タグ:料理・レシピ・食文化 ( 219 ) タグの人気記事

タラとポテトの香り焼き、イタリア風

 今回は、とっておきの白身魚のレシピをご紹介します。

f0234936_120321.jpg

 魚とジャガイモを、ローズマリーとニンニクの香りと共に、オーブンでじっくり焼いたこの料理は、夫も大好きで、いつも喜んで食べてくれます。カリッとした食感があり(croccante)、ニンニクの風味がきき、ロースト・ポテトが添えてあってと、夫の愛するものがそろっているからでもあるのですが。

 ただし、使用している魚は、冷凍されたタラ(merluzzo)です。山に囲まれ、海を持たないウンブリアでは店の魚の鮮度に疑問があるということで、魚は、義母もいつも冷凍食品を利用しています。わたしは新鮮な魚もたまに買って料理するのですが、ここで、もう一つ問題があります。日本では魚に多少骨があっても、箸で取り分けながら食べると思うのですが、うちの夫は、骨のない冷凍の魚を調理したものに慣れているからか、少しでも小骨があると、不満そうなのです。文化・習慣といえばそれまでなのですが、一つひとつ小骨をこちらが取っては手間も大変。というわけで、冷凍の魚は、そういう意味でも重宝しています。

 このレシピは、もともとCOOPの冷凍魚についていたレシピに、我が家好みに若干の変更を加えたものです。元のレシピは、冷凍したメルルーサ(nasello、タラ科の魚)を対象としていました。

2人分の材料は、

冷凍タラの切り身   200g
ジャガイモ      400g
ローズマリー     1~2枝
ニンニク       1~2粒
パン粉        適量
(我が家では、堅くなった古いパンをすりおろしたものを使用します)
オリーブオイル    適量
塩・こしょう     適量

1.オーブン皿の底一面にオリーブオイルを薄く塗り、冷凍タラの切り身を間隔を開けて並べ、周囲に一口大に切ったジャガイモを並べていく。
2.1の上から、塩・こしょうをふりかける。
3.ローズマリーの葉とニンニクをみじん切りにして、タラとジャガイモの上にふりかける。
4.3の上からさらに、パン粉を全体にムラなくふりかける。
5.190~200度に加熱しておいたオーブンに入れ、30分ほどじっくり焼き上げて、できあがり。

 魚もジャガイモも、パリパリとして食感がいい上に、ニンニクやローズマリーの風味がよく行きわたって本当においしいのです。オーブンに入れるまでが30分、入れてからが30分と、1時間ほどで簡単にできます。ぜひ一度召し上がってみてください。

 ローズマリーとニンニクの量は、元のレシピでは一枝、一粒だったように覚えています。夫がしっかりした味わいが好きであるため、そして、今回見つけたローズマリーの若枝が小さかったため、今回はそれぞれ二枝、二粒使いましたが、一枝、一粒でも十分おいしくできますので、分量は、お好みに合わせて調整してください。

f0234936_123144.jpg

 昨日、ローズマリーを摘みにテラスに行くと、なんと花盛り。そこで、花のない緑の葉だけの枝を選んで、ハサミで切り取りました。

f0234936_1233398.jpg

 我が家の庭には、あちこちにローズマリー(rosmarino)の茂みがあるのですが、秋深い今の時期に、花を咲かせているローズマリーはごくわずかです。香りのある草花を愛する夫は、パンテッレリーア島やエルバ島など、旅行に出かけるたびに、それぞれの土地に生えているローズマリーの枝を摘み取って、うちに帰ってから栽培するのですが、今この薄紫の美しい花を咲かせているローズマリーも、そうした旅みやげの一つです。

f0234936_1312925.jpg

 食後には、夫が作ったトルコロ(記事・レシピはこちら)を食べました。今回は、カカオ入り。ほんのりとしたチョコレートの風味がとてもおいしかったです。今朝の朝食は、このトルコロを緑茶と共にいただきました。

f0234936_1324973.jpg

Articolo scritto da Naoko Ishii

 この記事いいなと思ったら、応援の1クリック(↓↓)をお願いします。
Cliccate sull'icona (↓) se vi piace il blog.
人気ブログランキングへ

こちらもクリック↓↓ ありがとうございます!
Cliccate anche su questa icona, per favore!
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村

by milletti_naoko | 2010-11-03 17:41 | Gastronomia | Trackback | Comments(6)

甘いマカロニ

 明日、11月2日は、イタリアでは「死者の日」。この日前後にウンブリアで食べられる甘いものの一つに、このmaccheroni dolci(マッケローニ・ドルチ)があります。日本語に訳すと、「甘いマカロニ」

f0234936_19232577.jpg

 昨日は、我が家では日曜日恒例の大家族での昼食。義父母宅で、夫たち3兄弟とその伴侶たちと子供たち、さらに義母の兄である伯父も加わり、11人で食卓を囲みました。

 食後のデザートとして、食卓に並んだのは、fave dei morti(訳すと、「死者のソラマメ」、詳しくはこちら)と、このマッケローニ・ドルチでした。トーディに住む義弟、マルコの奥さんの母君の手作りの一品です。ちなみに、マルコの奥さんも彼女の母君も、トーディ生まれのトーディ育ち。

 わたしは、このデザートを見たのも食べたのも、昨日が初めてでした。一口食べてびっくり。

「パスタが入ってる!」

f0234936_19252579.jpg

 幼い姪っ子が笑って言いました。「だから、甘いマカロニって言うんじゃない。」

 このマッケローニ・ドルチ(maccheroni dolci)は、ウンブリア州では、死者の日前後に食べられる伝統的なデザートの一つだと、義母や義弟の奥さんから聞きました。

 まずは、パスタと合わせる甘い具を準備。クルミ、カカオ、ケルメス、はちみつ、パン粉、すりおろしたチョコレート。ゆで上がったパスタを、こうした材料と混ぜ合わせれば、できあがり。材料としては、シナモンや砂糖を入れることもあり、地域によってはラム酒やレモンを加えたりもするそうです。

f0234936_19261828.jpg

 ただ、インターネットで調べると、クリスマスに食べる地方もあるそうです。ちなみに、今回入っていたパスタは、フジッリ(fusilli)であり、筒状のマカロニではありません。義父が育った、ペルージャ北方、テッツィオ山の中腹にあるミジャーナ(Migiana di Monte Tezio)村では、手作りのタッリャテッレ(tagliatelle)が入っていたそうですから、作る材料や食べる時期が、同じウンブリア州内でも、さまざまに異なるようです。

 こうした地域差が分かって、おもしろいのが次のウェブページです。Gianniという人が、「ウンブリア各地で、死者の日前後に食べられるこのデザートは、エトルリア時代に遡り、エトルリア人も死者を追悼する儀式のために準備していた、とても歴史のあるものだ」というコメントも載せています。(この歴史の古さの真偽については、これから時間をかけて調べてみて、いずれその結果をお知らせするつもりです。)

・Style.it – cucina – maccheroni dolci (リンクはこちら

 最初はびっくりしたのですが、クルミの歯ごたえやカカオの香ばしさもあいまって、なかなかおいしいデザートです。皆さんも、機会があれば、ぜひ召し上がってみてください。

Articolo scritto da Naoko Ishii

 この記事いいなと思ったら、応援の1クリック(↓↓)をお願いします。
Cliccate sull'icona (↓) se vi piace il blog.
人気ブログランキングへ

こちらもクリック↓↓ ありがとうございます!
Cliccate anche su questa icona, per favore!
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村

by milletti_naoko | 2010-11-01 11:32 | Gastronomia | Trackback | Comments(8)

死者のソラマメ、死者の市

 イタリア語、fave dei mortiを訳すと、「死者のソラマメ」となります。響きは物騒ですが、実は、ビスケットの名前です。

f0234936_744663.jpg

 ファーヴェ・デイ・モルティ(fave dei morti)は、ペルージャの伝統的なお菓子で、死者の日である11月2日前後に食べられます。ペルージャでは、死者の市が近づくと、あちこちの店で、売られています。

 「死者の市」(Fiera dei Morti)は、ペルージャで、毎年11月1日から数日間にわたって催される大がかりな市場です。死者の市の歴史は長く、中世にさかのぼります。ただし、当時は、「諸聖人の市」と呼ばれていました。

 11月1日は、カトリック教では「諸聖人の日」という祝日で、イタリアでは国民の休日でもあります。その翌日、11月2日「死者の日」であり、死者のために祈りを捧げる日とされています。死者の日の前後には、大勢の人々が、手向けの花と共に、家族や親戚のお墓参りをします。

 中世のペルージャでは、死者の市で、農産物と家畜を売買していました。11月の初めに市が立ったのは、秋に収穫された農産物が豊富にあり、かつ、厳しい冬に入る前で、食糧を蓄える必要がある時期だったからです。現在の死者の市では、衣料、おもちゃ、家具など、さまざまな品が売られています。途中で腹ごしらえできるように、手軽に食事を取れる露店もあります。ポルケッタ、サラミ、チーズやパニーノを売る店もあれば、チョコレートやパイ、ケーキなどの甘いものも売られています。

f0234936_755390.jpg

 死者の市は、例年、ペルージャの中心街と郊外で行われ、近隣の町からも、大勢の人が訪れます。郊外の会場は、ピアン・ディ・マッシアーノ(上の写真)で、ここには、ミニメトロの終着駅と巨大駐車場があります。(ミニメトロについての記事はこちら、10月1日に、切符が1ユーロから1.50ユーロに値上がりしたので、ご注意ください。)

f0234936_762917.jpg

 中世には、死者の市の開催にあたって、雄牛狩り、槍競技などの伝統競技も行われていました。現代では、こうした競技に代わって、大がかりなアトラクションやサーカス小屋が、立ち並びます。

 祝日はかなりの人手で、歩くのがやっとですから、興味のある方は、ぜひ期間中の平日に訪ねてみてください。規模の大きい市場で、さまざまな商品が売られていますので、眺めながら歩くだけでも、おもしろいと思います。遊園地のお好きな方は、この時期だけ設置される、さまざまな大型のアトラクションを楽しむこともできます。

 さて、再び、「死者のソラマメ」(fave dei morti)に話を戻しましょう。死者の日の頃に食べられる、このビスケットは、ソラマメの形をしています。ソラマメは、古代ギリシャ時代から、死に関わる儀式で用いられていたそうです。このビスケットは、とても甘いお菓子で、アーモンドや卵白で作られています。名物ですので、この時期に見かけたら、ぜひ食べてみてください。

 ちなみに、義母が生まれ育ったのは、ペルージャ県北部、トスカーナとの州境にあるレスキオ(Reschio)という村ですが、ここでは、死者の日にソラマメを料理して食べる習慣もあったとのことです。昨年の11月2日には、お義母さんがソラマメのスープを作り、わたしたちにも分けてくださいました。

 今回の記事は、昨年書いたメルマガ第26号(リンクはこちら)と、かなり重複しています。イタリア語学習中の方は、ぜひこちらもお読みください。語彙と読解力の向上に役立つはずです。

*本日未明に、イタリアは夏時間から冬時間に突入。日本との時差は8時間に。
 現在、10月31日日曜日の真夜中過ぎは、イタリアではまだ夏時間ですが、今日午前3時に時計の針が1時間戻ります。こうして冬時間に入ると、日本との時差がこれまでの7時間から8時間になります。イタリアに在住、留学、旅行の方はご注意ください。

Articolo scritto da Naoko Ishii

 この記事いいなと思ったら、応援の1クリック(↓↓)をお願いします。
Cliccate sull'icona (↓) se vi piace il blog.
人気ブログランキングへ

こちらもクリック↓↓ ありがとうございます!
Cliccate anche su questa icona, per favore!
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村

by milletti_naoko | 2010-10-31 00:10 | Feste & eventi | Trackback | Comments(2)

トルコロは母の味

 トルコロ(torcolo)は、ウンブリア州の家庭で、代々レシピが受け継がれていく伝統のリングケーキです。

f0234936_17502075.jpg

 ぐるっと回して、ねじった形をしているために、「ねじる、よじ曲げる」を意味する動詞torcereから、torcoloという名が生まれたのだと、大学の「イタリア方言学」の授業で教わりました。

 今回は、夫手書きの義母直伝のレシピから、この体に優しく、素朴でおいしいトルコロの作り方をご紹介します。題も、そのまま「マンマのトルコロ」(Torcolo della mamma)となっています。お義母さんは大家族用に大きな型で作るのですが、夫がふだん作るときは、小さい型を使うため、義母のレシピの量をすべて半分にしたとのことです。


 まずは、材料から。

卵        3個
砂糖       ヨーグルト容器(1杯125g)2杯分
薄力粉      ヨーグルト容器4杯分(イタリアの小麦粉の場合は、farina00)
レモン      2分の1個(果汁と皮)

オリーブオイル  ヨーグルト容器半分弱
牛乳       ヨーグルト容器半分弱

型用無塩バター・薄力粉  ともに適量
ベーキングパウダー    1袋
*こちらで使用するものは16g入り、バニラ風味つきです。

 以上が、伝統的、古典的なマグリーニ家(義母の一家)に伝わるトルコロのレシピです。無塩バターの代わりに、オリーブオイルを使うところが、良質のオリーブオイル生産地であるウンブリアの料理の特徴です。

 古典的トルコロは素朴な味わいとレモンの風味がおいしく、歯ごたえがしっかりしたケーキです。一方、今回は、夫がオリーブオイルと牛乳を加える代わりに、プレーンヨーグルトを大さじ3杯加えて、作ったのですが、ふんわり柔らかくすっきりした甘さの、それはおいしいトルコロになりました。今回は、どちらのトルコロでも作れるように、手順をご説明します。

f0234936_17535916.jpg

1.卵に砂糖を加え、十分に泡立てます。

f0234936_17542856.jpg

2.小麦粉を少しずつ加えて、混ぜ合わせ続け、

f0234936_17572084.jpg

  レモンが卵と直接接触しないように、小麦粉の上からレモンを加えます。

*写真では夫がレモンの皮をすりおろしています。今回はヨーグルトを使ったため、酸味が強くなるのを避けて、レモンの果汁は入れませんでした。

f0234936_1758498.jpg

3.混ぜ合わせるのが難しくなってきたら、牛乳を加えます。

4.最後に、オリーブオイルを加えて、さらに混ぜ合わせます。

f0234936_1758359.jpg

 今回は、この手順、3と4の部分で、牛乳とオリーブオイルを加える代わりに、プレーンヨーグルトを、食事用の大さじ、山盛り3杯分加えました。

f0234936_17591815.jpg

5.上からベーキング・パウダーをふるいかけ、さらに混ぜ合わせます。

f0234936_17594460.jpg

6.中央に穴のある型に、バターを塗り、小麦粉をふりかけて、型に生地を流し入れ、

f0234936_1801035.jpg

  約180度のオーブンで45分焼きます。

f0234936_1803267.jpg


小麦粉や砂糖をいちいち計量器で量らずに、すべて125mlのヨーグルト容器ですませてしまうところに、暮らしの知恵が生きています。

 ふつうに家にある材料で、ごく簡単にできるおいしいケーキです。「卵黄や卵白だけ」が余ると厄介ですが、そういう面倒もありません。お菓子作りの好きな方は、ぜひ一度、ご家庭で、ウンブリア家庭の味、トルコロを焼いて、味わってみてください。

f0234936_18055100.jpg

 わたしも時々ケーキは焼くのですが、ことトルコロに関しては、義母と夫に任せていました。今度、おいしいトルコロを焼いて、夫を驚かせてみたいと思います。

 次回のメルマガでは、今回わたしが訳してお知らせしたレシピの原文を、イタリア語学習教材として、使用するつもりです。

>追記(11月7日)
 昨日、わたしも初めてトルコロを焼きました。今朝、朝食にトルコロを食べていて、なぜあまりふくらまなかったのだろうと夫と話していて、薄力粉の量が、ヨーグルト容器4杯分なのに、ブログのレシピに間違って、「3杯分」と少なめに記載していたことに気づきました。小麦粉3杯でもおいしいのに変わりはありませんが、本来のレシピとは違って、若干甘くなってしまいます。上の記事内の記述も、ただいま訂正をしたところです。すでに作られた方、印刷された方は、すみませんが、ご訂正ください。

Articolo scritto da Naoko Ishii

 この記事いいなと思ったら、応援の1クリック(↓↓)をお願いします。
Cliccate sull'icona (↓) se vi piace il blog.
人気ブログランキングへ

こちらもクリック↓↓ ありがとうございます!
Cliccate anche su questa icona, per favore!
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村

by milletti_naoko | 2010-10-30 11:07 | Gastronomia | Trackback | Comments(12)

旬の味覚を封じ込め

 ペルージャではこのところ雨の日が多く、朝晩かなり冷え込むようになりました。山では、黒く熟れたブラックベリーを味わえる季節が終わりつつあります。

f0234936_7114524.jpg
記事、「色づく秋山とブナの巨木」から。(リンクはこちら


 野菜畑でもズッキーニやキュウリはすでに姿を消し、毎日残りわずかになったトマトを大切にいただいているところです。おいしい果物やトマトがたくさんある機会を逃さずに、ですから、保存用のジャムやトマトの瓶詰め、トマトソースを作って、来年また果物やトマトの季節が訪れるまで、少しずつ旬の味がつまった瓶を開けて、楽しむようにするわけです。


 今回は、夫がブラックベリーのジャムを作ったときの様子と、トマトソースを二人で作ったときの様子を、写真と共に、ご紹介します。
f0234936_7124271.jpg


 昨年の10月3日土曜日。夫は早朝から、1時間半ほど車を運転して、アッペンニーニ山脈を訪れ、ブラックベリーをどっさり摘んで帰って来ました。大量の収穫に、顔一面に満足の笑みを見せる夫です。わたしの方は、前日ようやく1週間ほどの突貫作業で仕上げた翻訳を企業に納品したところで、この日はたまっていた洗濯と掃除に終われていました。

f0234936_71394.jpg

 まずは土鍋にブラックベリーを移します。

f0234936_714898.jpg

 木の葉や枝などが紛れ込んだものがないかどうか確認し、あれば取り除いていきます。まずは砂糖を加えずに火を加え、果実が少し柔らかくなってから、裏ごします。

f0234936_7142731.jpg

 裏ごししたブラックベリーの重さを量り、必要量の砂糖と共に再び土鍋に入れて、火にかけます。鍋の下の網は、火力が鍋底全体に均等に伝わって、土鍋が割れるのを防ぐために、敷いてあります。

f0234936_7144879.jpg

 甘い香りが周囲に漂い、いい色になってきました。十分に濃縮するまで、加熱を続けます。できあがったら、煮沸消毒した瓶に詰めます。昨年できたたくさんのジャムは、半分は友人たちへの贈り物、残りの半分は、パンと食べたり、ケーキやパンナコッタに添えたりして食べました。ブラックベリー独特の甘さが口いっぱいに広がって、それはおいしいジャムでした。
 
 今年は9月初めに義父が右足を骨折し、夫が家で義父が請け負っていた野菜畑や家畜の世話にも追われているため、休みの日に楽しみの登山はしたものの、労働になってしまうブラックベリー摘みとジャム作りはしませんでした。義父の足は、幸い今週月曜日にギプスが取れ、快方に向かっています。

f0234936_7154463.jpg

 トマトソースを作ったのは、今年の9月19日です。前回の記事では、湯むきしたトマトをぶつ切り、あるいは四つ切りにした瓶詰め作りについて、ご説明しました(記事はこちら)が、今回は収穫したトマトの量が多かったこともあり、作業の早いトマトソースにすることにしました。

f0234936_7302564.jpg

 まずは、トマトを洗い、できあがったトマトソースを入れる瓶を煮沸消毒しておきます。瓶は以前に店で買ったトマトソースの空き瓶をそのまま使用し、蓋だけ新しく買い足しました。

f0234936_7311818.jpg

 器械で裏ごしするため、湯むきをする必要はありません。トマトを次々と縦に四つに切っていきます。横にある瓶には、来年育てるための種を残したいという夫のために、熟したトマトを選んで、その種を入れていきます。

f0234936_731358.jpg

 実は最初は二つ割りにしていたのですが、四つ切りの方が裏ごししやすいということで、後から四つに切り分け直しました。トマトをすべて切り終わると大きな鍋二つがいっぱいになりました。

f0234936_7315345.jpg

 こちらがトマトを裏ごしする器械です。上から次々に切ったトマトを入れていき、右手にあるハンドルを回すと、裏ごしされたトマトが下方に落ちる仕組みになっています。濃縮トマトジュース上になったトマトが落ちるところに、鍋を置きます。

f0234936_7321399.jpg

 裏ごしで不用となった部分は、器械の後ろから次々と振り落とされていきます。このトマトのかすが落ちるところにも、同様に鍋を置いておきます。なお、一度の裏ごしではまだ十分にソースとして使える部分もかすとして取り分けられてしまうので、かすとして出てきたトマトも、さらに数回裏ごしをして、トマトの食べられる部分を無駄なく使いきれるようにします。実はこの器械は、本当はトマトソース作り用ではなく、ジャム作り用の製品で、そのために、作業効率がひどく悪かったということです。

f0234936_734977.jpg

 鍋二つ分のトマトが、鍋二つ分のトマトソースになりました。鍋を火にかけ、15分ほど沸騰させて、水分を飛ばします。途中で、時々トマトソースをかき混ぜて、熱を均等に配分します。

f0234936_735159.jpg

 鍋の火を止め、トマトソースを次々に瓶に入れていきます。

f0234936_7354086.jpg

 大きな鍋に瓶を入れていきます。瓶と瓶がぶつかって割れることのないように、間に布や紙新聞を詰め、その後で、鍋を水で満たします。

f0234936_736218.jpg

 鍋に蓋をして火にかけ、ぐつぐつと沸騰してきたら、そのまま1時間煮沸消毒を続けます。前回の瓶詰めの記事でも書いたように、この時間には同じペルージャでも、各家庭によって差があります。

 鍋が鏡のように、カメラで写すわたしを映しているのが、何だか不思議でおもしろい。

 1時間後に火を止めて、そのまま一晩置き、翌日中の水が冷たくなったら、瓶を取り出すことができます。こうして、保存用のトマトソースの瓶が、七つできました。来年の夏、また野菜畑でトマトが採れるまでは、このトマトソースと前回作った瓶詰めを使って、料理をします。夫も義母も、「トマトの季節でない時期に、わざわざハウス栽培のトマトは買わない、料理に使うトマトは自分たちで作った保存用のものを使う」という主義なので、わたしもそれに従っています。

 収穫の秋、実りの秋は同時に冬に備える時期であり、そのため、ペルージャでは中世から、大がかりな市場、死者の市(Fiera dei Morti)(詳しくはこちら)が立ち、長く辛い冬を乗り切るための食糧などが販売され、現代のトスカーナ州にあたる遠方の町からも、多くの人々がこの市を訪れていたそうです。

 今年の死者の市は、11月1日から11月5日まで。会場は例年通り、ピアン・ディ・マッシアーノです。ペルージャ中心街からは、ミニメトロで15分足らず。(記事はこちら)10月1日から、市内バス・電車およびミニメトロの乗車券が、1ユーロから1.50ユーロに値上がりしていますので、ご注意ください。

 一方、今日ペルージャで始まったのが、毎年恒例のチョコレート祭り、Eurochocolateです。今年の開催は、10月15日から24日までです。中心街いっぱいにイタリアと世界の各地から来たチョコレートの店が並び、チョコレートの巨大な塊を彫刻するところが見られたり、さまざまなチョコレート菓子やケーキの味を楽しんだりすることができます。土日はひどい混雑で、ラッシュ時の日本の駅のようになるので、平日の方がゆっくり楽しめるかと思います。

 近くにおいでの方で、チョコレートのお好きな方は、ぜひ足を運んでみてください。ちなみに、ペルージャで、チョコレートがとびきりおいしい専門店は、外国人大学のガッレンガ校舎の前にある、Augusta Perusiaという店です。おしゃれなチョコレート菓子や、チョコレートのリキュールが店内に並び、アイスクリームもおいしいのでおすすめですよ。(詳しくはこちら

>追記(10月26日)
 チョコレート祭りに行って、おいしそうなチョコレートやにぎやかな中心街の様子を写真に収め、記事にしました。ぜひ次の記事をご覧ください。
「ペルージャ、チョコレート祭り」(リンクはこちら
「チョコレート祭り、番外編」(リンクはこちら
Articolo scritto da Naoko Ishii

 この記事いいなと思ったら、応援の1クリック(↓↓)をお願いします。
Cliccate sull'icona (↓) se vi piace il blog.
人気ブログランキングへ

こちらもクリック↓↓ ありがとうございます!
Cliccate anche su questa icona, per favore!
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村

by milletti_naoko | 2010-10-16 00:40 | Gastronomia | Trackback | Comments(6)

たまねぎ万歳! ウンブリア村祭り

 ウンブリアで有名な玉ネギの産地と言えば、カンナーラ(Cannara)。カンナーラはペルージャの南東、アッシジの近くにある村です。

f0234936_7443316.jpg

 恒例の玉ネギ祭り(Festa della Cipolla)が、今年30周年を迎えました。毎年約10万人が訪れるという玉ネギ祭りに、わたしも、9月11日土曜日の晩に足を運びました。一緒に行ったのは、上の写真中央で後ろ姿を見せている夫とルーカです。

f0234936_7445732.jpg

 中心街入り口の近くを流れるこの川は、トピーノ川。橋を通りかかると、ちょうど夕日が、空と川を美しく染めているところでした。

f0234936_7451580.jpg

 収穫したての玉ネギを売っている出店があります。赤、白、茶色と色とりどりの皮に包まれ、味や大きさ、形のさまざまな玉ネギが、並んでいます。

f0234936_7453846.jpg

 中心街には、大勢の客をもてなせるレストラン・ブース(stand gastronomico) が、五つ設けられていました。どの店も、当然玉ネギ尽くしの料理を提供しています。今回わたしたちが選んだのは、Il Giardino Fiorito。「花が咲く庭園」という店名が気に入った上、玉ネギ祭りのホームページ(リンクはこちら)を見ると、歴史の長いブースで、メニューもおいしそうだったからです。

f0234936_7455759.jpg

 皆が一番満足したのは、こちらの前菜です。中でもおいしかったのが、右手前に見えるクロスティーニで、パンの上に、バルサミコ酢で料理した薄切り肉とマリネした玉ネギを載せてありました。

f0234936_7461673.jpg

 こちらは、わたしと夫が頼んだパスタです。牛乳、チーズ、玉ネギを使って作った玉ネギのクリームがパスタと和えてありました。それなりにおいしかったのですが、あまり玉ネギの味がしなかったのが残念でした。隣のおじいさんが「おいしい」と舌鼓を打ちながら、ポレンタに調理した豚肉と玉ネギを添えた料理を食べていました。

f0234936_74633100.jpg

 ルーカが頼んだセコンドは、ローズマリー・ニンニク風味のポーク・ソテーにソースをかけたものです。これはうまい、と喜んでいました。肉料理の向こうに見えるのは、コントルノで、もちろんこちらも玉ネギ料理です。小玉ネギ(cipollina)を料理したものが2品並んでいて、一つは甘酢で調理してあった(all’agrodolce)のですが、もう一方は、料理名が「美味な小玉ネギ」(cipollette deliziose)。わたしは食べていないので、どういう味つけだったのかは分かりません。

f0234936_7465330.jpg

 なんとデザートまで、玉ネギ尽くしです。玉ネギ入りのクリームで作ったこのパイが思いがけずそれはおいしかったので、夫は大喜びです。

f0234936_7472866.jpg

 こちらのデザート、aragosta cipollataも、カリカリ、パリパリの外皮の中に甘いクリームがたっぷり入っていて、おいしかったです。見かけだけではなく、殻(?)の触感も、イセエビ(aragosta)に似ていました。

f0234936_7474568.jpg

 食事と支払いを済ませてブースを出ると、すでにすっかり日が暮れて、暗くなっていました。食後の腹ごなしもかねて、出店や人だかりでにぎわう村の中心街を散歩します。教会の前にも、やはり玉ネギを売る露店があります。

f0234936_748533.jpg

 教会は、中の装飾も美しかったです。祭りを訪れる観光客のためか、夜遅いというのに教会が開いていて、たくさんの村人や観光客が訪れていました。

f0234936_7482435.jpg

 教会前の広場に椅子が何列にも並べてあり、ステージ上に音響設備が整えてあったので、どうもこれはコンサートがあるらしい、ということで、椅子に座って、開演を待つことにしました。やがて吹奏楽団の音楽が聞こえ始め、歩きながら演奏する楽団員が目に入ってきました

f0234936_7484198.jpg

 演奏したのはモーツァルトやエンニオ・モリコーネの曲で、それも調べが美しく、耳になじみの深いものでした。

f0234936_7491945.jpg

 通りに並ぶ出店は、玉ネギの店ばかりではなく、本やアクセサリーなど、さまざまです。目抜き通りは、大勢の人々であふれかえり、道端でパフォーマンスをする芸人もいました。

 玉ネギの好きな方、村祭りで食を楽しんでみたいという方は、ぜひ年に一度の玉ネギ祭りを訪れてみてください。できれば平日に訪れた方が、食事も散歩もゆったりとした気分で楽しめると思います。

Articolo scritto da Naoko Ishii

 この記事いいなと思ったら、応援の1クリック(↓↓)をお願いします。
Cliccate sull'icona (↓) se vi piace il blog.
人気ブログランキングへ

こちらもクリック↓↓ ありがとうございます!
Cliccate anche su questa icona, per favore!
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村

by milletti_naoko | 2010-09-20 01:03 | Gastronomia | Trackback | Comments(4)

ペルージャ田舎風トマト入り炒り卵

 幼い頃からの夫の大好物で、これを作れば間違いなく喜んでもらえる一品です。作るのは至って簡単で、材料も日本で手に入りやすいものばかりです。

f0234936_692047.jpg

 日本語では、「トマト入りスクランブルエッグ」と言った方が的を射ている気もしますが、義母や夫は、イタリア語で、frittata di pomodori(直訳は、「トマト入り卵焼き、トマト入りオムレツ」)と呼んでいます。

f0234936_694663.jpg

 材料(2人分)は、 トマト中4つ、卵4つ、玉ネギ2分の1、塩・こしょうを各少々と、オリーブオイルです。ただし、量はあくまで目安ですから、お好みに合わせて加減してください。写真にプチトマトが写っているのは、畑で見つけた最も熟れたトマトを使ったためです。

f0234936_6102061.jpg

 まずは玉ネギを千切りにし、油を熱したフライパンに入れて、しんなりして色が透き通るまで、じっくり炒めます。

f0234936_6104330.jpg

 一方で、トマトをぶつ切りにしておきます。形がくずれて、トマト・ソースになり、さらには汁気がなくなるまでじっくり煮ますので、小さめに切っておくと、煮上がるまでの時間が短縮できます。トマトの皮が気になる方は、最初に皮を湯むきしてください。

f0234936_6113738.jpg

 玉ネギがしんなりしたら、トマトを加え、初めはフライパンに蓋をして沸騰するまで煮立て、煮立ったら蓋を除いて、トマトが形を崩してトマト・ソースになり、さらにそのソースが煮詰まるまで、じっくり煮込みます。トマトの水気がなくなってきたら、塩・こしょうで味をつけます。

f0234936_6115794.jpg

 トマトを煮立てている間に、卵四つを割りほぐし、塩・こしょうで味つけします。卵を混ぜるのに、日本の方は菜箸を使うと思います。イタリアの女性は、フォークでかき混ぜるのですが、初めて見たときはびっくりしました。逆に義母は、わたしが菜箸で混ぜるのを見て、驚いていました。

f0234936_6122134.jpg

 トマトの汁気がなくなったら、フライパンに溶きほぐした卵を加え、手早く何度もかき混ぜます。必要であれば、さらに塩・こしょうを加えて、味を調えます。

f0234936_6124270.jpg

 卵に火が通ったら、できあがりです。火を止めて、お皿に盛りつけてください。義母や夫は普通にお皿の中央に盛ります。

 きわめて素朴な家庭料理です。お義母さんは、トマトと共に玉ネギも使っていますが、夫の友人の母は、玉ネギなしで、トマトと卵だけを具にして作るそうです。田舎や郊外で、自分の家で鶏を飼い、トマトなどの野菜を栽培している場合には、夏には卵もトマトもふんだんにあるために、こういう料理が生まれ、家庭の味として、伝えられてきたのでしょう。

 夫の友人や同僚でも、ペルージャの町中に住む人は、同じトマトと卵を料理するにも、かなり違った調理の仕方をする場合が多いようです。ただし、ペルージャの人すべてに聞いたわけではありませんので、家庭によっても様々な違いがあるかと思います。

Articolo scritto da Naoko Ishii

「この記事いいな」と思われたら、クリックをお願いします。
Cliccate l'icona con la campanella se vi è piaicuto l'articolo.
 人気ブログランキングへ

こちらもクリックして、応援をいただけるとうれしいです。
Sarei contenta se mi incoraggiaste cliccando anche l'icona con il mare.
 にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
    にほんブログ村

by milletti_naoko | 2010-09-14 23:20 | Gastronomia | Trackback | Comments(5)

逃げた白いハト

 捕鯨問題ではありませんが、食用とする動物には文化によって違いがあります。イタリア、ウンブリア州の料理も、義母の料理も、わたしは基本的に好きなのですが、どうしても食べられないものが一つあります。それは、ハト(piccione)の肉です。

f0234936_1122914.jpg

 我が家では、ウサギ(coniglio)やメンドリ(gallina)と共に、ハトも飼育していて、こうした動物たちの肉が、時々食卓に上ります。たいていの場合は、大家族が全員そろう日曜日の昼食時に、セコンドの肉料理として出され、肉の処理は義父母が、料理は義母が担当します。ローズマリーなどの香草やニンニク、オリーブ・オイルを使って、オーブンで丸焼きにして、食べることが多く、上の写真はこうして調理されたハトの肉の写真です。

f0234936_1132382.jpg
今年4月に、花盛りのリンゴの木と撮影

 生きている姿を見かけるのは、メンドリたちも同じことなのですが、鶏の肉は日本でも食べるためか、それとも食卓では肉を小さく切り分けてあるためか、食べるのに抵抗がありません。ウサギの肉にしても、最初はとても抵抗がありましたが、やはり小さく切り分けた肉が食卓に上るためか、食べられるようになりました。

 ただ、ハトの肉だけは、日本で食べる習慣がないことに加えて、皿に盛り付けてあっても、生きていたときの姿が生々しく想像できるために、わたしはまだ食べたことがありません。上に載せた今日の食卓に上がったハトは、大きかったために、切り分けてありますが、もっと小さいハトの肉がその姿のまま焼かれて、皿に盛られていることの方が多いのです。

f0234936_113584.jpg

 さて、9月8日水曜日の夕方のことです。我が家で飼っていた4羽のハトたちが、義父が目を離したすきに、一羽残らず逃げてしまいました。寝室を片付けていたわたしは、突然白いハトが飛んで来て、窓の下枠に止まったので、びっくりしました。

 そこで、隣の部屋にいた夫を呼ぶと、「小屋から逃げたようだ」と言って、すぐにハトを捕まえようと試みます。ところがハトは、夫が近づく気配を察すると飛び立って、隣にある居間のテラスへと飛んで行きました。

 夫も部屋を追いかけてテラスへと行き、今度は慎重に、後ろからハトに忍び寄ります。(上の写真)

f0234936_2174225.jpg

 今回は、見事ハトを捕まえることに成功して、ハトを運んで行きました。そして、義父から、ハトが4羽すべて逃げてしまったことを聞きつけました。義父自身も1羽は捕まえたのですが、後の2羽はまだ見つかっていないとのことです。

f0234936_1144764.jpg

 そこで、家中を回って、窓から外を見渡すと、逃げたハトの1羽が、隣の家の赤い屋根の上に止まっているのが見つかりました。屋根の左下の隅の、オリーブの枝葉の間に、ハトが見えます。

f0234936_115657.jpg

 空を自由に飛び、景色を見渡せることが、うれしいのでしょう。しばらくたたずんで、周囲を見回していました。そして、やがて飛び去って、わたしたちの視界から消えてしまいました。

 結局、この逃げた2羽のハトは戻って来ませんでした。

 今日の昼食の食卓で、義母言わく、「伝書バト(piccione viaggiatore)なんだから、方向感覚はありそうなものなのに、まのぬけたハトたちね。うちに帰って来られないなんて。」

 「うち」と言っても、下手に帰って来れば、死を迎えるまで、狭いおりの中で暮らすだけです。頭がいいから帰って来ないのではないか、とわたしは思ったのですが、それは言いませんでした。

 猫や犬、ハトの肉を好む人間など、周囲に天敵はたくさんいます。逃げ出したハトたちに、せっかく得た自由を存分に楽しんで、末永く生きてもらいたい、と思うのでした。

Articolo scritto da Naoko Ishii

「この記事いいな」と思われたら、クリックをお願いします。
Cliccate l'icona con la campanella se vi è piaicuto l'articolo.
 人気ブログランキングへ

こちらもクリックして、応援をいただけるとうれしいです。
Sarei contenta se mi incoraggiaste cliccando anche l'icona con il mare.
 にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
    にほんブログ村

by milletti_naoko | 2010-09-12 18:20 | Fiori Piante Animali | Trackback | Comments(2)

モヤシが食べたければ

 日本に住んでいた頃は、モヤシを特に好んで、買ったり食べたりしていたわけではありません。にも関わらず、ここイタリアでは、スーパーなどで、缶入りのモヤシを見かけると、夫の抗議をふりきって買うことがよくあります。ふだん見かけない希少品なので、目に入るとほしくなる、ということもあるかもしれませんが、家で、「日本の味」と懐かしみながら食べることになります。

f0234936_0194310.jpg

 ただし、夫が反対するのは、モヤシが嫌いだからではありません。わたしが、

「モヤシは健康にもいいんだから。」と言うと、

「モヤシを食べたければ、種から育てるんだね。生のモヤシはともかく、こんな缶入りのものでは、栄養価も低いし、何が添加されているか知れたものじゃない。」

と夫が切り返すのが、わたしがモヤシの缶に手を伸ばすたびに、ほぼ確実に繰り返されるやりとりです。それでも買うときと、あきらめるときとどちらかが多いかと言うと、買うときの方が多いかと思います。

「種を買うって、一体どこで大豆の種が売っているっていうのよ。」
が、わたしの決めの一言でした。

f0234936_021264.jpg
(確かに、原材料をよく見ると、砂糖・塩・酢に加えて、食品添加物も二つ並んでいます。)

 イタリア語では、モヤシを「大豆の芽」(germogli di soia)と呼び、しょうゆは「大豆のソース」(salsa di soia)と言います。大豆(soia)を使った食品が日常生活と切り離せない日本では、「モヤシ・しょうゆ」という独自の名前を持った食品が、イタリア語では「大豆の」(di soia)という形容を伴って呼ばれるのは、やはり、これまで食されることのなかったものだからでしょう。

 一方、豆腐や味噌については、すでにイタリア語でも、tofu、misoという言葉が浸透しつつあります。ただし、「豆腐」を知らない人に説明するのに、「大豆で作ったチーズ」(formaggio di soia)と書いてあるのも、よく見かけます。

f0234936_0221987.jpg

 イタリアにも、豆類は豊富にあります。我が家の野菜畑にもあるソラマメ(fave)や豆が育つ前に青野菜として食べるサヤインゲン(fagiolini)。ウンブリア州の南にあるカステッルッチョ(Castelluccio)産のものがおいしいとされるヒラマメ(lenticchie)。(豆類の名は、複数形で使うことがほとんどなので、すべて複数形で記しています。)

f0234936_0235597.jpg

 除草剤を使わないため、ヒラマメの花と共に野の花も美しく咲くカステッルッチョ。(2008年6月26日撮影)

f0234936_0242572.jpg

 他にも、ヒヨコマメ(ceci)に各種のインゲンマメ(fagioli)など、食卓に上り、店で見つける豆類の種類も豊富です。しかし、そういう豆類の中に、ごくまれにazuki(なぜか緑色の小豆)を見かけることはあっても、大豆(soia)を見かけたことはありませんでした。

 というわけで、先日も、「他に食べる方法がないんだから、仕方ないでしょう。」と、夫の反対を押し切って、モヤシの3缶パックを買ったところでした。

 それが、なんと昨夕、夫が園芸店で、モヤシを育てて食べることができる大豆(soia)の種を、見つけて買ってきてくれたのです。

f0234936_025519.jpg

 二人で裏面の育て方を見てみると、手間はかかるけれども、それほど複雑ではなく、5日間ほどで、種からモヤシが育つようです。そこで、

「イタリアで新鮮なモヤシが食べられるなんて! さあ、今にも栽培を始めましょう。」と提案したら、

「この間買った3缶を食べ終わってから。」

ともっともな反論をされてしまいました。

f0234936_026440.jpg

 というわけで、今日からさっそくモヤシ3缶の消費に取りかかりました。

f0234936_0262681.jpg

 大量消費のために、まずは昼食用に一缶開けて、水気を切り、サニーレタス、ニンジン、トマトやゆで卵と共に、ミックスサラダを作りました。

f0234936_0264452.jpg

 一人で食べる昼食なので、サラダと玄米ごはんですませました。ちなみに、イタリアのレストランでは、サラダにレタス以外にもトマトなど他の野菜が加わったものを、insalata mista(ミックス・サラダ)と呼び、これにさらにたんぱく質を含むチーズ、ゆで卵あるいはスモーク・サーモンが加わった場合は、店独自の名前をサラダにつけたり、あるいはinsalatona(直訳は「大型サラダ」?)と呼んだりしています。

 旅行中に食べ過ぎて、おなかがもたれたり、夜遅くにピザ屋に行ったりしたときに、わたしがよく頼むのが、このinsalatonaで、パンもついてくるので、野菜もたんぱく質類も、そして穀類もバランスよくとることができます。

 我が家では、夫も昼食を取るときは基本的にパスタを作りますが、夕食ではセコンドと野菜料理を用意し、夫はパンと、わたしは玄米ごはんと食べるようにしています。時にはリゾットやチャーハン、巻き寿司などを作るので、そういうときには夫もごはんを食べるのですが、白米や玄米のごはんだけを食べることには抵抗があるようです。週に1、2度は、たんぱく質の豊富な豆類のスープをセコンドの代わりに食べるのですが、そう言えば、夏は暑いので、最近は豆スープを作っていませんでした。

 どうも話がそれましたが、今晩のハンバーグもモヤシ入りにして、できるだけ早くモヤシを食べてしまって、モヤシ栽培に移り、皆さんに結果をご報告できたらと思っています。

Articolo scritto da Naoko Ishii

「この記事いいな」と思われたら、クリックをお願いします。
Cliccate l'icona con la campanella se vi è piaicuto l'articolo.
 人気ブログランキングへ

こちらもクリックして、応援をいただけるとうれしいです。
Sarei contenta se mi incoraggiaste cliccando anche l'icona con il mare.
 にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
    にほんブログ村

by milletti_naoko | 2010-09-08 17:30 | Gastronomia | Trackback | Comments(2)

朝顔とテラスの夕食

 庭のテラスに、夫が竹と鉢植えのジャスミンを利用して作り上げたアーチについては、以前にも写真でご紹介しました。(記事はこちら

f0234936_23553745.jpg

 そのジャスミンが植わる土に、夫が朝顔の種をまいたのですが、最近になって、ようやくこの朝顔の花を、毎朝楽しめるようになりました。

f0234936_23562319.jpg

 遅咲きのジャスミンの花が終わった頃から、ちょうど朝顔の花が美しく咲き始めました。さわやかな空色の花が、白く縁取られた淡い緑色のジャスミンの葉と、やさしく調和しています。

f0234936_23564827.jpg

 椿やアジサイ、桜と並んで、朝顔も懐かしい日本を感じさせてくれます。小学校の宿題で植木鉢に育てた朝顔、その観察日記を毎日書かなければならなかった朝顔は、赤かったような紫色だったような。いずれにせよ、淡く優しいパステル・カラーの朝顔は、わたしが認識していた「朝顔の色」の中にはなかったので、少し意外でした。

f0234936_23571071.jpg

 空のように、そして湖の水面のように淡いこの色が、わたしも好きです。イタリアでも、夏には、朝顔で垣根を覆っている家を時々見かけます。ただ、この場合も赤・紫・紺と色が鮮やかな場合が多く、木の格子に絡ませたり、緑色の鉄網の塀に絡ませたりしてあることがほとんどです。

f0234936_23575017.jpg

 竹とジャスミンでアーチを作り、さらに淡い空色の朝顔で飾った夫の、その独創性と和洋の様式を巧みに組み合わせた技に敬服。この優しい色に囲まれたテラスで、もっと時間を過ごしたいところですが、蚊がとても多いので、今のところは、もっぱらアイスクリームを二人で食べるときに活用しています。

f0234936_23591915.jpg

 去年の夏は、もっとしばしば食事をテラスで取りました。風が通って涼しいし、外のおいしい空気や眺めも楽しめます。手前の料理は、ナスとズッキーニを薄切りにして、グリルで網焼きにし、塩を振り、パセリとニンニクをみじん切りしたものを散りばめた上から、オリーブ・オイルをたっぷりかけたものです。準備するのに時間はかかりますが、長く保存もできるし、畑から採りたての旬の野菜のおいしさを十分に味わうことができます。

f0234936_00141.jpg

 こちらは、別の日に義父母を招いて、一緒に夫手作りのピザを食べたときの写真です。ピザ作りにいそしむ夫の写真をご覧になりたい方は、こちらの記事をお読みください。

f0234936_003685.jpg

 9月になり涼しくなりましたが、まだつぼみもたくさんあります。夫に言わせると、夏の終わりは秋分の日だそうで、その夏が終わるまでに、まだまだ朝顔が、涼やかな空色の花で、目を楽しませてくれそうです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

「この記事いいな」と思われたら、クリックをお願いします。
Cliccate l'icona con la campanella se vi è piaicuto l'articolo.
 人気ブログランキングへ

こちらもクリックして、応援をいただけるとうれしいです。
Sarei contenta se mi incoraggiaste cliccando anche l'icona con il mare.
 にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
    にほんブログ村

by milletti_naoko | 2010-09-07 17:03 | Fiori Piante Animali | Trackback | Comments(0)


日本語教師・通訳・翻訳家。元高校国語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより


by なおこ

プロフィールを見る
画像一覧

Chi scrive

Naoko Ishii
Insegnante di
Giapponese & Italiano
Interprete Traduttrice
IT-JP-EN Fotoblogger
Pellegrina @ Perugia
Umbria, Italy

Per Lezioni, Servizi di
Interpretariato,
Traduzioni, contattate
via email.

- CV e contatti
- Twitter
- Facebook
- Instagram

I miei articoli su Japan-Italy Travel On-line↓↓
Perugia Lago Trasimeno Assisi Montefalco Oli d’Oliva & Trevi Gubbio Piediluco Terremoto Centro Italia

Mio articolo su
Huffingtonpost.jp
- Tre settimane dal Terremoto Centro Italia   

*Giù in basso
Categorie in italiano


Copyright©2010-16
Fotoblog da Perugia
All rights reserved

イタリア、ペルージャ在住。
日本語・イタリア語教師、
通訳、翻訳、ライター。

イタリア語・日本語の授業、
産業・会議通訳、観光の
同行通訳、翻訳、イタリア
旅行・文化・イタリア語に
ついての記事執筆など
承ります。メール
お問い合わせください。

- 履歴・連絡先
- ツイッター
- フェイスブック
- インスタグラム
- イタリア語・イタリア文化情報サイト
- イタリア語学習メルマガ
- 多言語オンライン辞典
- イタリア天気予報
JAPAN-ITALY Travel On-lineメルマガに執筆↓↓
- 連載魅力のウンブリア



画像一覧

最新の記事

12か国語の外国語学習にも役..
at 2017-11-21 23:47
二日月白くきらめく夕焼けの空..
at 2017-11-20 23:28
どんよりペルージャ とほほな..
at 2017-11-19 23:47
紅葉・白雪のラヴェルナ修道院..
at 2017-11-18 23:58
紅葉美しテッツィオ山、イタリ..
at 2017-11-17 23:58

記事ランキング

タグ

(614)
(527)
(336)
(287)
(219)
(190)
(166)
(158)
(147)
(137)
(137)
(120)
(114)
(100)
(93)
(91)
(88)
(68)
(52)
(33)

検索

以前の記事

2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
more...

カテゴリ

Famiglia
Feste & eventi
Film, Libri & Musica
Fiori Piante Animali
Francia & francese
Giappone
Gastronomia
Giappone - Italia
ImparareL2
Insegnare Giapponese
Inteprete Traduzioni
Lingua Italiana
Notizie & Curiosita
Poesia, Letteratura
Regno Unito - UK
Ricordi
Sistemi & procedure
Viaggi
Abruzzo
Emilia-Romagna
Lazio
Liguria
Marche
Piemonte
Puglia
Toscana
Trentino-Alto Adige
Umbria
Valle d'Aosta
Veneto
Via di Roma (RI-RM)
Cammino S.Benedetto
Via degli Dei(BO-FI)
Cammino di Santiago
Vivere
Altro

ブログジャンル

日々の出来事
語学

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

最新のコメント

アリスさん、よろい戸を閉..
by milletti_naoko at 04:56
nonkonogoroさ..
by milletti_naoko at 02:47
ドラム式の洗濯機なのでし..
by nonkonogoro at 16:09
なおこさん、桜色の空の色..
by ayayay0003 at 15:39
アリスさん、ミニメトロの..
by milletti_naoko at 00:27

お気に入りブログ

A piece of P...
フィレンツェ田舎生活便り2
彩風便り 
花が教えてくれたこと
イタリア・絵に描ける珠玉...
Facciamo una...
VINO! VINO! ...
SOL LUCET OM...
文殊の綴り絵
カッラーラ日記 大理石の...
黒い森の白いくまさん
イタリアの風:Chigu...
dezire_photo...
梨の木日記
PASQUARELLIの...
フィレンツェのガイド な...
ローマより愛をこめて
日々是呼吸
田園都市生活
英国発!美は一日にしてならず
Mrs.Piggle-W...
ひっそりと生きる
Osteria TiaL...
リカのPARIS日記♪
イタリアちゅうねん
トンボロレースと日々のこと
コントリ!(コントラバス...
IL PARADISO ...
アリスのトリップ
毎日の楽しいを集めてハッ...
ボローニャとシチリアのあ...
カマクラ ときどき イタリア
Can of Good ...
トスカーナの海より リボルノ編
ととやふくろう
40代の悪あがき日記
ミセス サファイア 静け...
小さな窓から
斗々屋ふくろう

外部リンク