2010年 04月 04日
復活祭
二世代住宅の我が家では、ふだんの食事は皆それぞれの家庭で食べるのですが、この日ばかりは私と夫も、朝食を義父母宅で一緒にいただきました。というのも、復活祭の伝統的な朝食は特別なものだからです。いつもは甘い朝食をとる夫と義父母も、この日ばかりは塩気のあるものを口にします。
上の写真は、この復活祭独特の朝食を撮影したものです。左手に見えるのは、torta di Pasqua(復活祭のパン)。義母の手になるTorta di Pasquaは、卵10個とチーズをふんだんに使った練り生地をオーブンで焼き上げたもので、その名のとおり、復活祭に欠かせない伝統の一品です。写真の右手には、祝福を受けた卵(uova benedette)があります。復活祭の日に食べるゆで卵とtorta di Pasquaは、共に、前日に教区の教会で、祝福(benedizione)を受けたものです。 中央に見えるのは、我が家の自家製のvinsanto、甘口のワインです。
朝一番、まずは「Buona Pasqua!」(よい復活祭を!)とあいさつして両頬へのキスを交わし、それから朝食を共にします。その後、伯父たちや義弟夫妻にもあいさつをしてから、身支度をして教会のミサへと出かけました。祭壇には、花で飾られた十字架が掲げられ、「十字架に架けられたイエス・キリストの復活」を中心に、聖書の音読と説教が行われました。
我が家では、毎週日曜日は、義父母宅で3人の息子たちがそれぞれの家族を伴って、大きな食卓を囲んで昼食を共にします。復活祭、ということで、肉料理のメインは子羊(agnello)。食後は、復活祭定番のハト型のお菓子、colombaを食べ、その後いよいよ、特に姪っ子たちが待ちに待った瞬間が訪れます。
華やかな包み紙に包まれた卵形のチョコレートを受け取ること。そして、このチョコレートの中に入っているおまけが何かを突き止めるのが、復活祭の楽しみの一つです。姪っ子たちは、わくわくしながら、大はしゃぎで包みを開けていきます。入っていたのは、かわいいデザインのサングラス、ベルトとビキニの水着。二人は大喜びです。私や義母が受け取った卵の中には、デザインのすてきな腕輪が入っていました。
元気いっぱいの姪っ子二人は、昼食中から最近聞きかじって覚えた歌をテレビの前で振り付けをしながら踊っていたのですが、昼食後は我が家の居間で、私と夫を聴衆代わりにこの歌を披露してくれました。古い歌で夫も「知っているけれども歌詞をよく覚えていない」ということで、その後は皆でインターネットで歌を見つけ出し、いろいろな歌を聞いたり一緒に歌ったりした挙句、最後は階下の義父母や姪たちの両親である義弟夫妻の前で、私も姪二人と共に合唱をして、楽しくにぎやかな1日となりました。
朝から暗雲が垂れ込め、空気は冷え込み、底冷えのする雨の1日となりました。ことわざによると、「Quarto aprilante, quaranta dì durante 」、つまり「4月4日に続く40日間の天気は、4月4日の天気と同じはずだ」ということなのですが、今年は、「このことわざが当たらず、晴れた暖かい日の多い4月でありますように」と祈るばかりです。