ヴィテルボ町歩き

 温泉、Terme dei Papiに近いという理由で、訪れることになったヴィテルボ(Viterbo)の町は、とても美しい町で、街角に、さまざまな時代の面影が残っていました。 

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 駐車場を探して、城壁の周囲を車で回りながら、まずは、高く張り巡らされた、中世のみごとな城壁に驚きました。わたしたちは、こちらのPorta Fiorentina(フィオレンティーナ門)近くの駐車場に車を置き、この門から、町の中に入りました。

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 中に入ると、大きな広場があり、中世の城塞、Rocca Albornozが門の近くに建っています。長い歴史の間に何度も取り壊され、再建されたこの城塞は、教皇パウルス3世(1468-1549)の住居にもなりました。この教皇は、ペルージャとの政争に打ち勝ち、当時ペルージャで権勢を誇ったバッリョーニ家のものであった町の一角を破壊して、パオリーナ城塞(Rocca Paolina)を建築するように命じた人物であり、また、ミケランジェロに、ローマのサン・ピエートロ大聖堂の建築を依頼した教皇でもあります。

 現在、この城塞は、国立エトルリア博物館(Museo nazionale etrusco)となっています。

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 幸い、この広場、Piazza della Rocca(訳すと、「城塞の広場」)には、観光案内看板がありました。主な観光地をくまなく回れるように、おすすめの散歩コースが、黄色い線で記されています。観光名所は、地図には番号で示され、下に、写真と説明が書かれています。

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 おすすめコースに従って歩き、最初に行き当たったのは、こちらの教会、Chiesa di San Faustinoです。この教会は、1266年にすでに存在しており、古いロマネスク様式の教会だったのが、18世紀に改築されました。

 ヴィテルボの町には、街角のあちこちに、みごとな噴水があるので、驚いたのですが、町で最も大きい噴水は、Piazza della Roccaの噴水(2枚目の写真)だということです。

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 手元に地図がないので、記憶を頼りに、おすすめコースと思われる道を歩いて行きました。途中で観光案内所も見かけたのですが、残念ながら閉まっていて、地図を手に入れることができませんでした。

 店の立ち並ぶ下り坂を下りていると、前方に高い塔と鐘楼の上部らしきものが見えたので、今度は、この塔を目指して歩くことにしました。

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 そうして、1487年に再建された時計塔(Torre dell’Orologio)の建つ広場、Piazza del Prebiscitoに、たどり着きました。時計塔の右手には、11世紀末に建てられた教会、Chiesa di S. Angeloが見えています。この広場は、中心街の中央部で、こうしてカメラを構えていたわたしの左手には、13世紀に建造されたプリオーリ宮殿が建っていました。宮殿の内部がそれはみごとだということは、残念ながら、今ヴィテルボ県のサイトのページ(リンクはこちら)を見て、初めて知りました。

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 奥に大聖堂の見える道を歩いて行くと、左下に、昔の公共の洗濯場がありました。右手前の美しい建物は、Palazzo Farnese(ファルネーセ宮殿)。こう呼ばれるのは、アレッサンドロ・ファルネーセ枢機卿が、パウルス3世として教皇となる以前に、住んでいた家だからですが、館自体は、13世紀にすでに存在していました。

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 大聖堂、Cattedrale di San Lorenzoは、12世紀に建てられたもので、左にそびえるゴシック様式の鐘楼(campanile)は、13世紀末に築かれました。ただし、後に幾度も改築が繰り返され、教会正面は、ルネサンス期のものです。

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 こちらのPalazzo dei Papi(教皇の宮殿)も、大聖堂が面するのと同じ広場、Piazza San Lorenzoにあります。ゴシック様式のこの宮殿は、13世紀後半に建てられたもので、ヴィテルボの名所として知られています。

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 サン・ペッレグリーノ地区(quartiere S. Pellegrino)には、今なお中世の趣が、至るところに残っています。夫が歩いていく道の左手の壁には、Via S. Pellegrinoと、通りの名前が書かれています。

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 通りの下に伸びるこうした何気ない路地にも、何とも言えない風情があります。

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 塔や家の前に伸びる石の階段が、中世に迷い込んだような気分にさせてくれます。

 美しい街角や建造物に目をみはりながら、散歩を楽しんでいたのですが、この地区を訪れたあとは、できるだけ最短距離を通って、駐車場まで戻ることにしました。午後3時に有料駐車場に車を置き、日が暮れる頃に温泉に戻ろうと、2時間分の料金を払っていたので、時間内に引き返す必要があった上、二人とも、すっかり歩き疲れていたからです。

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 と言っても、地図がないので、道を人に尋ねながら、こうだと思われる方角を目指して進んで行きました。

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 ようやく駐車場にもフィオレンティーナ門にも近い広場、Piazza della Roccaまで戻って来ました。まだ少し時間があったので、左手に見える建物内のバールで、ホット・チョコレートを飲みました。このホット・チョコレートが思いがけずおいしくて、すっかり夫の気に入ったようです。イチゴの載った、小さなシュークリームも、二人で食べました。

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 それから、城壁前にある駐車場に戻り、再び温泉、Terme dei Papi(記事はこちら)へと向いました。中世に築かれた高い城壁は、夕日を浴びて、茜色に染まり、その上には、まだ白い月が見えていました。

参照した資料・LINK
・"Italia etrusca”, Giunti Editore, 2008.
・"Centro Storico – Città di Viterbo, Assessorato al Turismo”. (ヴィテルボ中心街に立っていた観光案内看板の説明)
Provincia di Viterbo – Turismo – Visitare la Tuscia - Viterbo
Provincia di Viterbo – Turismo –Visitare la Tuscia – Palazzo dei Priori 
Umbria e Arte – Perugia – Rocca Paolina

関連記事へのリンク
・「バレンタイン小旅行」 2011-02-16 (リンクはこちら
・「バレンタインの夕餉」 2011-02-18 (リンクはこちら

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# by milletti_naoko | 2011-02-17 18:10 | Lazio | Trackback | Comments(10)

バレンタイン小旅行

 2月14日月曜日は、バレンタインデーを祝うために、1泊2日の小旅行に出かけました。

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 訪れたのは、ラッツィオ州の ヴィテルボ(Viterbo)の町とその周辺です。写真は、ヴィテルボの町のPorta Fiorentina(フィオレンティーナ門)から城壁内に入って、門とRocca Albornoz、噴水を撮影したものです。

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 朝ペルージャを発って、まずは、宿泊予定のヴィテルボ郊外のアグリトゥリズモに、荷物を置きに行きました。すぐ近くを電車が通ってはいますが、宿を取り囲む自然の美しさに感嘆しました。

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 ヴィテルボを旅行先に選んだのは、こちらの温泉、Terme dei Papi(テルメ・デイ・パーピ、訳すと「教皇たちの温泉」)(ホームページはこちら)で、リラックスするためです。右に掲げてある看板を見ると、エトルリア人に発見されたこの温泉は、教皇たちだけではなく、古代ローマ時代の執政官やダンテ、ミケランジェロも、この温泉を愛し、足を運んだと書かれています。

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 正午頃に、ゆったりとした広い温水プールで、照りつける太陽のもと、温泉浴をしばらく楽しんだあと、温泉施設内で、セルフサービスの昼食を食べました。前日食べ過ぎたので、あっさりとした昼食をと思っていたのに、ミラノ風カツレツを見たとたんに、ついつい食べたくなってしまいました。食べ始めてかなりしてから写真を撮ったので、食べる前は、カツレツはもっと大きかったし、野菜も量がもっと多かったことだけ、一言申し添えておきます。

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 食後は、すぐに温泉プールに入るわけにもいかず、また日差しがあまりにも強かったために、しばらく温泉施設から出て、車で近くのヴィテルボの町を訪れ、散歩を楽しんでから、夕方再び温泉に戻ることにしました。

 高い城壁に囲まれたヴィテルボの町を、夫と二人で、あちこちの街角の美しさに、目をみはりながら、散歩しました。写真は、13世紀に建てられたPalazzo Papale(教皇の宮殿)です。

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 午後3時から午後5時まで、ヴィテルボの町を散歩して、すっかり歩き疲れてから、再び温泉、Terme dei Papiに戻りました。駐車場を歩いて、温泉に向かう途中に、沈みゆく夕日を見ることができました。

 温泉の中で、くたびれた足をゆっくり休めながら、西の空が徐々に茜色に染まっていく様子を楽しむことができました。午後6時半頃に温泉を後にしたときには、とっぷり日が暮れていて、駐車場から温泉プールの方向を眺めると、濃紺の空に白い湯煙が、もうもうと立ち上っていました。

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 宿泊したAgriturismo Poggio della Guardia(ホームページはこちら)と同じ名前、同じ敷地内にあるレストランで、夕食を取りました。バレンタインデーだからということで、テーブルには、ハートに囲まれた赤いろうそくがともされ、前菜も、チーズ、卵焼き、ピザなど、いろいろなものがハート型をしていたのが、うれしかったです。二人で一つ注文したデザート、ミルフィーユ(millefoglie)も、かわいいハート型をしていました。

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 翌日、2月15日火曜日は、宿の主人の勧めで、BagnaiaにあるVilla Lanteという、それは美しいイタリア式庭園を持つ別荘を訪ねました。ローマのVilla d’Este(記事はこちら)を模してつくられたというこの庭園の、あちこちに配された美しい噴水や、水の流れの巧みな利用に、感心しました。

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 Villa Lanteを訪ねたあとは、すぐ近くにあるTrattoria “da Cioffa”で、おいしい昼食を、手頃な値段ですませました。店の自慢のRigatoni alla Cioffaは、トマトと生ハム、チーズを使ったパスタで、わたしも夫も、カラブリア出身という店の主人の興味深いおしゃべりを聞きながら、おいしいと満足しながら、平らげました。

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 別荘、Villa Lanteに近いこのトラットリーアには、かつて別荘の家畜小屋(stalla)であった部屋もあります。それがこちらの部屋です。別荘の噴水を始めとして、Bagnaiaの町の家は皆、火山岩、ペペリーノ岩(peperino)を使って建てられているのですが、この部屋は、そのペペリーノ岩をくりぬいてできたものです。わたしたちの右にいるのが、店の主人。ちなみに、店名にあるCioffaは、やはり店で働く若い息子さんが幼い頃からのニックネームだそうです。

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 帰りに、ぜひわたしが寄りたいと思っていた町に行くはずが、道を間違えてたどり着いたのが、こちらの村、Lubriano(ルブリアーノ)です。バールでコーヒーを飲んだあと、せっかくなので、この趣のある小さな村を、しばらく散歩しました。

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 ルブリアーノで行き方を聞いて、ようやく着くことができたのが、こちらのCivita di Bagnoregioの村です。ご覧のように、そそり立つ岩の上に建つこの村には、昔はふつうの道を通ってゆくことができたのですが、土砂崩れで地面が崩れ落ちたために、今は高い橋の上を、歩いて行かなければいけません。

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 花盛りのアーモンドの向こうに、美しい眺めが広がっています。

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 高所恐怖症のわたしは、行きも帰りもハラハラしましたが、村は、いたるところに風情のあふれていて、心から、訪れることができてよかったと思いました。

 散歩を終えたあとは、車に戻り、少しずつ日が暮れてゆき、空が暗くなる中を、ペルージャへと向いました。

関連記事へのリンク
・「ヴィテルボ町歩き」 2011-02-17 (リンクはこちら
・「バレンタインの夕餉」 2011-02-18 (リンクはこちら

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# by milletti_naoko | 2011-02-16 00:40 | Lazio | Trackback(1) | Comments(16)

温泉の町、Bagno di Romagna

 今日、2月13日日曜日は、わたしたち3人はペルージャから、フランコたち3人はリミニから、中間地点よりややリミニよりの、温泉の里、Bagno di Romagnaで落ち合って、一緒に散歩と食事を楽しみました。

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 まずは、あいさつをしてから、中心街を散歩しました。

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 中心街のすぐ近くにあるアルミーナの森(bosco dell’Armina)には、北欧の森から移住してきた地の精、ノームがいるという伝説があります。そのため、Bagno di Romagnaの町では、人形を始めとするノームにちなんだ置物や土産物が売られ、森の中を通るノームの散歩道まであります。

 上の写真では、ルーカがノームとなり、横でシモーナがポーズを取っています。

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 こちらは、Palazzo del Capitano(隊長の館)。町で最も古く、重要な建築物の一つです。古くは、当地の領主である伯爵が住んでいましたが、1454年からは、フィレンツェ共和国からこの地を治めに来る隊長の館となりました。

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 この教会、Basilica di Santa Maria Assuntaは、871年にすでに存在していたことが、文献から明らかになっています。15~16世紀に大がかりな改築が行われたものの、教会の正面はロマネスク様式で、今なお、9世紀当時の扉口を見ることができます。

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 こんなふうに、ノームや森の動物たちの土産物を売る店が、街角のあちこちにありました。

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 昼食は、このホテル内にあるレストランで食べました。バレンタインデーの前日なので、ホテルの前には大きなハートマークが、いくつも飾られています。

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 店内の装飾もおしゃれで、料理は少々当たりはずれもあったようですが、おいしかったです。ただし、値段も少々高めでした。1時に入店して、デザートのあとで店を出たのが、午後3時半です。結婚式のように、ゆっくりゆっくりと間を置いて、料理が運ばれてくるからで、コーヒーを飲みたい友人もいたのですが、レストランで頼んでは出てくるまでにどれだけ待つか分からないので、店を出て、バールで飲むことにしたほどです。

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 中心街から、サーヴィオ川を渡って山を登っていくと、こちらのノームの散歩道(Sentiero degli Gnomi)の散歩を、楽しむことができます。こんなふうに、木々の間をゆく小道のあちこちに、ノームの像などが置いてあって、子供たちが楽しみながら、自然に親しめるようになっています。

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 こんなに大きなノームの頭までありました。大きな耳から中に入り、これまた、大きな口から外をのぞいたり、手を出したりできるようになっています。耳から顔をのぞかせているのは、わたしです。

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 ノームの頭の内側には、月やユニコーン、海の妖精などが美しく描かれて、子供たちが想像の世界に遊べるようになっていました。

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 途中、ルイージが、早くも花を開き始めたプリムラを見つけました。

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 帰りは同じ道を行かずに、途中から、温泉施設を有するホテルへと向かう小道を進みました。ホテルは町はずれにあり、全員がこのホテル近くに、車を置いていたからです。

 途中に、サーヴィオ川(fiume Savio)を挟んで、中心街を見渡すことのできる眺めのいい場所が、ありました。先にご紹介した教会の鐘楼も、よく見えます。

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 さらに進むと、ホテル、Hotel Euroterme(リンクはこちら)の温泉プールで、ゆっくりと湯船につかってくつろぐ人たちも、木々の間から見ることができました。

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 まだ日暮れまで時間があったので、今度はこちらの散歩道、Percorso vita(「いのちの小道」と訳せるでしょうか)を、しばらく歩きました。道の両側には、ところどころに雪が残っているところがありました。

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 しばらく行くと、道はずっと小川に沿って進んでゆき、突き当たりに、こちらの泉、Fonte del Chiardovoがあります。この泉の水は、硫黄を含んでいて、それは健康にいいそうなのですが、においもなかなかなもので、一行の中には、飲む人もいれば、飲まない人もいました。

 この散歩道は、小川を渡り、岩壁を登って、さらに山の上を目指して進んで行くのですが、もう日暮れが近かったので、今回は、ここで駐車場へと引き返しました。

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 リミニ勢と別れのあいさつをした駐車場からは、沈む夕日にほんのりと染まった雲と、小さな白い半月(写真の右上)を見ることができました。朝、ペルージャを出る前には、しばらく小雨が降り、Bagno di Romagnaに着くまでに、霧深いところや雨の降る場所も通り過ぎたのですが、幸い空は雲に覆われていたものの、雨に打たれることなく、すてきな散歩を楽しむことができました。

 ちなみに、Bagno di Romagnaという地名の、イタリア語での発音を原音にできるだけ近く片仮名で近く表記すると、バンニョ・ディ・ロマンニャになります。ただし、日本ではロマーニャという表記が定着しているようですし、北部に近いこの地方では、バーニョ・ディ・ロマーニャと発音される傾向があります。北部では、二重子音が単音で発音される傾向があるからです。

参考資料
・"Luogo di acqua, di storia, di foreste - Bagno di Romagna. Borghi di Romagna. Provincia di Forlì Cesena"

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# by milletti_naoko | 2011-02-13 23:38 | Emilia-Romagna | Trackback | Comments(4)

新聞と芸術の町

 イタリアでは、新聞は、日本と違って、各家庭で購読して、毎朝家に運ばれるわけではなく、読みたい人が、雑誌や新聞を販売している店(edicola)に足を運んで、購入します。

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 たとえば、こちらペルージャ(Perugia)の目抜き通り、ヴァンヌッチ通り(Corso Vannucci)にも、2箇所ほど、この販売店があるのですが、上の写真では、その一つが右下に見えています。ペルージャの中心街ともなると、こうして1日中営業しているのですが、我が家に近い郊外のedicolaは、午後は閉まっています。

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 edicolaでは、イタリアの二大有力紙、『Corriere della Sera』、『la Repubblica』を始めとして、他にもいろいろな新聞や雑誌が売られています。上の写真のla Repubblica紙は、2月1日のもので少し古いのですが、わたしは、この新聞表紙の左下の広告で、雑誌、『Meridiani』2月号が、日本特集号(記事はこちら)だと知って、購入しました。

 日本では、雑誌は本屋で売られているのですが、イタリアでは雑誌は書店ではなくて、こうしたedicola、新聞・雑誌販売店で売られています。大きいスーパーだと、一隅に、小さい新聞・雑誌販売コーナーがある場合もあります。ペルージャでは、たとえば駅前のCOOPやSan Marco FornaciのPAMでも、新聞や雑誌を買うことができます。

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 二大有力紙は、どちらも歴史と権威があり、政治的な偏りが他紙に比べると少ない(と言ってもやや左よりです)新聞なのですが、わたしのお気に入りは、『la Repubblica』紙です。『Corriere della Sera』に比べて、グラフや図示などのおかげで、記事の内容が分かりやすいし、読みやすく、自分が興味のある記事も、見つけやすいからです。

 ただし、木曜日に新聞を買うときは、『Corriere della Sera』、金曜日には、『la Repubblica』を買うようにしています。この曜日には、それぞれ、『Sette』、『il Venerdì』という雑誌と共に販売されて、ふだんは1ユーロの新聞が、雑誌と一緒に1.5ユーロになるのですが、この雑誌は、時事問題や文化を扱った記事が非常に充実している上に、1週間のテレビ番組一覧表と、テレビで放映される映画の詳しい説明があって、重宝するからです。

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 ちなみに、上の写真でご紹介した『la Repubblica』紙は、ちょうど長友選手のインテルへのレンタル移籍が発表された翌日のものでした。スポーツ欄にはご覧のように、数多い移籍した選手の中から、選ばれて写真でも登場し、さらに、記事の中でも、長友選手の移籍について、いろいろと書かれていました。「インテルは、長友選手の獲得によって、選手が試合に参加する前から、まずは日本のマスコミから注目を集めることに成功するであろう」といった内容の文も、ありました。きっと、中田選手がペルージャで活躍していた頃のことから類推して、そういう予想をしたのでしょうが、インターネットを通して、日本の方の長友選手移籍への関心の高さを知るにつけても、この予想は、みごとに当たっているなと思いました。

 話を元に戻して、イタリアでは、新聞は読者が年間購読をして、毎日欠かさず買ってくれるわけではありません。そこで、新聞をできるだけ多くの人に買って読んでもらおうとするためか、新聞と抱き合わせて、人気のある歌手たちのCDやレシピ全集、文学全集、芸術に関わるシリーズ本などを、お得な値段で提供していることがよくあります。

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 たとえば、こちらの画家、カラヴァッジョ(Caravaggio)の画集は、『Corriere della Sera』と共に、売られていたものです。数々の名作が写真と解説と共に紹介されて、とてもよくできているのに、新聞社と画集の出版社の提供のおかげで、比較的安い値段で買うことができました。

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 こちらは、「イタリアの偉大な芸術の町」というシリーズの1冊。新聞、『Il Sole 24 ore』と共に販売されていました。ちょうどシエナ(Siena)の町で下宿生活を始めた頃に売られていたので、これはと思って購入したのですが、シエナの町の美しい建築物の概観や内部の絵画・彫刻などが、多数の写真と詳しい解説と共に紹介されている上に、書かれていることを読み上げたCDまでついていました。

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 以上はすべて、何年も前に買った本ばかりなのですが、最近注目して、時々買っているのが、こちらの芸術の町(Città d’arte)シリーズです。上の写真に見えるのは、シリーズ2冊目の『Roma antica』(古代ローマ)。『la Repubblica』紙と、時事問題を扱った週刊誌、『L’espresso』を扱っている出版社が、後者(3ユーロ)と抱き合わせで、12.9ユーロ(つまり本の単価は9.9ユーロ)、あるいは、さらに『la Repubblica』紙を加えて、13.9ユーロで販売しています。

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 こちらの写真は、昨日購入したシリーズの4冊目、『Città d’arte - Firenze』(芸術の町、フィレンツェ)の98・99ページです。フィレンツェの大聖堂、Cattedrale di Santa Maria del Fioreのクーポラの構造が、図解で説明されています。この本は、全383ページで、大聖堂についての写真と説明が、14ページもあります。このぜいたくな紙面の使い方からも、それぞれの町の見るべき建築物や芸術作品を、ふんだんな写真を使って、詳しく説明していることが、お分かりかと思います。

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Basilica di San Giovanni in Laterano, Roma 2009/10/28


 夫には、「ローマの旅行ガイドなら、ぼくも持っているのに。」と言われて、それは確かにそうなのですが、ローマの地図や公共の交通手段などがびっしりと小さい字で書かれているため、一つひとつの遺跡や芸術作品に限って、情報を知りたいとなると、説明も写真もごくわずかです。

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Basilica di San Giovanni in Laterano, Roma 2009/10/28


 ローマやフィレンツェは、ペルージャからも近いので、町を訪れるときは、まず美しい写真の多いこの本を頼りに、訪れたい場所や見てみたい作品を決めて、それから、インターネットや『地球の歩き方 イタリア』(リンクはこちら)で、行き方や開いている日時を調べようと思ったのです。みごとな芸術作品の多い町なので、写真を眺めるだけでも楽しいし、気になるところを読めば、イタリアの美術史のおさらいにもなります。

 お買い得と言っても、全巻買っていては金額もかなりなものになる上、すでに本棚はいっぱいなので、あとは、5月6日発売予定の『Perugia, Arezzo, Urbino』だけ、忘れずに購入するつもりでいます。刊行予定は、こちらのページに書かれています。

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 上の写真は、先週、3冊目の『Roma medievale e moderna』(中世と近代のローマ)を買ったときに、セットになって売られていた雑誌、『L’espresso』の表紙です。買春疑惑で騒がれているベルルスコーニ首相と、買春に一役買ったという容疑を受けているニコール・ミネッティ。この二人の写真と『Pretty Minetti』という題が、映画、『プリティー・ウーマン』(リンクはこちら)のパロディだということは、ご存じの方には、すぐお分かりのことでしょう。わたしも好きな映画の一つで、サントラのCDまで持っていたのですが、この風刺は、リチャード・ギアとジュリア・ロバーツに失礼だろうと思うのでありました。

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# by milletti_naoko | 2011-02-12 16:24 | Notizie & Curiosita | Trackback | Comments(12)

霧と霜のペルージャ

 ペルージャでは、快晴の日がしばらく続いたあと、昨日、2月10日から天気がぐずつき始め、気温が下がってきました。

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 昨日は朝起きると、一面が霧に覆われていました。手前のオリーブの木は、お義父さんが、よく晴れた日に剪定をしたばかりです。オリーブの右手に見える隣家の畑は、霜に覆われて真っ白になっています。

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 午前8時には、霜も少しずつ解けてきたものの、まだ庭の緑は薄い霜に覆われています。ヒナギクの花もいくつか写っています。日中は、かわいらしい白い花をいっぱいに開いて、庭を飾ってくれるヒナギク(margherita)(記事はこちら)ですが、夕方には花を閉じ、翌日空が明るくなると、再び花を開きます。

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 昼食後のコーヒーは、お気に入りの直火式コーヒー沸かし器で、準備します。ビアレッティ社のMoka(記事はこちら)と言えば、側面に描かれた小さな紳士。この口ひげの小紳士(l’Omino con i baffi)は、テレビがまだ白黒だった時代に、イタリアの家庭に笑いを届けながら、コマーシャル(リンクはこちら)の中で、ユーモラスに、Mokaのすばらしさとおいしいコーヒーに欠かせないものが何かを、語っていました。(解説はこちら

 新たにコーヒーを準備する前に、昨日沸かして使い終わっていたコーヒーの粉を取り出して、テラスに行き、植木鉢のジャスミンの根元にまきました。最近夫から、使い終わったコーヒーやお茶がらを、植物の根元にまいて、土とかき混ぜると、いい肥料になると聞いたからです。使い終わったコーヒーの粉は、消臭剤としても使えるので、乾かしたあとに、古い靴下に入れて、靴箱に入れたりもしています。

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 テラスへ出ようと窓を開けたとたんに、「エサだ!」と勘違いしたネコたちがいっせいに集まって来ました。わたしが植木に水をやったり、コーヒーの粉を土と混ぜたりするたびに、「すわ食べ物か」と思っては駆けつけて、鉢の中をのぞきこんだり、匂いをかいだりしています。

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 おやつにチョコレートを一つ。ぺルジーナの工場に勤める義弟が、クリスマスに贈ってくれたチョコレートは、たくさんあって、入れ物に入りきらないほどだったのに、少しずつ減ってきて、残りわずかになりました。チョコレートの製造工場で働く義弟に言わせると、「ブラックチョコレートのNero Peruginaは、上質の材料だけをぜいたくに使って作った逸品だから、口に放りこんで何となく食べるのでは、もったいない。ゆっくりなめて口の中で溶かしてゆき、存分に味わわなければ。」ということです。確かにNeroはおいしいし、ブラックチョコレートは、健康にもとてもよいそうです。

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 午後になってもなかなか霧が晴れず、ようやく晴れたかと思うと、夕方にはまた霞がかかり始めました。薄いベールをかぶった夕焼けもまた、風情があります。

 昨日の晩は、再び、ツナとポテトのあっさりグラタンを作りました。(レシピはこちら

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 じゃがいもとニンジンをゆでて、オリーブオイルと塩で味つけして食べるのに比べると、少し時間と手間がかかりますが、こんがり焼けたパルミジャーノの香ばしい味と食感を、夫がすっかり気に入ったので、再び作ってみました。

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 夫が大喜びで食べてくれたので、うれしかったです。

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# by milletti_naoko | 2011-02-11 22:33 | Fiori Piante Animali | Trackback | Comments(10)


日本語教師・通訳・翻訳家。元高校国語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより


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Naoko Ishii
Insegnante di
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Interprete Traduttrice
IT-JP-EN Fotoblogger
Pellegrina @ Perugia
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イタリア、ペルージャ在住。
日本語・イタリア語教師、
通訳、翻訳、ライター。

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