2010年 08月 10日
花の名は

小さな白い花がいっぱいに咲いている様子も美しいのですが、一つひとつの小さい花のつくりも、それは可憐で、見ていて飽きません。

野菜畑へと降りていく階段の脇に咲いていたので、野菜を取りに行くたびに、花をじっと見つめていたら、この花の一風変わった咲き方を発見しました。

まずは、こんなふうに、麦の穂のような、それでいて、大きな芽でもツボミでもありそうなものが、茎の先端に現れます。

よくよく周囲を見ると、この麦の穂のようなものが、薄い袋状の包みの中に、小さなつぼみをたくさん秘めていることが、分かります。

このつぼみが、まるで卵から1羽ずつ孵っていくヒヨコのように、一つ、また一つと、薄い膜を突き破って、頭を持ち上げていきます。

「ほら、君たちも目を覚まして、頭をもたげてごらん。日差しが暖かくて、気持ちがいいし、空気も新鮮だよ。」

「本当だ。外の空気は、なんてすがすがしいんだろう。」
「あんまり慌てないで、一人ずつゆっくりおいでよ。みんながいっぺんに来たら、窮屈だから。」

そうして、一つひとつのつぼみが、少しずつ膜を破って、外に出て行き、さらに、そのつぼみが一つひとつ、順番に小さく白い花を咲かせていくのです。

遠くから見ても、近くから見ても、可憐で美しいこの花は、こんなふうに、とても不思議な咲き方をします。イタリアではもともと野山に自生する花だそうですが、我が家では、どうもお義父さんが、庭用にと買って育てたようです。
この可憐な花、ラテン語の学名がAllium neapolitanum。イタリア語では、aglio napoletanoなのです。訳すと、なんと「ナポリのニンニク」。ユリ科ネギ属に属しているそうですが、ニンニクとは花もかなり違うし、臭みもなく、花が可憐なだけに、名前が悲しい気がします。もし日本語名があるとすれば、花にふさわしい名であってくれと、思わず祈ってしまうのでした。




