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ラグデイで自然を学ぶ

 エミリア・ロマーニャ州立百の湖自然公園にあるラグデイの山小屋(Rifugio Lagdei)(詳しくはこちら)の周辺は、湿地帯で、さまざまな動植物が生息している上に、湿地帯から森林へと発達していく過程も観察することができるために、子供や大人が自然を学べる学習公園となっています。

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 山小屋のすぐ前に、五感を通じて湿地帯の自然を学べる散歩道(La Torbiera attraverso i sensi)があります。400mの小道が小川沿いに、森や野原を進んでいて、道の傍らに、時々自然について学ぶための学習看板が立っています。案内パンフレットに書いてあるとおり、まさに「誰でも楽に歩くことのできる自然を学ぶ散歩道」(Percorso naturalistico accessibili a tutti)となっています。

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 野原には、7月も半ばだというのに、まだラン(orchidea)の花が、そこかしこに美しく咲いていました。

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 このランの花についても、説明の看板がありました。

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 看板の右上には、イタリア語でこう書いてあります。「ランは熱帯の花だと、思い違いをしている人が多いけれども、実際には世界中に分布しています。自然公園にも、森の中から尾根まで、さまざまな品種のランが生えています。」

 花の絵の横に大文字で書いてあるのは、花の学名で、学名の下に小さい文字で、それぞれの品種が分布する場所が書かれています。

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 自然公園の森を覆うモミの木(abete)についても、モミの林の中に、学習看板がありました。説明によると、ラグデイの森に生える常緑樹は、ヨーロッパトウヒ(abete rosso)とヨーロッパモミ(abete bianco)であり、いずれも20世紀の初めに、森林の乱伐によって裸山になってしまった地域の森を再生するために、植えられたものだということです。この2種の木のイタリア語名、abete rossoとabete biancoは、直訳すると、「赤いモミの木」、「白いモミの木」であり、それぞれの木の幹の色を、言い表しています。

 自然公園の奥では、自生のヨーロッパトウヒとヨーロッパモミが、年数を経たブナ(faggio)に入り混じって、数世紀にわたって、豊かな森を形成しているとも、書かれています。

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 こうした針葉樹(conifere)の繁殖を助けるのが、リス(scoiattolo)だというのは、ご存じの方も多いことでしょう。リスが木の実をすべて食べてしまわずに、いくつかは地面に埋めて後で食べようと思うものの、埋めた場所を忘れるため、実が育って、ゆくゆくは大木になっていくわけです。看板のL’ignaro giardiniereという言葉は、リスが自分でも「気づかぬ」(ignaro)うちに果たしている「植木屋、庭師」(giardiniere)の役割を、言い表したものです。

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 ラグデイ(Lagdei)の平地は大昔、大きな湖に覆われていて、今はその湖が小さな池になってしまったものの、今でもその時の水分が土壌に残る湿地、泥炭地(torbiera)となっています。「五感を通じて湿地帯の自然を学べる散歩道」と名にもあるように、この散歩道の学習の目玉は、数多くの動植物が生息する泥炭地とその森林への変容であり、上の看板には、そうした学習のポイントが、分かりやすく図と共に解説してあります。

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 この池が、かつてラグデイの平地全体を覆っていた大きな湖の名残です。

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 ラグデイの山小屋の前には、小川がいくつも流れているのですが、上の学習看板は、この小川が、「盆地の表面にたまった水を、300km以上も離れたアドリア海まで運んでいくのです」と、説明しています。

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 美しい色の蝶もたくさんいて、その1羽が夫の左腕で、羽を休めたりもしました。

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 こんなふうに、泥炭地に生息する動植物や、泉・小川・湖という自然界における水の様々な在り方についても、説明があります。

 写真でもお分かりのように、平坦な歩きやすい道を行きながら、動物や植物について学べる場所ですので、お子さんが自然に親しむには絶好の場所です。花を眺め、鳥の鳴き声を聞きながら、散歩ができるので、高齢者の方にも、過ごしやすいかと思います。

 機会があれば、ぜひ訪ねてみてください。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-08-17 17:54 | Emilia-Romagna | Trackback | Comments(2)

ラグデイと聖湖

 ラグデイの山小屋(Rifugio Lagdei)は、アッペンニーニ山脈の山あい、標高1250mの高さにあります。パルマ川に注ぎ込む渓流の一つであるTorrente Parma del Lago Santo(訳すと、「聖湖のパルマ川」)の水源や泥炭地(torbiera)が近くにあり、周囲にいくつもの小川が流れる水の豊かな地域です。聖湖(Lago Santo)も近く、山道をしばらく登れば、見晴らしのすばらしいアッペンニーニ山脈の尾根にたどり着けます。

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 こうして、美しい山と川、そして湖に囲まれた場所であるため、ラグデイと聖なる湖は、国立トスカーナ・エミリア地方アッペンニーニ自然公園、州立百の湖自然公園の二つの自然公園に属しています。

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この池は、かつてラグデイの平地すべてを覆っていた湖の名残

 ラグデイの山小屋(1250m)から、聖湖(Lago Santo、1535m)までのトレッキングは、地図や観光案内には、「約1時間で誰でも楽しめる」と書いてありますが、わたしたちは、急な山道を、苦労しながら1時間半ほどかけて登りました。

 ラグデイの山小屋と聖湖を結ぶトレッキング・コースには二つあります。わたしたちは723A番コースを通って聖湖まで登り、727番・723番コースを下って、ラグデイの山小屋まで戻りました。

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 最初は、高い木々が立ち並ぶ森の中を歩きます。1時間半で300mの高さを登るために、坂道がだんだん急になっていきます。途中、わたしたちとは逆方向に散歩をして、聖湖から下ってくる人々に大勢あったのですが、中には、10歳くらいの子供もたくさんいました。

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 坂道を登りつめたあたりから、森を出て、石がごろごろと転がっている山道を歩くことになります。地図を見ると、地名もSassaia(意味は、「石(sasso)だらけの道」)となっています。

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 後ろを振り返ると、下方にたった今抜け出たばかりの森が見えます。遠くの山々も見えるのですが、霞がかかっています。水の多い地域だからでしょうか。高山だというのに、登っていると、蒸し暑さのために、汗が流れてきます。

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 石だらけの道に出くわしてから、さらにしばらく歩いたあと、ようやく聖湖(Lago Santo)が見えてきました。山の高みにあり、山と木々に囲まれた広い湖には、神秘的な雰囲があります。湖の名前ですが、「サント湖」と訳してしまうと、人々がこの湖に寄せてきた思いが表現できないような気がするし、「聖なる湖」と訳しては、固有名詞らしくないため、この記事では、「聖湖」と訳しています。

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 澄んだ湖水が、日の光にきらめいています。湖畔は水が浅いのですが、最深部では水深が約22.5mに達すると、イタリア語版、Wikipediaの解説(リンクはこちら)にあります。

 同じくWikpediaによると、このパルマ県の聖湖は、面積が81,550 m2で、エミリア・ロマーニャ州で最も大きな氷河湖(lago glaciale)であり、かつ、アッペンニーニ山脈北部にある天然湖(lago naturale)としても、最も大きい湖だということです。ちなみに、氷河湖は、氷河が削り取った地面のくぼみに、氷河が後退して解けたあとに、形成される湖です。聖湖は今でも、12月から4月にかけては、数メートルの厚い氷に覆われるそうです。

 実は、聖湖(Lago Santo)は、同名の湖が、エミリア・ロマーニャ州のパルマ県にも、モデナ県にもあるために、この二つを区別する必要があるときには、それぞれ、Lago Santo Parmense、Lago Santo Modeneseと、「パルマの、モデナの」という形容詞をつけて呼びます。

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 聖湖の湖畔には、G・マリオッティの山小屋(Rifugio G. Mariotti)があって、食事を取り、宿泊をすることができます。暑い日で、アイスクリームがほしかったのですが、ないとのことで、代わりにケーキを食べました。この手作りらしいアーモンド・ケーキ(torta alle mandorle)が、思いがけずとてもおいしかったのを覚えています。

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 こちらは、山小屋(rifugio)の前からの、聖湖の眺めです。湖畔から、さらに200メートルほど山道を登れば、アッペンニーニ山脈の尾根を歩むトレッキング・コース、il sentiero CAI 00に合流して、すばらしいパノラマを楽しむことができるということです。

 連日チンクエ・テッレを長時間散歩した(記事はこちら)翌日で、わたしが疲れていたこともあり、わたしたちは、山登りをここで中断し、ラグデイの山小屋まで引き返すことにしました。

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 聖湖の北岸は、こんなふうに木々に覆われています。

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 来たときとは別の道、723番コースを通って、山を下り始めたときに、出くわしたのが、こちらの蛙です。その名は、 ヨーロッパアカガエル(rana temporaria)。高い山の森に住んでいるけれども、見かけることが難しいんだ、と蛙との出会いを喜んだ夫が撮影したのが、上の写真です。

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 ラグデイの山小屋近くに、この蛙の説明が書かれていました。夏は落ち葉の間、冬は泥の中で過ごす習性を持つとのことです。

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 聖湖から723番コースを降りていくと、やがてトレッキング・コースの分岐点(bivio)に出くわします。私たちは、右の727番コースを下って、ラグデイの宿まで戻ったのですが、道の傾斜が急である上に、石がごろごろしていて、歩くのは大変でした。上の写真は、降りて来た山道を、振り返って撮影したものです。CAI(Club Alpino Italiano、イタリア山岳クラブ)のトレッキング・コースは、こんなふうに、木の幹や大きな岩に、赤と白の大きな横線を引いて、コースの道しるべにしています。

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 昼食後、部屋でゆっくり休んでから、午後4時ごろに聖湖を目指して山を登り始め、湖の周囲を散策したり、景色を楽しんだりしてから宿に戻ると、もう午後7時近くになっていました。

 夕食は午後7時半。朝食・夕食つきの宿泊の場合は、メニューに並ぶ前菜・プリモ・セコンドの中から、自由に二つ選んで食べていいということでした。料理はどれもとてもおいしかったのですが、量が非常に多かったので、小食のわたしたちには一品で十分で、たくさん残して、申しわけない気持ちになりました。野菜を十分に取りたいという方には、豆類とたっぷりの野菜をじっくり煮込んだ料理があって、こちらがおすすめです。

《参考》
・ラグデイの山小屋の宿泊・食事情報
 ⇒記事、「百の湖自然公園1」の後半(リンクはこちら
・ラグデイの山小屋前にある自然学習公園
 ⇒記事、「ラグデイで自然を学ぶ」(リンクはこちら
・百の湖自然公園
 ⇒記事、「百の湖自然公園2」(リンクはこちら

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-08-14 18:15 | Emilia-Romagna | Trackback | Comments(0)

百の湖自然公園を訪ねて2

 イタリアを半島を南北に貫くアッペンニーニ山脈(gli Appennini)は、豊かな自然に恵まれているため、自然公園がたくさんあります。国立トスカーナ・エミリア地方アッペンニーニ自然公園(Parco Nazionale Appennino Tosco-Emiliano)も、そうした自然公園の一つです。この自然公園の北西部には、山あいに湖が多いため、州立百の湖自然公園(Parco Regionale dei Cento Laghi)があり、その領域は、国立公園と微妙に重なり合っています。

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大ざっぱに公園の重なりを図示しましたが、実際にはどちらの自然公園も、四方に細長く枝分かれした部分がいくつもあります。

 「百」(Cento)は湖の実際の数ではなく、湖がたくさんあることを意味しています。数多い湖のうち、わたしたちが7月の旅行で訪れたのはごく一部ですが、今回は、その湖を、写真でご紹介します。

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 こちらは、 Lago Santo。santoは「聖なる」を意味しますから、「聖なる湖、聖湖」と訳しておきます。この湖は、ラグデイの山小屋(Rifugio Lagdei、記事はこちら)の近くから、山道を歩いて、1時間半ほど、登ったところにあります。

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 傾斜が急なところもあり、歩きにくいのですが、苦労して登ったかいがあって、山に囲まれた湖は美しく、ほとりには、宿泊と食事ができる山小屋もあります。(聖湖についての記事は、こちら

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 こちらは、ラゴーニ(Lagoni)にある二つの大きな湖(Lagoni)の一つです。地名も、この大きな二つの湖と同じで、ラゴーニです。上の写真の湖は、道路のすぐそばにあるので、車でも行くことができます。湖のすぐ近くに、食事・宿泊ができるラゴーニの山小屋(Rifugio Lagoni)もあります。
 
 一方、もう一つの湖は、上の湖のすぐ近くなのですが、湖の脇を通る山道を歩いて行かないと、見ることができません。

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 道路脇の湖の左手にある小道を行くと、急な登り坂が続いたあとに、奥にあるもう一つの湖が見えてきます。(上の写真)

 ラゴーニの南東にあるプラート・スピッラ(Prato Spilla、1351m)から、山道を登ってアッペンニーニ山脈の尾根を行くと、その途中、あるいは尾根から、いくつもの湖を見ることができました。

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 最初に出会ったこのマルティーニ湖(Lago Martini)で、わたしは足を水に浸して疲れを取り、夫は一泳ぎしました。

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 見晴らしを楽しみながら、アッペンニーニ山脈の尾根を歩いていて、右手に見えてきたこの二つの湖は、コンピオーネ湖(Laghi di Compione)です。

 この二つの湖の近くには、とても小さな、名もない湖がありました。池と呼んだ方がいいかもしれないほど、小さな湖です。

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 コンピオーニ湖の周辺には、ブルーベリー(mirtillo)が一面にびっしりと生えていて、足を一歩一歩進めるのが大変なほどでした。この湖から、プラート・スピッラへと引き返す途中に、遠くから見えたのが、下のヴェルデ湖(Lago Verde)です。

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 帰り道にも、再びマルティーニ湖の脇を通りすぎました。

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 まったく同じ湖なのに、別の道を通って、反対方向から眺めると、大きさも形も、かなり異なって見えます。どの湖も、山道を歩いて行って、違う高さや方向から眺めるたびに、少しずつ違って見えました。

 世界や世の出来事、そして人間も、きっと、少し角度を変えただけで、さまざまな姿が見えてきて、解釈が変わり得るのだと、当たり前のことを、改めて、つくづくと感じました。

 次回からは、百の湖自然公園でした様々な散歩について、詳しくお話していくつもりです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-08-14 00:55 | Emilia-Romagna | Trackback | Comments(0)

百の湖自然公園を訪ねて1

 7月10日、11日の週末に友人たちと共に、チンクエ・テッレを訪れた後(記事はこちら)、わたしと夫は、休暇の旅行を二人で続けるべく、国立トスカーナ・エミリア地方アッペンニーニ自然公園(Parco Nazionale dell'Appennino Tosco-Emiliano)に向かいました。

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 自然公園は、北西から南東へと細長く延びていて、北西部はエミリア・ロマーニャ州パルマ県、南東部はトスカーナ州ルッカ県に属しています。

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 上の絵と地図は、それぞれ、自然公園が発行した、『Un parco da scoprire』(訳すと、「ぜひ発見してみたい自然公園」)と題する観光案内と地図から借用しました。

 7月12日月曜日の朝、リグーリア州のホテルを後にして、まずは、自然公園の近くにあるポントレーモリ(Pontremoli)という町を目指して、車で北東に向かい、そこから、自然公園へと、少しずつ山道を登っていきました。
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 風景や花の美しいところがあると、車を止めて、眺めを楽しんだり、写真を撮ったりして、のんびりと進んで行きます。

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 このgarofaninoは、夫が好きな花の一つです。野山を歩いていると、大きさも色も、そして、模様や花の形もさまざまな、このgarofaninoをよく見かけます。

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 途中、カサリーナ(Casalina)という小さな村で、車から降りて、散歩をしました。緑の山の中に、赤屋根の並んでいる様子が美しくて、わたしたちの気に入ったからです。上の写真に見えるサン・マッテーオ教会(Chiesa di San Matteo)は、残念ながら閉まっていました。

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 カサリーナ村を通り過ぎてしばらく行ったところに、小川が勢いよく流れていました。

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 小川のすぐ近くには、果実の赤いニワトコ(sambuco)の木がありました。以前にも、アッペンニーニ山脈のどこか涼しい山の水辺で、赤い実でいっぱいのニワトコをいくつか見かけたことがあります。

 昼ごろになって、ようやく国立トスカーナ・エミリア地方アッペンニーニ自然公園(Parco Nazionale dell'Appennino Tosco-Emiliano)内に入りました。
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 写真は、公園の北東部に位置するラグデイの山小屋(Rifugio Lagdei)です。自然公園の案内パンフレットがあり、地図やガイドブックも売っていました。

 国立トスカーナ・エミリア地方アッペンニーニ自然公園は、あまりにも領域が広いために、すべてを網羅した詳細な地図はなく、ラグデイ(Lagdei)は、この広大な自然公園の北西部にあります。そして、国立公園の北西部には、州立百の湖自然公園(Parco Regionale dei Cento Laghi)と重なる部分が多くあります。(記事の最初にある絵地図を参照のこと)そこで、わたしたちは、次の地図を7ユーロで購入しました。

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 ラグデイの山小屋では、食事も取れるし、宿泊もできます。昼食に夫が食べたのは、ジェノバ風ペストのテスタローリ(testaroli al pesto genovese)です。
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 もちもちしたパスタとペストがそれはおいしいと、夫は大喜びでした。

 わたしが頼んだのは肉料理です。

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 名前は覚えていないのですが、肉全体に味がしっかりしみわたっていて、とてもおいしかったです。

 飛び込みで宿を頼んだため、ラグデイの山小屋から少し離れたところにある、別棟の建物(下の写真)内にある大部屋にしか空きがありませんでした。
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 月曜日で幸い宿泊客も少ないため、二段ベッドが三つある大部屋を、二人だけで使えるようにしてくれました。トイレ・シャワーも共用で、本来は安い宿泊料金が、大部屋を二人だけで使うための追加料金が8ユーロ、シーツのレンタル代が二人分で10ユーロであったために、結局は、高くついてしまいました。

 ラグデイの山小屋は、車でないと行き着けないのが難点ですが、食事もおいしいし、景色がすばらしく、お子さんや高齢者の方がいても、ゆっくり自然を楽しめるところです。特に、大人数で、山でのんびり過ごしたいという方には、おすすめです。早目に連絡すれば、二人用、あるいは三人用の部屋を予約することも、可能です。

 ただし、山小屋のホームページ表紙(リンクはこちら)によると、土日だけは、年間を通じて開いているものの、毎日開いているのは、夏は6月15日から9月15日までで、冬は12月26日から1月6日までの二つの期間だということですので、ご注意ください。

 ラグデイの山小屋の宿泊情報(イタリア語のみ)へのリンクはこちらです。
Cfr. Link  Rifugio Lagdei – camere e tariffe

《参考》

・百の湖自然公園の湖の数々
 ⇒ 記事、「百の湖自然公園2」(リンクはこちら

・ラグデイからエミリア・ロマーニャ州最大の氷河湖、聖湖へのトレッキング
 ⇒ 記事、「ラグデイと聖湖」(リンクはこちら


Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-08-12 22:41 | Emilia-Romagna | Trackback | Comments(0)

散歩とキノコ

 キノコの話が出たついでに(記事はこちら)、山を散歩中に見かけたキノコの写真を、何枚かお届けします。姿が美しいからと夫が撮影したキノコです。

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 こちらは、昨年10月に、6日間で90kmを歩く巡礼の旅をしたときのものです。(記事はこちら)雨や霧のためにしめやかな10月の森では、あちこちで、さまざまなキノコを見かけました。
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 実は、一緒に巡礼していたフランコたちがポルチーニ茸も見つけたため、宿泊した民宿で、夕食のパスタの具にしてもらって、食べたりもしましたが、残念ながら写真はありません。

 素人は、うかつにキノコに手を出さないのが一番で、食べられるキノコによく似ているけれども、有毒のものもあります。ある友人がかつてポルチーニ茸をたくさん採ったとき、似ていて芯だけ赤い別のキノコを、食べられないと脇に置いていたのに、奥さんがそうと知らずに、すべて一緒に料理してしまったことがあります。

 自分の意志に反して、大きな叫び声を上げ続けるという不思議な副作用のあるキノコで、食べた4人全員が、救急病院に駆けつけ、廊下で皆で大声で叫び続けたということで、今では笑い話として語ってくれますが、そのときは、本当に大変だったようです。
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 一方、こちらは、2008年3月8日に、夫と姪のアレッシアと3人で、ペルージャ郊外の栗林を散歩したときのものです。冬枯れした森の中で、キノコの赤が美しく映えています。
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 この栗林には、何百年も経たような大きな栗の木もいくつか生えています。
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 春がまだ遠く感じられる肌寒い日でしたが、こんな可憐な花も咲いていました。
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 日本庭園が好きな夫は、苔も好きで、美しいと思うと、さまざまな角度からシャッターを切ります。

 秋と冬の写真で、季節はずれではありますが、散歩をしていると、美しい風景や花以外にも、目を楽しませてくれるものがあるということをお伝えしたくて、書いてみました。

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by milletti_naoko | 2010-08-04 13:28 | Viaggi | Trackback | Comments(0)

高山は夏もキノコ三昧

 ウンブリア州では、ポルチーニを初めとするキノコの季節は概ね秋です。
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 たとえば、上の写真は、2006年の秋に、夫の弟、マルコが、友人とレスキオ(Reschio)で大量のポルチーニ茸(funghi porcini)を収穫したときのものです。

 一方、標高が高いため、夏でも涼しく、雨の多い地域では、6月から10月まで、かなり長い期間、キノコを収穫することが可能です。これまでに旅行やトレッキングで、しばしばアッペンニーニ山脈の、そうした地域を訪れました。
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 こちらは、2009年7月12日に、マルケ州のネローネ山(Monte Nerone)の山頂近くから、ピオッビコ(Piobbico)の村まで歩いたときの写真です。美しい見晴らしに目もくれずに、夫やフランコが夢中になって、何やら大きな白いものを集めています。そして、この白い物体は、野原のあちこちに散らばっています。
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 拡大した写真でお分かりのように、二人が集めているのは、20センチから30センチはあろうかという巨大なキノコです。夫が散歩中に、巨大キノコが密集しているのに気がついたのですが、写真でも、ここかしこに白い円形のものが散らばっているのがお分かりかと思います。

 こちらの写真では、フランコがこの巨大なキノコが虫に食われていないかどうか、丹念に点検しています。
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 このキノコは、ハラタケ(イタリア語では、prataiolo)と言って、実はテッツィオ山(Monte Tezio)の山頂(詳しくはこちら)近くにも生えていて、採って食べることもよくあるのですが、普通に見かけるものは、ずっと小さくて、Wikipediaにもあるように、直径5~10センチほどの大きさです。
 
 昔からハラタケをよく野山で採って食べていた義父母も、こんなに大きいものは見たことがなかったので、味がどうかを疑問に思ったほどなのですが、網焼きにして、パセリ(prezzemolo)、ニンニク、オリーブ・オイルと塩、こしょうで味つけをして食べると、ふつうの小さいものより、ずっとおいしかったです。

 7月の週末に友人たちとチンクエ・テッレ(記事はこちら)を訪れた後、休暇中のわたしたちは、その後も1週間ほど、アッペンニーニ山脈の小村を訪ねて回ったのですが、特にパルマ地方では、登山中に、大きな籠を背に背負って、ポルチーニを探す人々を見かけることが、しばしばありました。
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 このナヴェルト山(Monte Navert 、1654m)の頂上を目指して歩いていたとき、わたしたちは、単純に山登りを楽しんでいたのですが、何人もの方に、「キノコは見つかったかい。」と尋ねられました。

 レストランでも、ポルチーニを使った料理がたくさんある店が多く、しかも、普通はポルチーニを使った料理は他の料理に比べて値が高いのですが、こういう地域では、ポルチーニがふんだんに採れる間は、新鮮なポルチーニを使った、おいしいパスタや肉料理を、手軽な値段で、食べることができます。
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 こちらは、アプアーノ・アルプス(le Alpi Apuane)の小村、ヴァッリ・ディ・ソットのレストランで食べた、ポルチーニ・ソースを添えたスカロッピーナ(scaloppina ai porcini)です。ふんだんに使ったキノコの味が肉にもしっかり染み込んでいて、とてもおいしかったです。この村を散歩していた途中に、ポルチーニでいっぱいの籠を手にしたおじいさんに会ったのですが、籠にたくさんのキノコがあるにも関わらず、「今日は収穫が少ない。」と嘆いていました。
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 店の外に、たくさんのポルチーニを細切りにして並べ、日に干して乾燥させているところもありました。写真は、百の湖自然公園(Parco dei Cento Laghi)にあるラゴーニの山小屋(rifugio Lagoni)のテラスです。ラゴーニ(Lagoni)と呼ばれるのは、美しい大きな湖)がすぐ近くに二つあるからです。登山をしていて頼りになるのがこの山小屋(rifugio)で、食事や宿泊ができる上に、トレッキングに必要な地図が置いてあったり、登山の情報をくれたりします。
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 ちなみに、こちらがその二つの湖の一つで、山小屋のすぐ前にあるものです。もう一つの湖は、この湖の奥にあるため、しばらく歩いていかないと見えません。

 また、夏に採れる黒トリュフ(tartufo nero)も、収穫できる地域では、今の季節に新鮮な素材を使った料理を食べることができます。8月に黒トリュフの村祭りを行うところもいくつかあるようです。
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 こちらは、黒トリュフ・ソースのラヴィオリ。マルケ州の山間にある小村(詳しくはこちら)で6月に食べたものです。ソースはおいしかったのですが、ラヴィオリだと、中のチーズの味が強くて、黒トリュフの味を十分に感じられないため、夫と二人で、タッリャテッレ(tagliatelle)など、他のパスタを頼むべきだったと、少し後悔しました。

 今年7月の旅行中には、「黒トリュフ・ソースのパスタ」と言いながら、黒トリュフがほとんど目に見えないほどしか入っていないパスタを出すひどい店にも、行き当たりました。一方、この旅行の最後に立ち寄ったトスカーナ州、ベッチャ(Beccia)のレストランでは、店の主人が、たくさんの採れたての黒トリュフを見せてくれたりもしました。

 イタリアの高い山では、夏も新鮮なおいしいポルチーニの料理を食べられるところが、たくさんあります。

 昨年、7月下旬に訪れたアブルッツォ州のチェッポ(Ceppo)では、夏もふんだんにポルチーニが採れるために、ポルチーニを採りに来る客用に建てられたホテルがあったりしました。宿の主人の弟さんが、駐車場でポルチーニを見つけたり、わたしたちが友人と山登りをしている途中にも、いくつか見つけたりしたくらいです。
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 写真は、2009年7月20日に、チェッポ近くの山を登ったときのものです。グラン・サッソ(Gran Sasso)の巨大な岩の峰が、眼前にくっきり見えて、皆で感嘆しました。

 というわけで、夏に旅行でイタリアの山を訪れる際には、事前にポルチーニなどのキノコ料理がおいしい地域や店を確認してみてください。もちろん、現地で地元の人に聞いて、おいしく食べられる店を見つけるという手もあります。

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by milletti_naoko | 2010-08-02 12:45 | Gastronomia | Trackback | Comments(3)

チンクエ・テッレを歩く3 愛の小道 

 チンクエ・テッレの五村を歩いて訪れるトレッキング・コース、sentiero azzurro(訳すと「青い散歩道」)のうち、最も有名で多くの観光客が訪れるのは、最東端に位置するリオマッジョーレとその隣村であるマナローラを結ぶ愛の小道(Via dell’Amore)と呼ばれる散歩道です。
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 7月11日日曜日、早朝に最西端のモンテロッソ村を出発して、マナローラ村まで歩いてきたわたしたちは、昼食のあと、この名高い愛の小道を散歩しました。(ここまでの散歩については、こちら
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 マナローラ(Manarola)村の目抜き通りから、歩行者用のトンネル(上の写真はその入り口です)をくぐって、鉄道駅を通り抜けると、愛の小道(Via dell’Amore)の入り口があります。
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 景観の美しい愛の小道が始まるのは、この短い坂を登ったところなのですが、この入り口の脇で、係員が入場券の提示を求めていました。わたしたちは、愛の小道への入場もできるチンクエ・テッレ観光一日乗車券(詳しくはこちら)を提示しました。左上に見えるブーゲンビリアの花が、色も美しく見事です。
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 この愛の小道は、海に臨む断崖の岩を削り取って作ったもので、海と岸壁の眺めがことさらに美しく、また、平坦で歩道の幅が広い上に、手すりもあって、五村を結ぶ青い散歩道のうち、最も歩きやすいコースでもあります。
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 道を歩いてしばらくすると、要塞らしき大きな建造物に行き当たります。ちなみに、愛の小道は、この建造物の最上階、アーチのある部分を通り抜けます。

 建造物の中に入ると、かつてこの道を歩いたであろう恋人たちの愛の誓いが、たとえば落書きの言葉、そして、南京錠(lucchetto)という形で、壁や柱を飾っています。 
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 愛の誓いの南京錠は、フェデリーコ・モッチャの小説、『Ho voglia di te』(2006年)、そして、翌年に公開された同名の映画を通して、イタリアの若い恋人たちの間に一気に広まったものです。

 映画の中で、ヒロインは、主人公をローマのミルヴィオ橋に連れて行って、たくさんの南京錠に覆われた街灯を見せます。これは何だと尋ねる主人公に、ヒロインは、これはla catena degli innamorati(訳すと、「恋人たちの絆、鎖」)で、恋人たちが南京錠を取りつけ、鍵をテベレ川に投げ込み、それからは別れることなく、いつまでも一緒にいるのだと語ります。それを聞いて、主人公も、大きな南京錠を街灯に取りつけて、ヒロインと目を見合わせ、「per sempre」(意味は、「永遠に、いつまでも」)Iと言って、口づけと抱擁を交わすというのが、この恋人たちの南京錠ブームの発端となった場面です。興味のある方は、この1分あまりの映像を、YouTubeでご覧ください。リンクはこちらです。
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 恥ずかしがるわたしたちを、ぜひここで写真を撮らなければと説得して、撮影してくれたのは、友人たちです。背景には無数の南京錠と、口づけを交わす模型が見えます。通りかかった若い恋人たちに、マウリッツィオが写真を撮りましょうかと呼びかけると、喜んで誘いに応じた二人は、カメラの前で熱い口づけを交わしていました。「若いなあ。これが、ここであるべき写真撮影なのよね。」と、マヌエーラが妙に納得しています。
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 壁にも一面に、ハートマークと共に、恋人たちの名前・イニシャル、そして愛の言葉が書かれています。
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 青い海と岸壁の眺めが本当に美しい散歩道です。

 この愛の小道が生まれたきっかけは、鉄道の複線工事です。1920年代にマナローラとリオマッジョーレを結ぶ鉄道を複線にした際に、二村を危険にさらさないために、鉄道工事に必要な大量の爆薬を置く倉庫を、二村の中間地点にあたる海沿いの岸壁に設けたのですが、その際に、マナローラ村から倉庫まで、そしてリオマッジョーレ村から倉庫までたどり着くための小道も開かれました
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 その当時、マナローラ村とマッジョーレ村の間には、非常に長く、歩くのが困難な内陸部を通る道しかありませんでした。そのため、このこの二村は隣村どうしであるにも関わらず交流は皆無に近かったということです。鉄道工事が終了し、爆薬が取り除かれたあと、村人たちが、この小道を二村間の往復に利用することを思いつき、1930年代に入って、村が村人たちの支援を受けて、二村を結ぶ海沿いの小道を完成させました。
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 やがて、この小道が、恋人たちがよく訪れる場所になったために、誰かが道の両端の入り口に、石灰で、Via dell’Amore、「愛の小道」と記したのが、この名称の由来だそうです。ちなみに、実は、愛の小道完成前に、二村を結んでいた歩くのが難しい道も、リグーリア方言で、Viaeu de l'Amùu、つまり「愛の小道」と呼ばれていたそうです。以上の説明は、イタリア語版Wikipediaの「Via dell’Amore」の項を参考にしました。(ウェブページへのリンクはこちらです。)
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 小道の下方には、まぶしいほどに青い海が見えます。岩の上で日光浴をする人、岩間の青い海を泳いでいる人がいます。
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 やがて、小道は海を離れて内陸部へと向かい、リオマッジョーレ(Riomaggiore)駅が見えてきました。美しい眺めを楽しみながら、歩くこと、約30分。愛の小道の出口が近づいています。
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 愛の小道は、わたしたちが歩いたのとは逆向き、リオマッジョーレからマナローラまで歩くことも、もちろん可能です。写真の矢印は、リオマッジョーレ側からの入り口を示しています。帰りは電車を利用して、リオマッジョーレ駅から、レヴァント駅に戻りました。

 同じsentiero azzurro、「青い散歩道」の中でも、愛の小道と呼ばれるこの区間は、整備された平坦な1kmの道を30分ほどで、それは美しい景観を楽しみながら、楽に歩くことができます。他の区間では必要な登山靴(scarponi)も、この愛の小道を歩くには、不要です。チンクエ・テッレは、船の旅を利用して、海から五村の景観を楽しむこともできるのですが、特にご夫婦や恋人どうしで訪れる方は、この愛の小道だけでも、ぜひ歩いてみてください。

 足と体力に自信があり、日程に余裕がある方には、五村すべてを歩き通す(あるいは一部電車を利用する)ことも、おすすめで、電車や船で訪れただけでは見えない、美しい景色を目に焼きつけることができます。五村を歩いて訪れたいという方は、「チンクエ・テッレを歩く2」(リンクはこちら)を参考にしてください。
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by milletti_naoko | 2010-07-30 10:46 | Liguria | Trackback | Comments(4)

チンクエ・テッレを歩く2

 2日目、7月11日日曜日は、いよいよ、元来のチンクエ・テッレ(Cinque Terre)、つまり、海辺にそびえ立つ岩の上に築かれた五つの漁村を訪れました。(詳細と地図はこちら
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 上の地図で、赤色で囲んであるのがチンクエ・テッレの五村です。左(西)から順に、モンテロッソ・アル・マーレ(Monterosso al Mare)、ヴェルナッツァ(Vernazza)、コルニッリャ(Corniglia)、マナローラ(Manarola)、そして、リオマッジョーレ(Riomaggiore)。地図は、ヴェルナッツァの鉄道駅で見つけた地図の一部を借用して、わたしが書き込んだものです。割愛した部分には、チンクエ・テッレがユネスコ世界遺産に登録されていることも明記されていました。

 この日の朝、わたしたちは、モンテロッソよりもさらに西側にあるレヴァント(Levanto)駅から、始発の午前6時15分の電車に乗って、一駅あとのモンテロッソ駅に到着しました。当初の予定は、最西のモンテロッソから最東のリオマッジョーレまで、すべてを歩き通し、帰りは、リオマッジョーレからレヴァンテまで、電車で戻ろうというものでした。
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 こちらは、モンテロッソ・アル・マーレ(Monterosso al Mare)駅前に広がる砂浜・海岸で、奥の方にかすんで見えるのが、これからわたしたちが歩いて行く五村のある岩壁です。駅前のバールでコーヒーを飲み、午前6時40分頃に、このチンクエ・テッレ横断の旅を始めました。朝早く起きたのは、猛暑が続いていたために、午後になって暑くなる前に、散歩を終えたいと考えたからです。
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 岸壁沿いに設けられたトレッキング・コースを、美しい海や岸壁、砂浜を眺めながら、歩いて行きます。途中、二つ目の砂浜を通り過ぎた頃から、道がいつまでも続く上り坂となり、早朝で涼しいはずなのに、汗が流れてきます。
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散歩道は、下の細道ではなく、上方に見える手すりのある小道です。


 やがて、小道は急斜面に作られたブドウ畑のただ中を進むようになりました。
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 このブドウ畑が、昔はチンクエ・テッレの丘陵すべてを覆っていたようですが、今では、だれも世話をする人もない雑木林になってしまっているところも、ところどころにあります。この厳しい条件下で育てられたブドウから作るチンクエ・テッレのDOCワインの中でも、特に、チンクエ・テッレ・シャッケトラ(il Cinque Terre Sciacchetrà)は、その味わい深い甘さで知られる貴重なものです。

 時には花に囲まれた道を行き、ある時は片側が急な斜面である細い小道を、こわごわと進み、そして、しばしば、急な坂道を苦労して登りながら、海沿いの道を歩いて行きます。
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 ようやく岸壁に挟まれたヴェルナッツァの村が、まだ遠方ではあるものの、霞の中に見下ろせる場所まで来ました。前方に見えるのが下り坂だったので、「あとは下るだけ」と思って喜んでいたら、この後にも、まだいくつも上り坂が潜んでいました。

 ようやく、青い海に囲まれた美しいヴェルナッツァ(Vernazza)の村が見えてきました。
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 観光地図には、モンテロッソから徒歩で1時間45分と書いてあるのですが、足の遅いわたしが暑さと上り坂に苦しみながら、そして足を休めては写真を撮りながら歩いて来たために、ヴェルナッツァに着いたのは、午前9時頃。モンテロッソを出発してから、もう2時間以上も歩いていることになります。(追記:あとから、「徒歩2時間」と書いてあるガイドブックも見つけました。)

 ヴェルナッツァは、色とりどりの家が並ぶ町並みと青い海の美しさが印象に残りました。ちょっとした街角の家の造りがすてきなところが多く、壁に施したさりげない絵の装飾が、美しいところもありました。
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 ブドウ畑を背後に建つこの教会は、14世紀のものです。
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 内部は、荘厳な石造りとなっています。村には、修道院や11世紀以前建立と言われる塔もあって、時間があれば、もっとゆっくりと訪れたかったのですが、フランコたち友人は、早々に次のコルニッリャ村に向かって歩き始めています。

 わたしがすでに疲れ果ててしまっている上、五村間をずっと歩き通しては、友人たちを待たせ続けることになることから、次の村、コルニッリャでだけは、わたしと夫は、電車で行くことにしました。
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 海に面したコルニッリャ(Corniglia)駅に、電車で到着したのは、午前10時半。駅舎は、色鮮やかなブーゲンビリアの花で覆われています。

 実は、コルニッリャの村は高い丘の上にあり、電車はその丘のトンネルをくぐってから、コルニッリャ駅に到着しました。友人たちはまだ丘の上のコルニッリャ村の上にいるようですが、観光案内を見ると、村にはそれほど見所もなさそうです。引き返して丘へと登るのは骨が折れる上に、友人たちを再び待たせることにもなります。そことで、わたしたちは、コルニッリャ村は見ずに、このまま次のマナローラ村へと、一足先に出発することにしました。
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 断崖の上に設けられた小道を歩いて行くと、足を進めるたびに、少しずつ違う角度から、美しい青い海と岸壁を眺めることができました。岩の上に大きくすくっと伸びる緑のアガベ(agave)を見ると、厳しい自然の中を生き抜くこのアガベに自らを重ねて詩を詠んだ、リグーリア出身の詩人、モンターレ(Montale)を思い起こします。

 ちょうどこの辺りを歩いている頃に、友人たちがわたしたちに追い着きました。写真のアガベの左側に見える入り江に、海水浴のできるところがあって、夫と友人たちは、海辺へと降りる小道を下って、しばらく美しい青い海の中で泳ぎました。わたしは、ここで泳いでしまうと疲れが増して、この先歩くのがますますつらくなりそうなので、日陰を見つけ、腰を下ろしてゆっくりと休みました。

 上の写真の奥に見える岬の突端を曲がると、すぐに次の村、マナローラ(Manarola)が姿を現しました。
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 岩を降りて、青色のまぶしい海の中で泳いでいる人が大勢います。色とりどりの家々が整然と並ぶマナローラ村の美しさが、ブドウ畑の緑と海の青との対照で、いっそう際立っています。

 ちょうど昼食時だったので、村の中心街にあるレストランに入りました。
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 店の名前は、ワインボトルにもあるように、トラットリーア、ラ・スコッリェーラ(Trattoria La Scogliera)。トマトとカタクチイワシ、ジャガイモを三層に、サラダの上に並べたこのセコンドが、それはおいしかったです。残念ながら、料理の名前は覚えていません。

 さて、おいしい昼食に満足した後、これからどうするかを話し合いました。午後は暑くなるので、最後の区間、マナローラからリオマッジョーレまでは、歩くのを断念して、電車でレヴァントまで引き返すか、それとも、Via dell'Amore「愛の小道」として名高いこの区間は、他より短そうなので、最後まで散歩を続けるか。
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 せっかくここまで来たのだから、景観の美しいという愛の小道を歩くことに決定して、まずは、その入り口に向かいました。この愛の小道については、眺めの美しさ以外にも興味深いことがいろいろあったので、次回の「チンクエ・テッレを歩く3」(リンクはこちら)で、ご紹介します。

 チンクエ・テッレの五村を歩き通す海沿いの道筋は、 sentiero azzurro(訳すと、「青い散歩道、青いトレッキング・コース」)と呼ばれています。空の青と海の間を行く海沿いの道なので、こう呼ばれるようです。ちなみに、すべて歩き通したフランコは、眺めが最も美しくて、散歩していて楽しかったのは、最初の区間、モンテロッソ・アル・マーレからヴェrナッツァまでの散歩道だと言っていました。わたしたちが電車で移動し、友人たちは歩いたヴェルナッツァからコルニッリャの区間は、あまり見晴らしがよくなく、コルニッリャ村にも見るべきものが少なかったということです。
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 こちらが、今回わたしたちが、鉄道駅で購入したチンクエ・テッレ観光一日乗車券です。チンクエ・テッレの五村を含む、レヴァントとラ・スペッツィア(La Spezia)間の電車が乗り放題で、上記のsentiero azzurroを歩き通すためのトレッキング・コースへの入場料金や電車代を個別に払うよりもお得だということで、今回はこちらを利用しました。わたしたちは、今回は散歩に専念したので行きませんでしたが、博物館などにも無料で入場できるという特典があります。二日乗車券や三日乗車券もあって、一日乗車券に比べると、若干ですが割安になっています。

 最初に鉄道を利用する際に、駅の刻印機でカードに刻印するのをお忘れなく。刻印なしで利用すると、多額の罰金を払うことになりかねません。上の写真のカードでは、一番下に、逆向きにですが、11-7-2010 06.06(2010年7月11日、午前6時6分)と、利用開始日時の刻印があります。

 それでは、続き、「チンクエ・テッレを歩く3 愛の小道」(リンクはこちら)をお楽しみに。

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by milletti_naoko | 2010-07-28 10:50 | Liguria | Trackback | Comments(3)

チンクエ・テッレを歩く1

 7月10日(土)・11日(日)の2日間、リミニの友人たちと共に、リグーリア州にあるチンクエ・テッレ(Cinque Terre)を訪れました。海に面し、険しくそそり立った岸壁の上に小さな漁村が五つあり、急な斜面に苦労して作り上げたブドウ畑、青い海と岸壁が、それは美しい場所です。
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 上の写真は、この5小村の一つ、マナローラ(Manarola)で、左上の急斜面に、ブドウ畑が見えます。かつては、人々が厳しい生活を強いられていたこのチンクエ・テッレは、、現在では1年中多くの観光客が訪れる観光地となっています。

 狭い意味では、チンクエ・テッレは、下の地図で、赤色で囲んである五つの村です。
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WelcomeRiviera.itによる地図。レヴァントの観光案内所で入手。

 ただし、国立チンクエ・テッレ自然公園(Parco Nazionale delle Cinque Terre)は、この五村の南北に位置する海岸の町および内陸部も含むかなり広いものであり、上の地図で、緑色の斜線が引かれている部分です。

 1日目、7月10日土曜日は、夕方、レヴァント(Levanto)からボナッソラ(Bonassola)まで、海岸沿いを歩き、美しい海や岸壁の眺めを存分に楽しみました。レヴァントとボナッソラは、上の地図で青色で囲んである町です。

 こちらが出発地、レヴァント(Levanto)の海岸です。
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 チンクエ・テッレが、人気のある有名な観光地である上、この土曜日前後は、連日猛暑に襲われていたため、海水浴を楽しむ人が大勢います。

  この海岸沿いの道は、徒歩と自転車でしか通れないので、景観を楽しみながら、のんびりと歩くことができます。
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 レヴァントの砂浜はとても長くて、ここまで続いています。前方に写っているフランコと夫の間にトンネルが見えます。ボナッソラまで続く散歩道には、こうしたトンネルがいくつもあります。
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 こちらが、このトンネル(galleria)を歩いている様子です。トンネルの外は、太陽の光が焼きつけ、とても暑いのですが、トンネルの中に入ると、空気がひんやりとしていて、心地いい涼しい風が吹いています。道中時々現れるこの暗くて長いトンネルは、暑い中を苦しみながら歩くわたしたちに、一時の安らぎを与えてくれました。夫や友人たちは、大声を上げたり歌ったりして、声がトンネルの壁に響くのを楽しんでいます。

 手で壁を触れると、煤で真っ黒になることから、トンネル内をかつては汽車が走っていたことを、身をもって確かめた友人もいました。
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 トンネルを抜けると海が見え、岩浜で海水浴を楽しむ人々がいます。写真の右手には、まだレヴァントの長い砂浜が見えます。レヴァントを遠ざかるに従って、海水浴客も少なくなってきます。

 わたしたちも、泳ぐのにいい場所を見つけようと探しながら歩いているのですが、夫や友人たちに言わせると、まだ人が多すぎるということで、さらにボナッソラに向けて足を進めます。
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 海が青くて美しい上に、人の少ない場所を見つけて、夫とフランコ、マウリッツィオが、泳ぐのに適した場所かどうかを検討中です。男性陣は大いに気に入ったのですが、マヌエーラとわたしが、岸壁が急で降りるのが大変な上に、大きな岩がごろごろしていて、歩くのも泳ぐのも大変だという理由で、却下しました。正確には、マヌエーラの反対にわたしが同意したというところです。イタリア暮らしが長くなったものの、わたしはいまだに正面切って異議を唱えるのが苦手なので、一人では反対と言えなかったと思います。
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 散歩道、最後のトンネルから出ると、奥の方に小さく、ボナッソラ(Bonassola)の砂浜が見えます。散歩はもう終着点。この写真手前の岩浜が、海の色や景観が美しい上、泳ぎやすそうだということで、わたしたちが海水浴を楽しむ場所となりました。ひどく暑い中を歩いてきたので、海水の冷たさが肌に心地よく、海の青さと風景に感嘆しながら、しばらく澄んだ海の中を泳ぎ回りました。
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 こちらの写真も同じ岩浜です。散歩道をボナッソラ方面までさらに進んで、振り返って撮影したものです。岩が急で、ごつごつしているため、泳ぐ分にはいいのですが、濡れた体を乾かすために座る場所を見つけるのが大変でした。

 海水浴のあと、バールで冷たいものを飲んでくつろいでから、ボナッソラの町を散歩しました。
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 町に並ぶ家は色とりどりで、どれも柔らかい温色のパステル・カラーをしていてます。注意深く見てみると、おもしろいのが家の壁です。窓の周囲に、見せかけだけの枠や窓台を絵で描いてあるところがところどころにあります。上の写真で、奥に見える二軒の建物にも、そうした見せかけの窓枠や窓台が描かれています。

 上の写真には、キョウチクトウ(oleandro)の並木も写っていて、ピンクや赤の美しい花を咲かせています。

 ブーゲンビリア(buganvillea)の花も、町のあちこちで見かけました。
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 見事さに圧倒されたのが、こちらのブーゲンビリアです。気候が温かいのでよく育つのでしょう、大きく育ったブーゲンビリアが鮮やかな花を咲かせている庭や家が、そこかしこにありました。
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 写真の左手に教会があり、正面の建物の1階には、レストランがあります。ボナッソラの町では、散歩と共に夕食も取ることにしたため、町の散歩は、レストラン探しも兼ねていました。散歩中、最初に見つけたのがこちらのレストランだったのですが、「値段が高い」、「他を見てから決めよう」という意見があって、あちこち他のレストランも見て歩いた結果、結局は、このレストランで食べることにしました。

 パスタは今ひとつでしたが、カタクチイワシのマリネを始めとする前菜や魚料理は、とてもおいしかったです。

 帰り道は、道のりが長いため、疲れた体と足には厳しかったのですが、こだまの響くトンネルの中で、夫や友人たちに、「ほ、ほ、ほたる来い」の歌を教えたり、一緒に歌ったりもして楽しみながら、何とか最後まで歩き通すことができました。

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by milletti_naoko | 2010-07-26 14:20 | Liguria | Trackback | Comments(4)

猛暑対策と宿・レストランの選び方

猛暑対策と宿の選び方

 イタリア中部や山岳地帯にあって普段は夏でも涼しい地域では、一般の住宅や安く利用できるホテルに、エアコンがない場合がよくあります。

 2002年4月から半年わたしが語学留学していたマルケ州の小村では、親しい友人もできたので地元の方の家庭をたくさん訪れたのですが、夏がどんなに暑くても、エアコンのある家庭は一つもありませんでした。マルケ州を発ってから現在まで、8年近くも暮らしている、ここウンブリア州ペルージャでも、事情は似たようなものです。

 2005年秋に外国人大学を卒業して、同時に同学で日本語を教えると共に、夫と共に暮らし始めたのですが、それまでの3年間、わたしはペルージャで家を転々としました。ホームステイを6か月経験したあと、他の学生や社会人との共同アパート生活を、二つのアパートで、さらに、非常に小さいワンルーム住まいも経験しました。この中に、エアコンのある住居は一つもありませんでしたし、現在住んでいる二世代住宅にもエアコンはありません。

 義父母にせよ、わたしと夫にせよ、エアコンを設置・維持できるだけの経済力がないわけではないのですが、義父母に言わせると「夏は暑く、冬は寒いのが当たり前」であり、また、実際に、暑くても工夫を凝らせば、何とか快適に過ごせるのです。

 食物、旅行先、そして人生においても「自然」を大切に考える夫は、エアコンだけではなく扇風機にも目くじらを立てます。扇風機はとても安い値段で売っています。けれども、わたしにしても、仕事のため、学生の作文、授業プリントや試験問題、参考資料など、とにかく紙をたくさん机に並べ立てている場合が多いので、扇風機が回っていると、一々紙が飛ばないように注意しなければいけないのが厄介でもあり、結局、今のところは、扇風機も購入していません。

 それでは、どう工夫すれば、エアコンや扇風機がなくても、うまく猛暑を乗り切れるかをご説明しますが、これはイタリアで暮らし始めたばかりの方、あるいは暑い時期にエアコンのないホテルに滞在することになった方へのアドバイスです。すでに何年も暮らしている方にとっては、当たり前のことも多いかと思いますので。


1.早朝と夜寝る前の涼しい時間帯に窓をすべて長時間開け放して、涼しい空気を屋内に
 取り込むこと、

2.暑くなり始める午前10時頃には、屋内の窓およびよろい戸やブラインドをすべて閉め
 て、暑い空気や屋内を一気に暑くしてしまう日光が入らないようにすること、

に気をつけてください。

 1については、たとえばペルージャでは最高気温と最低気温にかなり差があるので、効果があるのですが、わたしたちが2週間前に旅行で訪れたリグーリア州では、この差がわずか3度くらいしかなく、こういう場合には、あまり効果が期待できません。

 旅行先の町ごとの最高気温や最低気温の天気予報については、メルマガ第8号の記事(リンクはこちら)を参考にしてください。

 2については、住んでいるのが広いアパートである場合も、一人部屋である場合にも、部屋の向きによって、事情が変わってきます。北向きの部屋は夏は1日中涼しく、日光が差し込むことがないので、朝・晩に涼気を取り込み、外気の方が暑くなってきたら窓を閉めることは必要ですが、よろい戸やブラインドを閉める必要はありません。

 というわけで、夏に短期の留学をして共同アパートで暮らすなら、涼しく過ごせる北向きの部屋がおすすめです。ただし、冬は日光が差し込まず、イタリアの家屋は得てして暖房効率が悪いため、寒さに苦しむことになります。

 わたしと夫が住んでいる家には、東・南・西に面した窓があります。それで寝ている途中、6時前後に目が覚めると、泥棒侵入の恐れのない場所については、窓およびよろい戸をすべて開け放してしまいます。これで、窓を開けた午前6時ごろには29度であった室温が、午前8時ごろには26度前後とかなり涼しく、過ごしやすくなっています。ただ、東向きの窓には、9時頃から日が強く差し込み、東側は暑くなるので、窓もよろい戸も閉めてしまいます。南向きの部屋は午後10時頃から外気の方が暑くなり、日光が差し込むために、窓とよろい戸を共に閉めてしまいます。一方、西向きの窓については、午前11時あるいはそのあとで、外気の方が暖かくなってきたなと感じる頃に、窓もよろい戸も閉めてしまいます。こうして日によって違いますが、夕方8時頃になって、外気の方が室温よりも低く、涼しくなった頃に、再び窓とよろい戸をすべて開け放して、空気を入れ替えるわけです。

 というわけで、夏語学学校に短期留学される方には、北向きだけではなく、東向きの部屋も過ごしやすいかと思います。というのは、日が部屋に差し込むのは、まだ涼しい、あるいは学校の授業がある午前中である上、窓とよろい戸を閉めておけば、それほど部屋が暑くなることがないからです。と言っても、ここまで申し上げたことは、周囲に他の高い住宅がない場合であって、たとえば、たとえ南向きの部屋であっても、30センチ離れたところに、他の高い住宅やビルが建っている場合には、日中に暑くなる程度がかなり軽減されます。

 そして、夏も冬も避けたいのが、アパートの最上階です。1階や中間階だと、地面や他の階に挟まれているため、寒さも暑さも軽減されるのですが、最上階は、夏は太陽がすぐ上の屋根に照りつけるので、非常に暑くなる上に、冬は、暖房効率が非常に悪く、暖房をつけてもなかなか温まりません。

 以上の部屋の向きについては、旅行中に、飛び込みで宿を探す場合にも、まずは部屋を見せてもらって、部屋の設備や窓の景色と共に、夏にはどの方角を向いているかを確認してください。エアコンのない西向きの部屋は、午後いっぱい強い日差しが当たりますので、外出時には、窓もよろい戸も閉めておくのが無難です。たとえ部屋にエアコンがあっても、南向きの部屋では、夕食後から部屋で過ごしてエアコンをかけ始めても、なかなか涼しくなりません。

 そして、旅行の際には、最も暑い時間帯は美術館などの屋内で過ごす、食べ過ぎに注意し、水を多くのみ、できるだけ野菜・果物を食べるなど、体調管理に気をつけてください。猛暑対策についての詳しい情報は、メルマガの第9号(リンクはこちら)を参考にしてください。

 特に7月、8月に旅行される方には、そして、そうでない方にも、イタリア旅行では、できるだけあらかじめ宿泊先を決めておかれることをおすすめします。

 インターネットであらかじめ調べれば簡単に分かるホテルの設備・サービスや料金の比較が、現地に行って、その場で飛び込みでとなると、難しくなります。近所にホテルだけが立ち並んでいるわけでもなく、重い荷物を抱えて、いくつも宿を訪ね、部屋を見せてもらって値段を聞いてから選ぶとなると、無駄に体力も使いますし、他にいい宿が安くあるのに、ひどい宿に高い料金を払って泊まることにもなりかねません。

 7、8月にはイタリアでは国内、外国からの観光客が多いため、手頃な値段で快適なホテルから満室になってしまいます。今月10日ほど夫と旅行をした際には、旅先で宿を決めたことが多かったために、そうと知らずにB&Bで狭いシングル・ルームに二人で押し込まれて、しっかりダブル・ルーム用の料金を取られたり、夕方なかなか空室のあるホテルが見つからずに、日暮れ前にようやく見つかったホテルの空室は、当日の朝かび取り作業が終わったばかりで、匂いもひどいし、掃除もできていなかった、などということもありました。

 そして、イタリア旅行のホテル選びに、とても便利なのが次のサイトです。

 Hotel Comparior(リンクはこちら

 何が便利かというと、宿泊したい場所・時期・人数などを入力すると、空室のある宿の一覧が分かる上に、Booking.com、venere.com、Expediaなど比較的安い宿も含む多くの宿泊先情報を有する複数のサイトで、同じ宿泊先の料金がそれぞれいくらになるかが、一目で分かるようになっているからです。これは、それぞれのホテル検索サイトで、一々同じ情報を打ち込むのに比べて、はるかに楽です。

 イタリア語だけではなく、英語やドイツ語、フランス語などにも対応しています。サイトの右上にある国旗のアイコンをクリックすれば、希望する言語で、ページを読むことができます。

レストランの選び方 ~ ぼったくり対策

 レストランについては、ウンブリア州では、値段も書かれたメニュー一覧を店頭に掲げている上に、席に着くと、給仕がすぐにメニューを持ってきてくれる場合がほとんどです。
f0234936_2115284.jpg

 たとえば、上のレストラン、Risotrante L'Osoは、トラジメーノ湖に浮かぶマッジョーレ島(詳しくはこちら)にあって、美しい眺めを楽しみながら、湖で獲れる魚の料理を中心としたおいしいものが、たくさん食べられるのですが、メニューと値段の一覧が、店頭に掲げてある上に、客が席につくと、給仕がすぐにメニューを運んでくれます。
f0234936_2181477.jpg

 おいしい魚料理を扱う店にしては、値段も手軽で、おすすめです。ただし、この値段表は昨年、2009年6月に撮影しましたので、現在は値上がりしている可能性もあります。友人たちとレストランで撮った上の写真は、やはり2009年の10月に撮影したものです。

 けれども、これまでに旅先で利用したトスカーナ州、ラッツィオ州のレストランには、客にメニューを運ばずに、給仕が口頭で、どういう料理ができるかを説明するという店もかなりありました。

 こういう場合、一品ごとの値段を聞くのも憚られるので、つい分からぬまま注文して、あとで多額の領収書を見て驚くこともあれば、単に毎日店で用意できるメニューが異なるのでメニューを置いていないだけで、おいしいわりに、料金が安かったり、良心的だったりする場合もあります。

 山中の小村のレストランでは、確かにメニューを常に多く用意し、客のあらゆる注文に応じられる新鮮な食材を確保するのも大変で、仕方のないところもあるかもしれません。

 ただし、本当は法律では、レストラン側は客に頼まれれば、メニューを提示する義務があることになっていますし、店によっては、メニューを客に出しておいて、「このうち、今日は、こちらとこちらは食べられません。」、あるいは、「こちらとこちらの品だけが準備できます。」というところもあって、その方が良心的だと思います。

 とにかく日本からイタリアに旅行される皆さんには、念のために、店頭にきちんとメニューと料金の一覧がある店を選んで入り、かつ、給仕に必ずメニューを運ぶように頼むことが、ぼったくり被害に遭わないために、大切かと思います。

 昨年ローマで起こったぼったくり事件の詳細とぼったくり対策については、メルマガ第15号「ローマのぼったくりレストラン」(リンクは こちら)と第16号「ぼったくり事件」その後 & ぼったくり対策の手引き」(リンクはこちら)で、イタリア語の記事を取り扱って、説明してあります。

 これからイタリアに、個人手配で旅行をしようという方は、ぜひお読みください。

 というわけで、エアコンの恩恵を受けるのは、試験日に大学を訪れる際やスーパーで買い物をするときくらいですから、幸い夏かぜの心配だけはまったくありません。うちの夫の働くウンブリア州庁の建物にしても、外国人大学の教室にしても、窓が非常に大きく、日ざしがたっぷり差し込むために、エアコンがかかっていても、暑さがなかなか退去しないという状況です。
Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-07-24 13:01 | Viaggi | Trackback | Comments(0)


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