2010年 05月 02日
テッツィオ山登頂
初日は、あいさつを交わした後、午後4時前から、ミジャーナの家(上の写真)を出発して、テッツィオ山(Monte Tezio)を登ることにしました。
時には広い散歩道を歩き、時には緑の木々をかき分けながら、皆で上へ上へと登って行きます。
テッツィオ山には、山頂付近に建てられた大きな十字架(croce)が三つあります。まずは最初の目的地である一つ目の十字架に到着。まだまだ頂上は遠いのですが、はるか彼方まで緑の山々を見晴らし、あちこちに散らばる町や畑も見下ろせて、眺めは最高です。登り道がずっと続いて大変だったので、美しい景色を堪能しながらしばらく休憩。
こちらが、一つ目の十字架近くからすぐ下を見下ろすと目に入る風景です。右手に見える家々が連なっているところが、夫が生まれ育ったミジャーナの町。
わたしたちは今回、一番手前にある住宅群から左側に見える古城目指して進み、さらに古城の横を通り過ぎて、ここまでひたすら山道を登ってきたのです。
山道のここかしこに美しいランの花が咲いています。赤紫色のものが一番多いのですが、よく見るとランの色や花びらの形が少しずつ微妙に違っているのがわかります。
クリーム色のランが群れをなして咲いているところも、時々見かけました。こうして辛く苦しいのぼり道を、美しい風景や花々に励まされながら進んでいきました。
目ざとく野性のアスパラガスを見つけては、摘んでいる人もいます。
ようやく二つ目の十字架に到着。古城がもうこんなに小さく見えます。また、これまでは見えなかった湖も姿を現しました。
子供たち3人もよく頑張って、ここまできちんと歩いてくることができました。すばらしいパノラマを楽しみながら、疲れた足をゆっくり休めます。
子供たちは、二つ目の十字架まで登った後、両親に伴われて山を下ることになりました。午後6時5分前。
すでに2時間も山を登ってきているし、三つ目の十字架まで行って下山すると帰宅が午後8時頃になることが予想されます。それでもメンバーの半分は、せっかくだからと三つ目の十字架を目指してさらに歩いて行くことにしました。
テッツィオ山は、フタコブラクダの背中のような形をしており、二つのコブの間にあたる部分は若干の上り下りはあるものの、ほぼ同じ高さです。二つ目の十字架はちょうどその一つのコブの頂付近にありますそして三つ目の十字架があるのは別のコブのやはり山頂付近。というわけで、高度差こそあまりないものの、かなり長い距離を疲れた足でひたすら歩き続けることになります。
ようやく三つ目の十字架に到着。ここからも、また峰を歩いている途中にも、四方の景色が非常に美しく、大変ではありましたが、ここまで歩いてきてよかった、と満足。霞がかかっていはいますが、写真の左手にある山の緑の斜面の横にうっすらと見えるのは、丘の頂にあるペルージャの町並みです。時間は、午後6時45分。
パノラマを十分に堪能してから、今度は別の道を通ってひたすら山を下りて行きます。
フランコがぜひ見たいというので、わたしと夫も一緒に3人で少し帰り道から外れて、急斜面をすべりながら下って見に行ったのが、この菩提樹(tiglio)の巨木です。
森の中に入り、緑の木々の間を歩いて下っていると、山の斜面いっぱいに小さなシクラメンの花が咲いているところが、あちこちにありました。
ようやく出発地点のミジャーナの家にたどり着いたのは、ちょうど午後8時ごろ。日が暮れる直前のことでした。
ありがたいことに、登山には最初から参加しなかった小さい子供たちやそのお母さんたち、そして先に下山したメンバーがすでにかなり夕食の支度を進めてくれていました。
暖炉に薪と木炭をくべ、網に肉(carne)やサルシッチャ(salsiccia)を載せて、じっくりと焼き上げていきます。担当はピザも魚も、炭火で焼くのが名人の域に入ったフランコ。
ルイージ手作りのローズマリー風味のフォカッチャ(focaccia)を切り分けているのはシモーナ。合気道の先生で、日本文化に興味津々です。
特に、エミリア・ロマーニャから来た友人たちとは本当に久しぶりに再会しました。絶妙な焼き加減を見て、フランコが配ってくれる焼肉をおいしくほおばり、皆が持ち寄ったワインを味わいながら、楽しくおしゃべり。暖炉の火がその陽気さをますます盛り上げてくれます。
4時間にわたったテッツィオ山登り。登山は大変でしたが、見晴らしも野の花も美しく、そのあとで皆で共有するおしゃべりや食事のおいしいこと。
翌日日曜日に、雨の中でした散歩については、また次回お話するつもりです。