、いつも同じ話を聞きたがります。このあとは、ずっと昔にわたしが日本で買ってきた紙風船で、姪たちがトーディに帰るまで遊びました。

 夜は、テレビで放映されていた名画、『Nuovo Cinema Paradiso』を見ました。わたしが日本で何度も見た国際版(劇場公開版)よりもかなり長いオリジナル版、あるいは、それよりさらに長い完全オリジナル版だったようで、記憶にはない場面が多くありました。Wikipediaの説明によると、1989年にイタリアで発表されたオリジナル版は、興行成績が悪かったため、かなりの場面をカットし、その短縮された国際版(versione internazionale)で、好評を博して、カンヌ・アカデミー共に賞を受賞したようです。完全オリジナル版の名で売られているDVDは、編集されたのが2002年です。

 昨晩は、完全かどうかはともかくオリジナルの長い版を見て、やはりすばらしい映画だとは感じたのですが、日本で見慣れた短縮版では、観客の想像にゆだねられていた細部や後日談が語られ、登場人物の行動の意味や意図、人となりが、少なくともわたしの想像とは、かなり違うものとなっていて、何だか別の映画作品のようでした。監督自身がもともと意図していた、描きたかった映画が分かるという意味では興味深いのですが、短縮された劇場公開版の方が、哀しいながらも余情と想像の余地があって美しく、完全オリジナル版は、冗長で、知りたくなかった、考えたくない事実が分かるので、どうかなと感じました。

Natale2012

- Suggestivo il presepe della chiesa di Santa Lucia, accanto alla stalla dove si trova la sacra famiglia, l'acqua nasce dalla sorgente dentro una roccia e diventa un torrente, una cascata poi un laghetto.

- Sono molto contenta: alle bimbe sono piaciuti sia i libri che gli orecchini. Hanno finito di leggere pure "il Mago di Oz" e iniziato a leggere pure "Heidi"!

- Bellissimo il film, "Nuovo Cinema Paradiso", ma a me piace di più la versione internazionale, dove molti particolari sono lasciati all'immaginazione degli spettatori e che mi sembra più poetica.

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2012-12-26 08:55 | Feste & eventi | Comments(6)

Buon Natale

 クリスマスのたびに、ずっと活躍してくれていた緑の木が、最近はかなり大きくなった上に、鉢の中で根が育たないためか元気がないので、夫は、「今年は、新しい別の木を買わなければ。」と言っていました。木に愛着のあったわたしは、それが残念だったのですが、幸か不幸か、店で売られているクリスマスツリー用の木は、大きいものばかりが残り、値段も驚くほど高いので、夫も最後には、いつもの木を飾ろうと言ってくれました。

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 色とりどりの飾りをつけ、リースをつけると、今もまだまだ、目にうれしい、きれいなクリスマスツリーに早変わりです。

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 改築中の家にレンガを敷く作業が、11月半ばの大雨で、12月半ばにずれ込み、さらに気温が氷点下になる日が続くからという理由で、クリスマス休暇明けに延期されました。夫の職場では、26日まで連休なので、今朝は夫と二人で、久しぶりにミジャーナの家の様子を見に行きました。

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 ペルージャ同様、ミジャーナでも青空が広がり、ナラ(quercia)の木の葉が、きらきらと金色に輝いて見えました。このあとは、手作りのセルペントーネを片手に、親戚の家を訪ねました。

 皆さん、どうかすてきなクリスマスの1日をお過ごしくださいね。最後に、夫が属する合唱団の歌うクリスマス聖歌をお贈りします。歌のイタリア語の説明はこちらです。



Tu scendi dalle stelle

Tu scendi dalle stelle, o Re del cielo,
e vieni in una grotta al freddo e al gelo.
O Bambino mio divino, io ti vedo qui a tremar;
o Dio beato! Ah, quanto ti costò l'avermi amato !

A te, che sei del mondo il Creatore,
mancano panni e fuoco, o mio Signore.
Caro eletto pargoletto, quanto questa povertà
più m'innamora, giacché ti fece amor povero ancora.

あなたは空から地上に降りて来る、おお天主よ
そして、凍りつくような寒さの岩屋の中へとやって来る
おお、我が神の御子よ 私にはあなたが震えるのが見える
おお、至福の神よ! 私を愛したために、どんなに大きな代償を払われたことか!

万物の創造主であるあなたに、衣服と火が不足している
おお、我が主よ 親愛なる、選ばれた御子よ
この貧しさのために、私の抱く愛はより大きなものとなる
あなたが愛のために自らをいっそう貧しいものとしたから(石井訳)


Buon Natale a tutti voi!

- Anche quest'anno il nostro abetino si è trasformato in un bel albero di Natale. Ormai ci accompagna da qualche anno e ne sono contenta.
- Oggi il cielo sereno a Perugia e a Migiana. Le foglie di quercia sono dorate e brillano ai raggi di sole.
- "Tu scendi dalle stelle", cantata dalla Corale Tetium. Vedete il filmato e ascoltate la bellissima canzone. Purtroppo, per questo anno nessun concerto di Natale, ma attendiamo con ansia il ritorno del coro.

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2012-12-24 23:55 | Feste & eventi | Comments(10)

清流と白雪、冬のシビッリーニ

 今朝はゆっくり起き出して、雪に覆われたカステッルッチョを訪ねようと、ペルージャから、車で南東に向かいました。

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Castelluccio di Norcia con la neve 23/12/2012

 冬の週末は、登山に出かけた先で、狩猟の喧騒と危険に遭遇する可能性があります。猟師やその家族が、仲間の銃弾で命を落としたり重傷を負ったりという事件も毎年多い上、放し飼いの猟犬に出会うのも避けたいので、最近はいつも、狩猟が禁止されているラヴェルナ周辺に出かけていました。

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Monti Sibillini con la neve 23/12/2012

 今日は、悩んだ挙句に、別の場所で、狩猟のないところということで、少し遠いのですが、白雪に包まれたカステッルッチョを訪ねることに決めました。カステッルッチョを戴くシビッリーニ山脈は、国立公園なので、狩猟が禁止されていて、今年は栽培していたレンズマメの多くがイノシシの害に遭い、収穫がひどく少なかったのだという話を、最近、夫の従姉から聞いたばかりです。

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Monte Subasio con la neve 23/12/2012

 アッシジ近くのお気に入りのバールに立ち寄って、カップチーノ・トイレ休憩のあと、アッシジの方を眺めると、スバージオ山の頂が雪に覆われ、アッシジの町は、霧に包まれていました。

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 途中で、ポルケッタという看板が目に入り、一度通り過ぎたのですが、引き返し、

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この屋台で、昼食用にと、ポルケッタ入りのパニーニを作ってもらいました。

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 今年1月にノルチャ経由でカステッルッチョを訪ねたとき、道路が雪に覆われ、凍結していたことを話したら、「ヴィッソを通った方が、道路に雪がないし、所要時間は変わらない。」と教えてもらっていたので、今回は、ヴィッソ経由で、カステッルッチョに向かいました。道を間違えて、ヴィッソを行き過ぎたとき、夫がConvento dei Cappucciniという案内を見つけ、この表示に従って、たどり着いたのが、こちらの教会です。

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 この教会のプレゼーペ(presepe)では、うっすらと白雪に覆われた岩山の風景の中に、幼子イエス誕生の場面を、描き出しています。

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 再びヴィッソの町に戻り、道を探してうろうろするうち、夫が、パニーノを食べるのによさそうな公園があると、車をとめました。ここまで来る途中にも、道路沿いにはネーラ川(Fiume Nera)が流れていたのですが、駐車場の近くを流れるネーラ川を見て、水の清さと、流れる水の勢いに、驚きました。

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Visso 23/12/2012

 手を洗おうと、給水場を探しているうち、町の風情のあるたたずまいに魅せられて、町の散歩をすることになりました。

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 一つ前の写真の奥にある門を通り抜けると、町の城壁の外に出ます。

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 1378年に築かれた、このサンタンジェロ門(Porta Sant’Angelo)のアーチの上には、大天使ミカエル(S. Michele Arcangelo)の薄肉彫り(bassorilievo)があります。

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 いったん車に戻り、パニーノをほおばりながら、清流沿いの散歩道を歩きました。小川のせせらぎと風景を楽しみながら散歩したあと、いよいよ目的地のカステッルッチョに向かって、山を登っていきます。

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Monte Vettore & Castelluccio 23/12/2012

標高が上がるにつれて、道のわきに現れ始めた雪が、山を登りきったときには、一面を覆い、目の前には銀世界が広がりました。カステッルッチョの町をしばらく散歩したあと、再びヴィッソに向けて、山を下りました。

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Presepe meccanico, Castelsantangelo sul Nera 23/12/2012

 ヴィッソの手前にあるカステルサンタンジェロの村に立ち寄ったのは、機械じかけで動くプレゼーペがあるという案内を見かけたからです。このプレゼーペは、照明で朝から夜へ、夜から朝へという時の推移も美しく表現しています。夜には、遠くの海や町の明かりが美しく、夜空に星が光り、朝が来ると、皆が仕事を始めて動き始め、周囲もすっかり明るくなります。

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 プレゼーペを見たあと、丘の上に修道院があると聞いて、趣のある村を歩いて、山道を登っていたら、このネコが、途中からわたしたちの後についてきて、かなり長い間、一緒に散歩をしました。残念ながら、修道院は閉まっていたので、別の道を下ったのですが、ネコはこのあたりまでついてきたあと、どこかへと姿を消しました。

 午後4時半過ぎに車に戻ったあとは、途中、道沿いのバールで、ホット・チョコレート休憩をしたあと、ペルージャに向かい、午後7時頃に、ようやく帰宅しました。

Passeggiata nel Parco Nazionale dei Monti Sibillini 23/12/2012

- Piacevole, passeggiata a Visso lungo il fiume Nera con chiare, fresche e dolci acque.
- Bellissimi Castelluccio & Monti Sibillini coperti dalla neve
- Suggestivi, presepe meccanico e paesaggi di Castelsantangelo sul Nera. Oggi abbiamo visitato due luoghi che onorano Sant'Arcangelo Michele.

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2012-12-23 23:54 | Viaggi in Umbria | Comments(6)

インドの夕べ

 今夜は、夫が通っているヨガ教室で、夕方にインド音楽のコンサートがあり、そのあとインド料理の夕食会もありました。

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 インド音楽のコンサートには、今までにも行ったことがあるのですが、今回はいつもと違ってマントラが中心で、途中から、聴衆にも一緒に念じるように、歌うように呼びかけ、皆で斉唱したりもしました。マントラのイタリア語訳を聞いていて、内容が、多神教の神への祈りや賛美歌であることが多いのに驚きました。そして、わたしの耳には、マントラの、つまりサンスクリット語の音節体系が、日本語と似ているように聞こえて、おもしろいなと思いました。

 初めて一緒に演奏することになる音楽家とは、ローマのテルミニ駅で待ち合わせることが多いんですよ。だから、ぼくにとっては、テルミニ駅は出会いの場です。という言葉が印象に残りました。

 夕食は予定より大幅に遅れて、午後9時過ぎに始まりました。チャパティと一緒に、まずはヒヨコマメとジャガイモのスープをいただいたのですが、そのとき、スプーンがなかったので、皆苦労をしながら食べました。次に熱々のごはん入りのスープがでてきたきには、さすがにスプーンも配られました。そのあと、さらにチャパティとレンズマメのスープを食べたあと、デザートが出てきました。キールと言って、生クリームと牛乳に砂糖で甘く味つけしたものに、レーズンとごはんつぶが入っています。生クリームとごはんの取り合わせというものを、今まで考えたこともなかったのですが、これがなかなかおいしかったです。夫が義弟夫妻や友人たちにも声をかけていたので、知ったものどうしだけで食卓を囲んだのですが、それでも、出てくる食べ物の珍しさや、聞いたばかりの音楽などについて、話が弾みました。食事を終え、あいさつをして外に出ると、寒さで車のフロントガラスが凍っています。

 イタリアの冬に、インドの音楽や食文化に触れられる、興味深い一時を過ごすことができました。

Concerto della musica indiana & Cena indiana a Perugia

- Oggi la cantante ha spiegato anche il significato di diversi Mantra. Sono sorpresa - Non sapevo che fossero preghiere e inni per gli Dei della religione politeista.

- Cena vegetariana, buona. Il primo piatto era la zuppa di ceci e patate accompagnata da un chapati - pensavo che fosse l'unico e ne ho mangiato tanto, ma era seguito da altri piatti!! Alla fine ho mangiato troppo...

- Un'esperienza interessante.

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2012-12-22 23:59 | Feste & eventi | Comments(2)

本を贈ろう hondana

 クリスマスです。わたしも夫も、本を読むのが好きなので、読書を愛する子に育ってほしい、感受性と想像力が豊かで、自分の頭できちんと考える大人に育ってほしいと、本を贈ることにしました。そうして、昨日ペルージャ郊外の大きなおおきな書店で、うれしいほどたくさん並ぶ児童書の中に、物語も装丁もイラストもうってつけの本を見つけて、購入しました。

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 小学校5年生の妹娘に選んだのは、『Classisi illustrati per ragazze』、題を訳すと、「女の子のためのイラストつき世界名作集」です。姪たちもアニメで知っている『ハイジ』や、まもなく翻案アニメ映画が上映される『オズの魔法使い』も、収録されています。一つひとつの作品は、かなり短くなっていますが、その分、話の展開が早く、すべてのページに、色つきのきれいなイラストがあるので、これなら飽きずに、楽しんで読めるだろうと考えて、選びました。絵が多いので、姪よりも小さいお子さんに買って、一緒に絵を見ながら、読み聞かせることもできると思います。

 一方、中学校1年生の姉娘には、この『Piccole donne』、日本では『若草物語』の題で知られる名作を選びました。このシリーズは、どの本も装丁とイラストがよくて、『赤毛のアン』もありました。わたし自身が一番夢中になって読んだのは、『赤毛のアン』ですが、このシリーズでは、『若草物語』の方が、イラストがきれいです。それに、『若草物語』なら、主人公の姉妹が4人いるので、感情移入できる登場人物が一人は見つかるだろうし、話の展開が早いので、飽きやすい姪にはいいだろうと、こちらを選びました。わたしが小5で角川文庫のアンシリーズを読むことができたのは、すでに読書好きで、アニメで見たアンに魅かれていたからです。でも、『赤毛のアン』は、自然の描写やアンのセリフがかなり長いときがあるので、そういう部分で姪が飽きて、読むのを投げ出しては困るなと考えました。

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 常々、姪たちに本を贈りたいと思いながら、これまでは、数年前に、絵のとても美しいクリスマスのしかけ絵本を1度贈ったきりになっていました。誕生日やクリスマスのたびに、あちこちの書店の児童書コーナーに行ったものの、表紙の絵が今ひとつだったり、イラストがなかったり少なかったりで、これはと思うものが見つからず、結局は、喜んでもらえるのが確実な、おもちゃや衣服、ハローキティー商品などを選んでいたからです。

 それが今回、ペルージャ郊外にあるこの大きな書店、その名もLibreria Grandeに出かけると、児童文学の世界の名作コーナーがとても充実していました。たとえば、『若草物語』も、さまざまな出版社のいろいろなシリーズの本が並んでいて、その中から、活字の大きさや装丁、イラストなどを見比べて、選ぶことができました。児童文学だけではなく、大人用の本も品揃えが豊富で、本や文房具以外にも、おもちゃやお菓子、ジャムの詰め合わせ、クリスマスをテーマにした飾りや置き物など、贈り物にふさわしい商品もたくさん並んでいます。店内に置かれた椅子に座って、本を読むこともできます。書店のホームページには、写真が豊富で、こういう店内の様子が分かるようになっています。ペルージャからE45 でアッシジ方面に向かうと、大型スーパー、Ipercoopのすぐ手前にあります。機会があれば、ぜひ訪ねてみてください。

  Libreria Grande
  Via della Valtiera 229 L/P
  Ponte San Giovanni (PG)
  tel 075 396343
  sito http://www.libreriagrande.it/

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Luminarie natalizie del centro di Perugia 20/12/2012

 帰りは、ペルージャの中心街に立ち寄りました。

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Mercatini di Natale Rocca Paolina, Perugia 20/12/2012

 じっくりと姪たちの心に語りかけ、二人の心を読書にいざなう贈り物をと考えて、本を選んだのですが、やはり、受け取って、うれしいと思えるものも添えてやろうと、パオリーナ要塞(下記リンク参照)のクリスマス市に出かけました。たけしさんの奥さん、あゆみさん手作りの、フクシアの花を思わせるピアスがかわいらしくて、姪たちの好きな色のものを、それぞれ選んで購入しました。

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 要塞の中には、こんなふうに花盛りの木々をかたどった、すてきな照明や置き物など、他にも興味深い品々が、たくさん並んでいました。

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 クリスマスのイルミネーションに彩られて美しい目抜き通りを歩きながら、駐車場に向かいます。

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 坂道を下っていたら、かわいらしい折り紙のペンギンでいっぱいの、こんな空間も見つけました。

Regaliamo i libri, soprattutto ai bambini, in modo che possano imparare ad amare la lettura, trovare conforti, amici, modelli, insegnamenti e emozioni in libri, e sviluppare la sensibilità, l'immaginazione e la capacità di pensare, ragionare. In Giappone insegnando nelle scuole superiori, ho imparato che tanti ragazzi amanti dei libri sono diventati così, perché i loro genitori glieli leggevano da quando erano ancora piccoli.

- Da anni volevamo regalare i libri alle nostre nipotine, però alla fine compravamo spesso qualcosa che loro volevano, anche perché non trovavamo edizioni buone da regalare. Invece, ieri in una grandissima libreria abbiamo trovato tante belle edizioni dei libri classici per i ragazzi e finalmente potremo regalare i libri che possano nutrire il piacere della lettura. Speriamo che gli piacciano.

- Belle le illuminazioni natalizie del centro di Perugia. Siamo andati alla Rocca Paolina per trovare qualche regalino carino da aggiungere ai libri. C'erano tanti oggetti carini e curiosi.

関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- たそがれのタワーブリッジ / Tower Bridge, London (5/12/2011)
↑↑ 後半に読書の大切さと、読書の習慣は子供の頃に培う必要があることについて書いています。
- 杏さんとペルージャ1 / Passeggiata nel centro di Perugia 1 (13/1/2012)
↑↑ パオリーナ要塞(1540-1543)の歴史と説明あり / Foto della Rocca Paolina

LINK
- Amazon.it – “Classisi illustrati per ragazze” (Usborne Publishing)
- Amazon.it – “Piccole donne” (Mondadori)
- Libreria Grande - HOME

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2012-12-21 10:56 | Film, Libri & Musica | Comments(8)

手作り、セルペントーネ

 セルペントーネ(serpentone)は、ウンブリア州、ペルージャ県の伝統的なお菓子です。蛇がくねって描く円が、古い年が去り、新しい年が訪れる年のめぐりを象徴するそうで、主に、クリスマスから年末年始にかけて食べられます。セルペントーネは、「大きい蛇」(serpente「蛇」+拡大辞-one)という意味で、我が家では皆がこう呼ぶのですが、トルチッリョーネ(torciglione)という別名もあります。

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 昨日の午後は、夫を中心に、皆で協力して、このセルペントーネを作りました。数年前に亡くなった伯母が、いつもそれはおいしいセルペントーネを作っていたそうで、夫や義弟が、その際、伯母を手伝うことも多かったようです。夫は、今年はその味を再現しようと、アーモンドの実を買い、温水暖房のラジエーター(termosifone)の上に1週間ほど置いて、乾燥させました。伯母は、アーモンドを乾燥させるのに、薪ストーブの上に、天井から吊り下げて、1週間置いていたそうです。

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 こうして乾燥させた約500gのアーモンド(mandorla)を、こちらの器械で挽いていきます。わたしが少しずつ、上の穴の部分にアーモンドの実を入れていき、それを夫が挽いていきました。

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 後で片づけていたとき、この器械が、実は肉を挽いて、挽肉にする器械だと知って、驚きました。

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 アーモンドは、こんなふうに、荒く挽き上がります。

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 夫は、砂糖400gを量り、わたしは卵の白身を泡立てました。二つ分だけ泡立てたのですが、あとで、もう一つ分必要だったと判明しました。

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 荒挽きにしたアーモンドに、砂糖と泡立てた白身を加え、よく混ぜ合わせます。右手には、アーモンドの実が三つ、コーヒーの豆が二つ見えます。コーヒーの豆は、蛇の目、アーモンドの実は、うち一つを蛇の舌として使います。

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 よく混ぜ合わせた生地を、十分にこねたあと、生地を転がしながら、左右に長く伸ばしていきます。

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 紙袋の底に残ったアーモンドの粉を、鳥たちが食べられるように、庭に払い落としました。子猫が、その様子をじっと見つめ、

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 手を差し伸べると、体をすり寄せながら、周囲を回ります。人懐っこくて、かわいらしいので、よくなでてかまったり、一緒に遊んだりします。

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 さて、そうこうしている間に、セルペントーネも、それらしい形になりました。蛇の形を作るため、手を湿らせるのには、泡立てた白身が必要だということで、手前には、そのために新たに泡立てた、卵一つ分の白身が見えます。

 オーブンの深皿に、お義母さんがホスチアを並べていきます。

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 ホスチア(ostia)は、店で買うこともできたようですが、今回は、うちで作りました。小麦粉(farina)を水(acqua)で溶いて、

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 それを、ホスチア作り専用のこちらの道具の先端に入れて、火で焼くのです。この道具がひどく重たいということで、途中で、義弟が、お義母さんに代わって、ホスチア作りを担当しました。

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 オーブンに入れる前の最後の仕上げとして、コーヒー豆とアーモンドで顔を作り、夫と二人で、松の実(pinoli)で、さらに飾りつけました。

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 オーブンに入れてから、約1時間。ようやくセルペントーネができあがりました。

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 夫が指揮をとって、セルペントーネを作ったのは、今回が初めてです。いろいろなレシピを参考にしながら、伯母を手伝ったときの記憶を頼りに作ったようですが、とてもおいしく焼き上がりました。全体に表面が固く、下側が焼けすぎているきらいがあるので、次回は、蛇の背を低くし、オーブンの中ほどに置き、焼く時間を短くしようと、夫は、次のセルペントーネ作りを目指して、すでに考えをめぐらせています。

 店で買ったものや他の人が作ってくれたものと違い、自分たちで時間をかけて、協力して作ったこともあって、食べてうれしい、特別なセルペントーネができました。

Ieri abbiamo fatto un SERPENTONE a casa!

- Il serpentone (torciglione) è un dolce tipico umbro del periodo natalizio.

- Mio marito voleva riprodurre un serpentone buono buono che una sua zia faceva. Con consigli di mia suocera e la nostra collaborazione ci è riuscito. E' molto buono!

LINK
- TaccuiniStorici.it – Torciglione umbro

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2012-12-20 11:24 | Gastronomia | Comments(8)