2010年 10月 14日
初秋のテッツィオ山
眺めと自然が美しいのは、ミジャーナからの登山道(記事はこちら)ですが、今回はコンプレッソのテッツィオ山自然公園の入り口(上の写真)前に車を置き、ここから山を登ることにしました。
ゆるやかな長い坂道を登っていくと、やがて道が二手に分かれます。どちらの道も山頂まで続いているのですが、今回は二人とも疲れていたので、左手に曲がり、トラジメーノ湖が見晴らせる場所(Miralago)まで歩いて、そこから夕日をが眺めることにしました。
初夏には野生のアスパラガスを摘みながら歩いた道、エニシダやヒナゲシの花に覆われていた道(記事はこちら)が、今は真っ赤な実に彩られています。注目していただきたいのは、後ろに見える岩肌と石の色。テッツィオ山では、あちこちに石が転がり、岩がむき出しになっているのですが、こんなふうに美しい桜色をした岩や石も、白や灰色の石に混じって、存在しています。
秋はキノコの季節でもあります。道の両側に、このキノコがいくつか群がって生えていました。夫によると、食べられるし味も悪くはないのだけれども、特においしいわけではないので、人が採らないのだということです。荘子の言う「無用の用」が頭をよぎります。
左手に見えるのはカエデの木。「秋が深まれば美しい黄色になるのだけれど、まだ緑のままだね。」と、夫が後ろを振り返って、指さしました。
ようやく木々の間を出て、湖の見える場所(Miralago)まで来ました。
遠い山々を見やると、トラジメーノ湖が峰の間から少しだけ顔を出しています。まだ日没まで時間がありそうなので、もう少し先まで歩くことにしました。
おかげで、美しいシクラメンの花をいくつか見ることができました。
緑の枝の上に、立ち並ぶヒマラヤスギの球果たちも、オレンジ色が夕日を浴びて、いっそう鮮やかになり、風情があります。
野バラもまた、その真っ赤な実で、初秋の山に色合いを添えています。
日没に間に合うようにと、湖の見える場所まで引き返し始めたのですが、この日の太陽は、沈む前に雲のうしろに隠れてしまいました。
日光が和らいだおかげで、トラジメーノ湖(Lago Trasimeno)がよく見えます。
眼下には、緑の畑やオリーブ園、そして、点在する家が見えます。ペルージャ郊外のこの付近は、近年になって多くの家が建ち、住民もかなり増えました。
右手を眺めると、ペルージャの町中から離れているためか、緑がより多く、家はまばらになります。
少しずつ紅に染まっていく空をしばらく眺めてから、来た道を引き返しました。
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南半球で生活をしていると、季節感覚が狂ってきます(^^;
どの写真も、日差しに秋を感じます。
今は木々の葉がまだ緑色ですが、ご主人のおっしゃるとおり秋が深まると黄色くなるんですね。
その一面黄色の景色もさぞかし素晴らしいことと思います。
1番下の写真、空と湖の境界線の部分の色がなんとも言えず幻想的で素敵ですね。
吸い込まれそうな景色です。
それにしても、このキノコ、かなり大きく見えますが、実際はそうでもないのですか?
ぱっと見た感じ、毒キノコっぽいですね・・・(汗)
応援☆
私たちも散歩・自然大好きカップルなので、写真をみながらほわーーーっとしてしまいました。
アスパラを摘みながら散歩だなんて…夢です。
スウェーデンでは最近松茸が発見されて今年から日本に輸出されてるそうです。(スウェーデン人は興味ないそうです)
今度スウェーデンに行った際にはなおこさんのアスパラ摘みのように、松茸狩り散歩してみたいなあ。
日本の紅葉ほど目立たないものの、あちこちに少しずつ感じられ始める秋の気配もまたすてきです。北半球と南半球で季節が逆になるのは、理屈では分かっていても、何だか不思議です。二世代住宅の我が家には、イタリア人の義父母、夫とその弟に加えて、日本人のわたしとエクアドル出身の義弟の奥さんが住んでいます。エクアドルは年間を通じて季節が同じ、日本は同じ北半球にあるのでイタリアと四季は同じなのですが、お義母さんには、今も時々、「日本では今の季節は何」と聞かれることがあります。四季一つとっても、世界でさまざまに違っているのが、おもしろいですね。
コメントと応援ありがとうございます。キノコの大きさは、直径10~15cmだったかと思います。確かにキノコについては、時々うっかり変なキノコを食べて、大変な事態になることもあるようです。
自分が見つけた小さい秋と印象に残った景色を記録したくて、人の関心はあまり引かないだろうなと思いながら書いた記事なので、奈美さんにせよ、Acuiさんにせよ、こういうささやかな感動を、しかも、遠方から共有していただけて、とてもうれしいです。ありがとうございます。
Acuiさんとサイードさんも自然や散歩がお好きなんですね。日本の秋も美しいでしょうね。夫が日本で紅葉が見たいと言っていますので、いつか秋に帰国できたらと思います。スウェーデンでアスパラガスが育たないのはやはり寒いからでしょうか。松茸狩り、楽しくておいしそうですね。そのうちイタリアのポルチーニやトリュフのように、スウェーデンでも松茸人気が出て、皆が山に繰り出し始めたりするかもしれませんね。