2010年 10月 04日
真紅の実と助け合い市
セイヨウサンザシ(biancospino)は、春に小さな美しい白い花で身にまとう木で、葉がギザギザの形をしているのが特徴です。
ウンブリア州では、森の中を散歩するとよく見かける木です。春には真っ白な花、秋には真っ赤な実がなる、その自然の不思議を思います。
ふだんは森の中で見かけるセイヨウサンザシの木ですが、今回はリッチョーネ(Riccione)郊外にある、アゴランティ城(il Castello degli Agolanti)(下の写真)へと登って行くその道の傍らに見つけました。
登り道の右手に、セイヨウサンザシの並木があったのです。それぞれの木の実の色が、真紅だったり、桃色がかっていたり、オレンジ色に近かったりと、微妙に違っていました。早熟の木と晩熟の木があるというほかに、空が曇って雨がちであったために、光の加減で色が違って見えたのかもしれません。
9月19日日曜日の午後、わたしたちがリッチョーネの中心で花市を訪れたあと、町の郊外にあるこの城に赴いたのは、助け合い市が催されていたからです。
大手の多国籍企業が、チョコレートやコーヒー、茶などの原料や伝統工芸品を購入する際に、第三世界の生産者にわずかな代金しか払わないことが、よくあります。こうした中で、連帯経済(economia responsabile)を目指して、生産者に正当な利益を返していける生産・流通・販売システムを築いて、商品を販売する場が、イタリアでは、こうした市だけではなく、たとえば町の中心街にもあります。
商品をいろいろ見て回ったあと、夫が何やら購入しています。
買った商品はこちら。左から、ベルガモット風味の紅茶とジャスミン風味の緑茶で、値段は値札にあるように、それぞれ2.70ユーロ、2.80ユーロです。箱には、スリランカで有機栽培によって育てられたものだと書かれています。おもしろいのは日本では紅茶と呼ぶ品を、イタリア語ではtè nero「黒い茶」と呼ぶことです。確かに見ようによって、赤くも黒くも見えます。
連帯経済をうたったこの市では、他にもエネルギーの消費を抑える環境にも家計にも優しい家造りをする業者や、手作りのパンやクッキーを販売する店も参加していました。奥の方には、皿の上に置かれた豆粒を箸を使って、別の皿まで運んでみようというコーナーがあります。中国人らしき女性やイタリア人女性たちが、悪戦苦闘する子供たちに、箸の使い方を教えていました。
この市をわたしたちが訪ねたのは、友人のシモーナが市に参加して、商品を販売していたからです。品物は、ロマーニャの伝統技法で絵柄をつけた布製品です。わたしは、エプロンとビニール袋収納袋を購入しました。
↓ Cliccate sulle icone dei 2 Blog Ranking, grazie :-)