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伊マスコミと地震報道1

 3月11日に起こった東日本大震災については、多くの被害、大勢の犠牲者を出した上に、今なお、被災地で苦しむ方も多く、余震や福島第一原発の事故による放射能汚染など、心の深い傷の上にさらに、なかなか不安の要素が消え去らず、わたしも日本のニュースや日本の方の声を聞きながら、心を痛めつつ、遠くから今自分にできることは何かと考えてきました。

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見出しは、「日本―尊厳と勇気の日々」。本日発売の雑誌、『Corriere della Sera - Sette』から。

 ツイッターやフェイスブック、ブログなどで、被災者の方に特に重要と思われる情報を回していく一方で、イタリア人で今回地震を経験した人や被災をした方が、もし日本語が分からない場合でも、何とか必要な情報が得られるようにと、大切と思われる情報を、日本語や英語からイタリア語に訳して、伝えてもみました。

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 地震発生直後は、NHKの地震中継が24時間見られるようになっていて、それが海外でも見られるため、主にNHKのニュースを見ていました。ただ、イタリアのテレビニュースの方が、放映時間が短いだけあって、要点や全貌が分かりやすいかもしれないと思い、最初の3日ほどは、国営放送Rai1、Rai2のテレビニュース(telegiornale)~番組名は、それぞれTG1、TG2~でも、日本の地震が報道されているときは、テレビの前に駆けつけました。

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 それを途中でやめたのは、TG1やTG2が、津波が家を押し流す場面や原発の事故、放射能汚染の恐れなど、恐怖を煽るような映像や言葉ばかりを中心に繰り返す上に、日本の報道に比べて、危険や悲惨さ、犠牲者の数が誇大に伝えられていたからです。地震発生数日後、Rai2だったかで、明かりの消えた東京の町を映し出しでは、「東京からは、放射能汚染を恐れて、半数がもう都会を後に、南へ向かいました。」と言い、都内でマスクをした人々の映像を映し出しては、「皆、放射能汚染を恐れて……」。福島第一原発で、深刻な事故が続くずっと前から、放射能の危険性を強調し、はや第二のチェルノブイリかのような報道が続いていました。わたしとしては、30分という短いニュース枠の3分の1も、日本の地震報道に充てていながら、義援金についての情報がまったくないことも気になりました。ただ、これはRaiの放映についてであって、Skyのテレビニュースでは、過度に恐怖を煽ることもなく、日本の方々が大きな被害にもくじけぬ様子をたたえ、また義援金の情報も頻繁だということです。イタリアのジャーナリストの方からは、同じRaiのテレビニュースでも、Rai News24の報道には、専門性があり、偏りがないと教えていただきました。

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 日本で地震にあったイタリア人に、必要な情報を与えられたらと、イタリア外務省の危機対策課(Unità di Crisi)のフェイスブックのページにも、時々目をやっていました。すると、地震発生直後から、地震と放射能汚染の恐怖のあまり、パニックに陥ったイタリア人たちのコメントが、次から次へと続き、エスカレートしていきました。特に、多くのメンバーが震災時に来日していたフィレンツェ歌劇団(Maggio Fiorentino)のメンバーやその家族からは、なぜ外務省はすぐに団員を帰国させないのだ、また、メンバーの何人からかは、なぜ帰国の手段を便宜してくれないのかという非難が、絶叫や脅しに近い言葉で、続々と寄せられていました。

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 これほど被害の大きい地震には慣れていないので、また地震が来るかもしれないという恐怖もあったでしょう、イタリアのニュースが放射能汚染を過剰に騒ぎ立て、恐怖に陥った家族から急きたてられて、泣きつかれて、団員たち自身も、やはり日本の報道より、自国の報道や家族の訴えを信じたのでしょう。結局、市や国の意向もあって、途中で公演を切り上げて、帰国することになりました。イタリアでの放射能汚染報道がむやみに危険を叫び立てているだけで、東京には脅えるほどの危険はありませんよ、と、英語のニュースのリンクも貼りながら、こうしたイタリア人の恐怖心を抑えようと、わたしもイタリア語で書いてみましたが、彼らが信じるのは、イタリアの報道であり、「日本は事実を隠蔽している」という言葉が返ってくるばかりでした。このフェイスブックのページには、激しい非難のコメントがあまりにも多いので、最初は危機対策課が、「根拠のない誹謗中傷ばかりのメッセージはこちらで判断して削除します」というメッセージを時々入れていたのですが、最終的には、数日後に、「あまりに感情的な発言やいたずらな悪口雑言が多い」という理由で、外部からの書き込みができないようになり、これまで書かれていた発言も、見えないようになってしまいました。(つづく)

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by milletti_naoko | 2011-03-24 22:49 | Giappone - Italia | Comments(10)

春まぢかの野菜畑

 このところは、インフルエンザだ、花粉症だと、長い間、野菜畑に足を運ばず、野菜の収穫を、義父母に頼りきっていました。

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 地震情報を追って、時間があればパソコンにかじりついていたわたしが、昨日久しぶりに、野菜畑(orto)に出てみると、隣家の庭に、紅梅を思わせる美しい花が咲いていました。義母と夫によると、梅ではなくて、ザクロ(melograno)の花だということです。

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 天気のひどく悪い日で、暗く空を覆う間から、時々日光が差し込むと、光を浴びた花は、すっかり違った表情を見せてくれます。

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 野菜畑に下りる小道の左手にも、こうしてプラム(prugno)の木が、白いかれんな花を咲かせていました。お義父さんに尋ねると、植えたのではなく、種から自然に生えて育ったのだそうです。白い小さなつぼみも、たくさん見えます。

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 鶏小屋とウサギ小屋の間に立つこちらの木も、暗雲を背景に、美しい薄桃色の花を咲かせています。

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 あとで、義父母から、これは杏(albicocco)の花だと教えていただきました。

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 野菜畑では、まず、あちこちに生えているフダンソウ(bietola)の葉を摘み取りました。昨年、育ちに育って高くなったフダンソウから、種が畑じゅうに飛び散り、その種から、フダンソウの青菜が、そこかしこに、育っています。赤い矢印で示しているのが、フダンソウが、種から自然に生えてきた場所です。

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 フダンソウの葉のうち、内側の柔らかい小さな葉は、今後もしっかり育っていくように、残しておきます。外側のかたい葉や虫に食われた葉は、鶏たちにやろうと、鶏小屋を取り囲む柵の中に、放り投げます。鶏たちはうれしそうに、駆けつけてきて、ごちそうを食べています。

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 フダンソウのあとは、ルーコラ(rucola)の葉をいくつか摘みました。フダンソウと同じで、昨年育ったルーコラが花を咲かせたあとにつけた種が、畑に飛び散り、そこから自然に生えてきたものです。

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 3月17日に祝われるイタリア建国150周年を前に、3月11日には、イタリア各地の広場で、イタリア憲法、そして学校教育を擁護するための集会が、開かれました。中でも、首都ローマの集会は、多くの著名人も駆けつけて、盛大に行われたのですが、途中、1分間、日本の被災者に、全員が黙祷をささげる場面もありました。記事へのリンクは以下のとおりです。

LINK⇒msn. Notizie - Costituzione e scuola, migliaia in piazza
“In una piazza stracolma, la folla ha osservato un minuto di silenzio per le vittime del terremoto in Giappone.” (Dall’articolo del link sopra)

 イタリアのフェイスブック上にも、今回の地震にあたって、日本を応援しよう、日本のために祈ろうというページが、いくつかできて、たとえば、次のページには、現時点で、9582名の人が参加しています。

LINK⇒facebook – Solidarietà per il terremoto in Giappone 11.03.11

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 世界中で、わたしも含めて皆が、被災に苦しむ方々、そして日本のために、心を痛め、祈り、そして、応援しています。被災地支援のために募金をすること、募金の案内を広めること、と海外に住みながらできることは、残念ながら、ごく限られているのではありますが、自分にできることから、まずは始めています。

 イタリアから、被災地の方に義援金を送りたいのに、どうしていいのか分からない、という質問を、多くのイタリアの方から、いただきました。下に、イタリア赤十字を通して、オンライン、または、銀行振り込みを通じて、イタリアからイタリア語で、日本への義援金を送れるサイトを案内しておきますので、どうかご存じのイタリアの方に、知らせてあげてください。

Donazioni/Offerte per il Giappone tramite la Croce Rossa Italiana
LINK⇒Croce Rossa Italiana - Donazioni online
LINK⇒Croce Rossa Italiana - Donazioni su conto corrente

 日本が、被災地の方々が、穏やかに春の到来を喜べる日が、できるだけ早く訪れますように。

*追記
 震災にあたっての心の持ち方、行動の取り方を書いた文章へのリンクを貼っておきます。どちらも心に迫り、目からうろこが落ちます。ぜひお読みください。
Tia Loca V 「前向いて、歩き出そうか。」
今宮岳司さんのブログ 「それでもなにかできることを。」、「あの恐怖と屈辱は、(後略)」

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by milletti_naoko | 2011-03-15 20:31 | Fiori Piante Animali | Comments(6)

だまされたかな?

 わたしにはメールアドレスが二つあって、主に日本用・イタリア用と国別、言語別に使い分けているのですが、そのどちらのアドレスでも、よく迷惑メールを受け取ります。

 日本語で届く迷惑メールは、ダイエットや金儲けが簡単にできると謳ったものや、いかがわしい交友の誘いのメールがほとんどなのですが、イタリア語で届くメールには、いわゆるフィッシング詐欺のものが圧倒的に多いのです。こんなことから、メールを受け取る側の、あるいは犯罪者側の国民性に違いがあるのだろうかと思ったりもするほど、スパムメールの内容が対照的です。

 出会い系のスパムメールにしても、日本の場合には、「寂しさをいやしてくれれば、お金を差し上げます」のようなあきらかに疑わしいものが多いのに対して、イタリアの場合は、まじめな交際を考える人も利用することが多そうな出会い系サイトからの勧誘だけです。イタリアの知人や友人の中には、こういうサイトを通じて知り合ってつきあい始め、結婚を真剣に考えている人もいますが、ニュースを見ていると、恋人や配偶者がいるにも関わらず、それを隠して相手を探すような輩もいます。犯罪に巻き込まれる可能性もありますので、この手のサイトには十分ご注意ください。

 ただ、わたしが受け取るイタリア語の迷惑メールで最も多いのは、先にも述べたように、フィッシング詐欺です。銀行や郵便局などを装って、「あなたの口座が凍結されました。再度使えるようにするには、以下のリンクから、ホームページで個人情報を確認してください。」と、個人情報を尋ねてるものがあります。

 かと思うと、どこかの国で資産家が多額の遺産を残して亡くなって、その遺産を受け取り手としてあなたが選ばれたとか、運よく多額の宝くじに当選したとかいう理由を述べて、個人情報を盗み出そうとするメールもあります。

 こういうフィッシング詐欺による犯罪の被害が後を絶たないため、イタリアには、消費者がこうした詐欺を通告し、また出回っているフィッシング詐欺情報を説明した記事を説明したサイトもあります。たとえば、記事の下方にリンクを紹介してあるAnti-Phishing Italiaのサイトからは、詐欺の疑いのあるメールなどをサイト側に知らせることもできますし、また、銀行などを装ってのフィッシング詐欺情報が充実したページ(リンクはこちら)もあります。

 そんなにうまい話が転がっているはずがない、と普段は注意してこういうメールは削除したり、迷惑メールに指定しているわたしですが、つい昨日、詐欺とは言わないまでも、誇大広告にまんまと乗せられてしまいました。

 実はこのメールを受け取ったのは2度目で、一度目は話に乗りかけたものの、最後の最後で考えを変えて、支払いはしなかったのです。それが昨日、2度目のメールでは、「あなたは幸運にも選ばれました」とか「あと7分以内に答えなければ」とかいう誘い文句に釣られて、ついついお金まで支払ってしまいました。

 メールを寄こしてきたのは、Gruppo OmniGeo Italia(リンクはこちら)と称する業者です。観光に関するアンケート調査に協力すれば、提携している観光業者のホテル一覧にあるホテルから、ホテルを一つ選び、そこに2人で、無料で7日間宿泊できるクーポンを提供するが、この宿泊が無料なのは、ホテルにとってもいい広告になるからだ、といった旨のことがメールには書かれていました。

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 「選ばれました」、「あと7分」という言葉に急かされて、アンケートに答えるだけならお金もかからないし、と思って答えていると、最後の画面に、ホテルのクーポンを受け取るためには、クーポン発行・送付の料金を払う必要があるとでてきました。実は、前回は、ここであやしいなと思って、作業を止めていたのです。それが今回は、PayPalを通じて、クレジットカードで払う料金は、17.5ユーロでそれほど高くない上に、少しお金を払わなければいけないので、よけいにホテルの広告もかねての無料宿泊が、本当らしく思えたりしたために、結果的に、自分の個人情報を知らせた上に、この送料の支払い手続きを済ませてしまいました。

 それが、夫に話したら、「それは詐欺では」ということになり、インターネットでいろいろ情報を調べると、幸い、同じようなメールを受け取って、話に乗るべきかどうか悩んでいる人の相談や、実際に利用して旅行に行った人のコメントがあるブログやサイトが、いろいろ見つかりました。こうしたサイトを読み込むと、どうやら以下のような事情であることが分かりました。

・完全な詐欺ではないけれども、メールの文面ほどうまい話ではない。
・7日間の無料宿泊券が受け取れるのは事実だけれども、代わりに、その間の食事代をすべて宿側に自分で支払う必要があり、結局自費でホテルに泊まるのとあまり変わらない結果になることも多い。
・観光客の多い時期には、ホテル側が無料宿泊券での利用客を受け容れなかったり、食事の料金をかなり高く設定することもある。
・問題が起こった場合に、相手にしなければいけないのは、アメリカの会社であり、直接連絡しなければいけないのは、ポーランドの会社である。
・オンラインでデータを入力し、支払いを済ませてから、無料宿泊券が自宅に届くまでには、数週間かかる場合もある。

 送料を支払ってしまう前に、こういう情報をきちんと調べておけば、むりやり旅行条件を規定されてしまう、それほどおいしくないこういう旅行・宿泊の誘いには乗らなかったのですが、すでに払ってしまったものは仕方がありません。

 実際に、この無料宿泊券を使って、安くいいホテルに泊まることができたというコメントを残している人も何人かいます。ただ、わたしたちの場合、ホテルに泊まっていても、昼食は別の店で食べたり、トレッキング中にパニーノで済ませたりすることも多く、場所も料金も共によさそうなホテルが、この業者と提携している宿の中にはないかもしれません。実際、観光シーズンを避けると、他の旅行業者のサイトから、あるいはホテル自身に連絡を取って、格安料金でいいホテルに宿泊できることも多いのです。

 というわけで、まずは贈られてくるであろう無料宿泊券とホテルの一覧を見て、もしよさそうなホテルがあれば、この宿泊券を利用するけれども、あまり得るところがないようであれば、17.5ユーロは、世の中にはいろいろな詐欺や誇大広告もあると、勉強させてもらったと思って、あきらめるつもりでいます。

 皆さんも、こういうメールを受け取ったときには、よく内容を確かめて、インターネットでその信憑性も確認してみてください。もし話に乗る場合でも、必ずどういう条件が提示されているかなどをしっかり読んでおくこと。わたしが今回、支払いを済ませたあとから参考にしたサイトにも、こういう忠告が書かれていました。

 写真は、宿の主人にうまくかつがれたような気がして、宿泊して、とても後味の悪かったB&Bです。(記事はこちら

参照したサイト・リンク
Wikipedia日本語版 「フィッシング(詐欺)」
Anti-Phishing Italia - HOME
Anti-Phishing Italia – Phishing Segnalazioni
Yahoo! Italia Answers – Aiuto…sul sito Omnigeo mi promettono un voucher per 2 persone.. è tutto vero o c’è qualche fregatura?
Bob Spammit. Truffa oppure occasione da non perdere? – omnigeo.it
Mi occupo di SEO, SEM e… - PEPTI 2010. Un breve riepilogo della faccenda.
Ciao! from bing – euroset.net
OmniGeo – indagini on line sul turismo: regolamento

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by milletti_naoko | 2011-02-09 19:06 | Altro | Comments(8)

日本特集! 雑誌、『Meridiani』 2月号

 新聞の広告で、日本特集号が発売中と知り、今日さっそく雑誌を購入して来ました。

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 『Meridiani』は、毎号、休暇で訪れたい場所、国や島、町などを一つ絞り込んで、特集して取り上げ、その土地について、観光名所や旅の情報だけではなく、文化や歴史なども、深く取り下げ、美しい写真と共に、紹介している雑誌です。

 雑誌名の下に「Giappone」と書かれているように、今月、2月号は日本特集

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 買ったばかりで、まずは巻頭言とローマ日本大使、安藤氏のあいさつの言葉を読み、ざっと雑誌をめくり、目次に目を通しただけなのですが、とにかく写真の美しさと記事の多様さに目をみはりました。

 20年以上におよぶ雑誌の歴史の中で、日本を取り上げるのは今回が初めてということで、日本の姿をくまなく伝えようとすれば、複数冊必要であろうところを、1冊でできるだけさまざまな日本を紹介しようと工夫をした、と巻頭言に書かれています。

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 目次を見ても、Tradizioni (伝統)、Tokyo(東京)、Fuji (富士)、L’imperatore (天皇)、Giardini(庭園)、Cultura pop (ポップカルチャー)、Tecnologie (技術)、Animali(動物)、Kyoto(京都)、Robot(ロボット)、Architetture(建築)などと、記事の内容が多彩であることが分かります。

 ただ本や映画の紹介に関しては、イタリアでも人気のある吉本ばななや村上春樹、北野武の作品が中心になっているのが、残念です。日本文学を教えている身としても、『枕草子』や『徒然草』、『伊勢物語』、『源氏物語』、そして松尾芭蕉などの俳句作品ももっと取り上げてほしいと思いました。こうした作品の底を流れる自然を愛する心や感性の細やかさ、豊かな叙情性は、日本の文化の他の側面とも、切っても切れないものだと思うからです。

 Quanto all’introduzione alla letteratura giapponese, mi dispiace molto perché la rivista presenta soprattutto le opere degli scrittori contemporanei già assai conosciuti in Italia, mentre tralascia diverse opere classiche che, oltre ad offrire una lettura piacevole, vennero scritte con l’amore per la natura, una sensibilità raffinata e un ricco lirismo i quali sono osservabili anche negli altri aspetti della cultura giappones come i giardini giapponesi, la filosofia e i costumi nella vita quotidiana ecc. Forse di questo dovrei scrivere io stessa sul blog o sul sito, cercando di trovare il tempo.

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 鶴や温泉を楽しむ猿など、日本独特の動物たちを紹介している記事もあります。ちなみに日本の鶴については、つい先日RAI3の『Geo & Geo』という番組でも、求愛の踊りや絶滅の危機について、説明されていました。

 “I Samurai del Tonno”(マグロの侍たち)と題する、築地魚市場を語っているらしい記事もあります。記事の最初に掲げられた写真は、大きな冷凍のマグロがびっしりと並ぶ中を、卸売り業者が点検しているところを撮影したものです。マグロについては、わたしの夫は時々、「イタリアの最も質のいいマグロは、皆日本に行ってしまう」と、恨めしげに言っています。また、漁業については、イタリアのテレビでは、時々、「また日本が野蛮な捕鯨を……」といった具合で、偏見を助長するような口調で、ニュースに取り上げられることがあるので、この記事がどう書かれているのか、かなり気になります。

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 わたしが教えてきた日本人学生の中には、アニメ・漫画の大ファンで、日本語を勉強したくなったという学生が、大勢います。中には自分で、インターネット上の漫画を読んだりして、次々と漢字を独学で学んで、日本人でも平仮名で書くだろうという漢字を、必死で覚えている学生までいました。ある日授業をしようと教室に入ったら、黒板が二人の学生たちが書く漢字や文字でびっしり埋まっていて、びっくりしたこともあります。というわけで、もちろんこの雑誌にも、アニメと漫画についての記事があります。

 イタリアのテレビや新聞を見ていると、ニュースで日本が登場する機会は非常に少なく、大きな地震が起こったときや経済、科学技術の最先端の話題に加えて、捕鯨問題や雅子妃のうつ病が報道される程度のような気がします。一方、世界の文化を伝えるような番組では、日本の文化のさまざまな側面が紹介されています。

 イタリア人の友人には空手・合気道など、日本の武道をたしなむ人も多く、わたしの夫も、柔道の教室に通ったことがあるそうです。最近のニュースでは、日本料理がイタリア中で人気を集めていると語られており、確かにペルージャにも、得てして中国人経営であることが多いものの、日本料理が食べられる店が増えているようです。日本人向けの求人情報を見ても、寿司や日本料理が作れる人を、イタリア中でしばしば募集しています。アニメから、武道から、日本料理からと、さまざまな動機で日本に興味を持つイタリア人が多い一方で、ただし、中国と日本の違いがあまり分からないような人がたまにいることも事実です。

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 そんなふうに、イタリアで報道される、そして、知られている日本文化の側面が偏りがちであることを考えると、この『Meridiani』の日本特集号は、少ない誌面をうまく活用して、イタリア人が関心を持つ話題を数多く提供しつつも、既成の枠にとらわれない、さまざまな日本の姿を伝えていると言えると思います。イタリアでは「日本と言えば地震」と思う人も多く、もちろん、地震(terremoto)についての記事もあり、耐震建築や学校での避難訓練の写真が添えてあります。

 巻末には、交通機関や年中行事、宿やレストランの紹介など、旅をするのに役立つ便利な情報(La guida - Notizie e consigli)も添えられています。

 というわけで、イタリア人の配偶者や家族がいて、ぜひ日本をよりよく知ってもらいたいという場合にも、イタリアで日本がどう紹介されているかを知りたいという場合にも、とてもいい雑誌だと思います。値段は6.20ユーロ。日本語と日本文化を教えているので、イタリアで日本文化を紹介する本は、自分でも何冊か持っていますし、書店でも気にしながら見ているのですが、これだけ安い値段で、豊富な写真を使って、的確に日本のいくつかの側面を紹介する雑誌を購入できるのは、めったにない機会だと思います。まだ具体的に記事を読み込んでいないのではありますが、美しい写真を眺めているだけでも、日本人としてうれしくなり、誇らしい気持ちがわいてくるものと思います。よかったら、ぜひ一冊購入してみてください。

LINK
- Amazon.it - Rivista monografica di viaggi, "Meridiani - Giappone" (Domus)
- アマゾンイタリアの活用法とおすすめのイタリア語CD・DVD&本

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2011-02-07 19:15 | Giappone | Comments(18)

地中海式食生活、ユネスコ世界文化遺産に!

 11月16日の晩のテレビニュースで、イタリア料理を始めとする「地中海式食生活」(dieta mediterranea)が、ユネスコ世界文化遺産に登録された」と聞いて、まずは、驚きました。dietaは「食事療法、ダイエット」ですが、ここでは「食生活」と訳すのが一番しっくりする気がします。確かに「食」は大切な文化ですが、それが世界文化遺産として登録されるとは、思いもしなかったからです。 

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ギリシャ、サントリーニ島   Santorini, Grecia     2010/10/2


 そこで、この「地中海式食生活」を詳しく知るために、次の記事を参考にしました。

・tg1 online - "LA DIETA MEDITERRANEA DIVENTA PATRIMONIO DELL'UMANITA'"
                            (記事へのリンクはこちら

 「地中海式食生活」は、4年前に、イタリア・スペイン・ギリシャ・モロッコが共同で文化遺産として登録を申請したものの却下され、国同士の調整を引き受けたイタリアが、昨年再び、この3国と共に、登録申請をしていたものだということです。

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サントリーニ島、考古学博物館 6万年前のオリーブの葉の化石 2010/10/2


 記事によると、「地中海式食生活」(dieta mediterranea)は、

・食事に時間がかかり、そのおかげで、腰を下ろして、じっくりと食事をし、他の人々とコミュニケーションをとることができる。

・摂取する脂肪分が少なく、四季のおかげで食材が多様であり、健康によく、長寿者が増え、がんを遠ざける。

・保護成分を含有する果物や野菜、そして、栄養と保護成分が豊富なオリーブオイルをふんだんに使うので、健康に恩恵をもたらす。

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チンクエ・テッレ、マナローラのレストラン   2010/7/11(記事はこちら


・繊維に富む食物(穀物、豆、果物と野菜)、ミネラルや抗酸化物質に富む食物、オリーブオイル、魚、炭水化物が、適切な1日のエネルギー摂取に役立つだけでなく、健康によく、滋養に富む食生活の基盤となっている。

ということです。

 イタリアではここ数年ちょっとした日本料理ブームがあり、ペルージャ近辺にも、日本料理の店が、中国人経営の場合も多いものの、増えてきました。健康にいいというのも、その理由で、私も、油を控え、野菜や魚をふんだんに用いる日本料理は、イタリア料理に劣らず、おいしいし、健康にもいいと思っています。

 地中海式食生活に教わりたいところは、オリーブオイルの使用を始め、いろいろあるのですが、特に見習いたいのは、「腰を落ち着けて、じっくりと食事をし、会話を楽しむ」食習慣かと思います。

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トラジメーノ湖、マッジョーレ島のレストラン  2009/10/25(記事はこちら


 私も日本で教師として働いていたときは、昼食の休憩時間に、各種委員会があったり、生徒が質問にやって来たりで、ゆっくりと昼食をとる時間はありませんでした。せめてご家族と食べるときは、テレビ番組などはつけずに(これをするイタリアの家庭も多いのですが、夫には私が禁止令を出しています)、じっくり食事を味わい、大切なコミュニケーションの時間にされては、と思います。

 ゆっくり咀嚼するのは、消化にもいいけれど、頭脳の活性にもよいとどこかで読みました。とは言え、私も夫と二人で食べるときは、30分から1時間くらいで食事は終えますが、その間は、できるだけ他のことに気を取られて慌てることなく、ゆっくり二人で食卓を囲むひとときを楽しみたいと思っています。

 仕事で忙しかったり、一人暮らしだったりすると、つい食事が「栄養補給で、はい終わり」になりがちなのですが、一人暮らしでも、盛り付けを工夫したりして、楽しく食べると、体だけではなく、心にも栄養がいくと思うのです。と、蛇足ながら、思うところを書いてみました。

*メルマガ第59号で、上記のニュース記事をイタリア語の学習教材として利用しています。興味のある方はぜひご覧ください。(リンクはこちら

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by milletti_naoko | 2010-11-19 00:14 | Gastronomia | Comments(12)

歯医者でびっくり、日伊の違い

 先週、初めてイタリアの歯医者で治療を受けました。ちょうど夫も虫歯の治療で通院しているところだったので、同じ時間帯に予約を入れて、一緒に行きました。

 自分の国ではごく当たり前のことが、他の国ではそうではないということは、これまでにもいろいろ経験しています。たとえば、市内バスにしても、日本ではバスを降りるときに料金を払いますが、イタリアでは、乗車前あるいは乗車後すぐに切符を買う必要があるなど。

 それでも、初めてイタリアの歯科医院を訪れて、自分でも気づかないうちに、日本の歯医者を基準にして、「歯医者は世界中どこもこんなものだろう」と、思い込んでしまっていたことに、改めて気がつきました。

 わたしが一番驚いたのは、一つの治療室で治療を受けるのは、患者一人だけだということです。

 わたしが通ったことのある日本の歯科医では、治療室は横に長い大部屋でした。診療台が4、5台設置されていて、診療待ち、および診療・治療中の患者が、たいてい2~4人は同じ治療室にいたように覚えています。

 それが、イタリア人である夫や友人に言わせると、「複数の患者を同じ治療室で診る歯科医は見たことがない」とのことです。「同じ部屋に何人も患者がいては、プライバシーがないじゃないか。」と言われて、イタリアの人が日本の歯医者に行ったら、嫌な思いをするかもしれないと思いました。

 わたしたちが行った歯科医院では、歯科医が二人いるため、治療室が二つあります。どちらの診療室も畳6~8畳くらいの広さで、ゆったりとして居心地のいい診療台が、部屋の中央に1台だけ据えてあります。部屋ごとに、診療・治療に必要な道具がすべて備え付けられているようで、室内の壁は、棚で埋め尽くされています。

 治療室に通され、診療台に座って待っている間、おしゃべりのやまないラジオ番組が流れていたため、「治療中に歯科医がラジオに気を取られたらどうしよう」と心配したのですが、診療・治療中は、ラジオから和やかな音楽に切り替わりました。

 8年間半近くもイタリアに住んでいながら、これまで歯科医に行ったことがなかったのは、多少のことならば我慢をして、帰国したときに、日本で治療を受けていたからです。まだ語学留学をしていた頃、クラスメートにスイスで歯科医をしている夫婦がいて、「歯科治療は、日本よりもイタリアの方がいい」と聞いたことがあり、わたしは歯並びが悪い上に治療を受けた歯も数々あるので、「もし治療法が気に入らない」と、すでに治してある歯にまで手を出されたらどうしよう、などという変な心配までしていました。

 日本で治療したのは、その方が安く上がるからでもあります。イタリアの私立歯科医院では、虫歯治療に保険が利きません。日本に帰国している間だけ、住民票を入れて、国民健康保険にも加入するのですが、わたしのイタリアでの給料は、日本の基準だと薄給になるために、保険料はごくわずかになります。

 さらに、夫の歯科医院遍歴や以前通っていた歯医者のことを考えて、「よっぽどの必要がなければ、イタリアでは歯医者に行きたくない」という気持ちになっていたからです。

 イタリアにも、そして、ペルージャにも、腕のいい歯医者は何人もいるはずです。ただ、うちの夫は、「治療中に痛いのが嫌だ」と、歯医者をたびたび変えて、最終的には、かなり長い間、ペルージャから車で40分ほどかかるウンベルティデという町の歯科医院まで、はるばる出かけていたのです。「治療中、痛みを感じない」というのが、この歯医者が気に入った理由のようですが、それにしても、入れたばかりの詰め物、かぶせ物が、治療の数日後に取れてしまうということが、何度も何度も、この数年の間に起こりました。こうしてすぐに取れてしまった詰め物などの治療は、もちろん無料です。とは言え、歯科医の不手際で、遠くまで何度も何度も通院しなければ行けない夫を見て、わたしも義父母も、長い間、歯医者を変えるように勧めていました。

 途中で、別の医院に行ったこともあったのですが、「歯は見事に治療してくれるけれども、口の中が傷だらけになるのにお構いなしだ」ということで、夫の気に入らず、再び例の遠い町の歯医者に通うことになりました。

 こういう夫の歯医者通院の状況をよく知っていたために、「イタリアでは歯医者に行きたくない」という気持ちがますます募っていきました。

 それが、つい最近になって、ようやく夫が、腕がよく、かつ治療中に痛みすぎることもない医師を見つけて、この歯科医に通い出したのです。ペルージャでは、虫歯一つあたりの治療代が、虫歯の程度にもよりますが、通例100ユーロ前後だそうです。この歯医者は少し高いけれど、優秀だということで、夫は、この新しい歯医者に乗り換えました。

 最初に夫がこの新しい歯科医の診療を受けた際には、以前の医者が治療した歯の数々を見て、ひどく顔をしかめていたそうですが、別に、その歯を治療し直すことを申し出たわけではありません。

 というわけで、夫の話を聞きながら、「この歯医者なら、歯をきちんと治療してくれる上に、治療中にあまり痛みを感じさせず、日本で治療済みの歯を治療し直すこともないだろう」と、歯科医に対する信頼が生まれてきたわけです。

 さらに、どうしても歯医者に行かなければいけない緊急事態となったために、今回初めてイタリアの歯科医に通うことを決心しました。

 さて、愛想のいい歯科医が診療を始めます。わたしの名前を聞き、「いい名前ですね」とお世辞を言ったあとで、「歯並びがとてもきれいですね」と一言。わたしの歯並びは非常にひどいので、これは皮肉ですが、にっこり笑って言われると、別に気になりませんでした。

 奥歯に開いていた穴は、虫歯であったようで、器具で歯に穴を開けていきます。

 ここで、もう一つ、イタリアの歯科医が、これまでわたしが知っていた日本の歯科医と違うのは、簡単な虫歯1本の治療が1日で終わらないことです。

 日本の歯科医であれば、他の患者を治療するのを待つ間に、患部に投薬するので、1日で治療できるのに、イタリアの場合は、1度には一人の患者しか診察しないためかもしれません。

 歯に開いた穴の周囲にある虫歯は削り取ったものの、今回は、穴に薬を詰め込んで、1週間後にもう一度通院し、このときに、歯に詰め物をするということでした。

 イタリアでは1本の虫歯の治療が1日では済まず、まずは歯を削ったあと、薬を詰めて1週間ほど次の治療を待たなければいけない、ということは、夫の話を聞いて、わたしも知っていました。

 さて、こうして治療を終えて、次回の予約をし、歯科医と受付の女性に別れを告げたわけですが、ここで、また驚いたことが一つあります。

 日本の歯科医だと、来院後真っ先に、健康保険証あるいは歯科医院のカードを受付に提出する必要があったかと思います。特に、初めての診察の場合には、簡単な問診表があって、氏名などの個人情報と共に、薬の副作用があったかとか、何かの病気で通院中ではないかなどという質問に、答えるようになっていました。

 健康保険証がいらないのは、イタリアでは、私立病院での歯科治療の場合、ごく一部の治療を除いては、保険が利かないためかと思います。

 それにしても、今回は、一切の身分証明書類の提出も、名前を含む個人情報の記入も、必要なかったのです。もちろん問診表などありませんでした。すでに治療を受けて支払いをしたことのある夫と一緒に行った上、まだ治療が済んでいないので、翌週に戻るだろうと確信しているのでしょうが、とにかく驚いてしまいました。夫は、自分がこの歯科医院で初めて治療を受けたときには、何か書かされたと言っています。

 さらに、イタリアの病院には、初診料というものがなく、歯科医の治療費も、一つの虫歯の治療がすべて終わってから一度に払うことになります。というわけで、今回の治療の時点では、お金を払う必要が一切ありませんでした。

 余談ですが、残念ながらイタリアでは、私立病院を営む医師で、脱税をする人も多いのです。患者に領収書がほしいかどうか聞き、領収書の発行が必要な場合は、料金が数十ユーロ高くなる、という医者の話も、友人たちからよく聞きます。わたしも私立病院で、「領収書は必要ですか」と聞かれたことがあります。

 こうして私立病院を営む医師には、公立病院にも勤務する人が多く、稼ぎは十分にあるはずなのに、なおかつ脱税をしようという精神は、理解に苦しみます。夫やわたしのように公の機関に勤め税金はすべて徴収される者への課税が、こうして重くなっていくわけです。わたしの場合は、現政府が教育費や研究費を大幅に削減したために、ただでさえ低い給料が、教える授業時間や条件が同じなのに、さらに4分の1減ってしまうという憂き目にも遭っています。

 話が少しそれましたが、今回は、イタリアでの初の歯科治療について、お話しました。治療までは、歯の痛みよりも、歯医者へ行くことへの恐れの方が大きくて、診療台でも歯科医を待つ間、ハラハラどきどきしていたのですが、幸い杞憂に済みました。まだ虫歯が浅いので、歯を削っても痛みは感じませんでした。

 皆さん、歯はよく磨いて、虫歯を予防しましょう。

 最後に、歯医者で役立つイタリア語をまとめておきます。

dentista 歯医者、歯科医    dente 歯 (複数形はdenti
⇒ 職業を表す接尾辞は、メルマガ第33号を参照(リンクはこちら
carieあるいはcarie dentaria 虫歯  
otturazione (歯の)詰め物   medicazione 投薬


 ⇒「イタリアの歯医者と保険その2」(リンクはこちら)につづく
  *今回の記事の情報の訂正・補足もありますので、ぜひお読みください。


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by milletti_naoko | 2010-09-13 12:03 | Sistemi & procedure | Comments(4)

滞在許可証よもやま話1

 氏名、国籍など、証明書に書かれる事項というのは、世界共通のように思えるのですが、実はそうではありません。

 運転免許証から身分証明書、滞在許可証まで、イタリアでは証明書のたぐいにつきものなのに、日本ではあまり考慮されない項目があります。

 それは、「出生地」(luogo di nascita)です。

 わたしの場合、出生地であり、出生届が出された市は、神奈川県川崎市なのですが、生まれた病院があっただけの話なので、この項目が証明書にあること自体にあまり意味を感じません。当時、両親は横浜に住み、父が東京の会社に勤めていたため、わたしはその通勤途上の沿線にある病院で生まれたのです。

 それはさておき、そういうわけで、わたしのイタリアの各証明書類には、出生地の項に、「KAWASAKI」と書かれています。

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写真は、ペルージャ県警察本部とミニメトロ(記事はこちら)の終着駅


 そして、県警察本部(questura)に、滞在許可証を申請しに行くと、たいてい繰り返されるのが次の場面です。

 いかめしい顔つきをした警官が、申請書を見て、急にうれしそうな顔をして、両手を握りしめたかと思うと、胸の高さまで掲げて、何度かこぶしを前に回す動作をして、バイクを走らせる真似を始めるのです。

 “KAWASAKI. La moto!”(訳すと「カワサキ。オートバイ!」)

 イタリアでは、オートバイやF1といったスポーツ、レースへの関心が、日本よりもはるかに高く、日曜日午後2時から、国営放送でオートバイ世界選手権を中継したりしています。警官になる人は、バイクへの興味も人一倍高いのでしょう。

 日本人であれば、「川崎」と聞いて、真っ先にバイクを思い浮かべることもないと思います。わたしにしても、川崎と聞いてすぐに頭に浮かぶのは、工業地帯と川崎ぜんそくです。出生地でありながら、これしか思い浮かばないのは市民の方に申し分けないのですが、地理の授業で唯一習ったのがこういうことだった気がします。

 日本と言えば、思い浮かぶ都市が、「東京(町の名前だと思い込んでいる人が多い)、大阪」、よくできた場合でも、「京都、札幌」どまりになりがちなイタリア人が多いのです。YOKOHAMAも、タイヤ・メーカーの名前としては知っていても、都市の名前として知っている人はあまりいません。KAWASAKIと見て、すぐにバイクを思い浮かべるのも、彼らにとっては、ごく当たり前のことなのでしょう。

 そこで、毎回、「川崎は都市の名前であって、バイクとは関係ないんですけれども…」と説明することになります。

 一方、この出生地は、日本の身分証明書を見ると、運転免許証にもパスポートにもありません。実はこんなささいな違いのために、今年の初めに、日本の免許証をイタリアの免許証に書き換えるときに、手続きが滞って、大騒ぎをすることになってしまいました。

 ちなみに、イタリアの従来の紙製の身分証明書には、姓名、出生地と並んで、目の色や髪の色を書くところもあります。日本と違って、髪や瞳の色がさまざまで、これが人を特定する決め手になったからでしょう。ただし、近年できたプラスチック製の証明書には、この項目はありません。特に女性は、老若を問わず髪を染める人が多いし、目の色もコンタクトで見た目を変えられるからでしょうか。

 イタリアの身分証明書(carta d’identità)に、今も昔も相変わらず記載事項として存在するのが、身長です。イタリアでは、身分証明書の申請に限らず、身長を聞かれること時々あって、そのたびに153.5と答えていたのですが、そのたびに、「あ、153ね」と小数点以下を切り下げられるので、最近では、最初から自分で切り上げて「154」と答えています。ただでさえ背が低いのに、貴重な0.5cmを削除されるのに、こうして抵抗するわけです。

 日本では、身長・体重測定で、必ず小数点第一位までは記入すると思うので、やはりこういうところでも、イタリアは大ざっぱだという気がします。「0.5にこだわるところが日本人だ」と言われることもあって、確かにこの微妙な違いが何かに影響するかというと、そういうわけでもないのですが……

 大らかというか大ざっぱなのは、小銭の扱いも同じです。わたしはこれまで日本で、最後の1円まで正確である店や銀行に慣れていたので、イタリアの商店や銀行で、「ああ、2セントはいらないよ。切りがいいから11ユーロだけ払えばいい」と言われたり、逆に、小銭がないからといって、1セントや2セント不足する金額のお釣りや現金(銀行の場合)を渡されたりすると、今も当惑します。

 「大勢の客がレジに並んでいるので、いちいち小銭の勘定をするよりも、1の位は無視して手早く済ませよう」、「小銭がない」というのが、その理由らしいのですが、やはり、そういう細かい部分から、国や国民の正確さの方向が決まってくるような気がしてなりません。

 大体、あとでレジをしめるときに、勘定が合わないのではないだろうか。けれども、売り上げをごまかし、税金を少なく払おうとして、レシートをよこさなかったり、支払額よりかなり低い金額の領収書を平気で渡したりする店主もいるのです。一度、二人で200ユーロほど買い物をして、帰ってからレシートに20ユーロと書いてあって、あきれたこともあります。

 最後の1セントまできちんと払おうとする店員や銀行員も大勢いますので、念のため、ここに書いておきます。

 話がだいぶずれてしまいましたが、滞在許可証については、申請や受領に苦労することも多い一方、少しおもしろい話や、とんでもない、笑うに笑えない話も時々あります。今回は、その第一話をお届けしました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-09-06 16:49 | Sistemi & procedure | Comments(2)

あるイタリア人学生の質問

 9月1日水曜日は、わたしの担当する「日本語と日本文化」の試験日だったので、朝早くバスを乗り継いで、試験会場に赴きました。

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 会場で、いつもお世話になっている語学助手の先生にごあいさつ。

 もともと今回は受験登録している学生がいない上に、まだ帰省している学生も多いため、「おそらくは誰も来ないだろう。」と二人とも思いはしたのですが、念のため、30分間だけ、来るかもしれない学生を待つことにしました。

 イタリアの大学では、各教科について、担当教員が、年に数回の試験日を設けています。ですから、学生は、自分が都合のいいとき、自分に受ける準備ができたときを選んで、試験を受けることができます。

 わたしが教える日本語の場合には、授業が終わってすぐの方が、筆記試験にせよ、口頭試験にせよ、頭によく残り、練習もできているために、大半の学生が、授業が終わって最初の試験(今年の場合は、6月1日)に挑戦します。ほとんどの学生が合格するのですが、受からなくても、あと4回、他の試験日があるので、その日までに勉強をしっかりすればいいわけです。

 ペルージャ外国人大学の学士取得課程(Corso di laurea)は、少なくともわたしが教える学部については、ほとんどがイタリア人学生で、外国人学生も数人います。

 イタリア人学生には南部を中心に、遠くからペルージャに来て、下宿をしている学生がおり、そういう学生は、夏休み中はまずは自宅の父母のもとに帰省。外国人学生も、特に近くのヨーロッパ圏から来ている学生については長期休暇にはよく帰省します。ペルージャやウンブリア近辺の学生についても、夏休みは旅行をしたり、バイトをしたり……

 というわけですから、試験がまったくない8月が終わったばかりの9月の初日には、来る学生が少なかろうと、予想はしていました。

 受験登録もせず来る学生や、試験時間に遅れて来る学生がいても、それは、受験の対象外、と考えるのは、日本の常識を適用しての話です。

 イタリアのことだから、「ひょっとしてオンラインの受験登録システムに不備があって、受験登録できなかった学生がいるかもしれない」、「バスや電車が遅れて、少し遅れてくる学生がいるかもしれない」と、柔軟に対応をする必要があります。

 甘いと言えば、甘いし、実際の規則としては、「試験開始時刻に、試験官の点呼に答えない学生は、受験の資格がない」はずであり、かつ、「試験4日前の締め切りまでに、受験登録をしていなければ、受験資格がない」はずなのですが、

にも関わらず、大学側に、

「誰も受験登録者がいない場合には、試験会場に行かなくてもいいですか。」

と尋ねて、

「いいえ、誰か学生がいるかもしれないので、必ず会場に行ってください。」

と言われたことがあります。

 ということは、裏を返すと、受験登録をしていなくても、試験を受けに来た学生に受験資格を与えなさいということかと思うのです。

 ただし、「何度も試みたのに、オンライン登録できませんでした」と言う学生はともかく、「……先生は、登録をしなくても受けさせてくれたのに」とか、「うっかりしていて受験登録の締め切りが過ぎてしまいました。」という学生には、みっちり言い聞かせて、規則をしっかり守るように言い聞かせます。

 こうやって、遅れや不備を大目に見ていることが、結局、今後のイタリア社会で、さまざまなサービスの遅延や不足につながるのではないかというを危惧を抱きつつも、とにかく、9月1日は、30分だけ、誰か来ないかと待ってみました。

 待っている間、語学助手の先生とおしゃべり。前回の7月の試験では、筆記試験中に、ひそひそ声ではあるけれども、長い間雑談をしてしまい、気が引けたのですが、今回は誰も学生がいないので、気兼ねなくおしゃべりをします。

 ペルージャで日本料理の調味料はどこで買うかとか、ズッキーニの花を衣で揚げるには、衣を作るのに、水道水の代わりに炭酸水かビールを使うと、泡のおかげで、ふんわりとかつカラッと仕上がって、とてもおいしいとか、いろいろ教えていただいて、とてもいい情報交換ができました。

 授業でお世話になっているので、ふだんから話す機会は多いのですが、授業や試験のあるときは、どうしても学生や授業、仕事の話で持ち切りになってしまいます。

 それが、こんな機会のおかげで、たくさんとりとめもないおしゃべりを日本語ですることができて、お互いにイタリアで暮らしていて思うことや、生活上の工夫などを言い合うことができて、何だかとてもうれしかったです。

 イチジクが好きだと言うので、ぜひもう一人の助手の先生と一緒に、イチジクの季節の間に我が家に来てください、とご招待。

 30分のはずが話が弾んで、結局は2時間以上、受験会場の教室でおしゃべりを続けてから、あいさつをして別れました。そう、誰一人学生が、受験に訪れなかったのです。

 帰宅途中のバスに乗った途端、向こうから大声であいさつして、近づいてくる若者がいます。

 誰かなと思ったら、昨年、一昨年と教えた男子学生でした。

 「先生、ぼく、もうすぐ日本に留学するんですけど、何を持って行けばいいんでしょうか。」

と、あいさつのあと、勢い込んで学生が尋ねます。ちなみに、学生との会話はイタリア語です。

  日本にお土産に持って行くものや勉強に必要なものについて、聞きたいのかな、と思ったら、

 「オリーブ・オイル、持って行くべきでしょうか。」

 確かに日本は食料品が高い上、オリーブ・オイルは何倍も値が張るけれども、

 「でも、日本で毎日イタリア料理を作って食べるつもりですか。」
 
 「日本は確かに食料品は高いけれど、外食すると、イタリアよりもかえって安くつく場合が多いから……」

 と言うと、

 「そうですよね。毎日自炊をするわけでもないし……」

 わたしはそのとき、窓の外を見やって、自分が乗り換えるべきバス停が近いことに気づきました。

 「あ、わたし、ここで降りなきゃ。」

 学生がすぐにブザーを押してくれて、あいさつを交わしたあと、そのバス停で降りることができました。

 それにしても、オリーブオイルとは!

 確かに、イタリア人は、特に年のいった人ほど、イタリア料理へのこだわりが多い人が増えるし、イタリア南部出身で、ペルージャに住む学生や社会人には、故郷に帰るたびに、自宅から、自家製のオリーブ・オイル、瓶詰めのトマト、母の手作りのお菓子や保存食の数々を大量に運び込んでくる人も多いのですが……

 まだ二十歳を超えたばかりの若者が、日本に持って行くべきものとして真っ先に、オリーブ・オイルを思い浮かべるとは、思いもしなかったので、びっくりしました。

 
 びっくりと言えば、その昔。日本文学の授業中に、『古今和歌集』を教えていたときの話です。秋の歌を教える前に、導入として、学生たちにこう尋ねました。

「皆さんは、何をきっかけに秋を感じますか。」

 わたしとしては、「赤とんぼはたぶん日本特有なので出ないだろう」とは思ったものの、紅葉など、何か季節の移り変わりを告げる自然の風物が、学生の口から出てくると思っていたのです。

 すると、学生たちの答えは、口々に、

 「TRISTEZZA(悲しさ)」

と答えます。

 「夏が終わってしまうのが悲しくて、その悲しさで秋の訪れに気がつく」

ということでした。

 照りつける太陽を愛し、夏を謳歌する国民だからでもあるでしょう。もちろん夏休みが終わるのが悲しく寂しいのは、日本でも同じだと思いますが、日本の方で、「秋の訪れを何を通して感じるか」と聞かれて、「悲しさ」と口に出る方は、こんなに多くないと思うのです。

 もちろん、秋と悲しみを歌った和歌は昔から数多くありますが、秋の訪れを「悲しさ」で感じたわけではありません。

 ちなみに、紅葉はイタリアにもあり、秋の風物ですが、虫の声は、イタリアでは夏の風物です。

 夏に黄金色に実った麦畑の間や茂った青い草の間から、にぎやかな虫の声が聞こえるので、わたしは、はたと、なぜ日本では虫が秋に鳴くのだろうと考えました。

 仮説

 日本では、夏には田んぼに水が張られていて、いるのはむしろたくさんの蛙。たとえコオロギなどの虫がたくさんいて鳴いても、蛙の大合唱にかき消されて聞こえないのではないか。愛媛県の田園地方で暮らしていた頃、夏は毎晩蛙の大合唱が聞こえていました。

 イタリアで麦が実るのは夏だけれど、日本で稲が実るのは秋だからというのも、あるかもしれない。

 と、なんとなく頭を絞って考えたのですが、夫に言わせると、わたしの思考回路は「文学的、詩的方向」に偏っていて、科学性に欠けるそうなので、もし、どなたか真相をご存じの方がいたら、どうか教えてください。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-09-04 00:06 | Insegnare Giapponese | Comments(6)

なぜか和名の爪楊枝、イタリア

 「爪楊枝」は、イタリア語でstuzzicadentiと言います。denti「歯」をstuzzicare「つつく」道具、ということで、用途がそのまま名前になっているわけですが、こうした単語には、他にもcavatappi「栓抜き」(tappo「栓」をcavare「抜く」道具)、asciugamano「タオル、手ぬぐい」(mano「手」をasciugare「乾かす」もの)など数多くあります。

 ところで、イタリアの爪楊枝は、日本のものとは違って、両端が尖っています。
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 さらにおもしろいのは、イタリアではどういうわけか、爪楊枝の商標名が日本語であることが多いことです。順に見ていきましょう。
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 こちらは、スーパーで買った我が家の爪楊枝です。商標名は「sayonara」で、浮世絵まがいの女性の絵が添えてあります。

 家庭用の爪楊枝だけではなく、レストランに置いてある個別包装の爪楊枝にも、日本語名のものが圧倒的に多いのです。「爪楊枝=日本」という発想がおもしろくて集め始めたそのコレクションをご紹介します。
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 こちらはKIMONO。「日本⇒着物・芸者」という発想からか、着物をまとって舞いを踊る女性の絵が添えてあります。
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 Karate。絵はありませんが、イタリアにも日本の空手や合気道、柔道をたしなむ人は大勢いて、日本語の単語としては、よく知られています。
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 BON SAI。「凡才」ではなく「盆栽」でしょう。イタリアにも盆栽の愛好者はいて、さまざまな植物の盆栽が植木屋や市場で売られており、日本語のまま、bonsaiとして親しまれています。
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 このSAMURAIという爪楊枝には、刀を2本佩いた武者の絵が印刷されていて、先端の尖った爪楊枝を刀になぞらえたとも考えられます。商標名の日本語と商品である「爪楊枝」に関連がありそうなのは、SAMURAIだけで、他の商標については、単に「爪楊枝⇒日本のもの」という発想から、名づけたのかもしれません。

 このSAMURAIという爪楊枝、どうもイタリアの製品としては古株で、製造会社sismaのホームページには、「SAMURAIはすでに爪楊枝の代名詞」などとも書かれています。ひょっとしたら、この日本語名の爪楊枝が売れたので、他の製造業者も、商標名に日本語名を選んだのかもしれません。

 ちなみに、イタリアの爪楊枝本家(?)のsismaでは、他の業者も日本語の商標名をつけ始めたからか、さらに凝った名前をSAMURAIにつけ足しました。それが、こちらです。
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 SAMURAI il Carezzadenti、訳すと「サムライ 歯に優しく触れる道具」。

 stuzzicadenti「爪楊枝」という単語のstuzzica(re)「つつく」という動詞にあたる部分を、carezza(re)「優しく触れる、なでる」と置き換えているところが、しゃれています。

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 何も言葉が書かれていない白い包みや店名だけのもの、あるいは単に、「stuzzicadenti」(爪楊枝)と書かれた包みも、たまに見かけるのですが、まだまだ日本語名を書いた紙包みの方が多いようです。

 というわけで、今も新しいレストランを訪れるたびに、爪楊枝の袋に目を光らせています。

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Stuzzicadenti in Italia, chissà perché? Nomi spesso in giapponese
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-07-09 19:30 | Giappone - Italia | Comments(6)

日本の魅力、再発見

 記事、映画、「『JAPAN MANGA』 ~ イタリア人旅行者の見た日本」でもご紹介していた映画の上映が、昨日無事、ペルージャ外国人大学で、大好評のうちに終了しました。
映画の主人公の4人組。上の写真は、http://www.australiati.itから借用。

 映画の制作者かつ主人公のgli Australiati、リッカルドとキアーラとは、上映30分前に、会場となっているガッレンガ校舎(Palazzo Gallenga)で待ち合わせ。1階、大扉を入ってすぐの広間で、映画上映のポスターの前で、二人がポーズを取っています。
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 そうこうしているうちに、上映を快諾してくださった比較文化学科の長である、カッチャッリャ教授が到着。先週わたしがお会いしていた、スポレートで日伊交流協会を立ち上げたばかりの粉川さんもいらっしゃいました。「日本文化を紹介するとてもいい映画を来週上映します。」と、お話していたため、スポレートでの上映の検討も兼ねて、遠くから来てくださいました。
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左から、カッチャッリャ先生、私、リッカルド、キアーラ、粉川さん。撮影は、夫のルイージ。

 「わざわざ、スポレートから!」ようこそ、と驚くカッチャッリャ先生に、
 「わたしたちの友人が、リミニからも来るんですよ。」と、わたしが言うと、
 「背丈は小さいのに、行動力は人一倍ですね。」と、カッチャッリャ先生。
  微笑みながら聞いていたリッカルドが、
 「それは、ぼくも自分の妻を見ていて、よく知っています。」と、一言。
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 会場である中4階の13番教室まで上がってしばらくすると、リミニ(正確には、イジェーア・マリーナというリミニ近くにある海辺の町です)から、車を2時間近く飛ばして、フランコとマヌエーラも駆けつけてくれました。二人は、わたしたちの大親友かつ散歩・巡礼仲間です。上の写真は、左から、マヌエーラ、フランコ、そして、夫のルイージです。

 ここで問題発生。「準備万端」のはずが、まだ上映準備が整っておらず、技術担当者がどこにも見当たらないのです。
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 教室で担当者を待っているうちに、次々に、映画を見ようという方たちが集まって来ました。中には、イタリア語の先生や義母の旧友の姿も見えます。日本語の授業で日頃からお世話になっている東城先生と井内先生も、学生さんを連れて、参加してくださいました。

 リッカルドやキアーラにおわびを言うと、「いやあ、ぼくたち今イタリアにいるんだからね。物事がうまく運ばないのには慣れているから、大丈夫。」と、逆になぐさてくれました。
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 開始予定時刻から30分ほど過ぎた頃でしょうか。ようやく担当者が来て、上映準備が整いました。まずは、カッチャッリャ先生が、あいさつの後、映画制作者の二人を紹介します。

 「皆さん、お待たせして申しわけありません。まあ、イタリアでは、『始まりがうまく行かないものは、うまく終わる』と言いますから、幸先もいいので、そうあることを祈りましょう。」
というカッチャッリャ先生の言葉に、皆で思わず笑ってしまいました。
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 紹介を受けて、映画の制作者が、日本に旅行した際の感嘆や日本文化への情熱について語り、「わたしたちの感動を皆さんと共有できれば幸いです。」とあいさつを締めくくります。

 いよいよ上映開始。
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写真は、http://www.australiati.itから

 映画では、4人のイタリア人旅行者が、初めて日本を訪れた驚きや感動を、奈良・京都の神社仏閣や東京、秋葉原の電気街など、昔からの日本文化と新しい日本の風俗を織り交ぜて、巧みに旅の様子を伝えています。
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 この写真では、映画が銀閣寺訪問と自然の美しさを語っているところです。楽しく笑いを誘う場面もたくさんあって、たとえば、イタリア人4人組が、日本のハイテクな便器に驚いて、ボタンをすべて押してみたりする場面があります。
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写真は、http://www.australiati.itから

 かと思うと、広島への原爆投影やその被害を映し出す場面があり、また、わたしたち日本人が当たり前に思っている行動や事柄を、新鮮な驚きと共に、美しい映像を通して語っています。
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写真は、http://www.australiati.itから

 上映のあと、映画を見に来た人と制作者側との質疑応答、両者へのお礼とあいさつをもって、会が無事終了しました。今回来てくださった方は、学生さんも大学で働く先生方や外部の方も、皆楽しんで見てくださったようで、「とてもよかった」と、制作者のリッカルドたちに、賛辞を贈っていました。

 リッカルドとキアーラの日本旅行や映画制作に協力したご友人も途中からいらっしゃり、わたしも、来てくださった方どうしを互いにご紹介したり、紹介されたり。スポレートでの上映もほぼ決定したようです。
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 いつまでも、おしゃべりがはずみます。実は、リッカルド・キアーラ夫妻と、今回遠くからはるばる来てくれたフランコとマヌエーラには共通点があって、皆インドを始め、世界のさまざまな国を旅行しています。初めて会ったとは思えない。キアーラに、「今年8月から、フランコはイタリアの自宅からスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラまで、3か月歩いて巡礼をする予定なのよ。」と言ったので、話がそれで盛り上がっている様子です。
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 リッカルドとキアーラ、粉川さん、東城先生と梨絵さんにごあいさつをしたあと、はるばる遠方から来てくれたマヌエーラとフランコに、少しだけガッレンガ校舎の見所を案内しました。こちらは、5番教室(aula V)。書き残している板書を利用して、授業風景を演出しています。ルイージとフランコは学生役。
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 上の写真は、5番教室からの眺めです。日が傾いて、影が長くなったので見づらいのですが、写真のほぼ中央に、スバージオ山(Monte Subasio)が見えます。ちょうど教会の鐘楼が隠している辺り、スバージオ山の中腹に、サン・フランチェスコ(San Francesco)の出身地としても名高いアッシジ(Assisi)の町があります。伝えられているところによると、サン・フランチェスコは、「テッツィオ山(Monte Tezio)とスバージオ山は双子だ」と言っていたそうです。

スバージオ山の手前、左の方には、ペルージャの城壁の連なりが見えます。
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 こちらが、Sala Goldoniana。今回の上映会場には、本来ここが予定されていたのですが、他の行事と重なってしまったために、変更を余儀なくされてしまいました。こういう美しい装飾の施された広間や教室、廊下が、ガッレンガ校舎にはたくさんあります。
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 夕食は、ペルージャ中心街にあるピザ屋、La Cambusaで、わたしたちと合流したルイージの弟、パオロと5人で、ピザを食べました。本格的なナポリ風ピザが自慢の店の主人、パオロが、「リミニでは、こんなピザは食べられないでしょう。」と言うと、フランコは、「努力はしているようだけれど、なかなか及ばない。」と答えていました。フランコもマヌエーラも、ピザがおいしいと大喜び。皆で楽しく談笑するうちに、夜が更けていきました。

*追記(2012年12月14日)
 お店の場所が変わりました。新店について詳しくは、下の記事をご覧ください。
- 復活! ピザ屋、 La Cambusa

 6月11日金曜日から6月13日日曜日にかけて、マルケ州アンコーナ県のキアラヴァッレ市で、大がかりな日本文化祭が催されます。生け花、スポーツから、映画、コンサート、のみの市など、内容も多岐にわたり、さらに先行して、6月7~9日にも様々な催しがあるようです。興味のある方や近辺にお住まいの方は、ぜひ会場に足を運んでみてください。

 次のリンク先のウェブページの本文9行目、「Scarica il depliant...」というリンクをクリックすると、この日本文化祭のパンフレットをダウンロードすることが可能です。
Gli Australiati Blog - Japan Manga in Japan in Love!!
↑↑↑ Potete trovare il link per scaricare il depliant del festival nel link qui sopra
Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-06-06 00:30 | Giappone - Italia | Comments(3)