2010年 08月 11日
花いっぱいの山の庭園
目に飛び込む鮮やかな色の美しい花の数々が、わたしたちの疲れを吹き飛ばしてくれました。
色の明るさと美しさに、わたしがとりわけ魅かれたのが、こちらの花です。
花には、日中は花を開いているけれども、日が傾くと閉じてしまうものが多いので、庭で最初にこちらの花を見たときに、「なんて美しい色の花だろう、咲いているところが見られなくて残念」と、思わず夫に言いました。
幸いまだ庭に日差しが降り注いでいるところがあって、こんなふうに花をいっぱいに咲かせているところを見ることができました。
庭は広くて、さまざまな色の花がそれぞれに自分の花を咲かせています。庭の端には小さな池もありました。
イタリアではあまり見かけないコスモスの花も、色とりどりの花を美しく咲かせています。「秋桜」とも言うくらいで、日本ではもっぱら秋に見かけた花を、思いがけずイタリアの夏山に見つけて、不思議ながらも、うれしい気分になりました。
こちらの花は、イタリア語で、bocca di leone。訳すと、「ライオンの口」なのですが、それは、一つひとつの小さい花を手で上下に押し分けると、獣が口を大きく開けたような形に見えるからです。我が家近くの道端にも、あちこちに生えていて、やや紫がかった濃いピンク色をしています。上の写真では、左から二つ目の花です。日本語では、キンギョソウと呼ばれているようです。
こちらは、ケシ(papavero)の花の数々です。日頃、わたしたちが野山や麦畑によく見かけるのは、赤、あるいは赤みがかったオレンジ色のヒナゲシです。こんなに様々な色があることも、そして、一輪の花が二色で彩られているものがあることも、知りませんでした。
この庭は、名をGiardino di montagnaと言います。日本語に訳すと、「山の庭園」となるのですが、野山で見かける花よりも、人々が庭などで育てている花の方が多いような気がしました。
この庭園は、国立トスカーナ・エミリア地方アッペンニーニ自然公園(Parco Nazionale dell'Appennino Tosco-Emiliano)のオレッキエッラ(Orecchiella)にあります。上の写真に写っているのは、このオレッキエッラの観光案内所です。子供やあまり歩き慣れていない人でも楽しめるようなトレッキング・コースがいろいろと用意されていました。
週末で人も多く、野生的な自然を好む夫には、物足りなかった様子だったので、結局、オレッキエッラはわたしたちのトレッキング候補地からは外れることとなりました。そこで、山の庭園の後方に聳え立つ岩壁、Pania di Corfinoを眺めながら、オレッキエッラを後にしました。