奇跡の救いに感謝、フランコ訪ねて2

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 勢いよく走る馬に振り落とされて落馬し、あるいは、戦争中に正面から銃撃を受け、あるいは、重い病に床に伏す、そういった死に直面した場面を描いた絵が、壁にいくつも飾られています。

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 こちらは、司祭が教会正面の階段を落ちていく瞬間をとらえた絵です。

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 ここには、馬車にもろにひかれてしまう人や、高いところから落下中の人が描かれています。

 これらは、災難にあった人々が、こうした死と隣り合わせの状況から救ってくれたこと、祈りをかなえてくれたことに感謝して、神や聖人に捧げる奉納物(ex voto)です。PGRは、 Per grazia ricevuta、「受けた恩寵に感謝して」という言葉の頭文字を取ったもので、祈願成就に感謝しての奉納物である旨を表しています。

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 どの絵にも、幼子イエスを抱いた聖母マリアが描かれているのは、これらの奉納物が、聖母マリアに受けた恩寵に感謝して、捧げられたものだからです。

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 というのも、ここは、ボッカディリーオの恩寵の聖処女マリア教会(Santuario della Beata Vergine delle Grazie di Boccadirio)、名前のとおり聖母マリアへの崇拝から建てられた教会だからです。

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 1480年に、この地、ボッカディリーオに、二人の幼い少年少女が羊を連れてやって来ました。その眼前に聖母マリアが現われ、少年には神父に、少女には尼僧になるように言い、また、「この地にわたしのために教会が建つことを望んでいます。ここに祈りに来る人々にはすべて恩寵と庇護を約束します。」と語ったそうです。

 聖母の言葉どおり、二人は神父、尼僧となって、神に捧げる生涯を送り、まずは、この地に小さな教会が建てられ、その後、16世紀初めから、現在の教会の建立が始まりました。

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 こうした教会の歴史は、教会の柱廊の壁に書かれていました。(上の写真)

 無数の奉納物は、教会の祭壇奥の部屋にあります。

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 危機に陥った身を描いた絵だけではなく、さまざまな奉納物が飾られています。

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 車のハンドルや車輪は、事故から救ってくれたことへの感謝、杖の数々は、杖なしでも歩けるようになったことへの感謝を込めて、奉納されたものなのでしょう。

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 この、フィレンツェとボローニャのほぼ中間に位置するボッカディリーオの教会を、わたしたちが初めて訪れたのは、7月20日火曜日で、チンクエ・テッレ(記事はこちら)や百の湖自然公園(記事はこちら)での旅行を終えて、ペルージャへと帰る途中のことでした。

 高速道路を避け、山中を進んでいたところを道に迷い、店の人に道を尋ねたときに、「美しい教会が近くにあるので、ぜひ訪れるといい」と教えてもらったのが、こちらの教会でした。その日は残念ながら、ちょうど閉まっている時間帯に到着したため、周囲だけを回ったのですが、今回は、友人のマヌエーラたちと落ち合わせて、皆でこの教会を訪ねました。

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 こうして教会を訪れたのは、8月16日月曜日の正午頃でした。前日の8月15日は、イタリアでは「夏を謳歌しに海へ山へと行くフェッラゴストの祝祭」と捉えている人が多いような気がしますが、この日は、聖母マリア被昇天(Assunzione della Beata Vergine Maria)の祝祭日でもありました。ミサで、「苦しみも迷いも、聖母マリアに祈りを捧げ、身を委ねるように」という説教があったその翌日に、聖母マリアが出現した地に、聖母を敬って建てられた教会を訪れることの不思議を思いました。

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 実は、マヌエーラたちは、リミニの自宅からスペインのサンティアーゴ・デ・コンポステーラを目指して巡礼中のフランコを週末に訪れて、この月曜日は、自宅へと戻る途中でした。一方、わたしたちも巡礼中のフランコを追いかけようと、ペルージャを発ったのですが、フェッラゴストの渋滞を避けようと、出発は月曜日。そこで、マヌエーラたちと、以前見られなかったこの教会で落ち合って、一緒に訪れようということになったわけです。

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 こちらは、Locanda Pellegrino Trattoria Bar Albergo、(巡礼者の宿、トラットリーア・バール・ホテル)のテラスです。この建物は、ボッカディリーオの教会のすぐ脇に建っています。一つ前の写真の壁に貼ってある、ポルチーニ茸の写真満載のポスターでもお分かりのように、キノコや獣の肉などの山の幸を非常においしく味わえる店でした。

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 昼食の後は、皆で教会近くの山をしばらく散歩しました。上の写真で手前に見える黄色い建物が、Locanda Pellegrinoです。

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 散歩の後で別れを告げ、マヌエーラたちは家路を目指し、わたしとルイージはフランコと合流するべく、スカッファイオーロ湖近くの山小屋を目指しました。ところが、この教会に長居しすぎたため、そして、道に迷ったために、フランコと実際に会うのは、翌日の8月17日火曜日となりました。(記事はこちら

 そして、フランコと合流できなかったことを残念に思いつつ、最も近い場所に宿泊したのですが、なんとその宿と土地も、聖母マリアに非常に縁の深いところだったのです。

                 「フランコ訪ねて3」(リンクはこちら)につづく

参考にしたウェブページ
Per Grazia Ricevuta – Ex Voto devozionali
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# by milletti_naoko | 2010-09-26 23:54 | Emilia-Romagna | Trackback | Comments(0)

リッチョーネの花市

 先週の週末はアドリア海岸の町、リッチョーネ(Riccione)で、花市(リンクはこちら)が開かれました。そこで、わたしと夫も、9月19日日曜日に、この花市を訪れました。色とりどりの花々を見て楽しんだのはもちろんですが、むしろ、庭をより美しく、居心地のいい空間にするためのアイデアがたくさん見つかって、興味深かったです。

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 会場は、館、Villa Lodi Fèとその庭園です。入り口で3ユーロを払って入場。この花市の正式名は、Giardini d’autore、訳すと「芸術家の庭園」です。残念ながら、この日は朝から雨が降っていました。

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 妖精や鳥の置物に囲まれた鉢では、蓮の花が、美しく咲いています。

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 こちらの装飾は少々グロテスクで、水草に覆われた水面に浮かぶ顔の口から水が噴き出ていて、水を入れてある鉢は、紫がかった色をしています。「蓮の花と水草」から日本で連想する池や庭の趣向と大きくかけ離れているところが、逆に意表をつかれて、おもしろかったです。

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 竹林の間に、竹を組んで小道を作り上げ、人が通れるようになっています。西洋風の花市の一隅に潜む「和の空間」。傘をたたんでは、小道へと入って行く人が大勢いました。

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 竹林の小道を抜けると、金属で作ったさまざまな鳥や動物、植物などの置物を飾った、不思議な空間がそこにありました。ツバメ、鶏、スズメ、……どれもよくできています。

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 キノコやリス、ハリネズミもあります。ハリネズミの行列が、何だか愛嬌があって、かわいかったです。フランス人の女性が一つひとつ手で創り上げた品のようで、看板はフランス語で書かれてあり、金髪の女性が、このおとぎ話のような空間を訪れる客に、作品の説明をしていました。

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 色も形もさまざまな、美しいランの花が並んでいます。

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 こちらの店では、果物、野菜など、さまざまな植物を乾燥させ、天然素材を使ったいい香りをたっぷり染み込ませた、まさに自然志向の「芳香剤」を売っていました。

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 漂ってくる香りが好ましいものであることはもちろん、色使いや置物など、店の装飾がそれは美しいので、思わず足を止めました。

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 他にも、花を使った香水や石けん、基礎化粧品、そして、さまざまな果物のジャムなどが売られていました。野生の鳥が一休みして、餌を取るための鳥の家も、さまざまなデザインのものを木で作ってありました。

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 こちらは、バラで作ったシロップです。バラの香りがたっぷりの赤いシロップは、とても甘くておいしかったです。

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 鉢植えの花や果物の木の他に、こうして球根も売られていました。

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 こちらは、夫によると、南アメリカ原産の植物だそうです。

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 花に水をやるのがうれしくなるような、こんな道具類も売られていました。

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 陶器の装飾が加わった美しい植木鉢や噴水も、館の建物の前に飾られていました。

 天気には恵まれませんでしたが、美しい花や趣向を凝らした品々を、たくさん見ることができて、実りの多い花市訪問となりました。

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>追記(9月28日)

 園芸を専門に執筆活動を行うミンマ・パッラヴィチーニさんが、ご自身のブログ内でこの記事を取り上げ、それをきっかけにコメントの応答もしました。

LINK ↓↓
MIMMA PALLAVICINI’S WEBLOG – ‘questo si questo no' di Mimma

 ミンマさんは、わが夫が愛読する園芸誌、『Gardenia』や『Giardinaggio』に数々の寄稿をし、庭園や園芸、花についての本も何冊か出版されている方です。

 というわけで、お誘いに乗って、そのうちイタリア語で、日本庭園や日本人が古来から花に寄せてきた思い、その思いを歌った和歌などについて、執筆してみるかもしれません。

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# by milletti_naoko | 2010-09-25 10:58 | Feste & eventi | Trackback | Comments(0)

イタリア運転免許への書き換え

 今年の初めに、日本の運転免許をイタリアの免許に書き換えました。申請先によって、提出書類や手数料などが多少異なるとのことですが、ペルージャで申請したわたしは、ささいなことで手続きが滞って、どうなることかと心配しました。

 最初に参考にしたのは、在イタリア日本大使館、領事情報の「イタリア運転免許証への書き換え手続き」のページ(リンクはこちら)です。

 県陸運事務所(Motorizzazione Civile)に加えて、イタリア自動車クラブ(ACI、 Automobile Club d’Italia)や自動車学校などの手続き代行機関で行うことができるとあったため、電話やメール、訪問を通じて、いくつかの機関で、必要書類や費用を尋ねてみました。

 結局、ペルージャ市内の自動車学校を通じて申し込んだのですが、自動車学校に申請する際に必要だった必要だった書類および手数料は以下のとおりです。

1.日本運転免許証
2&3 公的証明を受けた「日本運転免許証の翻訳証明」
 (手続きの手順は
  2.日本運転免許証の翻訳証明 ⇒ 3.免許証の翻訳証明の公的証明)
4.証明写真3枚
5.滞在許可証*
6.市発行の身分証明書
7.市発行の出生地市町村証明書**(←一般には不要な場合が多いようです)
8.医師診断書
9.自動車学校に申請を頼む手数料

 1、5、6については、イタリア免許への書き換えをお考えの方は、すでにお持ちのことと思います。

 4.について、わたしが証明写真をよく頼む店は、ペルージャ外国人大学から、すぐ近くのエトルリア門(Arco Etrusco)(下の写真)をくぐって、すぐ右手にある店です。

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 「2.日本運転免許証の翻訳証明」(下の写真)は、ローマの日本大使館あるいはミラノの総領事館で申請します。大使館のサイトに詳しい(リンクはこちら)のですが、現在の手数料は33ユーロとのことです。

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 「3.免許証の翻訳証明の公的証明」は、県庁で行います。在イタリア大使館・領事館によって発行された書類を、イタリア国内で法的に有効なものとするには、県庁(prefettura)に公的証明(legalizzazione)をしてもらわなければいけません。

 わたしの場合は、ペルージャ県庁に行き、公的証明担当室で、大使館が発行した免許証の翻訳証明と14.62ユーロの収入印紙(marca da bollo)を提示しました。

 公的証明(legalizzazione)担当室には、外国外交官の署名一覧があります。担当官はその一覧を使って、翻訳証明にある副領事の署名を照合したあと、翻訳証明の裏面に、直接収入印紙を添付し、さらに公的証明を行う旨を記したスタンプなどを押し、署名をします。(下の写真)こうして申請から5分も経たないうちに、公的証明が終わり、すぐに公的証明済みの翻訳証明を受け取ることができました。

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 「8.医師診断書」については、手続きを頼んだ自動車学校が指定した日時に、学校内で指定医の目・耳などの検査を受け、医師が直接、診断書を学校側に提出しました。

 「9.自動車学校に申請を頼む手数料」は、わたしが頼んだ自動車学校、Autoscuola Cortonese(リンクはこちら)では106ユーロでした。費用としては、それに加えて、証明写真代(5ユーロ?)と、翻訳証明関係料金(翻訳証明30ユーロ、公的証明14.62ユーロ)、そして、出生地証明書申請手数料(0.26ユーロ)がかかったことになります。ローマに行く交通費や電話代は除き、合計で約156ユーロかかったことになります。

 この自動車学校に代行を依頼することにした理由は、以下のとおりです。

 ペルージャでは県陸運事務所が何度電話しても、電話に応じない上、イタリア自動車クラブ(ACI)の事務所は、遠くにあります。手数料の見当をつけるため、インターネットで検索すると、当時ローマのACIで135ユーロ、ジェノバのある自動車学校で130ユーロという値段が見つかりました。外国免許のイタリア免許への書き換えを代行する自動車学校は、客の注意を引くために、窓ガラスにでかでかと、「CONVERSIONE PATENTE ESTERA」(外国免許書き換え)と書いてあります。通勤中のバスの中からこの文字を見て、エルチェ(Elce)の自動車学校で尋ねると、「手数料は、学校内で指定医の診断を受けるなら、診断料45ユーロ込みで150ユーロで、もし自分で地域保健所(ASL)などで診断を受けて、診断書を提出するなら、105ユーロ」とのことでした。というわけで、なぜか同じペルージャ市内なのに、指定医師診断料込みの値段が40ユーロ近く安いAutoscuola Cortonese(コルトネーセ自動車学校)に依頼することにしたわけです。安いだけではなくてサービスもよく、メールや電話での質問に、常に迅速かつ丁寧に対応してくれました。

 昨年12月上旬に必要な書類をすべて提出し、ようやく発行された免許証(下の写真)を手にしたのは、その約2か月後の2月上旬でした。クリスマス休暇が間に入った上に、県陸運事務所側からの「出生地証明書類」に関する厳しい要求で手続きが滞ったため、発行が遅くなったのかもしれません。

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 この記事を書くにあたって、同じ頃に免許の書き換えをされたエミリア・ロマーニャ州の方のブログ記事(リンクはこちら)を拝見すると、直接県陸運事務所で手続きしても、自動車学校側が受け持ってくれた手続きの実費(申請費用・医師診断書)に計90.86ユーロかかっているようです。わずか15ユーロの手数料で、診断も提出も、そして、わたしの場合には非常に難航した県陸運事務所との交渉も、すべて代行してくれたので、とても助かりました。

 上の方の記事を見ても、各地で提出書類などが違うのがよく分かります。ペルージャにお住まいの方も、そうでない方も、いつどこで申請するかによって必要なものが変わってくることを考慮しながら、参考にしてください。この記事は、ジーナさんのご要望にお応えして、書いたものです。

下註

*「5.滞在許可証」に関しては、大使館サイトには提出書類として、「住民登録証あるいは滞在許可証」とあり、さらに、下記注に「イタリア国内で住所が移動している場合には、転居証明書を要求する事務所がある」と書かれています。滞在許可証と身分証明書については、学校に現物を持って行き、学校側が書類を確認したあとで、コピーを取り、原本を返してくれました。

**「7.市発行の出生地証明書」は、近くの市役所の出張所で発行してもらいました。料金は、0.26ユーロ。これが必要だったのは、上の写真でお分かりのように、イタリアの免許証には「出生した市町村」の記載があるのに、日本では、運転免許証やパスポートといった証明書類に、出生地が書かれていないためです。わたしの身分証明書は、プラスチック製で電子情報入りの新しいものなのですが、もし旧式の紙製の身分証明書を持っていれば、身分証明書自体に出生した市町村名が書かれているために、出生証明書は必要なかったそうです。

 滞在許可証を申請するときには、申請書に「出生地 KAWASAKI」と書いておけば、別に裏づけする公の書類がなくても、受け付けてくれていたわけですから(記事はこちら)、ペルージャ県陸運事務所だけが、ことさら「出生地」証明書類にこだわるのかという気もします。出生地証明の有無が原因で、免許の書き換えが滞ったという記述は、インターネット上でも見かけませんでしたし、大使館などの申請情報のページにも、出生地証明書類については、記載がありません。

 実は、この「日本の証明書類に出生地が書かれていない」ことが原因で、融通のきかないペルージャ県陸運事務所との果てしない戦いがあり、その挙句に、市発行の出生証明書で構わないということになりました。この件については、ペルージャで申請を検討される方については、再び問題が勃発する恐れもありますので、いずれ詳しくご説明したいと思います。

参考にしたウェブページ

在イタリア日本国大使館・領事情報 ← 詳しい情報が満載で助かります。
Prefettura di Perugia – LEGALIZZAZIONE DOCUMENTI
ブログ、『La vita a Reggio Emilia』 -「イタリア免許への切り替え」(2010-3-23)

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# by milletti_naoko | 2010-09-24 13:54 | Sistemi & procedure | Trackback | Comments(4)

秋の庭と「amore」考

 実りの秋。我が家の庭でも、いろいろな木々に、果実が実っています。

 こちらは、リンゴの木(melo)です。

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 ほとんどのリンゴ(mela)がよく熟れて、美しい赤い色をしています。ただし、薬をまったくやらないため、ほとんどのリンゴが一部、虫に食われてしまっています。そこで、ナイフで茶色い部分を取り除きながら、食べることになります。

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 こちらはオリーブの実(oliva)です。まだ青いのですが、これから収穫時期の11月に向けて、少しずつ熟していき、色が黒ずんでいきます。我が家では、家の周囲に植わったオリーブの木(olivo)に加えて、夫の生まれた村、ミジャーナにもオリーブ園があります。(詳しくはこちら

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 イチジクの木(fico)も2本あります。この写真に写っているイチジクは、皮が濃い紫色になって初めて、実が十分に熟して、おいしく食べられるようになります。

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 椅子に登って、いくつかイチジクの実(fico、実も男性形です)を収穫してみました。ちょうど前夜に、友人宅でよく熟れた黄緑色のイチジクを食べておいしかったので、少し青みが残るものも摘んだのですが、後から、こういう青いイチジクはまだ熟していないので、おいしくないことが判明しました。イタリアのことわざが言う、”Sbagliando s’impara”、「人は間違いを重ねながら学んでいく」を、身を持って実践しました。

 生ハム(prosciutto crudo)をメロンと共に食べることをご存じの方は多いと思いますが、イチジクと一緒に食べてもおいしいのです。この時期のレストランのメニューには、前菜として、「生ハムとイチジク」(prosciutto e fichi)が、「生ハムとメロン」(prosciutto e melone)と共に並んでいることも、よくあります。

 9月9日木曜日は、姪っ子たちが、義父母のもとで1日過ごしました。まだ学校が始まらず、両親は仕事がある間は、両親の仕事が終わるまで、おじちゃん(nonno)とおばあちゃん(nonna)が、孫の面倒を見ることになります。姪たちはトーディに住んでいるため、休みの大部分は、近所に住む母方の祖母の家でいとこたちと過ごすのですが、週に1、2度はペルージャの義父母宅で過ごし、同じ二世帯住宅に住むわたしたちのところにも、時々遊びに来ます。

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 ジャスミンと竹で作ったアーチに、咲きほこる朝顔の下で、写真撮影。「花がきれいだから、花と一緒に撮りましょう」と言っていたのに、まだ小さい姪っ子たちは、撮影が終わってから、初めて朝顔の花に気がついたようです。

 姪たちが身に着けているエプロンは、海辺の町、リッチョーネで2週間を過ごした義父母からのおみやげです。

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 エプロンには、大きく「AMORE DI NONNA」と書かれています。「愛」という意味でご存じの方が多いであろうこのamoreという言葉は、「愛する人、愛する対象」を指すこともあり、恋人や配偶者、幼い我が子や孫に「amore」と呼びかけるほかに、小さくかわいい子供を見かけると、自分の子供や孫でなくても、「amore!」と呼びかける人もいます。

 ですから、エプロンの言葉は、「おばあちゃんの宝物(愛する孫)」とでも訳せるでしょうか。

 人によって、ある言葉を口にしやすい、しにくい場合があるのですが、こういうamoreという呼びかけを、うちの夫は使いません。「ありきたりの言葉よりも」と、自分自身でいろいろなわたしの愛称を考え出しては、そうやって呼ぶわけですが、でもやはりロマンチックな感じがするので、amoreという言葉で、夫を呼んでみたいようにも、呼ばれてみたいようにも思うのです。けれども、夫はそう呼ばれるのも好きではないようで、結局、わたしも夫に話しかけるときは、名前や自分が考え出した愛称を使っています。

 わたし自身、日本語で、「好きです」は言えても、「愛しています」と言うのは何だか気取っているようで、抵抗があります。照れて言いにくいのと、言葉が使い古されて陳腐な感じがするというのが、夫がこういう呼び方を好まない理由かと思います。周囲を見ていても、恋人どうし、夫婦どうし、あるいは小さい子に、「amore」という言葉がすぐ出る人と、まったく使わない人に分かれる気がします。昨年金婚式を迎えた義父母がいつも仲睦まじく、こんなふうに寄り添いあいながら、二人歳を重ねていけたらと思うのですが、考えてみると、夫の両親も、いつも名前で互いを呼び合っています。

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 ちなみに、うちの夫も、好きな歌を歌うとなると、何のてらいもなく、この呼びかけを口にできます。たとえば、『La prima cosa bella』という歌では、さびの部分で、「amore amore amore」と、「愛しい人よ」という呼びかけが、3度も繰り返されます(記事はこちら)が、メロディーも言葉の響きも美しい部分なので、すっかり乗った気分で歌っています。

 わたしがもともと夫に魅かれたのは、そういう気取らないところでもあり、言葉で飾らない誠実な優しさや思いこそ大切で、それを見抜く目と感謝する心がなければ、と思うこの頃です。

 こんなピザを焼いてくれたり、

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 バレンタイン・デーに、こんな美しいケーキを手作りして、贈ってくれたりする優しい夫ですから。

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 いずれも今年2月の写真です。バレンタインがちょうど日曜日で、大家族がそろって昼食を取ったため、ケーキは皆で分け合って食べました。シチリア名物の赤いオレンジをうまく使った美しい赤いバラが、本当にうれしかったです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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# by milletti_naoko | 2010-09-22 15:10 | Famiglia | Trackback | Comments(2)

アンゴラうさぎとカンナーラ午後の散歩

 アンゴラうさぎの毛をニット製品に利用することを思いついたのが、ルイーザ・スパニョーリ(Luisa Spagnoli)であり、彼女が、ペルージーナ社の創業者であると同時に、バーチ・チョコレートの産みの親でもあることは、以前にもお話しました。(詳しくはこちら)ただ、わたしは、つい最近まで、アンゴラうさぎが一体どういう風貌をしているのかを知りませんでした。

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 それが、9月14日火曜日に、初めて、このアンゴラうさぎの写真を見ることができました。夫とCIA(イタリア農業者連合)の支部に出かけたときに、部屋の壁に、世界中のうさぎの写真のポスターが、貼ってあったからです。

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 ちなみに、こういうポスターが農業連合会に貼ってあるのは、イタリアではウサギ(coniglio)を食用として育てるからです。(日本では食べないけれども、ペルージャで食べる動物については、こちら

 ふかふかで柔らかそうな毛並みは想像したとおりでしたが、写真写りが悪いのか、モデルの問題か、思い描いていた姿とかなり違っていたのでびっくりしました。

 夫が農業連合での用事を終えたあと、先日玉ネギ祭り(記事はこちら)で訪れたカンナーラ村を、日の光のもとで散歩することにしました。

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 ペルージャから車でカンナーラに近づくと、道路の左手にアッシジの町が見えます。横に長い台形のような形をしたスバージオ山のふもと近くに見える白い部分に、アッシジの美しい町並みがあります。夫によると、聖フランチェスコは、このアッシジのスバージオ山とペルージャのテッツィオ山(記事はこちら)が双子の兄弟(gemelli)だと語ったということです。

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 車を駐車し、トピーノ川(fiume Topino)を渡って、カンナーラ(Cannara)村の中心街へと向かいます。

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 わたしたちが玉ネギ尽くしの夕食を堪能したレストラン・ブースは、この石壁の内側に、設置されていました。石畳の道や外灯に、風情があります。石壁の中をのぞくと、レストラン・ブースは今年のお役目を終了したものの、まだテントが設営されたままで、子供たちが何人か、テーブルの間を走り回って遊んでいます。

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 村の中心にある美しい教会。祭りのときには、出店やコンサート、大勢の人々でにぎわっていた教会前の広場も、今は人がまばらで、ひっそりとしています。

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 こちらは夫が撮影した街角の写真です。4階建ての家の屋根近くまで、高く生い茂っている緑は、なんとジャスミン(gelsomino)です。

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 こんな風に、さりげなく壁に飾られた花たちが、優しい空間を作り出しています。

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 ふと見上げると、しっぽが太くふさふさとした猫が、わたしたちをじっと見つめています。

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 夕日が傾き始め、石壁に温かい色の光を投げかけています。

 アッシジ、スペッロ、フォリンニョなど、近くに美しい町が多いので、近くを何度も素通りしてしまっていたのですが、玉ネギ祭りをきっかけに、また一つすてきな村を見つけることができました。

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# by milletti_naoko | 2010-09-20 17:02 | Umbria | Trackback | Comments(2)


日本語教師・通訳・翻訳家。元高校国語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより


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Naoko Ishii
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通訳、翻訳、ライター。

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