2010年 07月 02日
パノラマ鳥瞰
よく晴れた日には、遠くの山の中腹にアッシジの町並みが見え、さらにはるか彼方にはシビッリーニ山を見渡すことのできるとても眺めのいい場所です。
「鳥瞰」と言っても、ここでは、辞書どおり「空飛ぶ鳥が上から見下ろしている」という意味ではありません。塀の上をよくご覧になると、鳥が1羽いるのが見えますが、この鳥が眺めを楽しんでいる、と言いたかったのです。
このツグミ(merlo)、他の鳥たちが木々の間で戯れたり、歩道の上に観光客の落とすパンくずに群れたりする中で、1羽孤高に、感慨にふけりながら風景に眺め入っているように見えます。
次の写真は、ツグミのやや左側に見えた風景です。
左側に見えて、鐘楼を修復中の教会は、サン・ドメーニコ教会(Chiesa di San Domenico)で、回廊(chiostro)が美しかったのを、ぼんやりと覚えています。
写真の中央よりやや右手、奥の方に小さく見える細長い鐘楼は、サン・ピエートロ教会(Chiesa di San Pietro)です。歴史の非常に古い教会で、内部には、ペルジーノ(Perugino)、ラッファエッロ(Raffaello)、ヴァザーリ(Vasari)など、著名な芸術家の作品が多数あります。
さて、この見晴らしの美しい場所にはどうすればたどり着けるのかというと、ペルージャの観光案内所があるマッテオッティ広場から、まずはイタリア広場に向かって、バッリョーニ通り(Via Baglioni)を進みます。
しばらく歩くと、すぐに上の写真にあるイタリア広場(Piazza Italia)が右手に見えます。お疲れの場合は、しばらくベンチに腰を下ろしてゆっくり休まれてもいいでしょう。銅像は、1861年のイタリア統一時の国王、エマヌエーレ・ヴィットーリオ2世のものです。
まだ体力に余裕のある場合は、イタリア広場に立ち寄らず、来た道を突き当たり付近までずっと進んでください。
美しい眺望を遠方まで270度見晴らせるこの場所まで、たどり着けるはずです。
では、残りの90度の眺めはどうかというと、これは次の写真に収めてあります。
右に見える道路の奥の方が、バッリョーニ通り。左に見える緑は、カルドゥッチ庭園(Giardini Carducci)です。
地元の人や観光客などが、緑の木陰を散歩したり、ベンチでおしゃべりをしたり、休んだりしています。外国人大学の語学・文化コースに通っていた頃、この庭園に来て勉強をするのが好きだという友人もいました。まもなく始まるウンブリア・ジャズでは、この庭園もコンサート会場の一つになります。
引き続き、ペルージャのパノラマを楽しむ散歩を続けましょう。マッテオッティ広場から、バッリョーニ通りをまっすぐ進み、イタリア広場を右に通り過ぎて、突き当たったところを右に曲がって、下って行くと見えるのが、次の風景です。
右手に見えるのはカルドゥッチ庭園、左側には、ペルージャのこれまでとは違う方面のパノラマが見えてきます。
中央に見える鐘楼は、サント・スピーリト教会(Chiesa di Santo Spirito)のものです。この方面では、道のすぐ下方に赤い屋根の家々が見える上、遠くの丘や山も見晴らすことができます。
このまま道を下って曲がり角まで行くと、別の新しい方面のペルージャのパノラマを楽しむことができます。今の季節には、空や家々の間を飛び交うアマツバメたちがたくさん見え、また、西に向かっているため、夕日がそれは美しいので、まだわたしが学生生活を送って、ペルージャの中心街に住んでいる頃には、夫とよく散歩した場所の一つです。
今回の写真を撮影したのは、実は去る4月30日です。この日は、正午に大学の授業を終えたあと、帰宅前に、バスの待ち時間を利用して撮影をしたため、この曲がり角まで行く時間はなく、上の写真の地点まで歩いてから、引き返しました。
さて、冒頭のツグミですが、眺めをゆっくり楽しんでいる傍らで、わたしがいい写真を撮ろうと周囲をうろうろするのが、気になったのか、一度後ろを振り返りました。
首をかたげた様子がなんとも愛らしく思えましたので、最後はこの写真で締めくくることにします。
だけるとうれしいです。