2010年 07月 05日
花とツグミおどし
イタリアは日ざしがことに強い上に、この西向きのベランダは午後は日暮れまでずっと日光が降り注ぎます。最近は、夏時間に入ったためもあって、日が長くなり、午後9時にもまだ空が明るく見えます。ちなみに、今日のペルージャでの日没は、午後8時52分とのことです。
角度を変えて撮影してみました。花の育ちぶりと我が家が緑に囲まれていることがお分かりかと思います。
車でペルージャの中心街や駅まで15分という便利な位置にあります。ただ、住宅地としては、市のバス網から少し置き去りにされていて、仕事で中心街に行くときは、バスを乗り継いで、40分から1時間ほどかかってしまいます。実は、以前には中心街まで乗り換えずに行ける直通のバスが我が家の近くを走っていたのに、新しい交通手段であるミニメトロができて以来、ミニメトロの利用率向上を図るために、路線が変わり、わたしたちにとっては、交通がかえって不便になってしまいました。
こちらは夫が種から育てた花です。最初は1輪の茎に小さなごく数輪の花が咲いていたのに、どんどん茎が枝分かれして、花やつぼみがあっという間に増えていきました。
わたしと夫の住む家は、二世代住宅の中にあります。急な斜面に建っているために、家の西側と東側では階が違い、西側は建物の2階であるのに、東側は1階で、地面と同じ高さにあり、ベランダがそのまま庭に続いています。
これが家の東側のベランダと庭です。後方にある石垣の上が道路になっているので、道を行く人から庭やベランダ、家の中がよく見えてしまいます。家を少しでも、自分たちの居心地のいい、他人の目がいたずらにのぞきこまない場所にしようと、夫が、ベランダを覆う屋根の柱に細竹を組み合わせ、大きい鉢植えのジャスミンを竹の網にからませて、アーチを作りました。撮影時の日の光が強かったため、写真では見にくいのですが、和洋の味を両方取り入れ、緑に囲まれたすてきな空間になっています。数週間前までは、ジャスミンの白や黄色、ピンクの小さい花が美しく咲いていました。
ところが、この1か月ほどの間に、ジャスミンの鉢の土が掘り返されて、ベランダにまき散らかされるという珍事がたびたび発生しました。ジャスミンの鉢自体は、もう何年も庭やベランダに置いてあったのですが、こんなことはこれまで一度もありませんでした。
我が家の周囲でよく見かける猫とツグミに容疑がかかっていたのが、先日から夫が何度か、土を掘り返している最中のツグミを目撃し、どうやら犯人はツグミらしいということが分かりました。
イタリアの家庭では、食事の際に使うテーブルクロスの上のパンくずを、庭の上に払い落として、野生の鳥たちのエサにします。我が家でもやはりそうやってパンくずをやる上に、庭や野菜畑にある木々に実る果物を目当てに、ツグミを始めとする鳥たちが我が家にはよく訪れます。
朝から晩まで朗らかな鳴き声を楽しませてくれる半面、ナシやサクランボ、リンゴなどの果物を、まだ実が熟さないうちからつつき始めて、そのため実が熟していないのに地面に落ちてしまうという問題もあります。
それはさておき、この鉢へのいたずらの頻度や掘り返す土の量がだんだん増えてきたために、わたしと夫で、ツグミを鉢から遠ざけるための対策を練りました。
こちらが、わたしの作品です。カカシと違って、顔だけを紙に描いて、ツグミがねらっている植木鉢の地面の近くに結わえつけました。表が赤、裏面が銀色に光る紙を細く切り取って、髪の毛のように取りつけ、「赤毛のあんちゃん」が完成しました。
一方、夫は「あまり怖そうじゃない」と言って、音でツグミを脅かそうと考え、何年も前にインドネシアのバリ島で購入したという上の部屋飾りを、ジャスミンの鉢の間に竹で作ったアーチの下に吊り下げました。風が吹くと、貝殻の中に通してある小さい釘が貝殻にあたって、涼しい音色を立てるのです。
実は夫には前科があって、かつて、わたしが日本からの土産として贈った風鈴を、イノシシ対策として、当時二人で住んでいた田舎の一軒家の家から離れた畑の真ん中に立つ木に取りつけたことがあります。音色が好きだというから贈ったのに、野獣対策に使われ、風鈴が風雨にさらされて、悲しかったのを覚えています。
結果はというと、最初の1週間ほどは、わたしのお面のある鉢以外の鉢がねらわれるようになりました。
そこで昨日、7月4日日曜日に義父母宅での恒例の日曜の昼食会に来た姪っ子たちに、昼食後、ツグミを怖がらせるお面作りをしよう、と呼びかけました。上の写真は、小学1年生を終えたばかりの妹娘、マッダレーナの作品です。
我が家の庭でも時々猫がツグミを襲って食べることがあり、猫はツグミの天敵です。マッダレーナはさらに、口から火を吐かせ、足を3本つけて、恐ろしい雰囲気を出すのに、成功しました。
一方、こちらは姉、アレッシアの作品です。目や耳の描き方や色使いが独創的です。
毎週日曜日の昼食会の後は、義弟夫婦が散歩をしている間に、わたしと夫、あるいは義父母が姪たちの遊び相手を引き受けることが多く、このお面作りは、あきやすい姪っ子たちにも楽しめるし、わたしたちもジャスミンの根を守ることができて、一石二鳥だと考えたのです。
ところが、昼食の席でこの話を姪たちに持ちかけてすぐに、彼女たちの母から、「鉢の土の中に、いくつか串をさしこめば、鳥が来なくなる」という名案を聞き、夫はこの案に賛成。ただ、一度お面作りと聞いて大喜びした姪っ子たちは、お面を作りたがったので、わたしたちも手伝いながら作ったのが、このお面です。
結果
日曜日までは、わたしのお面のある鉢を避けて、土を掘り返していたのが、この日の夕方見てみると、わたしのお面のある鉢だけ、かなりの量の土がまき散らかされていました。姪たちの作ったお面の方が、やはり迫力があるからでしょうか。わたしたちが猫を疑っているのは、小鳥が虫を探して掘り返すにしては、土の量が多すぎるような気がするからです。
現在は、夫が枯れ木の枝を串代わりに土に差し込んで、被害を防ごうと計画しているところです。
私の友人の何人か郊外に住んでいます。
Trinita`/Oscano/Cordiglianoなどです。
ちょうど良い気候で、大満足の旅行になりました。
この季節、森の中にはきれいな黄色の花が咲いていました。
あたり一面、黄色の世界。
乗馬のインストラクターに聞くと、
Finocchio(ウイキョウ)と教えてくれました。
庭荒しの犯人、はやく見つかるといいですね~
私も猫ちゃんが犯人だと思います。
ジーナ
ペルージャでは1960年代頃に、郊外からこぞって中心街やその周辺への移動があり、その後、近年は、中心街の家賃や物件が値上がりし、また自然に囲まれた暮らしを求めて、郊外へと逆向きの移動をするUJIターン現象が起こっています。
Oscanoも緑に囲まれた美しいところですよね。一度記念日に、夫が城内のレストランで食べようと言ってくれたのですが、結局食よりも自然と散歩を選んで、トラジメーノ湖に1泊旅行をしたので、まだ行っていません。
お帰りなさい。ご満足のいくすてきな旅行になったようで何よりです。乗馬して見られた景色、きっとそれぞれに思い出に残るすてきなものだったと思います。野生のfinocchioはわたしは一面に生えているのは見たことがないのですが、場所はどちらでしょう。
応急措置として、鉢の土をチラシで覆ってからは、今のところ被害がありません。我が家のある辺りは風が強いし、水をやるたびにチラシが邪魔になるので、他の対策が必要です。
だれが犯人にせよ、とにかくすばしっこいので、油断がなりません。
乗馬で2時間ほど進んだところにありました。
山道の両脇にFinocchioが咲いている写真を、後ほどメールします。
残念ながら、一面Finocchio草原の写真は、撮っていませんでした。
あまりにきれいで、写真好きのお友達も撮り忘れてしまったようです。
乗馬でなくても、トレッキングでも行けると思います。
機会がありましたら、是非どうぞ。
ただし、迷子にならないように、ご注意を~~~
ジーナ