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国境も世代も超えるドラえもん

 今日から教える、新しい生徒さんの息子さんが、日本のアニメはどれも知っていて大好きだという話になり、その例として、「頭の上に何か取りつけて空を飛ぶアニメも……」という説明がありました。わたしが暮らすのはイタリアで、この生徒さんも息子さんもイタリア人です。

 さっと頭にひらめいて、「ひょっとしたら、このアニメではありませんか。」と、

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ホワイトボードにさっと描いたら、「そうそう、それです。本物そっくりですね。」と、ほめてくれました。「え」を赤い丸で囲んでいるのは、ひらがなの「う」と「え」を、初めのうち混同していたからです。

 今から約40年も前の話ですが、当時小学生だったわたしや弟が、時々親に買ってもらっていた『小学四年生』、『小学一年生』などの雑誌に、ドラえもんの漫画が連載されていて、わたしも弟も楽しみにしていたように覚えています。幼い頃、夏休みには、毎年、母方の祖母が叔父と共に暮らす兵庫県の家に、母と弟・妹といっしょに、長い間滞在したのですが、ある年弟が、確か伯父が1巻からずらりとそろえていた『ドラえもん』の漫画を見つけて大喜びし、二人で夢中で読んだ、そんな記憶があります。弟自身がドラえもんの漫画をそろえ始めたのは、中学生だった頃でしょうか。

 わたしたちはドラえもんに、長い間そんなふうに漫画を通して親しんでいたため、アニメーション化はうれしかったのですが、ドラえもんの声を初めて聞いたとき、びっくりしました。わたしが漫画を読んで想像していた声とは、まったく違う声だったからです。そういうことは、小説の映画化やドラマ化でもあって、初めてシャーロック・ホームズのドラマをNHKで見たときも、わたしが本を読んで想像していたホームズとは、容貌も雰囲気もまったく違うので、驚きました。こんなふうに驚くたびに、本を読むとき、どれだけわたしたちが、文章や表現から自分なりに、主人公の風姿や町や自然の描写を、自分の経験や知識から、自分なりに想像して作り上げているかということを思うのです。

 閑話休題。ドラえもんに人気があることは、イタリアでもしばしばアニメが放映されることから知っていましたし、ドラえもんは、教科書の『みんなの日本語』にも取り上げられています。今日の授業で、生徒さんの息子さんがドラえもんのファンと知り、わたしたちの叔父の世代もドラえもんが好きだったことを思い、ドラえもんには、世代も国境も超える魅力があるのだとつくづく思いました。ドラえもんと言うと、わたしがすぐ思い浮かべるのは、「夏休みが終わるのに、宿題に手をつけてない」と、ドラえもんに泣きつくのび太の姿です。しなければいけないことを、ついついぎりぎりまで先延ばしにしてしまう。そういうことは、国を問わず、往々にしてあることなのでしょう。そういうとき、だれか助けてくれる人がいればと願う気持ちは万国共通で、でも、そういう小手先の他人・文明の利器に頼った手段では、結局本当の解決にはならないという教えは、世界のどんな国の子供にも役に立つことでしょう。けれど、役に立つとか教えがあるとか、そんなこととは関係なく、はらはらしながら読んで楽しめる。それがドラえもんのいいところかと思います。

 アニメも日本が誇る大切な文化です。こういうさまざまな文化的側面も、これからの授業でいろいろ紹介していけたらと思っています。いまだにのび太君と同様、締め切りが近づいて慌てることがわたしも少なくないので、ドラえもんから学んだことも、きちんと生活と人生に生かしていくべく頑張ります。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2017-03-20 22:15 | Giappone - Italia | Comments(6)

イタリアの地震、日本の地震

 昨年のイタリア中部地震に際する一連の報道では、地震発生以来、「自然が人間の営みや文化を破壊しているわけではない。アッペンニーニ山脈のこの周辺では、昔から繰り返し大きな地震が何度も起こっているのだから、そういう自然の営みを考慮し、そうした地震が起こっても崩れることのない、脅かされることのない町づくり、家づくりが大切なのだ」という言葉が、しばしば繰り返されています。

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Fiori & Monti Sibillini con neve
Castelsantangelo sul Nera (MC) 21/4/2014

 昨年8月末の地震から、ようやく復興に向けて息を吹き返した地域を、10月末にさらに大きな地震が襲い、被災地では今も広範囲にわたって、マグニチュード3以上の余震が続いています。当初から地震や原因となる活断層が広範囲にわたっているため、再び大きな地震が起こる可能性が起こる時期が、最初の地震から半年あるいは1年さえ続くかもしれないとされており、被災地ではようやく復興や再建に向けて動き出しつつあるものの、弱震とは言え、揺れが続く限りは、まだ用心が必要だと思います。

 知り合いの建築士が、1997年のウンブリア・マルケ地震に際して、教会などの耐震性のある再建を、従来の形や景観を損なわず、かつ安全や耐久性を保証できるような形で提案したところ、変更はそれほどではなかったのに、すべて却下されてしまったと言っていました。従来の姿や伝統を守ることも大切ですが、命や建物を守ることも大切であり、市町村の役場のそうした決断のために、今回の地震で被害を拡大させていないだろうかという疑問があります。

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 大切なのは地震の際でも、国の政策でも、何が最も大切かということだと思います。東日本大震災では、原発さえなければ、ここまで被害が拡大し、大地がむしばまれ、人々が大切な自らの命を脅かされることはなかったでしょう。冒頭のイタリアのニュース報道の言葉ではありませんが、そもそも日本も、昔からしばしば大きな地震が起こっている場所があちこちにあるのです。イタリアのニュース報道では、しばしば日本の耐震性のある安全な家づくり、町づくりをたたえています。ただ、地震が起こっても、それに対応し、人間も動物も、そうして大地も健やかに生きていけるためには、地震が多い国で原発を次々に再稼働させたりせず、原発などなくても、暮らしが成り立つような代替エネルギーづくり、あるいは、エネルギーを無駄に消費しない世の中づくりに取り組んでいくことが大切だと思います。

 先日、イタリアで多方面で活躍する作家のアレッサンドロ・バリッコが、テレビで質問に答えて、「本当におそろしいのは、国が建てる物理的な壁よりも、人々が心の中に築き上げる壁だ。」と言っていました。「あの人は…だから」と、宗教や出身国、肌の色や財産、性的指向などによって、人を偏見の目で見て差別するような社会に、ちょうど第二次世界大戦の頃に、欧米ではナチスがユダヤ人迫害を行い、日本では敵国を鬼畜扱いしていた、あの頃に逆戻りしているようで、偏った政治家の発言はもとより、一般の人の声を聞き、書かれた言葉を読んでも、不安を覚えることが増えてきました。人は生まれる国を選ぶことはできません。ミサイルが降り注ぎ、飢えや戦争に苦しむ国に生まれ育ち、あるいは、自国に残れば投獄され、拷問に遭って命を落とすという状況で、自国を離れるという厳しい決断をやむなく迫られた移民も多いはずです。不法移民と一口に言いますが、もともとそうして押し寄せる移民の多くに、亡命者として欧州に暮らす権利があり、ただ、その認定の手続きが遅く、また中には単に、イタリアに来れば楽に生きていると思い、犯罪に生きる移民もいて、そういう移民とひとくくりにされてしまいがちで、扇動的な政治家が、あえて移民問題を声高に訴えて、政治的に利用しているのです。

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 3月11日を振り返るとき、日本でもイタリアでも、そして世界中で、皆がより幸せに安心して暮らしていけるために、原発や心の壁を取り払うことこそ、世の動きが逆行する中、大切なのではないかと思う今日この頃です。

 写真は、昨年以来の一連のイタリア中部地震の震源地が点在するシビッリーニ山脈で、3年前の春に撮影したものです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2017-03-11 18:11 | Giappone - Italia | Comments(2)

明日イタリア有力紙で日本特集、アニメ・寿司・北斎など6頁

 イタリアの有力紙、『la Repubblica』の、明日1月29日日曜版の文化を紹介するRobinsonで、『Lezioni giapponesi』と題して、日本文化特集が、6頁掲載されるそうです。


 上記記事の見出しには、「寿司から村上春樹まで」とあり、副見出しを見ると、イタリア人を引きつける日本の美(il bello)と魅力(fascino)を特集してあるようです。

 具体的には日本文化のどういう面を紹介するのだろうと、本文を見ると、次のようにあります。

Dai film d’animazione al cibo, dai manga a Murakami agli haiku, dalle code per la mostra di Hokusai a Milano al boom di turisti italiani sono tanti gli aspetti [...]

 「アニメ映画から料理、漫画から村上春樹、俳句、ミラノの北斎展への行列に、イタリア人の日本観光ブーム」(「 」内は石井訳、一部意訳あり)

 執筆陣も、イタリア人・日本人とも興味深く(「吉本ばななが語る」とあるのは、執筆ではなくインタビュー内容かもしれませんが)、

Per gli amanti dei consigli brevi c’è anche il Giappone spiegato in dieci cose e otto parole.

 「短い助言が好きだという人のために、日本を十のものと八つの言葉で紹介してもいる」(同上)

とのことでもあり、いったいどんなふうに紹介しているのか、気になります。

 と言うわけで、今夜はもう遅いですが、明日は早起きして、新聞を買いに行くつもりでいます。

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Fiori di ciliegio al Tempio Todai-ji, Nara 2/4/2009

 記事を読むと、「花見」についても紹介しているようですので、東大寺で撮影した桜の写真を添えておきます。

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Cultura giapponese, domani 29/1/2017 sei pagine sull'inserto culturale di Repubblica!

"Dai film d’animazione al cibo, dai manga a Murakami agli haiku, dalle code per la mostra di Hokusai a Milano al boom di turisti italiani sono tanti gli aspetti" (Dall'articolo di Repubblica http://bit.ly/2jCzHkD)
Foto: fiori di ciliegio al Tempio Todai-ji, Nara 2/4/2009
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関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- 「花よりだんご」のイタリア人? (9/4/2010)
- 映画、『JAPAN MANGA』 ~ イタリア人旅行者の見た日本 (31/5/2010)
- 日本の魅力、再発見 (6/6/2010)
- 「日本がアジアの覇者に」 ~イタリアのニュース記事から (30/1/2011)
- 「ザッケローニ、日本、おめでとう!」 ~イタリアのニュース記事から2 (1/2/2011)
- 日本特集! 雑誌、『Meridiani』 2月号 (7/2/2011)
- 伊マスコミと地震報道1 (24/3/2011)
- 伊マスコミと地震報道2~日本人のわたしたちからの呼びかけ (25/3/2011)
- 天皇のスピーチ (31/3/2011)
- 伊マスコミと地震報道3~日本人のわたしたちからの呼びかけ2 (31/3/2011)
- 日伊の架け橋、アニメと漫画 (2/6/2011)
- 電車でおしゃべり1 (20/11/2011)
- 奇跡の国、ニッポン (4/3/2012)
- 日本、ワールドカップ一番乗り ~イタリアのオンライン記事から (6/6/2013)
- 日本健闘、惜敗するもイタリアで絶賛 (20/6/2013)
- 日本人観光客は (21/1/2015)
- 21世紀の独裁者 (26/1/2015)
- サムライ特集、Rai歴史番組で今日・明日放映 (8/2/2016)

参照リンク / Riferimento web
- Repubblica.it - Arte e Cultura - Robinson e le lezioni giapponesi, dal sushi a Murakami

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2017-01-28 23:59 | Giappone - Italia | Comments(4)

ハフィントンポスト日本語版ブログに私の「イタリア中部地震から3週間」の記事が転載されました。

 ハフィントンポスト日本語版から、イタリア中部地震後の現地の様子を寄稿してほしいという依頼が8月末にあり、ちょうど公私共に忙しかった上に、デスクトップが不調だったために、ようやく9月15日に書き上げ、同じ原稿をわたしのブログに掲載してもいいとのことだったので、まずは当日わたしのブログで発表し、それから、ハフィントンポストの方に投稿しました。

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 ハフィントンポストの記事へのリンクは、以下のとおりです。

- http://www.huffingtonpost.jp/naoko-ishii/italy-earthquake_b_12041844.html

 この3週間は、家をほどんど、あるいは完全に留守にした日も少なくなかったのですが、東京・大阪のラジオ局から、そしてこのハフィントンポストから依頼があったので、できるだけ正確で偏らない状況が伝えられるようにと、できる範囲で、テレビやオンラインのニュースで、地震情報を追ってきました。

 概況を正確に伝え、かつ情報が詳しいニュースをと、テレビでは、主にSkyTG24、Rainews24、Rai3およびTGR(Rai3のウンブリアの地方ニュース)で情報を収集し、インターネットでは、主なイタリア全国向けのオンライン新聞のほか、マルケやウンブリアなどの地方新聞のサイトも参照してきました。全国ニュースではほとんど取り上げられないウンブリアや、マルケのペスカーラ・デル・トロント、アルクワータ以外の被災地の様子や被害状況を知るためです。

 SkyTG24やRainews24は、名前のとおり、毎日ほぼ24時間ニュースを報道していますが、中でも昼12時や13時からの放映は枠が30分ではなく、1時間なので、可能な日は、アイロンがけをしたり洗濯物を干したり、はたまた昼食を取ったりしながら、ニュースを見ていました。発生直後から1週間ほどの間は、わたしが見た日には、ニュースの冒頭から地震情報が始まり、ニュース枠の大半が、各地の被害や救出状況にあてられていました。2週間目からは、ニュースの最初にしばしば別のニュースが入り、地震報道が10~20分と短くなりました。最近では、地震のニュースは5~10分ほどになり、まったく枠がないときもありますが、それでも1時間枠がある前述の24時間ニュースを扱うチャンネルのニュース報道では、最初の20分以内に、地震への言及があることが多い気がします。

 最近は悪天候がイタリアを襲い、テント村の被災者の苦難が増した上に、ノルチャなどでM4近い余震もあり、再び地震や被災地の様子も、ニュースで取り上げられるようになってきました。記事にも書きましたが、一刻も早く、まずは寒さや悪天候、余震を恐れず、安心して過ごせる住宅に、被災者の方が移れることを祈っています。

 デスクトップが使えない状況なので、上に配したハフィントンポスト記事の写真が小さく見にくくなってしまっています。ご了承くださいませ。

*9月19日(追記)

 今夜急にデスクトップが復活したので、パソコンが使えるうちにと、記事の写真を大きいものと差し替えました。

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Il mio articolo sul Terremoto Centro Italia su Huffingtonpost.jp:
http://www.huffingtonpost.jp/naoko-ishii/italy-earthquake_b_12041844.html
- Grazie mille per le fotografie, Cesare.
- Molti danni e disagi anche in molti paesi dell'Umbria e delle Marche di cui non parlano quasi mai i telegiornali nazionali, da Castelluccio di Norcia a Monteleone di Spoleto, da Amandola a Camerino...
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関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- イタリア中部地震から3週間、現況とこれから / Tre settimane dal Terremoto Centro Italia (15/9/2016)
↑↑ 転載された元の記事です。記事を書く際に参照したイタリア語のオンライン記事やProtezione Civileによる報告へのリンクも付しています。
- イタリア中部地震、震源と被災状況 / Terremoto Centro Italia (24/8/2016)
- 今晩午前1時半頃日本のラジオ深夜放送でイタリア中部地震についてお話します / Interviste sul Terremoto Centro Italia @ Programmi radiofonici giapponesi (1/9/2016)
- イタリア旅行情報サイトJAPAN-ITALY Travel On-line 緑満ち心に響くウンブリア 第8回 「イタリア中部地震状況とウンブリアの被害」 (15/9/2015)
↑↑ 記事の掲載は9月15日ですが、わたしが書き上げて原稿を送付したのは9月1日でした。
- 花の海、カステッルッチョ (29/7/2013)
- 奇跡の国ニッポン、ノチェーラ・ウンブラ復旧作業 (4/3/2012)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2016-09-17 23:59 | Altro | Comments(2)

サムライ特集、Rai歴史番組で今日・明日放映

 「Il Tempo e la Storia」というイタリアの歴史番組が興味深くて、時々見ているのですが、今夜、午後8時48分から、この番組で、日本の武士に焦点を当て、平安末期から現代までの日本の歴史が紹介されます。

Samurai: la casta guerriera #iltempoelastoria con Massimo Bernardini e il prof. Franco Cardini h.20:50 http://ow.ly/XAltz

Pubblicato da Rai Storia su Lunedì 8 febbraio 2016

 実は、今夜のRai Storia(54 ch)での放映は、今日の午後1時10分からRai3で放映された同じ特集の再放送です。わたしがイタリアで教えてきた、イタリア人の大学生や社会人には、日本の文化や歴史に興味がある人が多く、中には武士が好きで、日本に行ったら刺青を入れたいという若者もいました。けれども、これも友人・知人に聞いた話ですが、イタリアの学校で習う世界史では、日本は第二次世界大戦のあたりになってようやく登場していたそうです。そういう事情ですから、イタリアの人の日本の歴史についての知識は、現代のニュースや『七人の侍』、『ラストサムライ』、『座頭市』などの映画や、『子連れ狼』などのテレビ番組などを通して、漠然としたイメージを思い描いただけのものであることが多く、実は先日の友人宅の夕食でも、侍について聞かれて、苦労しながら説明しました。

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da www.facebook.com/raistoria/

 今日のサムライ特集は、昼食時にテレビをつけたら、たまたま放映していたのを、途中から見ました。個人的には、武士道や武士の生き方を、死の覚悟や名誉にばかり重点を置いて説明していることや、「武士道→名誉のための死→神風」という単純な公式で、歴史的事実をとらえていることが気になりました。平安末期から鎌倉時代にかけての武士の台頭から、いきなり江戸時代へと歴史が飛んでいるのも、どうかと感じたのですが、イタリア語で手に入る日本の歴史に関する史料はまだ少ないこともあり、番組で紹介されていた映像や本も、英語で作られたものやイタリア語訳がすでに存在するものだったこともあって、そういう中で、かなり検証を重ねた結果、作られた番組ではあるのでしょう。

 とにかく、日本の歴史というと、流れの中で武士と天皇をどう位置づけていいのかさっぱり分からないというイタリアの人が多い中で、武士について一面を誇張して取り上げているきらいはありますが、さまざまな史料を用いて詳しく語っているので、武士や日本の歴史に興味のあるイタリア人や、そういうお友達・ご家族がいる方にはおすすめです。

 午後8時48分からの放映を見逃した場合にも、遅くなりますが、同じRai Storia(54 ch)で、今夜午後11時51分、明日、午前6時7分、午前9時27分、そして、午後2時12分に、再放送があります。

 Raiが制作し、放映する番組の多くは、イタリアに住んでいれば、放映後しばらくしてRaiのサイトに映像が追加されてから、視聴することが可能です。ルイーザ・スパニョーリのドラマも、イタリアにお住まいであれば、インターネットで見られるのですが、そういうリンクの紹介は後にして、今は取り急ぎ、今夜のサムライ特集のご紹介をしておきます。

*追記(2月9日)
 初回放送から1週間は、イタリア国内であれば、上記のサムライ特集、『I Samurai la Casata Guerriera』を、オンラインで視聴することが可能です。リンクは以下のとおりです。最初に約30秒、Raiが挿入した広告があり、番組はその直後に始まります。
L'avete perso? Potrete vederlo da queto link (↓↓ )fino a domenica 14 febbraio.
- Rai.tv – Rai Replay – Rai3. Il Tempo e la Storia – I Samurai la Casata Guerriera
(Durata 00:45:43, Andato in onda il 8/2/2016)
Dalla pagina web, “Rai Replay. 7 Giorni di Programmi Rai da Rivedere”

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Stasera Speciale sui Samurai su Rai Storia (54ch) alle 20:48
- oppure potere vedere; oggi 23:51, domani 6:07, 9:27, 14:12
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2016-02-08 18:45 | Giappone | Comments(8)

イタリアで痛みをこらえちゃいけません

 病気やけがの場合は、かかりつけ医に診てもらって、検査や病院の専門医診療ができることになっても、そういう検査や診療は、ひどい場合だと数か月先まですでに予約で埋まっているいうことが、少なくないからです。高額の私費を投じて私立の検査や専門医の診療を受けるのであれば話は別ですが、イタリアの国民保健サービス(Servizio Sanitario Nazionale、SSN)を利用しようとすると、まずは検査の日を待ち、その検査の結果をかかりつけ医に見てもらってから、専門医の診療を手配してもらって、その専門医の診療日までまたかなり待たなければならなくなって、本当に必要なときに、診察や治療を受けることができないことになりかねません。

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Lago Trasimeno al tramonto @ Monte del Lago 31/10/2015

 精神的な苦痛の場合も、自分一人で抱え込んで、相手が察してくれるだろうと期待せず、だれかに何かをされて嫌だったり、こうしてほしいと思うことがあったりしたら、それを感情を爆発させずに、相手に伝える必要があります。日本人は、自らの感情や思いを直接言葉や表情などで表現しない傾向があり、文化的に真情の暴露が厭われる場合が多いために、思いを抑えこんだり、極めて婉曲的・間接的に表現したりする傾向が、世界の多くの文化や民族の中でも、極度に高いということが、比較文化学でも人類文化学でも言われています。

 ただ、日本という枠を飛び出して、イタリアという異国にいるのですから、「日本ではこうだから」と、別の慣習や行動パターンを持つイタリアの人々に対して、日本でと同じようにふるまって、「察する心や配慮に欠けて、分かってくれない」と憤るのは見当違いであって、「日本人は、国民性として、自分の希望や思いを率直に表現できない傾向があるのだ」ということを親しい人には告げて、知ってもらった上で、なおかつ、「これはこうしてほしい」、「これは嫌だ」という点は、相手と場にもよりますが、はっきりと相手に伝える必要があります。

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 わたしは日本に暮らしていた頃は、教員という職業柄もあり、また勤めた二つ目、三つ目の高校は教員の平均年齢の若い学校で、若手でも意見を言いやすく、校長や課長・主任が耳を傾けてくれたということもあり、日本人としては、自分が思うことをはっきりと口にする方だったと思います。実際、職員会議でよく発言をしていたために、校長からは、「石井さんは時々小石を投げるからね」と笑いながら言われたことがあります。その頃、ちょうど受験対策として理系クラスの現代文の、ただでさえ少ない授業時数を減らそうという動きがあって、わたしは、「国語はすべての教科の力、思考力、生きる力の土台となる」という考えから反対を唱え、でもそう述べたのでは受験に焦点を絞りすぎた先生たちには伝わるまいと、「小論文で述べる力も、理系科目の授業内容を理解する力も、国語、現代文の力がなければ培われません。」とか、「理系の優れた力があっても犯罪を犯してしまった事件でも、国語を通して、読む力、感じる力、自分自身の頭で善悪を判断する力を培うことをせず、理系科目にばかり力を注いたがために、せっかくの才能や知識を結局は犯罪につぎ込むことになったのではないでしょうか。」と、手を変え品を変え、異を唱えていたものです。

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 言いたいことははっきり言っているつもりであった自分が、実は婉曲的に表現することが多いことに気づいたのは、イタリアに暮らし始めてからです。イランの友人に何かを頼まれて断ったとき、まだ恋人だった頃の夫に映画に誘われて断ったとき、わたし自身ははっきりと断ったつもりだったのですが、夫や友人に言わせると、できない理由をいろいろと並べただけで、NOとは言っていないから、断られたとは思わなかったとのことです。イランのクラス仲間には、「どうしてあなたたち日本人ははっきり言ってくれないの」と、共通の日本の友人との間でもそういうことがあったらしく、非難されました。夫の誘いについては、「行けないって言ったのに、いつまでもしつこいな」とわたしはいらだっていたのですが、夫に言われて考えてみると、確かに、映画に行くのが難しい事情をいろいろと伝えただけで、映画に行けないとも行きたくないとも、言っていなかったのです。それは、日本では、はっきり断るのが失礼で、こんなふうに理由を述べて遠回しに「できません」と伝える慣習があるからです。こういう日本独特の文化的慣習については、後にイタリア語教授法の授業で学んだ上に、外国人向けの日本語の入門書にも説明があって、この点に配慮した作りになっています。『NOと言えない日本人』という著作はわたしが日本を発つ前から有名で、全国模試の現代文の問題文にも、取り上げられたりしていましたが、「NOと言っているつもりだったのに、実はNOと直接は言っていない自分」には、イタリアに暮らし、友人や夫とこういうやりとりを重ねる中で、意識するようになりました。

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 肩の痛みについての検査や専門医の診察も、わたしが、「かかりつけ医がそう言うのならば、言われた体操をしていれば治るだろう」とおとなしく話を聞くのではなく、もっと早くから「とても痛くて夜眠れずによく目が覚めるんです」、「体の動きが制限されてしまっているんです」とはっきり主張していれば、もっと早く受けられて、ここまでは悪化しなかったものと思います。幸い昨日キャンセルがあったようで、今日専門医の診察を受けたのですが、10日間のリハビリ体操を処方してもらったものの、なんと体操の空きがあるのは、来年の1月18日からなのです。

 過ぎたことは仕方ありませんし、世の中には、あるいは人間関係によっては、「言うべきではないこと」や「言ってはいけないこと」もあるのですが、そういうわけですから、特に親しい友だちや恋人、だんなさんとの間では、自分が思っていることは、きちんと言葉にして伝えていく、それがイタリアで、相手にも理解してもらい、こちらもしこりを残さず過ごしていくために、大切だと思います。

 肩も検査・専門医診察が遅れたために、悪化してしまい、花粉症対策で使わぬよう心がけていたステロイドの強い薬を、服用する上に、注入までせざるを得なくなってしまいました。自分自身の反省も兼ねて、皆さんにもどうか、必要なときには必要なことが言える勇気を持っていただけたらと思います。

 写真は、先日ご紹介した「桃色の湖」を見た、その同じ日に夕日が沈む頃の写真です。ふだんは穏やかな湖に、激しい風のために荒波が立ち、その波を見ながら、百人一首の次の歌を思い起こしました。

     風をいたみ岩うつ波のおのれのみ 砕けてものを思ふころかな   源重之

 激しい風に荒波が打ち砕ける様子に、自分の心をたとえて詠んだ歌で、この歌では、「風をいたみ」は「風が激しいので」という意味です。波が立っても美しいトラジメーノ湖を見ながら、「肩を痛み(肩が痛いので)」とパロディが作れないものかとふと考えたので、この記事にその波立つ湖の写真を添えています。

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Onde & Tramonto al Lago Trasimeno @ Monte del Lago 31/10/2015

C'è una poesia antica giapponese in cui un poeta innamorato
paragona il proprio cuore spezzato ai frantumi delle onde
sulla roccia dovuti al vento violento.
L'ho ricordata mentre ammiravo le onde del Trasimeno
che ha un altro fascino con forza e impeto.
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関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- 片づけと健康1、モンテカサーレの庵 / Eremo di Montecasale, Sansepolcro
- 片づけと健康2、整頓か痛みか猫か / Cinquecento & Frigorifero
- 肩ががたがた / Le gemme preziose nere
Lago Trasimeno
- 桃色の湖 / Rosa il Lago
- トラジメーノ湖に行こう、JITRA連載第2回/ Andiamo al Lago Trasimeno
- 春のポルヴェーセ島 / Passeggiata nell’Isola polvese

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2015-11-05 23:37 | Umbria | Comments(9)

日焼け、日本・イタリア

 イタリアでは従来、日に当たることは健康によいと考えられてきたため、日焼けした肌の色を健康的とみなす人が大勢います。日光を浴びることで、ビタミンDが生成されて、骨が強化されるのですから、そういう意味では、確かに日に当たることは大切です。ただ、日本では従来考えられ、イタリアでも最近マスメディアが伝え始めたように、日光はお肌の大敵でもあります。

 というわけで、わたしが夏に旅行先で帽子をかぶっていると、村のおばあさんたちから、「まあ、今日に当たらないで、いつ当たるの」と、驚かれるというか、忠告をしてもらうことがあります。

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Il Sole & il Lago Trasimeno, Sant’Arcangelo 20/8/2015

 そういう日伊の違いのために、困るのが、ファンデーション(fondotinta)フェイスパウダー(cipria)を購入するときです。わたしは、この数年、いつも薬草専門店(erboristeria)で買っているのですが、店の人にこちらの要望をしっかり伝えておかないと、わたしの肌よりもかなり濃い色や、日焼けしたってここまで褐色にはなるまいと思うような色を、本人たちは善意のつもりで勧めてくれることが多いからです。そうして、試しにつけてみるのはたいてい手なのですが、よく山歩きをしたり車で遠出をしたりするわたしの手は、顔よりもずっと日焼けしているため、要領をつかむまでは、後から家で顔につけてみて、あまりにも色が違いすぎるために、これは使えないというファンデーションやフェイスパウダーを買ってしまったことが、幾度かありました。

 イタリアでは、日焼けしていない肌を、青白い、顔色が悪いととらえる傾向があります。ですから、イタリアの店員さんは、よく焼けた色の方が健康的に見えるからと、こんなふうに、茶色っぽい色のフェイスパウダーを勧めてくれるのです。特に夏は、これから先、どんどん日に焼けて肌の色が変わるだろうと見込んで、商品を選んでくれるのです。けれども、特に山歩きの場合は汗をかくので無駄な抵抗と知りつつ、日焼け止めクリームを塗り、お日さまの下では帽子をかぶるわたしは、日焼けはもちろんしますが、店員さんたちが勧めてくれる化粧品の色になるほどまでは、日焼けしません。

 最近では、行きつけの店ができて、店員さんも、「あなたの好みがそうなら、仕方ないわね」と、わたしの好みにそったフェイスパウダーを勧めてくれるようになりました。おかげで、フェイスパウダーを買ったあとで、これは使えないとがっかりすることは、最近ではなくなりました。

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I Raggi del Sole
Noi giapponesi
li evitiamo con il cappello e la protezione solare,
perché i raggi ultravioletti invecchiano la pelle e tradizionalmente
in Giappone la bellezza femminile è associata alla pelle bianca.
Voi in Italia tendete ad amate il sole,
la bella abbronzatura piace a molti di voi,
è segno di una buona salute e sì il sole rafforza le ossa.
Dunque, in estate devo stare molto attenta nell'acquisto dei cosmetici. In Italia le commesse con una buona intenzione tendono a consigliarmi e portarmi i fondotinta e le ciprie di colore troppo scuro per i miei gusti e per la mia pelle.
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LINK
- 日焼け、日本語・イタリア語 / Colore della pelle abbronzata - Giapponese vs. Italiano
- 骨粗しょう症コラム - 第77回 骨を強くする三原則② (2013/9/20)
↑↑ ページの下方に「紫外線に当たることでビタミンDをつくることができる」ことを説明し、日光を浴びることを勧めています。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2015-08-23 22:25 | Giappone - Italia | Comments(6)

連載魅力のウンブリア

 イタリア旅行情報サイト、JAPAN-ITALY Travel On-lineのメルマガ、「イタリアへ行こう」で、ウンブリアの美しい名所を紹介する連載を始めました。連載は隔月、5回の予定で、第1回、2月15日の記事はこちらです。
⇒ 緑満ち心に響くウンブリア 第1回「ペルージャとっておき散歩コース」

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http://www.japanitalytravel.com/in_umbria/perugia.html

 ふだんからブログをご覧の皆さんには、おなじみの写真や場所も多いことと思います。同じペルージャの中心街やトラジメーノ湖、テッツィオ山を訪ねても、季節や天候、祭りの最中か否かなどで、町や場所の表情はがらりと変わり、また違った魅力があります。、ブログでは、同じ場所を何度もご紹介できるので、その日そのときに特にお伝えしたいことを記事にしていくのですが、ウンブリアに全体についての連載が5回では、ペルージャの中心街について語れるのは今回だけということで、では、わたしが最も皆さんに知ってほしいこと、訪ねてみてほしい場所はどこだろうと、内容をしぼりこむのに苦労しました。

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Centro storico di Perugia 5/4/2014

 第一回はすぐにペルージャと決めたのですが、字数も限られているため、どんなガイドにもあるような美術館や有名な芸術作品の説明ではなく、わたしが見て心が躍る、いつ訪ねても感慨深い、そういう美しい町並みの一角や風景、歴史を語る建造物を、取り上げることにしました。題名の「心に響く」には、そういう旅を皆さんにもぜひという思いも込められています。

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Monte Tezio, in fondo Lago Trasimeno 9/2/2013

 「緑満ち心に響くウンブリア」という連載名はまた、ウンブリア州の別称で、わたしのブログのアドレスにもなっているCuore Verdeを意識したものでもあります。cuoreは、「心、心臓、ハート、中心」、verdeは「緑、緑の」を意味するイタリア語で、ウンブリアがこう呼ばれるのは、緑が豊かで、イタリアの中心にあり、心臓の形をしているからだと言われています。

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Segnaletiche per pellegrini, Citerna 2/11/2013

 わたしはさらに、ウンブリアがイタリアの心、心のふるさとでもあるからではないかと考えています。というのは、イタリアの守護聖人である聖フランチェスコはアッシジ、ヨーロッパの守護聖人である聖ベネデットはノルチャに生まれ、共にウンブリア出身であり、また、自然が豊かで祈りや瞑想に心が自然に向かうこのウンブリアだからこそ、西方教会における修道制度の創設者と呼ばれる聖ベネデットや、自然や動物人々を愛し、清貧という原点に返ろうとした聖フランチェスコを輩出したのではないかと、思うからです。

 聖フランチェスコの足跡をたどって、ラヴェルナからアッシジを通り、ローマを目指す巡礼路は、ウンブリアを北から南へと縦断しています。聖ベネデットゆかりの地をめぐって、モンテカッシーノを目指す巡礼路も、ウンブリアの南にある聖人の生地、ノルチャを起点としていて、二人の聖人を慕って巡礼の旅に出る人は、年々増えていっています。連載では、こうした巡礼路についても、紹介したいと考えています。

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Lago Trasimeno, Monte del Lago, Magione 8/12/2014

 もちろん大好きなトラジメーノ湖や、電車やバスなどの公共の交通機関で訪ねることができる、ウンブリアの風情ある町の数々も取り上げるつもりでいます。

 せっかく機会をいただいたので、より多くの方にウンブリアの魅力を感じていただけるような記事を書いていけたらと考えています。

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Sul sito Japan-Italy Travel On-line
e nella loro newsletter per i giapponesi
interessati ai viaggi in Italia, usciranno
i miei cinque articoli bimensili sull'Umbria.
Il primo articolo presenta diversi bei luoghi di Perugia.
- Link per l'articolo - http://www.japanitalytravel.com/in_umbria/perugia.html
Senz'altro ci saranno il Lago Trasimeno​, il Monte Tezio e
belle citttadine dell'Umbria negli articoli futuri.
Spero di riuscire a trasmettere il fascino dell'Umbria ai miei connazionali.
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関連記事へのリンク
ペルージャを歩く / Visitare Perugia
- ペルージャすてき散歩1 / Passeggiata nel Centro di Perugia 1
- ペルージャすてき散歩2 / Passeggiata nel Centro di Perugia 2
- ペルージャ観光、地図とアクセス / Visitare Perugia e Umbria, Info sui trasporti pubblici
- ミニメトロでペルージャ満喫 / Muoversi a Perugia con il Minimetrò
- ペルージャ・ローマ間はバスが便利 / Autobus Fiumicino-Roma Tiburtina-Perugia-Assisi
- 町にも春が、ペルージャ中世の菜園 / Orto Medievale di San Pietro
JITRAメルマガ「イタリアへ行こう」掲載のわたしの連載記事について
- トラジメーノ湖に行こう、JITRA連載第2回 / Lago Trasimeno
- アッシジと聖フランチェスコ、JITRA連載第3回 / Assisi, San Francesco & Cammino
- うまし美しワインの里モンテファルコ、JITRA連載第4回 / Bella Montefalco
- 名産オリーブオイルと新オイル祭り、JITRA連載第5回 / Ottimi! Oli d’Oliva dell’Umbria
- 神父探偵と古代ウンブリア人の町グッビオ、JITRA連載第6回 / Gubbio, Città degli Antichi Umbri e di Don Matteo”
JITRAメルマガ掲載のわたしの記事 / I miei articoli su Japan-Itally Travel On-line
- 第1回 ペルージャとっておき散歩コース / 1. Bella Perugia
- 第2回 トラジメーノ湖に行こう / 2. Andiamo al Lago Trasimeno
- 第3回「アッシジと聖フランチェスコ」 / 3. Assisi e San Francesco
- 第4回「うまし美しワインの里、モンテファルコ」 / 4. Bella Montefalco, ottimi i suoi vini
- 第5回「名産オリーブオイルと新オイル祭り / 5. Ottimi! Oli d’Oliva dell’Umbria」
- 第6回「グッビオ 古代ウンブリア人と神父探偵の町」 / 6. Gubbio, Città degli Antichi Umbri e di Don Matteo

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2015-03-12 16:51 | Umbria | Comments(4)

21世紀の独裁者

 傲慢かつ高圧的な勢いで話し続けたあとで、ふと表情が改まり、穏やかな声でわたしたちに語りかける。そして、問いかける。

「わたしは独裁者ではありたくない。」
「あなたも時に、あなたの家族や友達に対して、独裁者ではありませんか。」

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Dal filmato di Yasumasa Morimura, “A Requiem: Laugh at the Dictator”

「わたしも独裁者、あなた方も独裁者です。
21世紀の独裁者は、悪人の面構えはしていません。
21世紀の独裁者は、幽霊のようなもので、だれも目で見ることができません。
わたしは独裁者ではありたくない。」

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Foligno, 24/1/2015

 日曜、フォリンニョの現代芸術センターに、日本の写真家、森山大道氏の展覧会を見に行くと、その階下でも、上に掲げた森村泰昌氏の作品のほか、日本・アジアの現代芸術家の短編映画が上映されていました。印象に残った作品がいろいろあったのですが、最近の世相も考え、今日はこの映像をご紹介します。Visioni del mondoという副題にふさわしく、世界(mondo)を独創的な切り口でとらえ、表現していました。

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 さまざまな短編映画が広い会場のあちこちで上映されているのを、移動しながら見たので、初めから見たわけではありません。最初、こうやって軍帽をかぶり、居丈高にどなっていたときは、日本人のわたしでも、しばらく耳を慣らせて集中しないと、何語で言っているのだか分からず、分かってみると、「おまえの母ちゃんデベソ」など、日本で耳にすることのある言葉を取り入れ、いろいろまくし立てているけれども、一貫する主旨があるわけでもないようです。それで、それだけしばらく聞いて、向こうに行ってしまった人も、残念ながら何人かいました。

 わたしも、これはいかがなものかと思いながら見ていたのですが、途中で軍帽を脱ぎ、そのとたんに、冒頭の写真のように表情も話し方も変わり、淡々と説く言葉が胸を打ちました。その独白は英語だったのですが、日本語のセリフはもちろん、英語のセリフもあまり理解できずに鑑賞していたであろう夫も、壁に貼られた説明を見て、感銘を受けたそうです。

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「独裁者になりうるのは、一国家や、一個人だけではありません。
流行や科学技術、多国籍企業、そして、自らがよりよく生き、世を渡っていくために、
たとえ間接的にであっても、他人を利用するすべてのもの、すべての人が、
独裁者になってしまう可能性があるのです。」
「わたしも独裁者、あなた方も独裁者です。
21世紀の独裁者は、悪人の面構えはしていません。
21世紀の独裁者は、幽霊のようなもので、だれも目で見ることができません。
わたしは独裁者ではありたくない。」
(以上二つは、上のイタリア語の説明に引用されたセリフを、わたしが訳したものです。)

 自らの利益さえ上がればよいと、環境の破壊や地域住民の命の安全を無視する企業、私利私欲のために、民の痛みが分からず、民の声を聴かず、突っ走る政治家たち。日本でも、イタリアでも、そうして世界でも、目に見えにくい独裁者を見きわめ、そうして一人ひとりの人々が自らの心に問いかけ、だれかや何かにとってだけ都合のいい世の中ではなく、皆が暮らしやすい世界を築き上げていきたいものです。

今回フォリンニョで上映されていたのは、次の映像で、森村氏ご自身が紹介されている作品の一部だと思います。いつか機会があれば、ぜひ全作品を視聴してみたいです。



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Dittatore del XXI secolo - dal video di Yasumasa Morimura,
"A Requiem: Laugh at the Dictator" (2007):

- "Anche voi, non siete dittatori a volte nei confronti della vostra famiglia e degli amici?"
- "Uno stato, non solo un individuo può diventare dittatore" e "possono trasformarsi in dittature le mode, le tecnologie, le multinazionali e tutti coloro che per vivere meglio sfruttano, anche indirettamente, altre persone."
- "Sono un dittatore anch'io. Siete dittatori anche voil.
Il dittatore del XXI secolo è un fantasma che nessuno riesce a vedere.
Non voglio essere un dittatore."
@Mostra presso il Centro italiano arte contemporanea 24/1/2015
*** Cerchiamo di riconoscere i dittatori e costruire un mondo migliore dove tutti vivono in pace senza sfruttare nessuno.
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LINK
- 「森村泰昌」芸術研究所 – なにものかへのレクイエム・独裁者はどこにいある
- Centro italiano arte contemporanea – Daido Moriyama. Visioni del Mondo
- 誘惑が多い睦月のウンブリア

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2015-01-26 12:37 | Film, Libri & Musica | Comments(4)

日本人観光客は

 先週の朝、学校で教職員会議があったので、バスに乗りました。始発のバス停で、「5分後に出発しますからね。」と、バスを降りて煙草をふかし始めた運転手さんと話をしていたら、運転手さんが日本をとてもほめてくれたので、うれしかったです。

 かつてヨーロッパで長距離運転をして、さまざまな国からの旅行者を乗せて走ったことがあるという運転手さんは、日本人観光客の礼儀やマナーのよさに、いつも感心していたそうです。バスに乗り降りするときには必ずあいさつをする、降りたあとにゴミを残さない、予定時刻にはきちんと集合していた、など、日本人観光客たちを見て、感じたことをいろいろと話してくれました。ちなみに、降車後のバスの中がゴミだらけだったのは、アメリカやインドの旅行者が利用したあとだったそうです。朝6時過ぎに、日本人旅行者たちが、集団で柔軟体操らしきものをしているのも、よく見かけたそうで、わたしは、海外でも早朝にラジオ体操をするのかしらと、不思議に思いました。

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Bus Terminal, Autostazione Piazza Partigiani, Perugia 16/1/2015

 目的地に着いて、バスを降りたあと、撮ったのがこちらの写真ですが、残念ながら親日家の運転手さんの顔はよく見えません。

 「日本にもいろんな人がいるし、イタリアにも、そしてイタリア人にも、いいところはたくさんありますよ、今日はお話ができてうれしかったです。」とあいさつをして、バスを降りたのでありました。

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Il gentile autista che guidava questo pullman mi ha racconto diversi ricordi dei turisti giapponesi. Lui ha una buona impressione sul nostro popolo. Cari connazionali, continueremo così. Cercherò di stare attenta anch'io. Comunque, ho detto quello che penso: "Anche voi siete molto gentili. Secondo me l'ideale sarebbe la via di mezzo tra il Giappone e l'Italia" - una società in cui i cittadini pensano anche agli altri e al bene di tutti ma senza sacrificando la vita di sé e della propria famiglia.
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2015-01-21 20:46 | Giappone - Italia | Comments(6)