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やればできる1

 一昨日の記事に関連して、過去の自分の経験から、「要は信じること、思い込みが大切!」というお話をしたいと思います。

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Assisi 9/4/2012

 東京の公立中学校に通い、仲のいい友人もいて、毎日楽しく過ごしていたある日のこと、両親から、父の松山への転勤が決まり、12月末には、一家で引っ越すことになったと聞きました。わたしは当時中学3年生でした。受験が近いからと言って、特に勉強にはっぱをかけられた記憶もないのですが、3年生になってから、高校受験のための模擬試験が時々あったこと、親や担任の先生と相談して、志望する都立高校を決めていたことを、漠然と覚えています。

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Assisi & Monte Subasio con neve 9/4/2012 10.57

 卒業すれば、友人たちと別れなければいけないことは知っていても、一足先にそのときが訪れ、また、再び会うのが難しい、見知らぬ遠い土地に行くのが悲しくて、ひどくつらい思いをしました。すでに志望校もしぼり始めていて、自分の将来というものを、東京で、友人たちの近くで、具体的に思い描いていた頃でもあり、足元が一気に崩れ落ちるような気がしました。父の転勤による引越しは、このときに始まったことではなく、すでに、幼稚園のときに横浜から札幌へ、小5で札幌から東京への引越しを経験していました。それでも、ようやく新しい土地に慣れて、友達もできて、根を下ろし始めたというときになっての引越し、転校には、いつになっても慣れることができません。因果なもので、自分が大人になってからも、愛媛県立高校教員となって、約4年ごとに、職場と住む町が変わったのですが、引越しのたびに、決まってひどく悲しい思いをしました。

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「大学は東京を選んで、必ず東京に帰ってくるから。」と、友人たちと涙を流しながら別れ、暮らし始めた松山。わたしが東京で通っていた中学校には、制服こそあれ、靴やカバン、髪型やリボンは自由だったのですが、中3の3学期になって通い始めた松山市立中学では、カバンも靴も髪型も規制され、けれど、東京の中学では見かけなかった金髪の男子学生がいて、そうして、授業が高校受験対策ばかりなので、びっくりしました。

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 驚いたのは、それだけではありません。それまで、横浜・札幌・東京と、かなり遠距離にわたって引越しをしたものの、どこもたいていは、ほぼ標準語を話していたのです。札幌でわたしが住んでいた住宅街は、わたしたち一家と同じように、転勤族が多く、千葉や東京から引っ越してきて、やがては、戻っていってしまうという友人もたくさんいました。わたしは、方言というものは、ドラマや時代劇の中だけに存在するもので、今はもうないものだと、思い込んでいました。夏休みに、愛媛や兵庫の祖父母のものて、しばらく過ごすことはあったものの、お年寄りはそういう独特の話し方をするものと、思っていました。それで、松山の中学校で、いきなり方言の存在を知って、びっくりしました。

 掃除の時間に、「机かいて」と言われて、何のことかと思ったら、「机を運んで」の意味だったり、「帰ってこうわい」と聞いて、「戻ってくるのか」と思って待っていたら、「今日はもう帰るから、さようなら。」という意味だったと知ったり……

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 それはさておき、離れた東京の友達や中学校が恋しくて、悲しい思いで過ごし、時々友人たちと交わす電話や手紙を心待ちにして、心の支えにしていた、そんなときの話です。東京の中学校を中3の2学期の終了と共に後にして、松山の学校で3学期を他生徒と共に始め、高校受験が近いため、当然、進路についての話が新しい担任からありました。東京と違って、愛媛県では、歴史や名声を誇る私立高校は少なく、難関大学への進学率の高い某私立高校を希望するのでなければ、皆が県立高校を目指して、受からなければ、やむなく私立高校を選ぶ。わたしが中3のときの愛媛県での高校受験は、そういった感じでした。愛媛県立高校は数多いのですが、松山市から通える範囲の高校は指を折って数えるほどで、基本的には、学校の創立以来の歴史が長いほど、名声が高く、優秀な成績の生徒が多く、いい大学への合格率も高いという傾向がありました。

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 何せ当時中3だった頃のわたしが把握していたことの、さらに遠い記憶なので、あいまいな上に、いい加減な説明があるかもしれません。そうであれば、お許しください。東京では、私立高校を志望する生徒も多かったので、特に勉強しなくても、どこかの公立高校には合格できたのではないかと思います。おそらくはそのため、東京では中3だからと言って、特に家で勉強をした覚えも、家でものんびりと友人と遊んだり、好きなアニメを見たり、本を読んだりしていた記憶があります。(30年近くも昔の話です。)わたしの東京の中学校での成績は、5段階評価でほとんどが3で、少しだけ4があり、国語だけは5というものでした。小さい頃から本を読むのは大好きで、そのためか、クラスの図書委員に選ばれることも多く、それでさらに本を読む機会が増えました。中学校でかるたクラブに入り、小倉百人一首をすべて覚え、古典の魅力に夢中になったものの、受験勉強らしい受験勉強は、東京の中学時代には、一切した覚えがありません。にも関わらず、東京の中学で実施された模試で、国語の偏差値と成績だけが飛び抜けてよかったのは、読書の習慣のおかげだと、今でも確信しています。(つづく)

*記事中の写真は、すべて昨日、散歩をしようと車で移動中に、車の窓から撮影したものです。日曜日に急に気温が下がり、月曜の朝にアッシジ付近を通りかかると、スバージオ山(2枚目の写真)を初め、山々の峰が白雪に覆われているのでびっくりしました。日曜日にミサでアッシジを訪ねたときには、スバージオ山にはまったく雪がなかったのです。1枚目の写真は、2枚目の写真で、スバージオ山の左手に見えるアッシジの町の部分だけを、拡大したものです。天気がいいとこんなふうに、ペルージャから、スペッロ、フォリンニョ、スポレート方面に向かう車内から、アッシジの町がきれいに見えます。先週までは、春どころか夏のような暖かい日が続いたので、菜の花がきれいに咲く場所も多く、真っ赤なヒナゲシ(papavero)の花も、あちこちにたくさん咲いていました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2012-04-10 11:52 | Umbria | Trackback | Comments(4)

殻をやぶれば

 復活祭(Pasqua)の楽しみの一つは、贈ってくれたチョコレートの大きな卵を割って、中に隠れている
びっくりプレゼント(sorpresa)を、見つけることです。

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 毎年、お義母さんに贈る卵は、特大ブラックチョコレート。中に入っているのは、しゃれたアクセサリー。今年、義母が卵の中に見つけたのは、パステルカラーの腕輪です。大きな大きなチョコレートは、割ってみんなで少しずついただきます。

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 わたしたちから、姪っ子たちに贈ったのは、ハローキティのチョコレートの卵です。インターネットで日本語のサイトを見ると、「卵形チョコレート」という表現が多いのですが、我が家ではuovo(意味は「卵」)と一言で呼んでいます。敢えて形容をつけると、uovo di Pasqua(直訳は「復活祭の卵」)。復活祭には、朝食で、教会で祝福を受けたあゆで卵を食べるのですが、このゆで卵は、「祝福された卵」(uovo benedetto)と呼び、「復活祭の卵」と言えば、チョコレートの卵です。

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 義弟夫婦からも贈られたので、姪たちは一人二つずつ卵を受け取りました。昼食の途中から、卵コールをしていた二人は、「待ってました」とばかりに、うれしそうに包みを開いています。

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 今年は夫が、わたしにも卵を贈ってくれました! しかも、わたしの大好きなリンツリンドールの卵です。

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 中には、こちらのかわいらしいペンダントが入っていました。

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 今朝、サンタ・マリーア・デッリ・アンジェリ教会のミサに出かけると、復活祭とあって、これまで見たこともないほど大勢の人で、いっぱいでした。ふだんと違って、ミサの際、祭壇に、十字架を掲げたイエス・キリストの像と聖母マリアの像が並んでいました。そうして、ミサの終了後に、修道士や修道女が大勢列をなして、教会内を行進し、列の中央では、御輿に載ったキリストと聖母マリアの像を、修道士たちが担いでいました。外も行進するのかと思って、わたしたちも後について歩くと、教会の外には出ずに、入り口に一番近い絵の前に、二人の像が置かれて、行進は終わりました。

 復活祭の昼食では、いつもと違って、セコンドは子羊(agnello)の肉です。前菜から始まり、デザートには、鳩の形をしたケーキ、コロンバや卵型チョコレートを食べました。訪ねて来た親戚とおしゃべりしたり、姪たちと遊んでいたりしたら、あっという間に時が流れました。ちなみに、姪たちとは、卵を包んでいた包装に描かれたキャラクターの絵を切り取り、やはり包装の銀紙を使って、ベルトや帽子を作って遊びました。

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 姪たちやお客が皆帰宅したのが午後7時前。そのあと、夫と共に、テッツィオ山を歩いて、ミーララーゴまで歩きました。残念ながら、雲が多くて、夕日が落ちるのは見られませんでしたが、雲の多い夕焼けもきれいだなと思いました。

 山を登るのは苦しいけれど、時々立ち止まっても、歩き続ければ、必ず目的地に着くことができます。昔、高校で教えながら、迷ったとき、悩んだときに、いろんな本を読んで励まされました。「人間は、自分が本来持っている能力のほんの一部しか使っていない」、「一生かかっても、脳細胞すべてを使い切ることはできない」、「自分にはできないと思い込み、あるいは人から君には無理だと言われて、自分で勝手に自分の可能性を、能力を決めつけ、かせをつけているために、本当はできるはずのことができないということがある」。自分が自信のなさから、あるいは他人に言われて、自分で自分の可能性や力に、かせや殻を作っているとしたら、とても残念なことですが、そういうことが、往々にしてあると思うのです。昔、尊敬していた先生が、「心の窓はできるだけたくさん開いておくのがいい」というようなことを、訓示としておっしゃっていたのも覚えています。心を開いて接してみれば、意外といい人かもしれない、お互いにいろんなことが学べるかもしれないのに、心を閉ざしてしまうこと、そういう場合もあると思います。そういう自分に対する、そして人に対する殻を、思い切って破ってみると、チョコレート型の卵の中から、すてきなプレゼントが見つかるように、新しい自分や新しい世界が見つかるのではないでしょうか。

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 ペルージャとシエナの二つの外国人大学の、それぞれ学士課程、大学院課程で共に学んだ、わたしよりずっと若い友人が、大学や私立学校の仕事・契約の不安定さに耐えかねて、つい最近独立し、自分で語学学校を開きました。実はわたしも、ペルージャ外国人大学で、2005年から日本語・日本文学の授業を担当していたのですが、今年度は、日本語の授業枠自体が激変し、かつては4人いた契約講師は一人となり、大学側は、わたしたち日本人ではなく、日本の大学院で児童文学を専攻したイタリア人女性を採用しました。通訳・翻訳の仕事にしても、日本語やイタリア語を教える仕事にしても、そろそろ待ちの姿勢ではなくて、自分から積極的に動いてみていいのではないかと、若い彼女に教えてもらった気がします。精力的に活動をする彼女は、かつて若い女性への起業講習会にも通っていました。来週土曜日は、スポレートに行って、おしゃべりし、彼女の苦労も聞きながら、いろいろ教えてもらいたいと思います。そろそろ、待つだけではなく自分から動くときが、殻を破ってみるときが来たのではないか、と。

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Duomo di Spoleto 12/1/2012

 前回ご紹介したスポレートの語学学校(下記リンク参照)では、もうエリーザもフィリッポも働いていません。わたしとエリーザが、年齢を超えて友人になったのは、二人とも、外国語学習や教育にとても関心があり、勉強大好き・勉強ざんまいのsecchionaだったからです。エリーザの新しい学校はArtelinguaです。勉強・仕事熱心な彼女の人柄からも、前の学校で彼女の生徒たちが書いた感想からも、いいイタリア語の先生であることを確信しています。また、学校やコースについて、新しく分かったら、記事にするつもりでいます。

関連記事へのリンク
- スポレート食べ歩き1 / Passeggiata a Spoleto – parte1(スポレートのみどころ、レストラン、語学学校)
- スポレート食べ歩き2 / Passeggiata a Spoleto – parte2(スポレートの大聖堂について)
- 新年まで秒読み / Ristorante Taverna dello Spagna di Spoleto(パスタとケーキのおいしい店)
- 年越しはスポレート

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by milletti_naoko | 2012-04-08 22:46 | Feste & eventi | Trackback | Comments(12)

あれから10年

 2002年4月3日。愛媛県立高校で、12年間国語を教えたわたしは、同年3月31日づけで退職し、4月3日に日本からイタリアへと旅立ちました。

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 3月29日、学校全体の離任式のあとで、担任していたHRの教室に入ると、きれいな花束と共に、教え子たちが、心のこもった言葉と写真でいっぱいの色紙と、

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ルーズリーフに、一人1枚ずつ、温かい言葉でつづった手紙をまとめたファイルを、贈ってくれました。当時の手帳に、こんなふうに書いてあります。

「22R教室では、生徒たちが心づくしのお礼の会を開いてくれて、うれしくて感激した。たくさんの花束に、写真いっぱいの色紙。一人一枚の個性豊かなメッセージまで…… 彼らに出会えたことに心から感謝。」

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 カラーをいっぱいに使い、写真や絵を添えて、小さな字でびっしり書いてくれた女子生徒たち。

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 そして、色紙にも、ファイルにも、主に鉛筆を使って、書き慣れないメッセージを、一生懸命に考えてつづってくれた男子生徒たち。

・僕も先生に負けないように絶対に夢を手に入れます。これからは夢にむかう”ライバル”です。

・イタリアは日本からかなり距離があるけど、国境を越えて、先生のことを応援しています。僕も、自分の夢に向かってがんばっていくので、先生もいろいろと困難にぶつかるかもしれないけど、くじけず、あきらめず、1日1日を大切にして、ガンバッテください。

・イタリアにいくと聞いたときはびっくりたまげました。3年生になってもまた一緒に勉強できるのかとたのしみにしてたんですけどねー。でも人っていうのは、いくつになっても夢をおいかけないとなー。だから先生がイタリアにいくというのなら、まわりの見る目を気にせず自分の正しい道を進んで下さい。

・先生の好きな国、「イタリア」で好きなことに挑戦し、いろいろなことを学んでください。絶対に辛いことの方が多いと思いますが、自分が好きでやることですから後悔だけはしないでください。ですが、「辛いことが多くなると喜びもまた大きい」っていいますけど。

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 男子15名、女子27名と、女子生徒が圧倒的に多い文型クラスでした。当時のことを思い返して、原点を振り返りたいという気持ちもあり、今日はとりあえず、男子生徒からの手紙を、じっくり読み返しました。

 昨日の晩は、ペルージャで、何年も一緒に日本語を教えた同僚でもある友人と、久しぶりに会って、おしゃべりをし、楽しい一時を過ごしました。わたしはイタリアに暮らして10年、彼女は約11年。異国に住む同胞として、いろいろな苦労も喜びも分かち合える友達と、いろいろ話すことができて、うれしかったです。イタリア在住10年を祝って乾杯し、お互いに、これからのことに思いを馳せました。

 お世話になったいろんな人に、十分にお礼も言えないまま、恩返しできないまま、日本を発ってしまった10年前。日本に残る家族と友人、かつての同僚の先生方。そして、高校生活残り1年を控えた皆と別れて、旅立つことを選んだわたしを、たくさんの笑顔と励ましの言葉で送り出してくれた生徒たち。

 今、あの子たちに、胸を張って出会えるような毎日が送れているかしら? これから少しずつ、女子生徒たちの手紙と色紙の言葉も、じっくり読んでいきたいと思っています。今日はようやく、4鉢のうち、一鉢だけですが、椿のつぼみが開き始めています。

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by milletti_naoko | 2012-04-04 17:45 | Ricordi | Trackback | Comments(17)

日暮れはすぐに

  誰しもこの世のただ中にひとり
  一筋の日の光に射抜かれて、
  そうして、すぐに夜となる

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 昨日の夕方、トーディから訪ねてきた義弟の家族といっしょに、温かい紅茶を楽しんでいたら、夕焼けがあまりにもきれいなので、写真に収めました。

 冒頭に掲げたのは、イタリアの詩人、クワジーモドの詩です。(原詩は下注を参照)原詩の持つリズムや多様な解釈の可能性を大切にして、わたしなりに訳してみました。ペルージャ外国人大学の文学の授業で教わった有名な詩で、今も時々心に思い浮かべる、好きな詩のひとつです。昔のノートや教科書を探す手間を惜しんで、今インターネットで調べてみると、この詩は、人間の孤独や、人と人が互いに理解しあうことの難しさ、人生のはかなさを語り、「一筋の日の光」は、人間をさいなむ「幸福をつかめるという幻想」なのだということです。

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 ただ、わたしの中では、いつのまにか、かつて教わったであろうことが、自分なりの解釈に変わり、だれもがこの世で自分の場所を持ち、わずかな間だけれど、自分の道を切り開き、夢に向かう可能性を秘めているんだというふうに、人生を肯定的にとらえたものだと思うようになっていました。2行目冒頭のtrafittoは、「(弓矢や剣などに)に刺し貫かれる、突き通される」という意味でよく使われる単語ですから、この言葉と、作者の作品傾向から、オンラインで見つけたような人生の孤独やはかなさを訴える詩という解釈がされているのでしょう。ただ、わたしの中では、自分勝手に、この「一筋の日の光」(un raggio di sole)を、人の人生を一貫して突き動かす、細いけれども確かに続いていく、希望のような意思のような、志のような、あるいは愛情のような……何か確かなものだと、思うようになっていました。そうして、時々、夫や友人たちと共に、山を歩いていて、「ああ、いつの間にか、もう日が暮れてしまうのだな」と感じたときにも、この詩の最後の1行、「ed è subito sera」が心に思い浮かぶのでした。

 昨日の伯父の葬儀のミサでは、神父さんの説教がとてもすてきで、その説教の中で、「人生のはかなさ」を繰り返し強調していました。「あちこちで死亡広告を見ても、皆、自分が死ぬとは思っていないけれど、死はわたしたち全員に、いつか必ず訪れるのであって、だから、まだ時間があると思わずに、ふだんから神の意にかなった、隣人への愛や思いやりを忘れない生き方をしなければいけないのですよ。」

 「死は遠い先と思っていても、不意にやって来るので、いつ来るか分からないから、常に気をつけて、準備をしておかなければ。」と、ドン・インニャッツィオ。言葉を変えて、何度も注意を呼びかける様子と、その内容が、14世紀の日本に生きた兼好法師が、『徒然草』の中で、繰り返し訴えた内容と、その執拗さに、驚くほどよく似ていました。違うのは、ドン・インニャッツィオはカトリック教徒としての望ましい生き方を、兼好法師は出家を呼びかけていたという点です。

 いつか死に直面したときに、あるいは、いつ死が訪れても、後悔のない生き方ができればと、それがどんなに難しいことであるかを知りつつも、思いました。

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 1年前に読みかけて、最後の部分だけ読み残していたこちらの本を、昨晩ようやく読み終えることができました。題名は、『Dreams from My father』。読書そのものを楽しめた上に、こういう、人の気持ちが分かり、感受性が豊かで教養があり、使命感の強い人が、アメリカの大統領に選ばれたということに、希望を感じました。

この本を読み終えたから、いよいよフランス語の勉強を始めなければ、というところですが、この数日は掃除も洗濯もできなかったので、今日はそちらに取りかかっているところです。まもなく洗濯が終わるでしょうから、そうしたら、2日ぶりに『Zaz』の歌を聞きながら、洗濯物を干すつもりでいます。

下注

Ed è subito sera      Salvatore Quasimodo

Ognuno sta solo sul cuor della terra
trafitto da un raggio di sole:
ed è subito sera


参照リンク
- it.wikipedia – Ed è subito sera
- ItaliaLibri – Ed è subito sera – Salvatore Quasimodo
- it.wikipedia – Salvatore Quasimodo
- Wikipedia -サルヴァトーレ・クァジモド

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2012-02-09 12:08 | Poesia, Letteratura | Trackback | Comments(4)

思い出の学校1

 久しぶりにウルバーニア(Urbania)を訪ねたついでに(記事はこちら)、かつてお世話になった人にあいさつをしようという思いもあって、

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Urbania, Marche 27/8/2011

朝、しばらく村を散歩しました。留守の人が多くて残念だったのですが、土曜日だから閉まっているだろうと思いつつ、かつて学んだ語学学校まで足を運ぶと、

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思いがけず、学校が開いていました。かつてわたしが授業を受けた教室は1階で、入り口からすぐのところにありました。教室から声が聞こえるので、ドアのガラス越しにそうっと室内をのぞいてみると、なんと、半年近くわたしを教えてくれた先生が、今も授業をしているではありませんか。

 休み時間まで待って、それから少し話ができたらと思ったのですが、わたしに気づいた先生が、授業中にも関わらず、わたしを招き入れ、しばらく教室に残って、おしゃべりをすることになりました。「授業が終わるまで外で待っているから。」とは言ったのですが、先生が、イタリア語での会話は今の生徒さんたちにも勉強になると考えたからか、結局、先生がわたしをクラスに紹介し、わたし自身も、生徒の皆さんに、状況をいろいろ説明しました。

 たまにウルバーニアに戻るときはあっても、週末だったり、日程が慌しかったりして、学校を訪ねたことはなかったので、先生に会ったのは本当に久しぶりでした。にも関わらず、もう9年も前に学校に通ったわたしを覚えていてくれて、とてもうれしかったです。わたしが、彼女の教える上級のクラスに実に半年間も通ったためでもあることでしょう。日本では地方に住んでいたため、独学を中心にイタリア語を勉強し、なんとか通信教育の上級講座までは終えていたわたしは(詳しくはこちら)、イタリア語できちんと話し、コミュニケーションできる力を培おうと、語学留学を予定していた1年間のうち、半年は、このウルバーニアの私立語学学校で、もう半年は、ペルージャ外国人大学のイタリア語・イタリア文化講座で、学ぶことにしていました。ただ、外国人大学の当時の上級講座(V grado)は、講座そのものが半年にわたり、料金も手頃だからか、長く滞在する生徒が多かったのに対し、私立の語学学校では、料金が高い上、上級だと特に長く滞在する必要を感じない人が多いからか、1、2週間だけ学校に通って去っていくという生徒がほとんどで、ごくまれに長く残る人がいても、1、2か月であり、わたしのように半年も通い続けるのは、ひどくめずらしいことだったような気がします。

 縁というのは不思議なものです。実は半年ほど前に、読者の方から、メールでウルバーニアへの交通手段を尋ねられて、お答えしたことがあったのですが、この日、このクラスには、なんとその日本人女性がいらっしゃったのでした。ご親切に写真まで撮っていただき、日本への帰国後も、ごていねいにメールであいさつをしてくださって、とてもうれしかったです。

 これまで特に学校についてご紹介しなかったのは、何でもそうでしょうが、長所もあれば短所もあったこと、また、書き出したら長くなって、とりとめがなくなりそうだったからなのですが、これを機会に少しずつ、この語学留学時代のお話もしていくつもりです。もう9年も昔の話なので、記憶違いもあれば、今とは事情が変わっていることも、きっとあるとは思うのですが……

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2011-12-02 11:12 | Ricordi | Trackback | Comments(10)

こんな手帳を買いました

 友人たちと旅行中、ピエモンテのとある町を歩いていて、目にしたこちらの来年の手帳(agenda)。すっかり気に入って、すぐに購入しました。

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 上の方に、赤い字で、「繊細な心の持ち主のための心に響くことばたち」(意訳です)とあります。

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 表紙も中も、イラストやデザインがとにかくかわいらしいし、色使いも温かいのです。そうして、表題にあるとおり、この手帳には、ページの端々に、勇気や元気を与えてくれるすてきな言葉が散りばめられています。たとえば、この1月のページには、小鳥にマフラーを巻く絵の傍らに、「長い間、ずっとつらい気持ちでいる人などだれもいない。もし、それが自分自身のせい(責任)でないのであれば。」というモンテーニュの言葉が書かれています。

 何か嫌なできごと、つらいできごとがたとえあったとき、確かに、いつまでもそれを悲しんでいては、ただ自分で苦しみを長引かせてしまうだけかもしれません。もちろん本当に奥深い、いつまでも癒されない悲しみというのがあると思うのですが、わたしは、この言葉を、つまらないことでいつまでもくよくよしがちな自分を戒めるのに役立てたいなと思っています。

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 こちらには、「頭脳は、パラシュートのようなもの。開いているときにしか、きちんと機能しない。」とあって、なるほどなと思います。自分の確信にとらわれて、新しい考えに対して、心を閉ざしていては、正確な判断が下せなくなります。

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 さて、今日、9月15日の日づけを含むぺージには、どんな言葉が書かれているかというと、「願いごとを心に抱くときは、その願いを実現する力も、必ず共に与えられているものだ。」とあります。こんなふうに、手帳には、一歩を踏み出す勇気を与えてくれる言葉や、立ち止まって考えさせてくれる言葉が、いっぱいあります。

 わたしは従来、自分がいいなと思った言葉を書き留めたり、こうしたすてきな言葉を集めた本を買って、読み返したりするのが好きなのですが、このシリーズのいいところは、単にすてきな言葉が並んでいるだけではなく、電話帳やノート、旅の記録として、使えるようになっているところです。

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 そう、このEdizioni del Baldo社から出ているノートや本は、絵がかわいくて、すてきな言葉がたくさん並んでいて、しかも安いので、以前から見かけるたびに、何冊も並んだ中から、時間をかけてじっくり選んで、自分のために、あるいは贈り物として、よく購入していました。たとえば、上の2012年の手帳は4ユーロ、この蝶のノートは3.5ユーロです。赤いヒナゲシの咲く麦畑の上を飛び回る蝶たちの絵に、「蝶のように、彩り豊かで、軽やかな思いの数々」(これも意訳です)という言葉が、添えられています。

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 ノートを開くと、ページの淡い色が美しく、かわいらしい蝶のイラストがあります。見開き2ページごとに、一つ、心に響く言葉が書かれています。ここには、「幸せは、蝶のようなもので、追いかけると、いつも手が届かないところにあるけれども、落ち着いて腰を下ろすと、あなたの周りをひらひらと飛び回る可能性があるものなのだ。」とあります。

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 シリーズには、他にも、備忘録や

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電話帳、

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旅行に際して、必要なものや訪ねたい場所、旅行中の日記などを書いていくノートなどがあります。この電話帳たち、買ってからもう1年余りになると思うのですが、何だか使い始めるのが惜しくて、まだ使っていません。この記事を書いたのをきっかけにして、少しずつ利用していきたいと思います。ちなみに、このシリーズには、何かテーマごとに、名言だけを集めた本もいくつかあって、こちらの方は、よく贈り物として、買っています。レシピを記入できるノートも出ています。

 イタリア旅行のお土産や贈り物として、こんなかわいらしい本やノートも、喜ばれるのではないかと思います。イタリア語を勉強している人は、入門・初級の方であれば、名言に加えて、月や曜日もイタリア語で書かれているので、繰り返し見ることで、勉強になるし、中級以上の方であっても、毎日少しずつ、メモや日記をイタリア語で書く習慣をつけるのに役立つかと思います。

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電話帳も、住所やメール・アドレス、電話番号などを書く欄は、言葉ではなく絵文字で示されていますから、イタリア語が分からなくても、楽しんで使うことができます。

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 おとといの午後、テラスの洗濯物が乾いたかどうか、様子を見ようと思ったら、きれいな蝶が、花の周りを飛び回っていました。いつもは、遠くの山まで出かけて、歩いていて見かける蝶。幸せもこんなふうに、遠くまで探しに行かず、毎日を大切に生きていたら、気づかぬうちに、すぐ近くを飛び回っているのかもしれません。

 昨日の記事で、「次の記事では、湖への散歩の記事を」と書いていましたのに、予定を変更して申しわけありません。次回は必ず!

LINK
- メルマガ「もっと知りたい! イタリアの言葉と文化 第69号 ‐ 心に響く言葉たち、ブスは禁句」
↑↑ 記事でご紹介した言葉のうち、最初の二つを、イタリア語学習の教材として、取り上げています。
- 「マザー・テレサの励ましと戒め」
- Edizioni del Baldo - HOME
- Edizioni del Baldo – Agende(手帳)
↑↑わたしの買った手帳には4ユーロと書かれていますが、サイトでは同じ手帳が4.5ユーロ、表紙を厚紙で補強したものが6ユーロで売られています。
- Edizioni del Baldo – Libri da scrivere(ノート、備忘録、電話帳など)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2011-09-15 16:26 | Vivere | Trackback | Comments(14)

今君は美しい

 昔話の桃太郎ではありませんが、昨日の朝は、夫は庭仕事に出かけ、わたしはアイロンがけに励みました。前日は、ひどく暑い1日で、日本語を教えている語学学校の教室の大きな南向きの窓から、太陽がいっぱいに差し込んで、触ると窓ガラスが熱いほどでした。生徒さんと二人で、「窓を開けたほうが空気が動いて、しのぎやすいんじゃないか。」、「わたしは、これだけ日が差していたら、外の方が絶対に気温が高いから、窓を開けたら、暑い空気が入ると思うんだけど……」と、暑さしのぎの対策を練ったほどです。

 前日はそれだけ暑い1日で、午後帰ると、家の中も非常に暑かったので、アイロンがけは、翌日の早朝にすませることにしました。そういうわけで、昨日の朝、家中の窓を開け放して、外の涼しい空気を取り入れながら、アイロンをかけていると、夫が外から帰って来ました。温室に花が咲いているから、撮影をするために、カメラを取りに来たと言うのです。

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 夫が写真に撮ろうとしていたのは、こちらのサボテンの花でした。年に1度しか花が咲かない上に、咲いた花も1日、2日ほどですぐに枯れてしまうそうです。

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 めしべを中心に、か細いおしべたちが長く広く伸びて、じゅうたんを広げたようになっていて、こうやって虫たちが訪れて、花粉が受精しやすいようになっているんだ、と夫が教えてくれました。

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 花は、外から見ても、鮮やかなピンク色に包まれていて、あでやかです。

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 香りもするからと聞いて、近づいてみました。確かに何か独特の匂いはするのですが、「いい香りとは言えないような。」と評すると、夫は、そのとおりだと、笑っていました。

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 『みにくいアヒルの子』ではありませんが、このサボテンも、1年の大部分は、花もなく、とげが多いだけなので、美しいと感嘆する人はまれだと思います。こんなにきれいな大輪の花が咲くことを、知らない人が多いのではないかと思います。わたしも何年もこの家に暮らしていたのに、花が咲いているところは、昨日初めて見ました。

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 人にも、動物にも、植物にも、それぞれの時期があり、特徴があって、ぶかっこうに、そして、とげばかりに見えるときがあっても、やっぱり何か光るものを秘めているのでしょう。

 時に、人の言動に傷つきながら、でも、とげがあるように見えて、本当は優しい大きな花が、心が隠れているのだと、信じられますように。時に、自分を情けく思いながら、それでも、わたしだけが咲かせることのできる花があるのだと、自分を大切にしていけますように。今、最高に美しい姿を見せてくれているサボテンの花を思い浮かべながら、そう心に祈るのでした。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2011-05-28 22:50 | Fiori Piante Animali | Trackback | Comments(8)

バラに思う

 昨日、お義母さんに誘われて、野菜畑に行ったとき、ふと思いついて、奥に植えてあるバラたちを訪ねてみると、

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 美しい花を咲かせているバラが、二株ありました。こちらのピンクのバラは、夫の母方の祖父母が暮らし、母が生まれ育った村、レスキオに生えていたものです。トスカーナとの州境に近い、この小さな村に、数年前、1年ほどの間、夫と二人で暮らしました。

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 こちらの真紅のバラも、夫が20年近く暮らした家の庭に咲いていたのを、移し替えたものです。まずはレスキオに、そして、今住むペルージャ郊外にと、二度移し替えたこちらのバラ。去年は今ひとつだったのですが、今年は、かつてレスキオで咲いていたときのように、紅の鮮やかなみごとな花を、咲かせています。顔を近寄せると、それはかぐわしい香りがします。

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 レスキオに住んでいた頃は、庭の中央に幾株も植えて、それは大切にしていたバラの花たちを、ここペルージャ郊外に越してきたとき、夫はなぜか、広い野菜畑の奥に植え替えました。

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 このところ、天気が悪いことが多く、仕事に追われ、また家を離れたりもして、もう長い間、野菜畑に足を運んでいませんでした。

 というわけで、このバラの花たちは、わたしが見ていない間にも、いつからか、美しい花を、次々に咲かせていたのです。長い冬に耐え、雨水や土から養分を取り込みながら、花を咲かせる準備をしていたわけです。

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 バラの美しさと香りの高さを愛でつつ……、バラを見るたびに、いつものように、『星の王子さま』の中の好きな言葉たちが、頭に浮かび、心に迫ってくるのでした。
「肝心なものは目で見えない。大切なものは、心でなければ、見えないんだよ。」
「君がバラの花を大切に思っているのは、君がバラのために時間を費やしたからなんだ。」
「ずるそうなふるまいばかりしているけれど、本当は優しいんだということに、ぼくは、気づかなかったんだ。ぼくはバラの花を後にするべきではなかったんだ……」

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 忘れたくない、しばしば心に言い聞かせたいこうした言葉が、美しいバラの花を眺めていると、すっと心に入ってきます。すでに花の開いているバラの花を摘み取って、室内に飾って楽しむことにしました。花瓶代わりに酒どっくりを使っているのですが、花の色と妙に調和している気がします。

 こうして、バラを眺めながら、『星の王子さま』の教えを、心にかみしめたいと思います。目には見えないものを心で感じ取れるように。大切ないろんなことや人のために、時間を費やして、より大切なものにしていけるように。ふとした態度や言動に傷ついてしまわずに、その奥にある優しさや繊細さに気がつけるように。そして、自分を過剰に守るために、ずるそうに見えるふるまいをしてしまわないように。

*あとがき
 以前に、イタリア語学習メルマガで、『星の王子さま』の文章を、読解と聞き取りのための学習教材として、使ったことがあります。興味のある方は、メルマガ、『もっと知りたい! イタリアの言葉と文化』の第25号(リンクはこちら)をご覧ください。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2011-05-05 17:55 | Fiori Piante Animali | Trackback | Comments(8)

日本の桜1 はじめに

 久しぶりに日本の美しい桜が咲くのを見たいと、同僚の先生方に無理な時間割変更をお願いして、花見の時期に帰国したのは、2009年3月末から4月上旬にかけてのことです。
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京都、渉成園(Giardino Shosei-en, Kyoto) 2009/03/29


 朝、目が覚めると日が差すのが見えるように、日本に住んでいた頃は、春になれば、花盛りの桜を眺めては、花の美しさに感嘆し、花びらの舞う木の下でのおしゃべりを楽しんでいました。それが、イタリアに住み始めて、桜が花開く時期に日本にいない年が重なって初めて、実は、花見は、わたしにとって単なる習慣ではなくて、人生の時を刻んでいく上で、なくてはならない機会なのだということに気がつきました。木全体がいっせいに花を開くような、そんな桜の美しさに、自分が、勇気づけられ、生きていく心の、そして生命力の糧も受け取っていたのだと、実感したのです。

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京都、渉成園(Giardino Shosei-en, Kyoto) 2009/03/29


 これから少しずつ、この2年前の旅行の際に、訪れた寺社や桜をご紹介していくつもりです。美しい日本とその桜が、わたしに与えたくれた感動や喜び、そして力が、少しでも日本の皆さんに、そして、日本の美しさが海外の人に伝わりますようにと願いながら。ちょうど花見の時期なので、桜を訪ねて歩こうという方の参考にもなれば、幸いです。


↓↓ 関連記事・LINK per gli articoli relativi ai ciliegi /templi giapponesi

-「花よりだんご」のイタリア人? / Fioritura del ciliegio a Perugia
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-イタリア、里の春 / Fioritura nel nostro orto
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-筍とさくら ~ 京都の春 / Primavera in Kyoto – Germogli di Bambù e Fioritura dei Ciliegi
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↑ 京都(長岡京周辺)~向日神社、光明寺、長岡天満宮とその桜


-イタリアの方言と日本語特訓の成果その3 / Allenamento intensivo di Giapponese
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↑ 彦根の龍澤寺(写真のみ) / Giardino del Tempio Ryotan-ji, Hikone


京都、醍醐寺の桜 / La fioritura dei ciliegi – Tempio Daigo-ji, Kyoto
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-桜の花咲く部屋 / Soffitto che rievoca la fioritura dei ciliegi
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↑ 奈良の氷室神社&京都嵐山、大覚寺の大沢池
Himuro-jinja, Nara & Lago Osawa, Tempio Daikaku-ji, Arashiyama, Kyoto


-「日本がアジアの覇者に」 ~イタリアのニュース記事から / Giappone campione d’Asia
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↑ 京都御苑 / Kyoto Gyoen (Kyoto Imperial Palace Park)


-「ザッケローニ、日本、おめでとう!」 ~イタリアのニュース記事から2 / Giappone campione d’Asia II
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↑ 京都の東寺 / Tempio di Toji, Kyoto


LINK
京都の美しい桜 / Spettacolare Fioritura dei Ciliegi in Giappone con foto ↓↓
-- 京都、醍醐寺の桜 / Tempio Daigo-ji, Kyoto
Fioritura dei Ciliegi a Kyoto, spiegazioni anche in italiano ↓↓
- 日本の桜2 京都大原三千院 / Tempio Sanzen-in, Kyoto
- 日本の桜3 京都大原実光院 / Tempio Jikko-in, Kyoto
- 日本の桜4 京都大原宝泉院 / Tempio Hosen-in, Kyoto
- 日本の桜5 京都、渉成園 / Giardino Shosei-en, Kyoto

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2011-03-30 15:47 | Giappone | Trackback | Comments(8)

Festa della Donna

Auguri a tutte le donne!

Qui sotto vi regalo le parole di una precorritrice del femminismo giapponese, Raicho Hiratsuka (1886-1971). Tra parentesi il testo originale in lingua giapponese che ho tradotto personalmente in italiano per l'occasione. Nelle foto i fiori oggi trovati a casa nostra e sul monte Tezio.

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“In principio le donne erano il sole con personalità autentica. Ora le donne sono la luna. Dipendono dall’altro, si illuminano riflettendo la luce altrui, così sono la luna pallida come un malato.”

(元始、女性は実に太陽であつた。真正の人であつた。今、女性は月である。他に依つて生き、他の光によつて輝く、病人のやうな蒼白い顔の月である。)

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Queste sono le parole pronunciate nel 1911 nella società giapponese, allora, ancora più maschilista. Tuttavia, anche adesso dobbiamo cercare di capire che cosa noi vogliamo veramente, non ciò che la società e gli uomini ci impongono e ci inducono a volere.

Essere intelligenti e costruire la vita secondo la propria ambizione e attitudine oppure acquisire solo la bellezza esteriore e la formosità, per compiacere agli uomini?

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“Vogliamo credere nel genio insito in tutte le donne. Vogliamo credere nell’unica possibilità e gioire di cuore la felicità di essere nate donne nel mondo. […]

Non siamo più quelle che aspettino la rivelazione divina. Siamo quelle che cercano di rivelare il segreto della natura dentro di noi con i nostri sforzi e di diventare la rivelazione divina.”

(私は総ての女性と共に潜める天才を確信したい。只唯一の可能性に信頼し、女性としてこの世に生れ来つて我等の幸を心から喜びたい。(中略)

私共は最早、天啓を待つものではない。我れ自からの努力によつて、我が内なる自然の秘密を曝露し、自から天啓たらむとするものだ。)

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“Non siamo quelle che cerchino i miracoli e adorino i misteri lontani. Siamo quelle che cercano di rivelare il segreto della natura dentro di noi con i nostri sforzi e di diventare la rivelazione divina. ”

Che noi continuassimo la preghiera ardente e l’attenzione sprituale senza sosta fino al giorno in cui riusciremo a liberare il nostro genio insito, fino al giorno in cui risplenderà il sole nascosto.”

(私共は奇蹟を求め、遠き彼方の神秘に憧れるものではない、我れ自からの努力によつて我が内なる自然の秘密を曝露し、自から奇蹟たり、神秘たらむとするものだ。

私共をして熱烈なる祈祷を、精紳集注を不断に継続せしめよ。かくて飽迄も徹底せしめよ。潜める天才を産む日まで、隠れたる太陽の輝く日まで。)

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“In quel giorno tutto il mondo, tutto diventerà nostro. In quel giorno saremo regine indipendenti e autentiche; vivremo con i valori di noi stesse senza pentirci, con i nostri piedi nel cuore della natura. Poi sapremo quanto gradevole e fertile sia la solitudine.

Le donne non saranno più la luna. In quel giorno le donne saranno il sole come in principio, riconquisteranno la propria personalità autentica.”

(其日私共は全世界を、一切のものを、我ものとするのである。其日私共は唯我独存の王者として我が踵もて自然の心核に自存自立する反省の要なき真正の人となるのである。そして孤独、寂寥のいかに楽しく、豊かなるかを知るであらう。

最早(もはや)女性は月ではない。其日、女性は矢張り元始の太陽である。真正の人である。)

LINK
-it.wikipedia – Raicho Hiratsuka
-日本ペンクラブ:電子文藝館 - 平塚らいてう – 原始女性は太陽であった。―― 青鞜発刊に際して――

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2011-03-08 19:14 | Vivere | Trackback | Comments(2)


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Naoko Ishii
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日本語・イタリア語教師、
通訳、翻訳、ライター。

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