2010年 09月 20日
たまねぎ万歳! ウンブリア村祭り
恒例の玉ネギ祭り(Festa della Cipolla)が、今年30周年を迎えました。毎年約10万人が訪れるという玉ネギ祭りに、わたしも、9月11日土曜日の晩に足を運びました。一緒に行ったのは、上の写真中央で後ろ姿を見せている夫とルーカです。
中心街入り口の近くを流れるこの川は、トピーノ川です。橋を通りかかると、ちょうど夕日が、空と川を美しく染めているところでした。
収穫したての玉ネギを売っている出店があります。赤、白、茶色と色とりどりの皮に包まれ、味や大きさ、形のさまざまな玉ネギが、並んでいます。
中心街には、大勢の客をもてなせるレストラン・ブース(stand gastronomico) が、五つ設けられていました。どの店も、当然玉ネギ尽くしの料理を提供しています。今回わたしたちが選んだのは、Il Giardino Fioritoです。「花が咲く庭園」という店名が気に入った上、玉ネギ祭りのホームページ(リンクはこちら)を見ると、歴史の長いブースで、メニューもおいしそうだったからです。
皆が一番満足したのは、こちらの前菜です。中でもおいしかったのが、右手前に見えるクロスティーニで、パンの上に、バルサミコ酢で料理した薄切り肉とマリネした玉ネギを載せてありました。
こちらは、わたしと夫が頼んだパスタです。牛乳、チーズ、玉ネギを使って作った玉ネギのクリームがパスタと和えてありました。それなりにおいしかったのですが、あまり玉ネギの味がしなかったのが残念でした。隣のおじいさんが「おいしい」と舌鼓を打ちながら、ポレンタに調理した豚肉と玉ネギを添えた料理を食べていました。
ルーカが頼んだセコンドは、ローズマリー・ニンニク風味のポーク・ソテーにソースをかけたものです。これはうまい、と喜んでいました。肉料理の向こうに見えるのは、コントルノで、もちろんこちらも玉ネギ料理です。小玉ネギ(cipollina)を料理したものが2品並んでいて、一つは甘酢で調理してあり(all’agrodolce)、もう一つは、料理名が「美味な小玉ネギ」(cipollette deliziose)でした。わたしは食べていないので、どういう味つけだったのかは分かりません。
なんとデザートまで、玉ネギづくしです。玉ネギ入りのクリームで作ったこのパイが思いがけずそれはおいしかったので、夫は大喜びです。
こちらのデザート、玉ネギのイセエビ(aragosta cipollata)も、カリカリ、パリパリの外皮の中に甘いクリームがたっぷり入っていて、おいしかったです。見かけだけではなく、殻の触感も、イセエビ(aragosta)に似ていました。
食事と支払いを済ませてブースを出ると、すでにすっかり日が暮れて、暗くなっていました。食後の腹ごなしもかねて、出店や人だかりでにぎわう村の中心街を散歩します。教会の前にも、やはり玉ネギを売る露店があります。
教会は、中の装飾も美しかったです。祭りを訪れる観光客のためか、夜遅いというのに教会が開いていて、たくさんの村人や観光客が訪れていました。
教会前の広場に椅子が何列にも並べてあり、ステージ上に音響設備が整えてあったので、どうもこれはコンサートがあるらしい、ということで、椅子に座って、開演を待つことにしました。やがて吹奏楽団の音楽が聞こえ始め、歩きながら演奏する楽団員が目に入ってきました
演奏したのはモーツァルトやエンニオ・モリコーネの曲で、それも調べが美しく、耳になじみの深いものでした。
通りに並ぶ出店は、玉ネギの店ばかりではなく、本やアクセサリーなど、さまざまです。目抜き通りは、大勢の人々であふれかえり、道端でパフォーマンスをする芸人もいました。
玉ネギの好きな方、村祭りで食を楽しんでみたいという方は、ぜひ年に一度の玉ネギ祭りを訪れてみてください。できれば平日に訪れた方が、食事も散歩もゆったりとした気分で楽しめると思います。
日本では普通1種類しか見ませんもん。
ご主人は食通な方ですね。
美味しいものに巡り合うと、いつも大喜びされて可愛いです^^
夫はおいしいものは喜んで食べる一方、特にピザとデザートの採点は辛いので、この玉ネギクリームのパイは、本当においしかったのです。
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イタリア、大好き!な働く主婦です。
玉ねぎも好きです!
ウンブリア、一昨年、アッシジへ、去年はオルビエートとウンブリアと言えるのかどうかのチヴィタ・ディ・バーニョレッジョ、ボルセーナと行きましたが、ペルージャへはまだ・・・
訪れてみたい街の一つです。
この玉ねぎのお祭り、楽しそうですね!
秋はなかなか休めないのですが、いつか行ってみたい・・・
またお邪魔させてくださいね!
コメントをありがとうございます。玉ネギ祭り、私は初めてで、食事がとにかくおいしかったのでうれしかったです。ペルージャではまもなくチョコレート祭りが始まります。こちらの祭りはとにかく人がどっと押し寄せて、特に週末は混雑するので、ゆっくりと訪れるには平日や午後早くがお勧めです。初夏から秋にかけてはイタリア各地で食に関わる催しが多いので、行かれたい場所でどんな村祭り(sagre)やイベント(eventi)があるのかを、地名とキーワードをイタリア語で入れて検索すると、近くに必ず何か催しがあるはずです。サイトはイタリア語でしょうが、英語版がなくても、地名や日にち、地名は見当がつきやすいかと思いますので、参考にしてください。
こちらこそ、これからもよろしくお願いします。