なおこのイタリア写真草子 Fotoblog da Perugia ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

夏のマレンマ自然公園を訪ねて1

 週末に、トスカーナ州の南にあるマレンマ自然公園(Parco della Maremma)を訪れました。一緒に行ったのは、下の写真で背を向けて歩いている3人組、夫とその友人で同僚でもあるアントーニオ、そしてリリアーナです。

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アルベレーセ海岸(Marina di Alberese)

 公園といっても敷地は広大で、山あり海あり川あり。さらに、湿原と牛や馬が放牧されている草原もあります。「沿岸地域」を意味するラテン語、marĭtimaが、俗ラテン語からイタリア語への発展・変容の過程で語形変化して、イタリア語ではmaremmaとなり、「沿岸の湿地帯」を意味するのですが、そこから、トスカーナ州南部からラッツィォ州北部にわたる沿岸の湿地帯を、マレンマ・トスカーナ(Maremma toscana)と呼ぶようになり、さらにはマレンマ(Maremma)という一語だけでも、現在では干拓されて豊かな農業地帯となったこの広大な湿地帯を指すようになったそうです。(昔、大学の授業で習ったことに加えて、Zanichelli社の伊伊辞典、『Lo Zingarelli』と小学館の『伊和中辞典』を参考にしました。)

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地図は、マレンマ自然公園のパンフレットから借用

 地図を見ると、マレンマ自然公園が海岸に沿って南北に長く伸び、さらにその自然公園を、ウッチェッリーナ山(Monti dell'Uccellina)が縦断しているのが、お分かりかと思います。

 今回のわたしたちの拠点は、自然公園の北東にあるアルベレーセの村です。6月26日土曜日の朝10時に、ペルージャを夫の車で出発しました。

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 マレンマが近づき、車窓からウッチェッリーナ山の山並みが見えるようになりました。

 事故による交通渋滞もあったために、12時半頃に、アルベレーセ(Alberese)に到着しました。

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 すぐに村の食料品店(alimentare)でパニーノを購入して、昼食をすませました。上の写真の建物の右端にある「食料品店のチーズがおいしい」と、友人たちが言ったからなのですが、そのとおり、わたしの食べたチーズ、カチョッタ(caciotta)も、とてもおいしかったです。夫とリリアーナがおしゃべりしながらパニーノをほおばる横で、アントーニオが携帯電話で話しています。

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 村から少し離れたこちらのレストランに車を停めて、自転車をレンタルし、7kmほど離れたアルベレーセ海岸(Marina di Alberese、上の地図参照)まで、サイクリング・コースを、自転車に乗って行きました。

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 なだらかな丘に囲まれた田園地帯をしばらく行くと、やがて広い草原に出くわしました。ところどころに、放牧された牛の姿が見えます。

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 草原地帯を通り過ぎると、やがて道が松林の中に入って行きます。その途端に、セミの大合唱が聞こえてきました。

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 湿原のここかしこを流れる水路に影を落とす松林がそれは美しいので、目をみはります。

 自転車で行くと、風景を存分に楽しめるのですが、店で自転車を借りた時間が昼過ぎと遅かったために、古ぼけたマウンテン・バイクしか残っておらず、初めて乗ったわたしは、ペダルが重くて運転しづらいので、非常に苦労しました。午後2時に自転車で出発し、45分後に、ようやくアルベレーセ海岸に到着しました。

 ウッチェッリーナ山を眼前に、波打ち際を南に向かって歩いて行き(最初の写真)、4人がタオルを広げて、寝そべることのできる場所を探しました。

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 穏やかな青い海を眺めながら、波の音を聞きながら、ルイージとリリアーナは、日光浴を楽しみます。

 アドリア海岸の砂浜は、ビーチパラソルが縦横に並び、バールなどの店があちこちにあって、商業的でせわしない感じがするのですが、ティレニア海(Mar Tirreno)に臨む、このアルベレーセ海岸の砂浜にはこうしたサービス施設がなく、自然の美しい風景や海を、ゆったりとした気持ちで、楽しむことができます。

 照りつける日ざしが強いため、素足で歩くと、砂が暑いほどです。しばらく日光浴をしたルイージも、日の光が焼くように暑いと言って、わたしがいた日陰(上の写真手前の青いテントの下)まで逃げ込んできました。

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 一方、アントーニオはどうしているかと言うと、相変わらず携帯電話を片手に、なにやら話し込んでいます。

 海の水が意外にひんやりとして冷たかったのですが、わたしはこの日、今年初めての海水浴をしました。夫はすでに5月のエルバ島で初海水浴をすませています。アントーニオとリリアーナは、海水浴の前に、波打ち際を長い間、散歩しました。海で泳いで日光浴をしたあとは、出店まで歩いて、夫とアントーニオはアイスクリームを食べ、わたしはフルーツ・ジュースを飲みました。アルベレーセ海岸では、砂浜にはこうしたサービス施設がなく、長いこと歩いて、駐車場近くにある店まで行かなければなりません。

 ちなみに、わたしたちが自転車で砂浜まで来たのは、特に週末は駐車場が混み合う上に、料金がとても高いからでもあります。

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 海辺近くの松林の中には、白く小さいギンバイカ(mirto)の花が咲いているところが、いくつかありました。

 サルデーニャ島やコルシカ島では、ギンバイカの実を使って、リキュールを作る伝統があります。このおいしいリキュールの名は、植物と同じでミルト(mirto)と言います。

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 ちなみに、こちらが、3年前の旅行で、サルデーニャを訪れた際に、わたしたちが購入したミルトの瓶と箱です。

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 午後6時半頃に砂浜を後にし、来た道を自転車で引き返します。

上の写真は、ルイージが草むらに潜むイノシシ(cinghiale)を発見したところです。残念ながら、ズームで拡大しようとしていたら逃げられてしまったのですが、写真中央やや左の黒い点が、イノシシのいるところです。

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 こちらが、わたしが使用したマウンテン・バイクです。サドルが細くて堅いため、帰りは痛みのために、腰を下ろして座ることもできず、帰りは休み休みしながら、立ちこぎするはめになりました。

 疲れと痛みとで半泣き状態で、水路にかかる橋に自転車を停め、ウッチェッリーナ山と草原の眺めを楽しみながら、一休みします。

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 サイクリング・コースが、田園の中を行くところまで、たどり着きました。ゴールのレストランは、もうすぐそこです。

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 夕日が辺り一帯を染める中、ようやく終着地点に到着しました。店の前に、「自転車1台、1日9ユーロ、1時間3ユーロ」と書いてあったのですが、借りたのが昼過ぎだったので、5ユーロに負けてくれました。

 夕食も、このレストラン、マンジャパーネ(Osteria Il Mangiapane)で食べました。アントーニオとリリアーナは、夏にはよくアルベレーセ海岸に来るのですが、「料理がおいしくて、内装もすてきだから」と言うので、二人のお気に入りの店です。カーテンや壁の飾りが異国情緒を醸し出す店内で、おいしい料理とおしゃべりを、皆で楽しみんだのでありました。

 旅の2日目については、こちらの記事をご覧ください。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2010-06-29 17:30 | Toscana | Trackback | Comments(0)