2010年 05月 28日
春のエルバ島を訪ねて

去年の秋に訪れてエルバ島にすっかり魅せられたわたしと夫は、島に住む友人のバルバラから、「エルバ島が最も美しいのは花が咲きほこる5月」だと聞き、今年はその5月に島を訪れることにしました。
「花が咲きほこる」というよりは、野山の斜面も道の傍らも、「島全体がまさに一斉に花を開いている」と言った方がいいほど、野にも山にも海辺にも一面に花が咲いているところがここかしこにあり、夫もわたしも感嘆しました。
おいおい旅行の詳細について、宿や散歩、町などの情報もあわせてお伝えしていくつもりですが、今回は、その導入として、旅の概要をご説明します。
上の写真で右に細長く伸びている半島の突端あたりに、ポルトフェッライオ(Portoferraio)の港があり、わたしたちは5月16日日曜日の昼すぎに、フェリーでこの港に到着しました。
最初の4泊をすることに決めたのは、スキオッパレッロ(Schiopparello)。ポルトフェッライオ市の郊外、上の写真でも港の対岸に見える緑にあふれる地域です。

上の写真の建物に、滞在したホテルのフロントとレストランがあるのですが、ホテルやその庭も、ご覧のように花に満ちています。
昨秋とは違ってまだ海水浴をするには水が冷たいこともあり、今回の旅行では、もっぱら色とりどりの花が咲き乱れる野山をトレッキングしました。

とはいえ、歩き慣れていて登山が苦にならない夫の言うまま、毎日長距離を歩いていては体力も持たないこともあり、時には車でドライブをして、町を散策したり、美しい海岸を訪れたりもしました。
エルバ島は、紀元前から地中海貿易の重要な拠点であり、また、その豊かな鉱物資源が、すでにエトルリア時代、古代ローマ時代から、活用されていました。そういうわけで、島のあちこちに、古代ローマの遺跡を始め、中世やルネサンス時代の城塞など、さまざまな興味深い建造物やその遺跡があります。

たとえば、上の写真で、左に見える塔は、15世紀にコジモ・ディ・メディチが建造させたものであり、また、塔の手前に見えるのは、古代ローマ時代の邸宅の遺跡です。どちらも、ポルトフェッライオ港のリングウェッラ(Linguella)と呼ばれる地区にあります。
エルバ島の周囲を巡る船の旅にも参加しました。下の写真に見える赤い船、ナウティルス号(Nautilus)で、海岸の景観が美しい地域を2時間ほどかけて往復。かつて座礁した船が今も海中に残るポモンテ(Pomonte)の町付近では、船底に降りて行き、大きなガラス窓から船の遺構やたくさんの魚の群れを眺めることもできました。

上の写真でナウティルス号が停泊しているのは、船旅の出発地かつ到着地であるマルチャーナ・マリーナ(Marciana Marina)の港です。
旅の後半は、エルバ島の西にあるキエッシ(Chiessi)に滞在しました。キエッシは、海辺の小さな、静かな町です。白い大きな岩を持つ海岸が、美しくて特徴的です。(下の写真)

キエッシの小さな町は、小高い山々に取り囲まれていて、そのため、魅力的な登山コースが近辺に数多くあることも、わたしたちがキエッシに滞在した理由の一つです。
上の写真で、町の右上にそびえたつ三つの山の頂も、わたしたちのトレッキングコースになりました。キエッシの町を歩いて出発して、山道を登り続け、この三つの山頂を通り過ぎてから、後ろを振り返って撮影したのが下の写真です。

この峰を歩く山道も、両側が美しい野の花に覆われていました。
わたしたちがキエッシで滞在したホテルも、やはり花でいっぱいでした。

今回は、エルバ島のやや北東に位置するポルトフェッライオと西に位置するキエッシに滞在し、ポルトフェッライオに滞在中は主に島の東部を、キエッシでは島の西部を訪れました。
キエッシを選んだのは、友人バルバラの住む町に近いからでもあります。旅行中には、一緒に町を散歩したり、彼女の家を訪ねたりもしました。

上の写真は、皆が庭で、アルトゥーロを中心に、ボール遊びに興じているところです。
キエッシでも、厳しい登山コースの翌日には、車で美しい海岸や町などを訪れて、のんびりと過ごしました。以下、そうして訪れた場所のいくつかをご紹介します。
こちらは、島の南西にあるフェトヴァイア(Fetovaia)の海岸です。

島の北西にあるマルチャーナ(Marciana)の町の高台からは、下方にマルチャーナ・マリーナ、右にポッジョ(Poggio)の町を見晴らすことができます。真っ青な海や、その海へと向かってのびる緑に満ちた半島の眺めも絶景です。

おいしいワインや蜂蜜、ジャムなどを生産し、直接販売している業者を訪れて、ワインを試飲したり、養蜂の苦労について話を聞いたり、ワインやジャムなどを購入したりもしました。

こうして、美しいものを見て、おいしいものを食べ、すてきな体験をして旅行を満喫したあと、名残を惜しみながら、フェリーでエルバ島をあとにしました。

ペルージャからエルバ島へのフェリーの出る港までは、車で4、5時間ほどかかり、フェリー移動の1時間も含めると、ペルージャからエルバ島までは5、6時間ほどかかることになります。
とは言え、シチリアやサルデーニャよりはずっと近く、海も山も歴史もあり、料理もおいしく料金もお手頃。これからもしばしば訪ねてみたいすてきな場所です。



リンクをたずねてこちらに来ましたが、素敵ですねぇ。うっとりです。海も山もそしてなによりお花がきれい。
今は格安航空券をネットで手配出来るし本当に機会があったら行ってみたいって思いながら写真を見ました。
殆ど語学がお留守でもどうにかなるかしら。
こちらに行くとしたら成田からどこに飛んでどういう経路で行くのが良いんでしょうか?
友人が言っていたとおり、島全体が花に覆われていて、美しかったので感動しました。スイスやドイツなど、ドイツ語圏からの観光客が多いので、イタリア語とドイツ語の2か国語でしかメニューが書いていないホテルもありましたが、海外からの旅行客も多いので、英語が通じるところが多いはずです。便利なバスが島内をめぐり、町と町をつないでいます。
調べてみると、日本から旅行された方の中には、フィレンツェからバスでピオンビーノ港まで行き、そこからフェリーでエルバ島を訪ねた方が多いようです。エルバ島へのフェリーの便については、次の記事で説明しています。http://cuoreverde.exblog.jp/13888961/
ヨーロッパの都市やピサ・フィレンツェとエルバ島を結ぶ飛行機の便もあるようですが、エルバ島は夏を中心に観光客が多い島なので、季節によっては、便がないかもしれません。
地中海のただ中にあって、島だけれどちょっとした山もある本当にすてきなところなんですよ。
美しい町並み風景の中を走り抜けていく往年の名車たちが兎にも角にも格好良かったのを思い出します。
なおこさんの写真に出てくる風景が画質がよく綺麗なので、TVで観た街の記憶もここ10年くらいの事と錯覚しそうですが、既に30年も前の事だったのを改めて驚きました。