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美しいイタリア語と識字能力の低下

 イタリアの著名な言語学者でかつ元教育大臣であったトゥッリオ・デ・マウロ氏が、約10年前にペルージャ外国人大学で行われた会合で、イタリア人のイタリア語力の低下について講演をしたことがあります。確か、その講演では、日本語で言うと、ら抜き言葉や漢字の書き間違い・読み違いにあたるような間違い、標準イタリア語の規範からはずれる表現が、若者どころか社会人の間でも増えてきているということを、具体例を挙げながら説明されたのではないかと思います。氏は講演を、「こういう問題は、イタリア語が文法的にとりわけ複雑な言語なので起こるのでしょうか。」という言葉で締めくくりました。

 そのとき、ちょうど同大学で学士取得過程を卒業したばかりで、かつ日本語・日本文化を教える講師として働いていたわたしが、思わず挙手をして、わたし自身が日本の高校で12年間教えた経験と、おそらくは主に読書力の低下のために、その12年間に高校生たちの国語力の急降下がひしひしと感じられたことを説明し、ですから、国語力の低下は決してイタリアだけ、イタリア語だけの現象ではありませんと、発言しました。そうしたら、その後しばらくして、当時副学長だった、大学時代に「イタリア語教育法」を教わった恩師が、そばに来て、言ってくれたのです。

 デ・マウロ教授がさっきわたしに、「あの美しいイタリア語を話す日本人女性はだれですか。」って驚いて尋ねたのよ。「わたしたちの教え子で、今は同僚でもあるんですよ。」と答えたのよ。

 イタリア語について、「上手に話す。みごとなイタリア語を話す。」と、それが日本人であるにしてはであるにせよ、ほめられることは少なくないのですが、このときは、それがイタリアでも著名な優れた言語学者であり、かつ、イタリア人におけるイタリア語の話し言葉・書き言葉の乱れを嘆く発音をされた直後に、ですからそんなふうに、きわめて注意深くイタリア語の文法や語彙、表現法にも気を配りながら聴かれたであろう氏が、そう言ってくださったと知って、本当にうれしかったです。

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 氏のこの著作は、その後、シエナ外国人大学の外国語としてのイタリア語教育法を専門とする大学院課程に通ったとき、授業の教科書として購入し、読んだものです。

 昨日からの新しいブログのタイトル、「美しいイタリア語・日本語屋 なおこのブログ」は、このデ・マウロ氏の言葉をありがたく思い、そういうイタリア語をこれからも話し、書いていきたいし、教えていきたいという気持ちと、イタリア語・日本語という言語そのものの美しさをかけています。

 日本語についても、イタリア語についても、きれいに書いて話すと、いろんな方に言っていただけるのは、どちらの言語についても言語学や文法を、大学の授業などで、社会言語学から歴史言語学まで多岐にわたって学んだということに加えて、文学作品を中心として、多数の本を読んできたおかげだと思っています。


 最後に、関連映像として、デ・マウロ教授が、イタリア・世界における識字能力の後退について、特にイタリアに焦点をあてながら解説している番組のYouTube映像をご紹介します。大学卒業後の識字能力の後退は、イタリアのみならず、韓国・日本・フィンランド・オランダでも激しいと説明しています。

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Nel 2006 durante un convegno presso l'Università per Stranieri di Perugia, il grande linguista, il prof. Tullio De Mauro ha parlato delle difficoltà dell'educazione linguistica in Italia e ha concluso il suo discorso domandando se tali difficoltà fossero dovute alla peculiare complessità della lingua italiana. Poco dopo ho alzato la mano e detto - riporto qui la sintesi: "Gli stessi fenomeni stanno succedendo - vale a dire, gli allievi hanno sempre meno competenze della lingua materna anche nelle scuole giapponesi e li ho visti con i miei occhi come insegnante. Secondo me sono dovute soprattutto alla mancanza della lettura."
Dopo la prof.ssa Ciliberti mi si è avvicinata e sorridendo, mi ha raccontato che il prof. De Mauro le aveva chiesto: "Chi è la ragazza giapponese che parla un bellissimo italiano?" e che lei gli aveva risposto che ero ex studentessa e docente dell'ateneo.
Queste parole non le ho sentite io direttamente, ma sono tuttora uno dei complimenti a me più graditi e mi rendono ancora lieta e fiera :-)))
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関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- イタリア語のTPO / Le varietà dell’italiano e le situazioni comunicative (11/2012)
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2016-03-21 22:09 | Lingua Italiana | Comments(12)

イタリア語手作りゲーム、子どもにも日本語学習にも

 今は大きくなった姪っ子たちが幼かった頃、日曜日の大家族での昼食後、義弟夫婦は散歩に出かけ、わたしと夫が姪たちの遊び相手をするということがよくありました。数時間の長丁場になるのですが、好きなように絵を描き、カードやボールで、あるいは外に出て遊んでいても、しばらくすると、二人のうち一人が、飽きてしまい、別のことをしたがります。

 それで、物置きにある包装紙で衣装を作ってみたり、段ボール箱にちらしの商品を切り抜いて貼りつけて家を作ってみたりと、いろいろ工夫をしてみたのですが、そうやって思いついた遊びの中で、これはよかったなというものの一つが、こちらの姪たち手作りのカードゲームです。

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 10年近く経った今も、姪たちが喜んで遊ぶ、大切な思い出のゲームになるとは思いもよらず、その日、わたしはふと思いついて、物置きと化したガレージから、不要な段ボール箱を掘り出して、ハサミで切り分け、トランプのカードほどの大きさのカードをたくさん作りました。

 そうして、確か、二つ下の妹娘はまだ保育園でアルファベットを習っている最中だったそのとき、姪たち二人に、「Aで始まる言葉には何がある?」と尋ねては答えさせました。そうして、わたしがあらかじめ青いペンで小さくAと記した4枚のカードに、姪たちが答えた、Aで始まるものの絵を、描くように言いました。カードに実際にかくその前から、姪たちの記憶力と想像力・創造力が羽ばたき始めます。

 ミツバチ(ape)を描くのに、太陽や花、大地の絵も添えてあるのがかわいらしいです。ほかにも、姉娘の名であるアレッシア(Alessia)飛行機(aereo)オレンジ(arancia)など、イタリア語のaで始まる単語とその絵が並んでいます。ARANCIAがわたしの筆跡なのは、当時の姪たちには、まだどう書いていいかが分からなかったからではないかと思います。

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 同様に他の文字についても、絵と言葉を4枚のカードにかかせました。今ガレージで見つけた袋にはどういうわけかAは4枚ずつあるのですが、他のカードは3枚ずつしかありません。3か月ほど前に姪たちと久しぶりに遊んだときには、ほぼすべてのカードが4枚ずつあったので、どこに消えたのかなぞです。

 Bとして姪たちが思いついたのは、泡(bolla)踊り子(ballerina)男の子(bambino)です。泡の絵をかこうとは、わたしの頭では決して思いつかなかったでしょう。子供の頭の柔軟さと発想の自由さを、改めて思います。

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 Cのカードには、(小さい)お肉(ciccicina)サクランボ(ciliegia)、ウンブリアではトルコロと呼ばれるリンク状のケーキ、チャンベッラ(ciambella)が登場します。

 右手の紙にわたしが大文字で、DONNA、CICCINAと書いているのは、Cのカード以降は、姪たちがそのときは書き方を知らなかった言葉も、カードには姪たち自身に直接書かせることにしたからだと思います。自らの手で書き写せば、すでに音声も意味も知っていた言葉のつづりが頭に入りやすいはずです。

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 Dのカードには、ドゥオーモ(duomo)女性(donna)固形ブイヨン(dado)が並んでいます。

 ドゥオーモと聞いて、日本の皆さんが思い浮かべるのは、フィレンツェやミラノのドゥオーモではないかと思うのですが、姪の描いたドゥオーモは、そういう大聖堂やイタリアでよく見かける教会とは若干違う形をしています。

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Duomo di Todi @ Carnevale Medievale 19/2/2012

 鐘楼の位置こそ違うものの、姪たちが住むトーディのドゥオーモを、どうだったかなと思い出しながら描いたら、こんなふうになったのではないかと、わたしは想像しています。こんなふうに角ばっていて、長い大きな階段が手前にあるドゥオーモは、あまり見かけないからでもあります。写真は4年前、中世の謝肉祭が催されたときに撮影したものです。(下記リンク参照)

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 Eのカードには、象(elefante)ヘリコプター(elicottero)草(erba)が描かれています。Eの文字カードの下にある紙に、わたしが象の絵と単語をかいているのは、姪たちがどうかいていいか分からないと言っていたからでしょう。

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 Fのカードには、イチゴ(fragola)キノコ(fungo)蝶(farfalla)が並んでいます。ここでもやはり、どうかいていいか分からないという姪たちのために、わたしがfragolaのつづりや、蝶の絵を、お手本としてかいています。

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 Gのカードに描かれているのは、キリン(giraffa)猫(gatto)ゴリラ(gorilla)です。猫の絵がひどく小さいので、一瞬どうしてかしらと考えたのですが、両脇に大きいキリンとゴリラが並んでいるので、カード内の絵にも、動物たちの実際の大きさの違いを反映させたのではないかと思いつきました。

 左手にキリンの顔をわたしが描いたのは、姪たちに助けを求められてのことだと思うのですが、姪のかいたキリンの胴体の大きさが興味深いです。小さい姪たちが下からキリンを見上げたとき、はるか上方にある長い首よりも、まぢかに見えた胴体の大きさの方が印象に残ったのかもしれません。

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 Iのカードに並ぶのは、カバ(ippopotamo)漏斗(imbuto)火事(incendio)で、incendioやgiraffaも、つづりが難しかったようで、わたしが紙の裏に書いています。義家族宅でもうちでも、オリーブオイルや酢は自家製のものを、大きい容器から小さい容器に移し替えるので、何かと漏斗が活躍するため、姪たちはIと聞いて、すぐにimbutoを思い浮かべたのだと思います。

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 イタリア語の従来のアルファベットは21字なのですが、カード作りはAからIまでの8文字で終わっています。Iに続くJとKは、W・X・Y同様、本来イタリア語には存在しない文字で、外国の地名・人名・自動車のバックナンバーなど、使われる用途がごく限られています。さらに、すでに完成したカードだけでも、十分に遊んで楽しめるので、これ以降は作るのをやめてしまったのではないかと思います。

 遊び方には主に2種類あります。かつてはどの文字も4枚ずつカードがあったので、すべてを裏返しにしてきれいに並べ、トランプの神経衰弱のように、一人ひとりが順に2枚ずつカードを表に返していって、2枚目に開いたカードの文字が1枚目と違えば、再びカードを裏返して並べ、開いたカードの文字が2枚とも同じであれば、2枚は開いた人のものとなり、文字の組み合わせが同じである限りは、同じ遊び手が続いてどんどんカードを裏返していくことができる、そんなふうにして遊びます。

 もう一つの遊び方は、最初に、写真の左下に重ねてあるアルファベットの文字だけを書いた小さいカードを、遊び手が一人1枚ずつ裏返した山の中から取って、その後、絵を描いたカードを山にしてテーブルの中央に並べ、皆が順に1枚ずつ開いていって、文字カードと同じ文字が書かれたカードを最初に4枚集めた人が勝ち、というものです。

 きわめて単純なゲームなのですが、絵や文字をかき始めても、何かこれをかくという目的がないと飽きる上、まだ字や言葉が書けない時期に、書くことや描くこと、そういう作業を通して学ぶことを、子供たちが楽しめる上に、後から遊ぶときにも、自分たちが自らの手でかいた絵と文字なので、その絵や言葉を見るという楽しみが、遊びと学びに加わって、姪たちは、作るときも、作ったカードで遊ぶときも、とても楽しそうでした。

 高校生、中学生になった今でも、幼い頃に自分たちが作ったカードが懐かしく誇らしいのか、時々カードを物置きから引っ張り出してきては、いっしょに遊ぼうと誘ってくれて、遊ぶときには本当に楽しそうです。日本語・イタリア語を勉強中のお子さんがいる方や幼稚園や小学校で英語を教える方の参考になればと、ふと思いついて、懐かしいカードを掘り出して、記事を書いてみました。ところで、失われたカードたちは、どこに行ったのでしょう。大切な宝物なので、探し出さなければ。

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Sono i Giochi di Memoria che le nostre nipotine
hanno creato con noi circa 10 anni fa.

"Ditemi le parole che iniziano con A."
"Allora, dipingerete un'ape."
Si divertivano, imparavano anche mentre creavano le carte e
anche ora quando frequentano liceo e scuola media,
ogni tanto a loro viene la voglia di giocare con queste carte insiema a noi
e sorridono guardando le carte fatte a mano da loro stesse.
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関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- 中世の謝肉祭、トーディ / Carnevale Medievale, Todi (20/2/2012)
- 食後は歌とScarabeo / Scarabeo con le nipotine (30/11/2010)
- クリスマスの1日 / Scarabeo Hello Kitty (25/12/2010)
- トランプで日本語学習 / Carte da gioco per insegnare i numeri e le ore in giapponese (26/2/2013)
- 外国語、数字も時刻も難しい / Numeri – Giapponese VS Italiano (13/5/2014)
- 世界の中心、フォリンニョ? ~ 言語名、その国の人の言い方を練習するための日本語のカード (29/1/2013)

参照リンク / Riferimenti web
- Scarabeo イタリア語版スクラブル、単語を並べて特典を競うゲーム
- Scarabeo Hello Kitty イタリア語版スクラブル、ハロー・キティ版
- Mattel Y9596 - Mattel Games Scrabble

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by milletti_naoko | 2016-03-18 20:18 | Lingua Italiana | Comments(12)

ウ入りパスタと恋のコーヒー、外国語学習入門期の罠

 海外旅行中、感謝の気持ちを伝えるつもりで、「I’m sorry(すみません)」と言ってしまったことはありませんか? 海外で車を運転するのに、運転席は左側なのに、つい右側のドアを開けようとしてしまったことはありませんか? 生まれ育った文化とは違う文化の中で暮らすとき旅をするとき、異国ではとんちんかんになってしまう場面で、うっかり日本風に話したり行動したりしてしまうことが、だれにでもあるのではないかと思います。

 お礼として謝罪の意を持つ言葉を口にすること、運転座席が右側にあること。後者については、これは英国などほかにもそういう国はないわけではありませんが、わたしたちは新しい環境に置かれたときも、その中でやり過ごしていくために、自分でも意識しないうちに、これまでに慣れている生まれ育った文化圏での慣習に頼っていることが多いのです。

 どう対処してよいのか分からないときに、無意識のうちに既存の知識や慣習に頼って、そこから情報を得ようとする。この生き延びるための手っ取り早い参照は、新しい言語を学ぶときにも、知らず知らずのうちに起こっています。そうして、こういう母語の影響は「転移」(transfer、transfert)と呼ばれ、単語・文法・会話での交流など、言語のさまざまな側面に見られるのですが、この影響が特に大きいのは、音声面です。

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 皆さんの中には、日本語を学ぶイタリア人が、「サヨナーラ」、「オアヨ」とあいさつし、大阪を「オサーカ」あるいは「オザーカ」と言うのを聞いた方があるかもしれません。

 イタリア語では、Hの音は発音されず、たとえばho、hai、hannoとhを含む表記があっても、Hが発音されないため、それぞれo、ai、annoと、意味は違えど発音は同じです。そのために、イタリア語を母語とする人には、日本語のハ行とア行の区別がつかず、Hがあっても聴き取れず、なくても「あるのかもしれない」と確信が持てない傾向があります。またイタリア語では、母音の長短が意味の弁別に関与しないため、母音の長短を聴き分けるのに、日本語をかなり勉強した人でも苦労します。「こと」と「コート」、「家」と「いいえ」が同じように聞こえてしまうのです。さらに、イタリア語では、単語の強勢アクセントが終わりから二つ目の音節に置かれ、その音節が開音節であれば母音が長母音になるため、「さようなら」をサヨナーラ、「おはよう」を「オアヨ」と発音してしまいがちです。

 外国語学習において、母語の音声面での影響は、ただでさえ大きいのに、この最初の肝心な段階で、イタリア人の日本語学習者が、一つ一つの仮名とその発音を覚える代わりに、ローマ字表記の読みに頼ってしまうと、母語であるイタリア語の音声体系を、それでは通用しないところでまで学習中の日本語に応用する度合いも頻度も大きくなり、結果として、上記のような間違いが、すぐにひらがなや片仮名を覚える人よりも多くなり、しつこく残る傾向があります。耳で聴き取れない音は、記憶にも正しく定着しにくいのに、最初に母語の干渉が強い覚え方をしてしまっているために、いつまでもきちんと言葉が覚えられなかったり、聴き取れなかったり、発音できなかったりするのです。

 こうした音声面における母語の悪影響は、日本のわたしたちが英語やイタリア語に限らず、外国語を勉強する際に、カタカナによる発音表記に頼り過ぎる場合にも、大きく、根深いものになってしまいます。RとLなど、日本語では聴き分ける必要がなく、そのためにただでさえ聴き分けづらく、R・Lを含む単語を正確に覚えづらいのに、いつまでもカタカナの音声表記に頼ってしまうと、そうした聴き分けや記憶が、いっそう難しくなってしまいます。またカタカナは万能ではありません。SやLのような母音が後につづかない音はカタカナでは表記できません。学習対象の言語には存在しない母音を補わないと、カタカナで表記することができないのです。そういうときにカタカナの発音表記で混入する外国語には存在しない母音が、いつまでもカタカナの発音表記に頼っていると、記憶に定着し、発音もしてしまい、間違った形・発音のまま頭と体が覚えてしまいます。

 そうして、日本における外国語学習教材は、残念ながら単語だけ、互いに独立した例文だけが参考書に登場する傾向があり、音声CDがあっても、会話や意見発表・朗読などで、どんなイントネーションや抑揚で話されるかが分からないものが、いまだに多いのではないかと思います。そのため、イタリア語や英語を話すときにも、どんなイントネーション、抑揚で話せばいいか見当がつかないと、無意識に自分の母語や既知の外国語の音声を参照にしてしまい、日本語や方言まるだしのイントネーションで、外国語を話してしまうことになります。こういう母語の悪影響は、歌や映画、会話の音声など、学習対象言語の幅広いインプットを得ることで、食い止めることができますが、いつまでもカタカナ発音表記に頼ると、さらに蔓延してしまいます。

 さて、今日の記事の内容は、実は、ブログ友達のぷーさん(ブログへのリンクはこちら)と、最近ツイッターで交わした以下のやりとりに発想を得たものです。140字以内に収めるために苦労しながら書いています。


 上の引用は、かなり長くなったやりとりのごく一部です。続きや省略されているところを読みたいという方は、ツイッターでご覧ください。ツイッターは利用していないけれど、やりとりの全文が気になるので知りたいと希望する方が多いようであれば、何らかの形でツイッターでの応答すべてをお伝えすることも考えています。

 ぷーさん、ブログでのツイートの引用を快諾してくださって、ありがとうございます。

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Quando studiate il giapponese, cercate di imparare al più presto a leggere e scrivere gli alfabeti giapponesi, Hiragana e Katakana. Se continuate a leggere con l'aiuto di Roma-ji, il vostro giapponese tenderà ad essere contaminato dalle influenze della fonetica e fonologia della vostra lingua materna.
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2016-01-26 23:59 | ImparareL2 | Comments(8)

おいしいうれしい贈り物

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 おしゃれでしかもおいしそうな、そうして実際に、食べてみたらそれはそれはおいしかったプチケーキを贈ってくれたのは、個人授業で日本語を教えている生徒さんです。生徒さんは、ペルージャから車で3、40分かかるフォリンニョの町に住んでいます。

 「12月6日に実施された日本語能力試験は、受験生皆が、予想に反して難しいと言っていたけれど、ぼくはいい結果を出すことができたと思います。これまで漠然としていたいろんなことが、先生のもとで学び始めてから、はっきりと分かるようになって、感謝しています。」

 まずは生徒さん本人が、一生懸命、日頃からこつこつと勉強を積み上げてきたからこそ、着実に力がついてきているのですが、そう言いながら、「クリスマス前ですから」と、おいしいケーキを贈ってくれて、とてもうれしかったです。

 「フォリンニョの歴史ある、とてもおいしい店なんですよ。」とは聞いていたのですが、後で夫と食べながら、一つひとつのケーキがどれもとてもおいしいので、感動しました。


 クリスマス直前の授業では、『きよしこのよる』を教えて、日本語でいっしょに歌おうと考えていたのですが、都合が合わず、次の授業はクリスマスの後になってしまいます。

 3年前の12月に、日本語の授業で『きよしこのよる』を教えて歌うことに決め、授業のあとも生徒さんたちが歌を繰り返し聴いて歌えるようにと、参考になりそうなビデオ映像を探したのですが、合唱で歌詞が聞き取りにくかったり、歌詞が書かれていなかったりして、なかなかいいものが見つかりません。それで、それならばと、自分で作ってしまったのが上の映像です。お役に立つようであれば、授業などで、ぜひお使いください。ひらがな書きの歌詞とイタリア語の訳・語注は、下記リンク先の記事にあります。

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Squisiti i dolcetti, regalati da un mio allievo di giapponese :-)))
Grazie mille, nella prossima lezione canteremo insieme "Kiyoshi konoyoru" (Astro del Ciel in giapponese). I link per la canzone e il testo, li troverete in fondo all'articolo.
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関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- きよしこのよる, “Astro del Ciel” in giapponese (19/12/2012)
↑↑ In questa pagina troverete la traduzione e le note in italiano della canzone.
- うたおう、きよしこのよる / Cantiamo, “Kiyoshi konoyoru” (18/12/2012)
- 歌い演じる元旦の夜 / Festa, canzoni e teatro di Natale (1/1/2011)
Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2015-12-20 23:59 | Insegnare Giapponese | Comments(10)

カボチャ日本語イタリア語

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 ある日、昼食にカボチャを食べた直後に、日本語で「カボチャ」と言い、夫に「どういう意味か分かる?」と尋ねると、当然ですが首をかしげています。zucca(イタリア語で「カボチャ」)という意味よと教えると、「ああ、そう言えば、発音がcapocciaに似ているし、capocciaもzuccaも頭っていう意味があるよね。」とうれしそうです。

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Dal sito www.treccani.it

 イタリア語で「頭」と言えば、testaという単語をすぐに思い浮かべる方が多いと思いますが、capoとも言います。ごく親しい間柄では、くだけた場で、少しふざけながら、capocciaと言う場合もあります。

 カボチャと発音がよく似たcapocciaは、「頭」という意のcapoから派生した語で、上記のように「頭」を意味するのですが、一方、イタリア語で、野菜の「カボチャ」を表すzuccaという単語も、カボチャの形が頭に似ていることから、やはりくだけた場で、「頭」を意味する用法があります。

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Dal sito www.treccani.it

 イタリア語のzuccaを意味する日本語のカボチャの発音が、zucca同様にくだけた場で「頭」の意で用いられるcapocciaと似ていておもしろい。ひょとして、日本語の「カボチャ」という単語も、イタリア語、いやいやラテン語起源なのではないか、と夫が言い始めるではありませんか。

 そんなことがあるはずないでしょうと答えたものの、念のためにウィキペディアで調べてみると、なんとカボチャも、南北アメリカ大陸原産の野菜だそうで、名の由来にはいろいろな説があるようですが、いずれにせよイタリア語のcapocciaとは何も関係がないようです。意味はまったく違う単語の発音が、異なる言語どうしで、こんなふうに妙に似通っている場合があるのが興味深いです。

 Treccani.itのオンライン伊伊辞典では、zuccaを「頭」の意味で使う用例として、なんとダンテとボッカッチョの作品を引用しています。そこで、わたしが知っている作品かしらと思って調べてみたら、『神曲』、『デカメロン』からの引用ですから、イタリア語の父二人が著した、イタリア文学を代表する古典的傑作に、すでにそういう用法があるわけです。13・14世紀に生きた文人、ダンテ・ペトラルカ・ボッカッチョの三人がイタリア語の父であるということは、イタリア語の歴史やイタリア文学の授業でたびたび学びましたが、今こうやって例文の典拠を確認して、そのことを改めて実感しました。『神曲』、『デカメロン』の、オンライン辞書の用例として引用された箇所を読みたいという方は、記事末にリンクを付しておきますので、ご利用ください。

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"かぼちゃ (kabocia), così si dice zucca in giapponese."
"Si assomiglia a 'capoccia'! Anche la parola zucca significa 'capo, testa'. Allora, quella parola giapponese è derivata dal latino!"
Invece, diversamente da come ha pensato mio marito,
la parola, かぼちゃ non deriva dal latino, ma sì, la pronuncia è simile a quella di capoccia, la parola italiana, 'zucca' vuol dire anche 'testa'; è interessante.
Poi ho scoperto che la parola, 'zucca' è usata con il significato di 'testa' già nella Divina Commedia e nel Decamerone!!
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関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- イタリア語学習メルマガ第20号「イタリア語の歴史と3人の父、ダンテ・ペトラルカ・ボッカッチョ / Storia della lingua italiana e i suoi tre padri (4/9/2009)
- イタリア語学習メルマガ第18号「ダンテ『神曲』 / Divina Commedia di Dante」(14/8/2009)
- 日焼け、日本語・イタリア語 / Abbronzarsi Giapponese vs. Italiano (26/8/2015)
- 雪の下にはスキーかな / Kanji 雪 che significa ‘neve’ contiene gli SCII! (27/5/2015)
- -iteはいてえよイタリア語 / INFIAMMAZIONE italiano vs. giapponese (17/11/2015)

参照リンク / Riferimenti web
- Treccani.it – Sinonimi e Contrari – ‘capoccia’
- Treccani.it – Vocabolario – ‘zucca’
- 日本語版ウィキペディア - カボチャ
- Dante Online – Commedia – I - xviii
- ClassiciItaliani.it – Boccaccio – Decameron – Giornata quarta. Novella seconda

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2015-12-18 23:48 | Lingua Italiana | Comments(10)

イアリア語ゴムはゴムでもゴムじゃない

 イタリア語では、「ゴム」のことをgommaと言います。発音は次のページで聴くことができます。
- Larousse – Italien-Anglais - gomma

 イタリア語の「gomma」と日本語の「ゴム」は、たとえば「消しゴム」(gomma da cancellare)のように、「ゴム」という素材を表す場合には、同じものを指しています。けれども、日本語の「ゴム」がいつもイタリア語のgommaに相応するわけではありません。たとえば、日本で袋の口を閉じるのによく使われる輪ゴムや、髪をまとめるためのゴムは、イタリア語ではelasticoと言います。また、自動車のタイヤは、イタリア語では、pneumatico(複数形はpneumatici)というタイヤを指すりっぱな言葉があるものの、ゴムでできているために、日常生活ではたいてい、gommaと呼ばれます。一方、日本語では、車のタイヤに言及するのに、「ゴム」とは言いませんよね。

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 そうして、イタリア語では、なんとガム、チューインガムのことも、gommaと呼ぶのです。同じ単語を使うためか、混同しないように、「gomma da masticare」(噛むガム)と、「噛むための」(da masticare)という言葉を後につける場合がよくあります。英語でも、ガムをchewing gumと言うのは、英語でも、「ガム」も「ゴム」も同じ単語、gumで表すため、「噛むもの」であることを明示するために、chewingという言葉を添えるのでしょう。

 日本では、「ゴム」は鎖国時代にオランダから貿易を通じて日本に伝わったため、オランダ語gomから日本語に外来語として入り、一方、チューインガムの方は、時代がくだってから英語経由で入ってきたため、「ガム」という別の語形を、日本語では用いることになったのでしょう。ちなみに、ドイツ語でこのgomma、gumに対応する単語も、外来語として日本語に入ってきています。どんな言葉で、どんな場面で使われるか、お分かりですか。

 正解は「グミ」です。ゴムのような噛み心地であるからか、こうした菓子が、ドイツで「ゴム」を意味するドイツ語、Gummiという名で販売され、日本ではこの菓子と共に、「グミ」という言葉も、ドイツから取り入れたようです。

 と、こういう「ゴム・ガム」にまつわる話や、前置詞DAの用法などを、先週発行したイタリア語学習メルマガの第101号でご紹介しています。興味のある方はぜひご覧ください。リンクはこちらです。↓↓

- もっと知りたい! イタリアの言葉と文化 第101号

------第101号の目次--------------------------------------------------------------------------
1. 前置詞DAで語彙増強 ~ 用途を表すDA 
2.絵つき・トピック別イタリア語基本語彙1000 ~無料で役立つオンラインPDF情報
3.宮崎映画で学ぶイタリア語、サンレーオのカリオストロの城、秋だ祭りだ! ウンブリア
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In lingua giapponese, la GOMMA da masticare è ガム (gamu), mentre la GOMMA da cancellare si chiama 消しゴム (keshi-gomu; 'keshi' significa 'da cancellare'). La gomma come materiale arrivò in Giappone durante l'epoca dei samurai tramite i Paesi Bassi, quindi i giapponesi presero il suo nome dal termine olandese, 'gom', menre la parola, 'gamu' fu introdotta insieme al prodotto, 'chewing gum' dagli Stati Uniti nel XX secolo.
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関連記事へのリンク
- もっと知りたい! イタリアの言葉と文化 第101号
- ウィキペディア日本語版 - オランダ語から日本語への借用
- ウィキペディア日本語版 - グミ

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by milletti_naoko | 2015-09-16 21:34 | Insegnare Giapponese | Comments(6)

宮崎映画で学ぶ日本語・イタリア語とサンレーオのカリオストロの城

 宮﨑駿監督の映画を、イタリア語学習や日本語学習・教育で活用してはどうかと、先週Twitterでつぶやいたツイートの反響が高かったので、より多くの方に参考にしていただけるかと思い、ブログでもご紹介します。ただし、そのままツイートを紹介してもおもしろくありませんので、まずはイタリアの日本語学習者に役立つように、宮崎監督の初監督作品、『ルパン三世 カリオストロの城』の主題歌に、その前半のイタリア語訳を添えてご紹介します。イタリア語訳は、イタリア語を学習する日本の方にも参考になることと思います。希望が多ければ、続編として、日本語およびイタリア語訳について、簡単な語注と文法説明も書くつもりでいます。



  「炎のたからもの」
     Cantante: Bobby, Testo: Jun Hashimoto, Musica: Yuji Ohno

  しあわせを たずねて わたしはゆきたい
  いばらの道も いてつく夜も 二人でわたって ゆきたい
  旅人の寒い心を だれが抱いてあげるの
  だれが 夢を かなえてくれる
  炎と 燃えさかる わたしの この愛
  あなたにだけは 分かってほしい 
  きずなで わたしを 包んで

  Vorrei andare, cercando la felicità.
  Vorrei andare insieme a te,
  attraversando sia le strade spinose sia le notti gelate.
  Chi abbraccerà il cuore di un viaggiatore che trema di freddo?
  Chi esaudirà il suo sogno?
  Come il fuoco arde questo mio amore.
  Vorrei che almeno tu lo capissi.
  Avvolgimi con il nostro legame. (Traduzione: Naoko Ishii、訳: 石井直子)



 後半は、先日のツイートの引用です。140字以内に収めるために、はしょった語句を補っています。

 「イタリア向け宮﨑駿監督映画DVDは、イタリア語 ・日本語 の2か国語音声で、イタリア語字幕付きなので、日本人イタリア語学習者も、イタリア人日本語学習者も活用できる上に、値段が10ユーロ以下のものがほとんどです。

 わたし自身、日本で英語を学習していた頃、フルハウスやアリー・マクビール、大草原の小さな家などのアメリカドラマの2か国語音声を活用していました。録画しておいて、最初のうちは英語⇨日本語⇨英語と同じ話を3回見て、慣れてくると、英語音声で通して見るようになり、聴き取れなかった箇所があると、すぐにそこだけ日本語で聞き直してから、もう一度英語で聴いて、続きを見るようになりました。

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Forte di San Leo dove era imprigionato Cagliostro, San Leo (RN) 1/1/2013

 宮崎映画でイタリアが舞台なのは『紅の豚』くらいでしょうが、日本語ですでに知っている作品であることが聴き取りを助けてくれる上に、イタリア語音声イタリア語字幕付き、あるいは日本語音声イタリア語字幕付きでも見られるので、聴解力を高めるのにはうってつけです。ただし、ファンタジーの多い作品よりは、『となりのトトロ』、『風立ちぬ』、『紅の豚』のように、日常生活が多く描かれたものの方 が、後から利用できる語彙が多くなります。

 イタリア文化を知るために、イタリア映画を利用したいところですが、日本語字幕付きのイタリア映画は、DVDの料金が高い上に、方言やくだけた話し言葉が多く使われていて、聴きとるのが難しく、イタリア語学習の教材としては適さないものも少なくありません。逆に外国映画をイタリア語音声に吹き替えたものの方が、話されるイタリア語が標準語、あるいはそれに近いという利点があるのです。」

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Panorama visito dal Forte di San Leo

 写真は、サンレーオの町にある、実在の人物、カリオストロ(1743-1795)ゆかりの城塞です。

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Giuseppe Balsamo, soprannominato conte di Cagliostro

 カリオストロの伯爵(Conte di Cagliostro)とは、けれどもあだ名であって、本名はジュゼッペ・バルサモ(Giuseppe Balsamo)であり、彼はこの城塞に、囚人としてとらわれていたのです。人物像や所業に諸説ある、非常に謎の多い人物で、それで調べるのを中断して、サンレーオや城塞の紹介が遅れてしまいました。サンレーオは、エミリア・ロマーニャ州リミニ県、と言っても、アドリア海岸から遠い内陸部にあります。サンマリノ共和国に近く、サンマリノに似て小高い丘の上にあって、城を有し、石造りの町並みや周囲の山々の見晴らしが美しいのですが、サンマリノほど観光地化していないため、わたしはサンマリノよりもサンレーオの方が好きです。サンレーオとカリオストロについても、いずれ詳しくご紹介するつもりですが、とりあえずサンレーオ町のサイトの関連情報へのリンクを貼っておきます。
- San Leo – Monumenti&Musei: Centro storico - Il Forte Rinascimentale
- San Leo – Storia: I personaggi - Cagliostro

 ちなみに、イタリア語の原音の響きに近い片仮名表記を試みると、それぞれ「カッリョストロ」、「サンマリーノ」になります。日本で知られているCagliostroとSan Marinoについては、すでに日本語に定着したと思われる表記、「カリオストロ」と「サンマリノ」を、一方、日本では知る人が少ないと思われるSan Leoについては、「サンマリノ」と同じ基準で「サンレオ」とはせず、イタリア語原音の発音により近い「サンレーオ」としました。

*追記(9月8日)
 ただし、ヨーロッパ向けのDVDは、日本のパソコンでは見られても、日本で一般に販売されているDVDプレーヤーでは見ることができず、DVDプレーヤーならリージョンフリーあるいはマルチリージョンのプレーヤーでないと見られないという問題があります。
参照リンク
- 龍・通信 - 読めて聴ける英語 - 海外のDVDを見るには?(リージョンコードについて)
- Amazon.co.jp - リージョンフリー DVDプレーヤー

*********************************************************************
"Lupin III - Il Castello Di Cagliostro", il primo film diretto da Hayao Miyazaki (1979)
mi piace molto. Nel film Lupin combatte con il malvagio Conte di Cagliostro per salvare la principessa Clarisse rinchiusa nel castello. Chissà se Miyazaki abbia avuto qualche ispirazione dalla storia di Cagliostro (1743-1795) imprigionato nella Fortezza di San Leo. (Foto)
Nell'articolo la trascrizione della sigla in giapponese, la sua traduzione in italiano & il link per la canzone su YouTube. Così potreste anche cantarla in karaoke.
*********************************************************************

LINK
Amazon.co.jp - CD & DVD del film, “Lupin III - Il Castello Di Cagliostro”
Colonna Sonora del film, CD
- ルパン三世 カリオストロの城 オリジナル・サウンドトラック BGM集(紙ジャケット仕様)
Film DVD, versione UK - Audio: Inglese, Giapponese, Sottotitoli: Inglese
- ルパン三世 カリオストロの城 宮崎駿 英語版[DVD] [Import]
↑↑ アマゾン日本のサイトで現在一番安いのは、なぜかこの英国からの輸入盤です。音声が英語・日本語で、英語字幕付きなので、英語学習にも使えます。
Amazon.it - DVD dei Film diretti da Hayao Miyazaki / 宮﨑駿監督映画
- Lupin III - Il Castello Di Cagliostro / ルパン三世 カリオストロの城 (1979)
- Il Castello Nel Cielo / 天空の城ラピュタ (1986)
- Il Mio Vicino Totoro / となりのトトロ (1988)
- Kiki Consegne A Domicilio / 魔女の宅急便(1989)
- Porco Rosso / 紅の豚 (1992)
- Principessa Mononoke / もののけ姫 (1997)
- La Citta' Incantata / 千と千尋の神隠し (2001)
- Il Castello Errante Di Howl / ハウルの動く城 (2004) 
- Ponyo Sulla Scogliera / 崖の上のポニョ (2008)
- Si Alza Il Vento / 風立ちぬ (2013)
↑↑ Tutti questi DVD - Audio: Italiano, Giapponese, Sottotitoli: Italiano, quindi sono molto belli ma anche strumenti utili per italofoni che studiano il giapponese e per i giapponesi che apprendono l’italiano.
*“Nausicaä della Valle del Vento” (1984) al cinema il 5, 6, 7 ottobre.
Dettagli ↓↓ (Trailere EN, JP, IT & Sigla in giapponese)
- Ad ottobre Nausicaä al cinema / 『風の谷のナウシカ』10月イタリア公開
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 映画や歌を学習教材として、聴解力を高めようという記事もたくさんあります。いずれジャンルごとにご紹介しようとは考えていますが、今から挑戦したいという方は、次のバックナンバー一覧から、興味のある映画や歌を選んでみてください。↓↓
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2015-09-07 21:37 | Film, Libri & Musica | Comments(5)

『風の谷のナウシカ』10月イタリア公開

 宮﨑駿監督の映画、『風の谷のナウシカ』が、10月5日・6日・7日の3日間、イタリアの映画館で上映されます。今日、日本語の授業中に、生徒さんから教えてもらって、今、オンライン記事で確認しました。

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Immagine presa da www.lastampa.it

 イタリアの新聞紙、『La Stampa』の8月27日付の記事に、作品や上映日時について詳しい説明があります。リンクは以下のとおりです。

- La Stampa – A ottobre arriva al cinema “Nausicaä della Valle del Vento” di Miyazaki (27/8/2015)

 日本で公開されたのは、1984年3月ですから、今回のイタリアでの劇場一般公開は、何とその31年後です。ただし、上に記事によると、1987年にはイタリア語音声吹き替えでテレビ放映され、2010年には、ローマ国際映画祭で、字幕付き日本語音声で上映されたとありますから、これまでイタリアで、まったく上映されていなかったわけではありません。

 イタリア語版の予告編は、映画自体の内容には触れず、宮﨑駿氏やスタジオジブリにとっての本作品の重要さや、ようやくイタリアで公開されるということしか述べていません。そのため、ブログを見てくれるイタリア人の友人および日本語の旧・現教え子のためにも、まずは、英語版予告編を紹介します。英語字幕付き日本語音声になっています。



 漫画、『風の谷のナウシカ』冒頭で語られる、世界と人類の陥った恐ろしい状況は、Wikipediaイタリア語版に、原語である日本語と、イタリア語の両方で書かれています。以下はそれを書き写したものです。

   « — ユーラシア大陸の西のはずれに発生した産業文明は数百年のうちに全世界に広まり巨大産業社会を形成するに至った。大地の富をうばいとり大気をけがし、生命体をも意のままに造り変える巨大産業文明は1000年後に絶頂期に達しやがて急激な衰退をむかえることになった。『火の7日間』と呼ばれる戦争によって都市群は有毒物質をまき散らして崩壊し、複雑高度化した技術体系は失われ地表のほとんどは不毛の地と化したのである。その後産業文明は再建されることなく永いたそがれの時代を人類は生きることになった。 » 

   «Una potentissima civiltà industriale, diffusasi dalle propaggini occidentali del continente eurasiatico, nel giro di qualche secolo si diffuse in tutto il mondo privando la Terra delle sue ricchezze, inquinando l'aria e plasmando a suo piacimento le varie forme di vita. Questa civiltà mille anni dopo la propria nascita raggiunse il suo apice, a cui seguì un declino improvviso. Nella guerra nota come I sette giorni di fuoco, le città furono incendiate da nuvole di vapore velenoso. La tecnologia complessa e raffinata del passato era ormai completamente perduta. La quasi totalità della superficie terrestre era divenuta sterile e improduttiva. La civiltà industriale non risorse mai più, e gli uomini si adattarono a vivere lunghi anni di crepuscolo. » (Incipit di Nausicaä della Valle del vento)

 今の日本や世界の状況を考えると、これは決して遠い未来の架空の話ではなく、「大地の富をうばいとり大気をけがし、生命体をも意のままに造り変える巨大産業文明」は現実に存在し、人類は今まさに、「戦争によって都市群は有毒物質をまき散らして崩壊し、複雑高度化した技術体系は失われ地表のほとんどは不毛の地と化」す状況にいつ突入しかねないとも限らない、危うい状況にあるような気がします。

 連載されていた漫画を楽しみにしていたのも、映画を見たのも、もう30年も前の話で、筋をすべてはっきり覚えているわけではないのですが、今予告編や内容解説を読んでいて、この映画こそ、今の日本に、そして世界にとって必要な警鐘ではないかと感じました。どうか多くの人が見てくれますように。もちろんわたしも見に行きます。
 


Sigla del film, “Nausicaä della Valle del Vento” ↓↓


0:51-1:27
「やさしさは 見えない つばさね   遠くから あなたが 呼んでる
愛し合う人はだれでも 飛び方を知ってるものよ」

La gentilezza è un’ala invisibile. Da lontano tu mi chiami.
Tutti coloro che si amano sanno come volare.

2:12-2:47
「花や木や小鳥のことばを   あなたにも 教えてあげたい
なぜ人は傷つけ合うの  しあわせに 小石を 投げて」 

Vorrei insegnare le parole dei fiori e degli uccelli anche a te.
Perché le persone si feriscono a vicenda
gettando sassi alla felicità?

- Parole del testo Takashi Matsumoto, Traduzione Naoko Ishii

*********************************************************************
Il 5, 6, 7 ottobre al cinema, film di Hayao Miyazaki, “Nausicaä della Valle del Vento”

Un film molto bello, il tema è molto attuale - "Una potentissima civiltà industriale, [...] si diffuse in tutto il mondo privando la Terra delle sue ricchezze, inquinando l'aria e plasmando a suo piacimento le varie forme di vita.[...] La quasi totalità della superficie terrestre era divenuta sterile e improduttiva. La civiltà industriale non risorse mai più, e gli uomini si adattarono a vivere lunghi anni di crepuscolo. " (Dall'incipit del fumetto di Miyazaki su cui è basato il film.)
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LINK
- Uta-Net - Parole del testo della canzone, 風の谷のナウシカ (Nausicaä della Valle del Vento)
- it.wikipedia - Nausicaä della Valle del Vento (film d’animazione)
- it.wikipedia - Nausicaä della Valle del Vento (manga)
- La Stampa – A ottobre arriva al cinema “Nausicaä della Valle del Vento” di Miyazaki (27/8/2015)
Amazon.co.jp – Fumetti, DVD di Nausicaä & CD delle Canzoni dei film di Ghibli / ナウシカの漫画・映画・ジブリの歌
- Fumetti di Nausicaä - ワイド判 風の谷のナウシカ 全7巻函入りセット 「トルメキア戦役バージョン」 (アニメージュ・コミックス・ワイド版)
- 風の谷のナウシカ [DVD]
- STUDIO GHIBLI SONGS [CD]
Amazon.it - DVD dei Film diretti da Hayao Miyazaki / 宮﨑駿監督映画
- Lupin III - Il Castello Di Cagliostro / ルパン三世 カリオストロの城 (1979)
- Il Castello Nel Cielo / 天空の城ラピュタ (1986)
- Il Mio Vicino Totoro / となりのトトロ (1988)
- Kiki Consegne A Domicilio / 魔女の宅急便(1989)
- Porco Rosso / 紅の豚 (1992)
- Principessa Mononoke / もののけ姫 (1997)
- La Citta' Incantata / 千と千尋の神隠し (2001)
- Il Castello Errante Di Howl / ハウルの動く城 (2004) 
- Ponyo Sulla Scogliera / 崖の上のポニョ (2008)
- Si Alza Il Vento / 風立ちぬ (2013)
↑↑ Tutti questi DVD - Audio: Italiano, Giapponese, Sottotitoli: Italiano, quindi sono molto belli ma anche strumenti utili per italofoni che studiano il giapponese e per i giapponesi che apprendono l’italiano.
 いずれも音声はイタリア語・日本語、字幕はイタリア語なので、イタリア語を学習する日本の方にも、日本語を勉強するイタリア人にも、言語学習に使えます。
ただし、日本語の授業や独学の学習教材として使うのに適しているのは、日本語学習・教育であれば、『となりのトトロ』と『風立ちぬ』でしょう。と言うのも、舞台が日本であり、他の作品に比べると、実際には存在しない空想の世界の産物が少なく、日々の暮らしや人生の軌跡を核として、物語が展開するからです。
参照リンク
- アマゾンイタリア ~ おすすめのイタリア語学習教材と購入方法

*追記(9月8日)
 ただし、ヨーロッパ向けのDVDは、日本のパソコンでは見られても、日本で一般に販売されているDVDプレーヤーでは見ることができず、DVDプレーヤーならリージョンフリーあるいはマルチリージョンのプレーヤーでないと見られないという問題があります。
参照リンク
- 龍・通信 - 読めて聴ける英語 - 海外のDVDを見るには?(リージョンコードについて)
- Amazon.co.jp - リージョンフリー DVDプレーヤー

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by milletti_naoko | 2015-09-03 23:58 | Film, Libri & Musica | Comments(9)

イタリア語学習メルマガ第100号発行に寄せて ~原点を振り返り、これからを思う

 思うところあって、2008年12年29日から発行し始めたイタリア語学習メルマガ、「もっと知りたい! イタリアの言葉と文化」の最新号を、先ほど発行したところです。記念すべき第100号を迎え、原点に立ち返りたいと考え、今の思いをそのあとがきに記しました。このブログに関わる内容も多いので、今回は、そのあとがきの言葉を、引用します。

********************************************************************* 発行を楽しみにしてくださる皆さんのおかげで、このイタリア語学習・イタリア情報メルマガも、第100号を発行することができました。ペルージャとシエナ、二つの外国人大学の大学および大学院課程で、5年にわたってみっちりと、外国人へのイタリア語教育を学んで卒業したのに、どちらも満点で賛辞をもらって卒業しても、イタリアでの学校や大学では、日本語を教える仕事は得られても、イタリア語を教える職は得られないというもどかしい状況が、7年前にわたしがこのメルマガを発行しようと思い立った理由です。

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Fiori di Cardi & Farfalle @ Val di Susa, Piemonte 2/8/2015

 二つの大学のさまざまな授業で、現在、日本のイタリア語教育界では知られていない、実践されていないけれども、利用すれば大いに効果が上がるようなイタリア語をはじめとする外国語の教授法、そして、イタリア語の望ましい習得・授業の在り方など、多くのことを学びました。また、両外国人大学での卒業論文執筆にあたって、さらに多くの本や資料を読み込み、「日本人にとってのイタリア語学習の難しさと日本人への望ましいイタリア語教育の在り方」について、考えを深めることができました。そうして学んだことの多くは、わたし自身が日本語を教えたり、外国語を学んだりするときに役に立っています。けれども、せっかく日本のイタリア語学習者の方に役に立ちそうなことをたくさん学んだのだから、それを何らかの形で、学習者の方に伝えていきたいという思いに駆られ、それで、このイタリア語学習メルマガを発行することにしたのです。

 わたし自身が日本でイタリア語を勉強したときに、生の新しいイタリア語の教材を入手するのが難しかったことを思い、また、日本では、英語同様、イタリア語についても、学習書が「文法」か「会話」のどちらかに偏りがちであるという状況に新しい風を吹き込みたいとも考え、メルマガでは、イタリア語のニュースや歌、新聞記事、小説、詩など、さまざまな素材を教材として取り上げてご紹介すると共に、最新の外国語教育・学習研究の結果を踏まえて、こんなふうに学習に取り組んだら効果が上がりますよといった情報も提供してきました。

 語学学習では、その言語が話される国や地域への興味や関心があると、勉強意欲が高まり、学習効率が上がります。ですから、イタリア文化やイタリア旅行に興味を持っていただくために、また、学習効果を上げるために、文字情報の記憶を高める視覚教材、写真も使いたいという理由からも、2010年4月からは、最初は「ペルージャ発 なおこの絵日記」という題で、ブログを始めました。ですから、もともとブログを始めたのは、メルマガには載せられない数多くの写真を載せることができるから、そして、日々のイタリアでの暮らしや旅行の様子を通じて、イタリア語学習者の方のイタリアへの興味が高まり、イタリア語への学習意欲がより高まればと考えたからだったのです。

 ただ、ブログを書き続けるうちに、実はもともと自分が書くことが好きであったこと、さまざまなことに興味を持っていて、伝えたいことは、イタリア語学習やイタリア文化以外にもたくさんあることに気づき、日本語で考えて書き、書き言葉を通じて意思疎通を図る練習ができるほかにも、ブログを書くこと自体が楽しみになってきました。それはそれでとてもうれしいことですし、ブログを通じて、フィレンツェやボローニャでのフォトブロガーの集いに招待されたほか、新聞や旅行関連の記事の執筆や、通訳・翻訳、そして、イタリア語の個人授業の依頼も来るようになりました。語学教育にせよ、通訳・翻訳にせよ、日本とイタリアを結ぶ架け橋の役割が果たせる仕事であって、ブログの執筆と共に、続けていきたいと考えている大切な仕事です。

 けれども、日本の高校で国語を教え、社会人になってから英語を再勉強し、イタリア語を勉強した経験のあと、二つの外国人大学で外国人へのイタリア語教授法を5年間専攻する中で、わたしがイタリア語教育・イタリア語学習について学んだことは、たとえ個人授業の依頼以外には、直接仕事につながらないとしても、ぜひとも社会に還元していきたいことです。ですから、今回第100号を迎えたことも機に、原点に還って、メルマガをもっと定期的に、せめて月に一度は発行すると同時に、ブログの方でも意識的に、週に一度は、イタリア語学習・イタリア語教育、あるいは外国語学習に関する記事を書いていくつもりでいます。

 原点に立ち返ろうという、そういう思いを忘れぬためにも、そうして、現在わたしが一番時間をかけて取り組み、また収入源となっているのが日本語教師としての仕事であることも考えて、これまで「イタリア情報」、「イタリア」にしぼっていたブログランキングのカテゴリも、うち20パーセントずつを、「イタリア語」学習・教育、そして、「日本語教育」、「シンプルライフ」のカテゴリに割り振ることにしました。自由にさまざまな自分の思いやできごとを語るという今のブログの在り方は、基本的に保ちつつも、ライフワークとしての「イタリア語教育」と「日本語教育」を大切にする姿勢、自分が一番してみたいことを常に自らに問いかけて生きていく「シンプルライフ」を、わたし自身が自らに言い聞かせるため、思い出すためです。わたしは、イタリア語学習者の皆さんが学習においてどんなところに難しさを感じているか、どんなことに関心を持たれているかを知るためにも、にほんブログ村・人気ブログランキングの二つのランキングの「イタリア語」のアイコンを、ブログ表紙の右側に置いています。イタリア語学習で壁に行き当たったり、仲間がほしいと感じたりしたときに、皆さんも、他の学習者がどんなことに悩み、どんな勉強をしているかを知って励みにするために、このアイコンをクリックしてみてください。わたし自身、ブログを通じて知り合ったフランス語を学習する仲間とのコメントでの交流や、そうした同志のブログの記事を読むことで、ほかにも勉強仲間がいるのだと励まされ、わたしも頑張らなければと刺激を受けています。

 そうそう、ブログを始めたおかげで、イタリア語学習について新たに学んだことの一つは、たまたま出会って夫となった人がイタリア人であったために、イタリアで暮らし始め、イタリア語を学習する必要に駆られた日本の方も大勢いるということです。そういう方が必死でイタリア語を習得しようとする姿に教わりながら、外国人大学で学んだことなどを還元して、少しでも、イタリア語の習得の役に立てたらとも考えるようになりました。実は、両大学で学んだことの中には、事前にまったくイタリア語を学習せずに、イタリアに暮らしながら、働きながらイタリア語を身につけた移民の、その自然な習得順序もあるのです。そうやって自然に学んだ語彙や時制の順序こそ、学校や本で勉強する人にとっても、脳が最も習得しやすい順序であると考えられ、近年イタリアで発行されたイタリア語の教科書の中には、その自然の習得順序の研究結果を反映した構成になっているものもあるのですが、残念ながらそういう新しいイタリア語教授法を学んだ人が、イタリアでイタリア語教師を得るのは難しいのが現状であり、また、日本でイタリア語を教えたり、日本でのイタリア語教育に反映させたりする可能性も、残念ながら低いのではないかと思います。そんなふうに、いろんな意味で、常々考えていた新風を、イタリア語教育・イタリア語学習の世界に吹き込んでいくためにも、第100号を機に、改めて、自分の人生におけるイタリア語教育の大切さをしっかり心に刻み、今後のメルマガ発行やブログ記事の執筆に反映させていくつもりでいます。

 皆さん、これからもよろしくお願い申し上げます。
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 写真は、この夏、ピエモンテ州スーザ渓谷の山を歩いていて、出会ったアザミの花と蝶です。

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"Volere è potere. / A chi vuole nulla è impossibile."
Con questi proverbi inizia l'ultimo numero della mia newsletter per i giapponesi interessati alla lingua e cultura italiana.
E' il numero 100, da commemorare. Ecco perché volevo ribadire la forza della volontà e degli sforzi. Quanto alla grammatica, diversi usi del verbo servile, 'potere'. Sulla cultura, ricetta del pesto alla genovese & Gran Sasso.
Qui in Italia mi sono laureata e specializzata con lodi in Insegnamento della Lingua e Cultura Italiana a Stranieri ma posso insegnare l'italiano solo per lezioni private. Tuttavia, sono convinta che soprattutto per i discenti giapponesi ci siano molte cose che solo io posso offrire. Dunque, mi rendo utile, continuando a pubblicare la newsletter con i materiali didattici e le informazioni i quali possono aiutare l'apprendimento dell'italiano.
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LINK
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by milletti_naoko | 2015-08-31 23:59 | Lingua Italiana | Comments(9)

日焼け、日本語・イタリア語

 日本と違って、イタリアでは日に当たること、日焼けすることを好む人が多く、日に焼けた肌こそ健康的だと考える人が多いということは、先日の記事でお話しました。

 実は言語においても、日本語とイタリア語では、昔の人が褐色の肌を何に似ているととらえたか、その違いが、それぞれの言語で使われる日焼けに関する表現に反映されています。

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 日本では一般に「日焼けする」と言い、「焼け」という言葉が、じりじりした太陽の暑さを思わせますが、イタリア語では、「日に焼けて肌が褐色になる」ことを、abbronzarsi (al sole)と言います。そうして、この表現の中には、「青銅、ブロンズ」を意味するbronzoが隠れています。イタリア語学習の強い味方、伊伊辞典、『Lo Zingarelli』には、次のような語源の説明や語義、用例が並んでいます。

abbronzàre [comp. di a- (2) e bronzo; 1340 ca.]
A v. tr. (io abbronzo) – Dare il colore del bronzo: a. i metalli / (est.) rendere bruna la pelle: il sole abbronza la pelle / Anche nella forma pron. (con valore intens.): ti sei abbronzata le braccia.
B abbronzàrsi v. intr. pron. – Assumere la tinta del bronzo / (est.) Divenire scuro di pelle esponendosi al sole o alla lampada a raggi UVA.

 そもそも、この動詞は、「青銅色になる、青銅の色を帯びる」という意味だったのが、人が、「日焼けして肌が褐色になる」ことも指すようになったのです。現代イタリア語では、少なくとも日常生活では、abbronzarsiはもっぱら「日焼けする」という意味で使われている気がします。

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Statua del Grande Buddha, Tempio Todai-ji, Nara 2/4/2009

 日本でもイタリアでも、焼けた肌の色は似たような褐色なのに、日本語では「小麦色の肌」と言い、イタリア語では、「青銅・ブロンズ」の色と表現するのが、おもしろいです。青銅は銅の合金なので、含まれる他の金属の種類やその含有率によって、青みのある色になったり、茶色になったりと、色が変わるそうです。奈良の大仏や10円硬貨も、青銅でできているので、イタリア語でabbronzarsiと言うとき、bronzo(青銅)は、褐色または茶色ととらえられているのでしょう。

 イタリア語には、こんなふうに、名詞の語根(radice)に、接頭辞a-と接尾辞-are/-arsiがついて、動詞が派生する例が数多くあります。参考までに、日常生活でよく使われるものを、いつくか挙げておきます。a-+bronzoなのに、どうしてbが二つあるのかというと、イタリア語のもととなった俗ラテン語では、このa-はad-だったので、次に子音が続くときは、このイタリア語では表面的には姿を消しているdが、後続子音であるbに同化し、bとなるからです。こういう現象をイタリア語でassimilazione regressivaと言います。

braccio 腕  → abbracciare 抱きしめる、包含する、 abbracciarsi 抱き合う
prezzo 値段、価値 → apprezzare 尊重する、価値を認める
profitto 利益  → approfittare(di) 利用する、 approfittarsi 悪用する
rabbia 怒り  → arrabbiare 怒る、 arrabbiarsi 怒る
via 道、行程  → avviare 向かわせる、始める、avviarsi 向かう、動き出す

 こんなふうに、イタリア語でどんなふうに言葉が派生するか知っておくと、知らない言葉に出会ったときも、既存の知識と文脈から、どういう意味かが類推できるようになるので、便利です。

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Daibutsu-den (Atrio del Grande Buddha), Tempio Todai-ji, Nara 2/4/2009

 イタリアでは再び太陽が勢力を取り戻しつつあり、天気予報によると、ペルージャを含むイタリア中部では、明日から土曜までは晴天が続くそうです。皆さん、猛暑と紫外線には、十分にご注意ください。

***************************************************************
Il Colore della Pelle Abbronzata
in giapponese
si chiama komughi-iro (小麦色) , cioè 'il colore del GRANO",
mentre in italiano esso è associato al colore del BRONZO.
La fotografia è della Statua del Grande Buddha di Nara, costruita in bronzo
circa 1300 anni fa.
***************************************************************

関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- Japan-Experience.it – Todaiji 東大寺
- 日焼け、日本・イタリア / Le ragazze giapponesi evitano il sole perché...
- 猛暑を乗り切る黄金律十箇条
- イタリア各地の天気予報 ~ iL Meteo.itの更新を随時反映
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- 第33号 「Tabaccheria、店・職業を表すイタリア語」
- 第49号 「語構成を学んで、語彙増強 ~動詞と名詞から生まれた名詞(1)」
- 第50号 「語構成を学んで、語彙増強 ~動詞と名詞から生まれた名詞(2) 」
- 第51号 「語彙増強とイタリアの爪楊枝」
- 第96号 「物語を読む4、si+動詞の用法いろいろ、健康とピザと野菜スープ、カッシャのサフラン祭り」

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by milletti_naoko | 2015-08-26 18:06 | Giappone - Italia | Comments(6)