2010年 09月 25日
リッチョーネの花市


会場は、館、Villa Lodi Fèとその庭園です。入り口で3ユーロを払って入場。この花市の正式名は、Giardini d’autore、訳すと「芸術家の庭園」です。残念ながら、この日は朝から雨が降っていました。

妖精や鳥の置物に囲まれた鉢では、蓮の花が、美しく咲いています。

こちらの装飾は少々グロテスクで、水草に覆われた水面に浮かぶ顔の口から水が噴き出ていて、水を入れてある鉢は、紫がかった色をしています。「蓮の花と水草」から日本で連想する池や庭の趣向と大きくかけ離れているところが、逆に意表をつかれて、おもしろかったです。

竹林の間に、竹を組んで小道を作り上げ、人が通れるようになっています。西洋風の花市の一隅に潜む「和の空間」。傘をたたんでは、小道へと入って行く人が大勢いました。

竹林の小道を抜けると、金属で作ったさまざまな鳥や動物、植物などの置物を飾った、不思議な空間がそこにありました。ツバメ、鶏、スズメなど、どれもよくできています。

キノコやリス、ハリネズミもあります。ハリネズミの行列が、何だか愛嬌があって、かわいかったです。フランス人の女性が一つひとつ手で創り上げた品のようで、看板はフランス語で書かれてあり、金髪の女性が、このおとぎ話のような空間を訪れる客に、作品の説明をしていました。

色も形もさまざまな、美しいランの花が並んでいます。

こちらの店では、果物、野菜など、さまざまな植物を乾燥させ、天然素材を使ったいい香りをたっぷり染み込ませた、まさに自然志向の「芳香剤」を売っていました。

漂ってくる香りが好ましいものであることはもちろん、色使いや置物など、店の装飾がそれは美しいので、思わず足を止めました。

他にも、花を使った香水や石けん、基礎化粧品、そして、さまざまな果物のジャムなどが売られていました。野生の鳥が一休みして、餌を取るための鳥の家も、さまざまなデザインのものを木で作ってありました。

こちらは、バラで作ったシロップです。バラの香りがたっぷりの赤いシロップは、とても甘くておいしかったです。

鉢植えの花や果物の木の他に、こうして球根も売られていました。

こちらは、夫によると、南アメリカ原産の植物だそうです。

花に水をやるのがうれしくなるような、こんな道具類も売られていました。

陶器の装飾が加わった美しい植木鉢や噴水も、館の建物の前に飾られていました。
天気には恵まれませんでしたが、美しい花や趣向を凝らした品々を、たくさん見ることができて、実りの多い花市訪問となりました。

*追記(9月28日)
園芸を専門に執筆活動を行うミンマ・パッラヴィチーニさんが、ご自身のブログ内でこの記事を取り上げ、それをきっかけにコメントの応答もしました。
LINK ↓
MIMMA PALLAVICINI’S WEBLOG – ‘questo si questo no' di Mimma
ミンマさんは、わが夫が愛読する園芸誌、『Gardenia』や『Giardinaggio』に数々の寄稿をし、庭園や園芸、花についての本も何冊か出版されている方です。
というわけで、お誘いに乗って、そのうちイタリア語で、日本庭園や日本人が古来から花に寄せてきた思い、その思いを歌った和歌などについて、執筆してみるかもしれません。

