アプアーノ・アルプス1

 7月17日土曜日、百の湖自然公園(Parco dei Cento Laghi)を後にしたわたしたちは、アプアーノ・アルプスを訪れるために、車で南東へと向かいました。
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 アプアーノ・アルプス山岳地帯(Le Alpi Apuane)は、トスカーナの北西部、リグーリアとの州境近くに位置し、その山並みは、海岸線に平行してそびえ立っています。

 古代ローマ時代から大理石の採掘が行われ、現在も、その大理石は世界中に輸出されています。あのミケランジェロが、この地域で採れる大理石に魅了され、しばしば足を運んだだけではなく、理想の大理石を求めて、長くとどまったこともあるほどです。

 ペルージャからチンクエ・テッレに向かっていたとき、途中の車内から、アプアーノ・アルプスの山々の高みが、白く見えました。夫に雪かと尋ねたら、大理石の採石場(cava di marmo)だと教えてくれたのですが、それほど数多くの採石場が点在し、山が白い肌をむき出しにしていました。

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 前日、アッペンニーニ山脈の尾根からは、アプアーノ・アルプスが、重なる山並みの一番奥に、遠く雲や霞に包まれて見えていました。

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 車で近づくにつれて、アルプス・アプアーノの威容が、だんだん大きく、そして、はっきりと見えてきます。

 昼食は、途中のジュンクンニャーノ(Giuncugnano)村で取りました。

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Santuario di Nostra Signora della Guardia (Giuncugnano)


 アルジェンニャ山(Monte Argegna)にあるこちらの教会は、1894年9月27日の晩に、民衆の信仰心を高めようという集まりに参加していた二人の神父が、まったく同じ夢を見たことをきっかけとして、建てられました。夢の中で、二人が見たのは、広い草原に立つ小さな教会です。教会には、聖母マリアの像があり、たくさんの巡礼者が列をなして歩いていました。

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 その翌年から教会の建設が始まり、今ではまさにその夢のとおり、広大な草原の中に、小さな教会が立ち、その祭壇には、幼子イエスを腕に抱えた聖母マリアの像が、祀られています。

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 広い草原では、子供たちがボールで遊んだり、人々が木陰に寝そべってくつろいだり、本を読んだりしていました。

 わたしたちが昼食をとったのは、教会のすぐ右横にあるレストランです。その名も、Casa del pellegrino(訳すと、「巡礼者の家」)。思いがけず、パスタがとてもおいしかったので、わたしも夫も大喜びです。

 次の宿泊先、滞在先を探しながらの車での移動が続きます。昼食後、二人ともすっかり疲れていたので、道路わきの木の陰に車をとめて、一休み。

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 そうして、夕方に訪れたのが、オレッキエッラ自然公園(Parco Naturale dell’Orecchiella)です。写真は、公園内にある山の庭園(Giardino di montagna)で、色とりどりの鮮やかな花が、それは美しかった(記事はこちら)ので、二人とも胸を躍らせながら、散歩をしました。

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 公園内には観光案内所(上の写真)もあり、トレッキングや宿泊の情報が充実していて、お土産も売っていました。ただ、トレッキング・コースがどれも短距離・短時間で、しかも興味深いコースはガイド付きでなければいけないため、自然の中を自由に歩きたい夫は難色を示します。

 というわけで、二人とも疲れ果ててはいたのですが、宿泊先を探して、さらに先へと進みます。

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 山の庭園の向こうに聳え立つコルフィーノの岩壁(Pania di Corfino)を背に出発し、近くのコルフィーノ(Corfino)村に宿泊することになりました。

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 こちらが、その宿の写真です。「眺めがよい」(panoramico)という名を持つだけあって、アプアーノ・アルプスの連峰が遠くにですが、よく見えます。

 こちらの宿に着いたのは、午後7時頃。二人ともすっかり疲れ果て、宿の主人から「満室で貸せる部屋は、ここだけなのだが、いいか」と聞かれて、部屋を見て、了承しました。
 
 広いアパートで寝室以外にも大きな部屋が一つ、そして台所まであるのに、朝食・夕食つきの宿泊代が一人35ユーロとは安いと思ったのですが、後から電気をつけてよく部屋の中を見ると、床にはホコリがたまり、寝室は、朝カビを駆除したばかりで、窓を開け放しても、カビ取り剤の強烈な悪臭が鼻につきます。翌日から宿泊予定の客のために、アパートを準備している最中なので、空室だったわけです。

 結局、ホテルにほうきを借りて、台所を掃除し、台所にあったもう一つのダブル・ベッドで眠ることにしました。やはり行き先や宿泊先を決めずに、旅に出かけると大変だと、つくづく思いました。

 夕食はとてもおいしくて、給仕の青年が日本のアニメのファンだと言って、満面の笑顔で給仕をしてくれました。夕食込みの宿泊の場合、プリモ、セコンドなどが数種類ある中から、自分が好きなものをそれぞれ一品ずつ選んでいく場合が多いのですが、この宿では、客が多いためもあってか、一品だけでなく、何品でも味を見て、好きな料理を好きなだけ頼むことができました。どの料理もおいしくて、とくに最後のデザートでは、いくつでも味を見て、いくらでも食べることができて、とてもうれしかったです。

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 これは、翌朝に宿泊した部屋のテラスから撮った写真です。朝日を浴びて、アプアーノ・アルプスがくっきりと見えました。
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# by milletti_naoko | 2010-08-31 18:10 | Viaggi in Toscana | Trackback | Comments(0)

宿でびっくり

 「イタリアの背骨を歩く」(記事はこちら)ために、7月15日木曜日から、2泊したのは、こちらの宿、ホテル・プラートスピッラ(Albergo Pratospilla)です。

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 右手にある大きい建物二つがホテルの施設で、まさに緑の自然のただ中にあります。アッペンニーニ山脈の尾根に近い上に、百の湖自然公園(Parco dei Cento Laghi)(記事はこちら)の数々の湖を歩いて訪ねるには、絶好の場所にあるため、こちらに宿泊しました。

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アッペンニーニ山脈の尾根からの眺望とコンピオーネ湖

 地の利がいいので、平日の朝だというのに、ホテル前の広い駐車場に、キャンピングカーが2台とまっています。

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 地の利がいいのは、絶好のトレッキング・コースがあるだけではなく、ホテルの左に見える森の中に、子供たちが自然の中で、思いっきり体を動かして楽しめる百の冒険公園(Parco delle 100 Avventure)があるからです。

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 子供も楽に歩いて行ける距離にパーロ湖(Lago Palo)があるため、金曜日には、先生に伴われた小さい子供たちが遠足をしていました。

 すぐ近くにスキーリフトの乗り場もあり、1年を通じて、食・スポーツなどに関するさまざまな催しも行われます。ホテルの建物も、冬は雪が多く、寒いので、機能を重視したつくりになっています。部屋が20あり、ベッド数40ですから、かなり大きな宿と言えます。

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 題名に戻って、この宿について、何にびっくりしたかと言うと、7月15日木曜日の晩は、宿泊客が、わたしたち二人だけだったことです。アグリトゥリズモやB&Bでは、客が自分たちだけということもたまにあるのですが、夏のこの時期に大きなホテルに二人きり、ということに、まず驚きました。

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 決してサービスや設備に問題があるからではありません。二つ星のホテルとしては快適です。部屋は広くて、ダブル・ベッド以外にも二段ベッドがあり、テレビもあれば、机やタンスもあります。浴槽がなくても、シャワーはあります。前日まで、トイレ・シャワーが共同の山小屋に泊まったり、シングル・ルームに押し込まれてダブル・ルーム料金を払う羽目になったり(記事はこちら)と、宿泊にはあまり恵まれていなかったわたしたちは、大喜びでした。

 このホテル、驚いたことに、週末はすでに満室で、そうと知らずに予約を求める電話が、わたしたちの2泊3日の滞在中に、立て続けにありました。

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ホテル前にあるスキーリフト。奥の小道は、尾根道へと続いています。

 冬はスキー場として長く滞在する客が多いようですが、夏は周辺地域から、週末だけ大勢の客が押し寄せるようなのです。

 平日は閑散としていて、週末だけは毎週満室。夏は例年そういう経営状態で、それでも十分やっていけるからか、宿の主人も、こういうもの、と問題にもしていません。

 アッペンニーニ山脈のパルマ地方東部では、大勢の客が来るのは週末だけで、平日は閑古鳥が鳴くところが、全般に多いようです。

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 たとえば、上の写真のラグデイの山小屋(Rifugio Lagdei)(記事はこちら)では、わたしたちは平日に訪れて、おいしい食事をすぐにのんびり味わえたのですが、今月の日曜日に行った友人たちは、昼食には山小屋の前に長い列ができていたので、あきらめて、別の場所で食べたと言っていました。

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 カサローラ村(Casarola)(記事はこちら)には、おいしいと評判のレストランがあります。水曜日の朝訪ねると、ラヴィオーリを作っている最中で、ぜひ手作りのパスタを食べたいと思った夫が開店時間を尋ねたのですが、「次の営業は土曜日」と言われてしまいました。

 週末に来る客を長期滞在客に変える工夫や対策が必要だと思うのですが、宿やレストランの人も、こういうものとのんびり構えているように見えました。

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宿に着いた日の夕方、夫が宿の前で撮影した三日月です。

 さて、話は戻って、このホテル・プラートスピッラ。夫が宿泊を予約するために、ホテルに電話をしたのは、当日の朝のことです。そのとき、宿の主人からは、「料理担当の女性を探して、夕食のしたくができるかどうか分かってから、折り返し連絡します」と、返事がありました。携帯電話の電波が一定していない地域では、携帯電話に送ったメッセージが数時間後に届くことが、よくあります。午前11時に宿の主人が送った「夕食OK」のメッセージも、夫の携帯電話に届いたのは、その日の晩で、すでに夕食が済んだあとでした。

 そういうわけで、夕食ができるかどうか分からないまま、夕方宿に到着して、夕食が取れると聞いたときには、ほっとしました。レストランのありそうな隣村まで、かなりの距離があるからです。

 そして、もう一つ、宿で驚いたのは、レストランの客も、わたしたち二人だけだったことです。二人しか客がいないのに、わざわざ料理をする人から給仕係まで、必要な人々を集めて準備してくれたことにびっくりすると共に、心から感謝しました。

 さらに驚いたのが、話しぶりから地元出身らしいと分かる主人を除けば、この日、ホテルで働いていた人は、皆東欧やアフリカから来た移民であったことです。

 けれども、料理がどれも、それはおいしかったのです。こんなにおいしいパスタや肉料理は久しぶりに食べたと、二人とも大満足でした。

 パルマ地方のアッペンニーニ山脈の小さな村では、メニューの一覧を客に運ばない店がいくつかありました。少ない客のために多くの料理を常に用意し、そのための材料を常備していては、確かに、食材も無駄になります。

 このホテルでも、わたしたちが食事をした二晩は、メニューの一覧はなく、毎回、宿の主人や料理担当の女性が、その日に準備できるメニューを口頭で説明してくれました。値段が分からないので不安だったわたしたちは、最後にもう一つ、料理の安さにも、びっくりしました。

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 ホテルを去る土曜日の朝には、ところが、レストランの入り口に、値段を記したメニューの一覧表がきちんとありました。手書きなので、やはり手に入る食材や季節によって、メニューも変われば値段も変わるのでしょうが、セルフ・サービスにしても、値段の安さにびっくりです。セルフ・サービスになっているのは、土日は大勢の客でごった返すからのようです。

 夏は、登山や自然との触れ合い、冬は雪やスキーで楽しめるこの場所に、興味のある方は、次のリンクをご覧ください。

LINK 
- Pratospilla - Albergo Ristorante Bar, Impianti di risalita invernale e estivo
- メニューのビデオ紹介 ⇒ Pratospilla - Menu Ristorante 2010
(料理名とともに映像が流れるので、イタリア語の勉強にもなります。)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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# by milletti_naoko | 2010-08-30 16:47 | Emilia-Romagna | Trackback | Comments(0)

イタリアの背骨を歩く2

 マルティーニ湖(Lago Martini)から少し登ると、すぐに、「イタリアの背骨」、アッペンニーニ山脈の尾根道に出会います。(記事はこちら

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 夫の前を通る小道が、アッペンニーニ山脈の尾根を行くCAIの00番トレッキング・コース(il Sentiero CAI 00)です。

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 ここは、ジョヴァレッロ峠(Passo Giovarello)で、標高は1754m。(写真の案内板にはこう書かれていますが、地図によると標高は1752mです。)トレッキング・コースが交差する地点なので、案内標示には、それぞれのコースの番号と、次の主要目的地までの、徒歩での所要時間も記されています。

 尾根に登ると、これまで見えなかった山の向こう側の風景も目にすることができました。

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 そして、わたしたちがこれまで歩いてきた道筋がよく見える上に、その奥にそびえる高い山々も視界に入ってきました。

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 360度に広がる美しいパノラマを楽しんだ後は、コンピオーネ峠を目指して、上の写真に見える小道を登って行きます。

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 見晴らしは最高で、振り返ると、 アプアーノ・アルプス山岳地帯(Le Alpi Apuane)の高い連峰が、遠くの方にうっすらと見えます。

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 眺めを楽しみながら歩く尾根道は、色とりどりの野の花に覆われています。鮮やかなピンクが美しいユリの花、マルタゴン・リリー(Giglio Martagone)も、道沿いにたくさん咲いていました。

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 右に左にと曲がりくねったイタリアの背骨。経済問題に加えて、最近は政治的にも紛糾している、疲れ切ったイタリアの背骨を、感謝しながら、足の裏で優しくマッサージしつつ、歩いて行きます。

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 こちらは、ブラガラータ山(Monte Bragalata)の山頂です。地図には、標高1856mとあり、とにかくこの日の登山中、最も高い地点の一つなのですが、夫が手にしている案内板には手書きで、山の名とともに1835mと書かれています。

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 来た道を振り返ると、通ってきた尾根道と共に、昼食休憩を取ったマルティーニ湖も、下方に見えます。

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 その少し右を見ると、遠くのアプアーノ・アルプス山岳地帯まで、山並みが色合いを変えて重なっている様子が見えます。こういう幾重にも重なる青い山々を、『万葉集』で、「畳なづく青垣」と歌っていたのでしょう。

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 夫が「心の準備はできたかい」と聞くので、何かと思って、指さす方向を見ると、遠くに二つの湖が小さく見えます。散歩の目的地、コンピオーネ湖です。

 でも、それだけではありません。湖のさらに奥には、2日前に登ったナヴェルト山(Monte Navert)(記事はこちら)も、はっきりと見えるのです。緑の矢印で示しているのが、ナヴェルト山です。

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 思わぬナヴェルト山との再会に喜びながら、さらに登り下りを繰り返して、コンピオーネ峠から、コンピオーネ湖(Laghi di Compione)へと、湖に向かって、709番トレッキング・コースを下って行きました。

 一面にブルーベリーが生い茂って、道がとても狭く、堅い葉が足に刺さって歩きにくい中を、湖のそばへと歩いていきます。

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 途中で名もない小さな湖にも行き当たりました。

 夫はコンピオーネ湖の水辺まで行ったのですが、わたしは疲れ切っていた上に、小道がそれは歩きづらいので、少し遠くから湖を眺めることで満足して、ゆっくり休みました。

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 帰りは別のコースを通って、宿まで戻るつもりでしたが、結局は、再び尾根近くまで登って、マルティーニ湖から、同じ705番コースを通って、帰ることになりました。ブルーベリーの茂みに覆われた湖の周囲は、進むべき道が分かりづらかったからです。

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 ようやく宿に帰り着いたのは、日も傾きかけた午後7時半のことです。約9時間にわたる長い散歩となりましたが、エミリア・ロマーニャ州立百の湖自然公園(il Parco Regionale dei Cento Laghi)(記事はこちら)が誇る美しい湖の数々やすばらしい見晴らしを楽しむことができて、とても充実した1日になりました。

Camminata sulla Spina dorsale d’Italia 2 (16/7/2010)

- Passeggiata nel Parco dei Cento Laghi / 百の湖自然公園の散歩
*Itinerario: Lago Martini – Passo Givarello – Monte Bragalata – Passo Compione - Laghi di Compione – Lago Martini – Prato Spilla

LINK
- イタリアの背骨を歩く1 / Camminata sulla Spina dorsale d’Italia 1
*Itinerario: Prato Spilla – Lago Verde – Lago Martini

Articolo scritto da Naoko Ishii

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# by milletti_naoko | 2010-08-28 23:07 | Emilia-Romagna | Trackback | Comments(6)

イタリアの背骨を歩く1

 「イタリアの背骨」とは、こちらのアッペンニーニ山脈の尾根のことです。

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 尾根道を歩いていたときに、夫が、「まさにイタリアの背骨(la spina dorsale dell’Italia)を歩いているんだよね。」と言ったのですが、うまいことを言うものだと感心しました。ご存じのとおり、アッペンニーニ山脈はイタリア半島を南北に縦断していますし、中央が盛り上がっている様子が、背骨のように見えます。背骨にしては、かなり湾曲しているのですが。

 アッペンニーニ山脈の尾根を行く山道は、CAI(イタリア山岳クラブ)の00番トレッキング・コース(il Sentiero CAI 00)です。尾根からの眺めはすばらしく、下の地図を見ても、00番コースには道筋にそって、たくさんの赤丸があり、パノラマを楽しめる箇所(tratto panoramico)が多いことを示しています。

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 地図は、百の湖自然公園によって製作された地図、『Carta escursionistica. Le valli del Cedra e del Parma』から借用しました。(詳しくはこちら

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 7月16日金曜日の朝は、午前10時頃に、プラート・スピッラ(Prato Spilla)の宿を出発しました。705番トレッキング・コースをしばらく登ってから、後ろを振り返って撮影したのが上の写真です。下方に見える集団は、先生に付き添われた子供たちで、宿に近いパーロ湖(Lago Palo)を目指して、歩いていました。

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 苦手な登り坂がいつまでも続くので、休みながらゆっくりと進むわたしを、夫が振り返って、叱咤激励。出発地点は標高1351m、尾根道との合流地点は標高1752mで、400メートルの高さを登らなければいけないわけですから、登り道は、まだまだ続きます。道端に咲く黄色の花が美しく、夫と共に、「がんばれ(Forza!)」と励ましてくれます。

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 7月も半ばだと言うのに、まだランの花が咲いているところがいくつかありました。冬になるとスキー場としてにぎわう場所なので、奥の方にスキーリフトが見えます。尾根はここからでもよく見えるのですが、705番トレッキング・コースは、すぐに高みへと登らずに、しばらく森の中を進んでいきます。

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 ブナの木が生い茂る山道を長い間登って、森を通り抜け、さらにしばらく歩くと、遠くにヴェルデ湖(Lago Verde)が見えました。

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 かなり上方に見える尾根を目指して、ひたすら山を登り続けます。

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 辺りはブルーベリー(mirtillo)でいっぱいです。ただし、まだ実が青く、熟していません。

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 後ろを振り返ると、先ほどまで歩いていた緑の木々に覆われた森が、もうかなり遠くに、小さく見えます。

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 午後1時頃、もうすぐ尾根道というところで、このマルティーニ湖(Lago Martini)にたどり着きました。

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 足を水に浸すと、水の冷たさが心地よく、疲れを癒してくれます。周囲にたくさん見える黒い点のようなものは、無数のオタマジャクシたちです。

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 夫は、「オタマジャクシの方で避けるから、君の足に触ることはない。」と言うものの、足の近くまで寄ってくるオタマジャクシもいるので、時々足を動かしながら、足浴を続けます。夫は足浴のあと、湖の澄んだ水の中を、自在に泳ぎ回ります。

 それから、岩の上に腰を下ろして、景観を楽しみながら、昼食のパニーノをほおばりました。

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 ブルーベリーの茂みに隠れて、小さく可憐な花も咲いていました。

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 せっかくだからと、腕を伸ばして、マルティーニ湖と共に、二人の記念写真を撮影しました。当てずっぽうに撮るので、湖が頭に隠れたり、上方に追いやられたりして、3枚目でようやく、湖がきれいに撮れたのでした。

        「イタリアの背骨を歩く2」(リンクはこちら)につづく

Camminata sulla Spina dorsale d’Italia (16/7/2010)

- Passeggiata nel Parco dei Cento Laghi
*Itinerario: Prato Spilla – Lago Verde – Lago Martini

LINK
- イタリアの背骨を歩く2 / Camminata sulla Spina dorsale d’Italia 2
*Itinerario: Lago Martini – Passo Givarello – Monte Bragalata – Passo Compione - Laghi di Compione – Lago Martini – Prato Spilla

Articolo scritto da Naoko Ishii

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# by milletti_naoko | 2010-08-28 11:38 | Emilia-Romagna | Trackback | Comments(4)

ラゴーニの二つの湖

 7月15日木曜日の朝、モンキオ(Monchio)のB&Bを後にしたわたしたちは、次の目的地、プラート・スピッラ(Prato Spilla)に向かいました。ただし、その前に、少し寄り道をして、コッラ峠(Passo della Colla)を通って、美しい湖が二つあるラゴーニを訪れることにしました。

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地図は、観光案内、『Destinazione Appennino Parma Est』から借用


 「峠付近は道が悪いから、車で行くのはやめた方がいい」と、宿の主人に忠告されたにも関わらず、夫がこの道を選んだのは、前日、苦労して山頂まで昇ったナヴェルト山を、真下から見上げてみたかったからです。

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 期待どおり、峠の近くからは、ナヴェルト山(Monte Navert)が、よく見えました。


 上の写真で緑の矢印で示した部分に、山頂に建てられた十字架があります。

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 ちなみに、こちらは、前日にナヴェルト山の頂上まで登ったときの写真です。(登山についての記事はこちら

 確かに峠付近は、でこぼこや穴の多いひどい砂利道だったのですが、夫の車、カングーは車高も高く、夫も車もこういう道に慣れています。峠を下っている最中に、馬の群れに行く手をふさがれたりもしたものの(記事はこちら)、無事ラゴーニに到着しました。

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 ラゴーニ(Lagoni)は、「大きい湖」を意味するイタリア語、lagoneの複数形で、すぐ近くに美しい湖が二つあるため、この名があります。その一つは道路沿いにあるので、車でも行くことができます。

 というわけで、この湖の周囲には、水辺で日光浴をしている人も何人かいました。

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 湖と道路のすぐ近くには、ラゴーニの山小屋(Rifugio Lagoni)があって、食事と宿泊をすることができます。。

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 わたしたちが、昼食に選んだのはこちら。

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 ノロジカの肉を猟師風に料理して、ポレンタを添えたもの(capriolo alla cacciatora con la polenta)です。香草や香辛料をたっぷり使い、じっくり煮込んだ肉や肉汁がおいしかったです。ボリュームたっぷりなので、わたしたちは、この一品しか食べませんでしたが、ポルチーニ茸(funghi porcini)を使ったメニューもいくつかありました。

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 百の湖自然公園の周辺は、夏でも、涼しく水分が多いので、ポルチーニを収穫できるのです。山小屋のテラスでは、採れたてのポルチーニを細切りにして、日に干して乾燥させていました。

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 経営者の中に狩りを楽しむ人がいるからか、山小屋の食堂の壁には、さまざまな動物の剥製が飾られています。ただし、上の写真を撮ったのは、中央にあるストーブが夫の気に入ったからです。

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 食事を待っている間も、この紙製のランチマットを見ていたら、退屈しませんでした。ラゴーニ周辺のトレッキング・コースが、コースの番号と共に、赤で記されています。青色で描かれているのは、百の湖自然公園(Parco dei Cento Laghi)(記事はこちら)内にあるさまざまな湖です。湖の名前や大きさ・形とともに、どのトレッキング・コースを歩けば行けるかも、一目で分かります。そして、周囲に生息する動植物も描かれています。狼、イノシシ、ノロジカ、リス、そして、ポルチーニなどなど。

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 昼食後、奥にあるもう一つの湖を見に行くことにしました。道路から見て、左側にある湖畔に沿って歩いて行きます。軽い散歩のつもりが、急な山道を登ることになり、この急斜面が、いつまでもいつまでも続きます。

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 危険や高い所をものともしない夫が、右手にある突き出した岩の上へと歩いて行き、「ここからなら湖が二つとも見えるよ。」と、わたしを呼びます。それで、おそるおそる歩いて行って、岩から見えたのが、こちらにある奥の湖です。写真の手前に見える白いものが、わたしたちが足を載せていた岩場です。

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 一方、こちらは山小屋からも見えていた、道路沿いにある湖です。反対側の湖畔を歩けば、登り道がないので楽だったことに気づいたものの、苦労して登ったからこそ、美しい眺めを楽しめたと満足して、ここで来た道を引き返しました。

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 湖付近の森を歩いていると、こんな見晴らしのいい場所にたどり着きました。

 ここから右手を見ると、再びナヴェルト山の頂を別の角度から眺めることができたので感動しました。

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 この後、ラゴーニからラグデイ(Lagdei)まで引き続き砂利道を車で進み、周囲の景観を楽しんでから、ようやく宿泊予定地のプラート・スピッラへと向かいました。ラゴーニとラグデイの間は、道路が舗装されてこそいませんが、十分整備されているので、普通の車でも問題なく通行することができます。道理で、ラゴーニに人がたくさんいたわけです。

 宿泊は、安く泊まれる大部屋なので、集団での利用におすすめです。ラゴーニの山小屋に興味のある方は、以下の山小屋のホームページをご覧ください。

LINK ⇒ Rifugio Lagoni Home

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# by milletti_naoko | 2010-08-26 18:45 | Emilia-Romagna | Trackback | Comments(2)