2010年 06月 30日
夏のマレンマ自然公園を訪ねて2
宿泊先のすぐ近くに、ヒマワリ畑(campo di girasoli)があり、鮮やかな黄色い花が並ぶその向こうに、ウッチェッリーナ山が見えました。
バールで朝食をすませ、アントーニオたちをマンジャパーネまで車で送ってから、まずは、マレンマ自然公園観光案内所のアルベレーセ支部を訪れました。(下の写真)
観光案内所(centro visite)には、宿泊先やレストランの情報があるコーナーや特産品の販売コーナー、そして自然公園の地図やガイドを売ったり、観光案内をしたりするコーナーがあります。
パンフレットにも書いてありますが、マレンマ自然公園(Parco della Maremma)を散歩するのに望ましい季節は、春か秋です。夏は、日ざしが強く暑い上、山火事の恐れがあるからというので、トレッキング・コースの多くが、閉鎖されたり、ガイドつきでのみトレッキングが可能で、前日までの予約が必要だったりします。ちなみに、今年の夏、トレッキング・コースにこうした制限がある期間は、6月15日から9月15日までです。
上の写真は、2007年10月13日に、トレッキング・コースA1を歩いた際に、ウッチェッリーナ山(Monti dell'Uccellina)の高みから、撮影したもので、砂浜が長く続く海岸線と鮮やかに青い海が写っています。
結局、わたしたちは、公園指定のトレッキング・コースを避けて、アルベレーセ村の近辺を散歩することにしました。炎天下で高い入場料まで払って、観光客で混雑するコースを歩く気がしなかったからです。
こちらは、村の中心にある教会です。わたしたちは、この教会を訪れた後、教会の左側の道を墓地(cimitero)まで歩いていきました。
道の両側には色とりどりの野の花が咲き乱れ、やはり色とりどりの蝶が、信じられないくらいたくさん、花の周囲を飛んだり、花に止まったりしていました。
こちらが、そうした蝶の1匹です。わたしが美しいと感嘆したのは、羽を広げているときは、羽が黄色とオレンジ色、閉じているときには黄色と薄緑色になる中型の蝶や小さいオレンジ色の蝶だったのですが、カメラを近づけるとすぐに飛び立ってしまうので、止まっているところを近くから撮影することはできませんでした。
美しい蝶の舞いや花の数々に、時々足を止めながら、墓地まで歩きました。墓地の前には広い野原があり、夫とフランコは何年も前に、ここにテントを張って夜を明かしたそうです。
墓地からしばらく道を引き返したとき、右側に小高い丘を上っていく坂道があるのに気がつきました。坂道を登っていくと、まずはアグリトゥリズモがあり、さらに登って行くと、平野を遠く見渡せる、眺めのいい場所がいくつかありました。
道がだんだん険しくなった上に、日が昇って暑くなってきたため、頂上までは行かず、もとの道まで坂を下っていきました。
自然公園指定のトレッキング・コース、A5とA6の出発地点まで戻ると、その脇に、トマト畑に続く小道があったので、今度はこの畑に向かって歩きました。
この小道の道端にも、野の花がたくさん咲いていたのですが、わたしたちを驚かせたのは、この非常に背の高いアザミ(cardo)の花です。
いったん村の中心の広場まで戻ってから、ベンチに腰を下ろして果物を食べた後、今度は車で、ウッチェッリーナ山の南端にあるタラモーネ(Talamone)を訪れました。
タラモーネは漁師の町で、長い歴史を持っていると、いろいろなサイトの観光案内にあります。
イタリア統一のために活躍したガリバルディが上陸して、戦いに必要な武器を調達した記念すべき場所ということで、町の教会前の広場には、ガリバルディの記念碑もありました。
こちらは、タラモーネの町や周辺の海をすべて見下ろす位置に建てられたタラモーネの城塞(Rocca di Talamone)です。16世紀に当時タラモーネを所有していたシエナの人々によって建てられたということです。
町の高みからは、青い海を遠くまで見晴らすことができ、とにかく眺望の美しい町です。上の写真で、前方に見えているのは、ジッリョ島(Isola del Giglio)です。岸壁の下にある海岸には、階段で下りて行くことができます。海水浴や日光浴をする大勢の人々が、上からも見えました。
城壁には、ツボミが食材として使われるケッパー(cappero)が育ち、小さく白い花を咲かせていました。写真で、上に見える白い花がケッパーの花で、下のピンク色の花は、キョウチクトウ(oleandro)です。
港の眺めを楽しめるバールで軽く昼食をすませて、美しいタラモーネの町をじっくり散策したあと、わたしたちは帰途につきました。
帰り道は遠回りをして、山の高みにあるモンティアーノ(Montiano)という村を訪れました。
建物や町並みが独特で、見晴らしの美しい村です。
急ぎ足でモンティアーノを散歩したあとで、車でアルベレーセの村まで戻りました。そこで、待ち合わせをしていたアントーニオたちと合流し、午後4時半頃にアルベレーセを出発。
帰りは渋滞を避けるために、シーナルンガ(Sinalunga)までは高速道路を通らずに、山の間を通る風景の美しい道を行き、午後7時頃、ペルージャの自宅に無事到着しました。