2010年 10月 30日
トルコロは母の味

ぐるっと回して、ねじった形をしているために、「ねじる、よじ曲げる」を意味する動詞torcereから、torcoloという名が生まれたのだと、大学の「イタリア方言学」の授業で教わりました。
今回は、夫手書きの義母直伝のレシピから、この体に優しく、素朴でおいしいトルコロの作り方をご紹介します。題も、そのまま「マンマのトルコロ」(Torcolo della mamma)となっています。お義母さんは大家族用に大きな型で作るのですが、夫がふだん作るときは、小さい型を使うため、義母のレシピの量をすべて半分にしたとのことです。
まずは、材料から。
卵 3個
砂糖 ヨーグルト容器(1杯125g)2杯分
薄力粉 ヨーグルト容器4杯分(イタリアの小麦粉の場合は、farina00)
レモン 2分の1個(果汁と皮)
オリーブオイル ヨーグルト容器半分弱
牛乳 ヨーグルト容器半分弱
型用無塩バター・薄力粉 ともに適量
ベーキングパウダー 1袋
*こちらで使用するものは16g入り、バニラ風味つきです。
以上が、伝統的、古典的なマグリーニ家(義母の一家)に伝わるトルコロのレシピです。無塩バターの代わりに、オリーブオイルを使うところが、良質のオリーブオイル生産地であるウンブリアの料理の特徴です。
古典的トルコロは素朴な味わいとレモンの風味がおいしく、歯ごたえがしっかりしたケーキです。一方、今回は、夫がオリーブオイルと牛乳を加える代わりに、プレーンヨーグルトを大さじ3杯加えて、作ったのですが、ふんわり柔らかくすっきりした甘さの、それはおいしいトルコロになりました。今回は、どちらのトルコロでも作れるように、手順をご説明します。

1.卵に砂糖を加え、十分に泡立てます。

2.小麦粉を少しずつ加えて、混ぜ合わせ続け、

レモンが卵と直接接触しないように、小麦粉の上からレモンを加えます。
*写真では夫がレモンの皮をすりおろしています。今回はヨーグルトを使ったため、酸味が強くなるのを避けて、レモンの果汁は入れませんでした。

3.混ぜ合わせるのが難しくなってきたら、牛乳を加えます。
4.最後に、オリーブオイルを加えて、さらに混ぜ合わせます。

今回は、この手順、3と4の部分で、牛乳とオリーブオイルを加える代わりに、プレーンヨーグルトを、食事用の大さじ、山盛り3杯分加えました。

5.上からベーキング・パウダーをふるいかけ、さらに混ぜ合わせます。

6.中央に穴のある型に、バターを塗り、小麦粉をふりかけて、型に生地を流し入れ、

約180度のオーブンで45分焼きます。

小麦粉や砂糖をいちいち計量器で量らずに、すべて125mlのヨーグルト容器ですませてしまうところに、暮らしの知恵が生きています。
ふつうに家にある材料で、ごく簡単にできるおいしいケーキです。「卵黄や卵白だけ」が余ると厄介ですが、そういう面倒もありません。お菓子作りの好きな方は、ぜひ一度、ご家庭で、ウンブリア家庭の味、トルコロを焼いて、味わってみてください。

わたしも時々ケーキは焼くのですが、ことトルコロに関しては、義母と夫に任せていました。今度、おいしいトルコロを焼いて、夫を驚かせてみたいと思います。
次回のメルマガでは、今回わたしが訳してお知らせしたレシピの原文を、イタリア語学習教材として、使用するつもりです。


お菓子作りができるパートナーって素敵ですね^^
今度絶対にこのレシピ試してみます。今から楽しみ♪
私の彼も得意のお菓子があるそうで、かれこれ去年の冬くらいから「今度作ってあげる!」と言っていますが未だに私の口に入ったことはありません。。。
なおこさんが羨ましいです!
うちの夫も、出会った頃からずいぶん長い間、「ティラミスを作ってあげる」と言っていたのに、初めて作ったのはつき合い始めて2、3年経った頃。しかも、パーティに持参するために、二人で一緒に作りました。本人にとっては「お茶の子さいさい」なので、もっと早く催促しておけばよかったと思いました。Acuiさんも、それとなく甘えて、おねだりしてみてください。
昔、語学学校でお金を出して料理の授業に通ったことを考えると、家の中でいろいろ教わることができ、しかも手伝って喜んでもらえるのですから、ありがたいと思います。

おやつにも良さそうですし、シンプルで作りやすそうでこれいいですね!
しかし、サイズがイタリアン・サイズですね~、大きい(笑)
日本では、ケーキは、こまかーく重さを量って作るイメージですが、ヨーグルトカップで測るイタリアのやり方、とっても好きです。
私がお世話になったご家庭でも、ヨーグルトカップを使っていました☆
ヨーグルトカップはどこから来たアイデアかなと思ったら、他にもそういうお宅があったんですね。量るのが楽だし、「何杯」だと覚えるのも簡単なので、とても便利です。
お義母さんは、いつも伝統の味のトルコロを作り続けているのですが、夫は時々、オレンジジュースを加えたり、リンゴを細切りにして上に載せたり、生地にココアを加えたり、基本は同じですが、いろいろ工夫を重ねて、楽しんでいます。ココア入りもおいしかったのですが、皆に人気が高かったのは、リンゴ入りトルコロでした。
私も先日、ダンナのノンナから“スキアッチャータアッラフィオレンティーナ”のレシピをもらってきました(ざっと見ると、トルコロのレモンがオレンジに変わっただけ?でも型が四角のを使います)が、ノンナも全部おおさじ何杯、でした。だから小麦粉とか14杯、とか妙な感じですが、はかりを使わずに済むのはいいですよね!
履歴書を拝見させて頂いたのですが・・・私も通訳や翻訳をさせて頂いてますが、時間がないのを言い訳に経験が一番!と自分を励ましながら(励ます箇所が違いますね・・・・滝汗)ちゃhとした勉強をせずにきています(当然語学学校は上級まで出てますし、仕事に対してはしっかりやっている自負はありますが)。プロとして、もう一段階上に行くために何か自分もやらないとな、となおこさんの経歴を拝見して改めて思ったのでした・・・
やはり通訳や翻訳は経験が大切だと思います。英日翻訳の通信教育を終えたのはずっと昔ですし、イタリア語にしても、翻訳や通訳の仕事は、大学で学んだとのは別の分野なので、仕事のたびに新しく勉強することになります。愛媛県に長く暮らたため、「ぼくたちも分からない、方言のきつい社長の日本語がよくお分かりですね」と妙なところでほめられたりはしましたが……
こちらこそ、訪問とコメントをありがとうございます。遠方の仕事は結局お断りすることにしました。というより、移動が減らせるように変更を頼んだのですが、その後音沙汰がないという状況です。よく知らない南部の企業からの仕事は、勉強にはなると言っても、軽々と乗らない方がいいかもと、いろいろな人に相談して思ってはいました。実際、通訳の仕事を当日キャンセルされたり、翻訳も、大至急と言われて徹夜で仕上げたのに、その後連絡がないので、本当に支払われるのか不安になったりと、すでに面識のあるペルージャの企業でさえこうですから、遠方の未知の企業では不確定要素が多すぎました。

この記事を見てあんまり美味しそうなので思い立って台所に。
今このレシピを参考にオーブンで焼いてます。
うちのケーキ型は小さいので表記の3分の2で配合。
レモンは愛媛「JAおちいまばり」の国産レモンを使用しオリーブオイルはシエロという会社のものを使用しました。
この時期、この国産レモンが出回るので柿と共にコンフィチュールに仕上げるととても美味しいのです。
上手に焼けたらツイッターに写真付きでツィートしようと思います。
さっそく作っていただけるなんて、うれしいです。おいしそうに焼き上がりましたね!レモンと柿のコンフィチュール、いいですね。我が家にも柿の木がありますが、柿で作ることは、考えたこともありませんでした。

よろしかったらお試しください。甘さがかなり控えてあるので保存する場合は冷蔵庫に。常温保存でおく場合は砂糖の分量を適宜増やす必要があると思います。
トルコロ、先程いただきました。一切れのはずが、ついついもう一切れ、と食べてしまうほどでとても美味しかったです。今度は抹茶を入れて作ってみます。
一つ質問なのですが、このレシピで膨張剤(ベーキングパウダー)に使用しているのは炭酸水素ナトリウム(重曹)単体のものでしょうか?それとも市販されている重曹+助剤(食品添加物)+分散剤を混ぜたタイプのものでしょうか。チョコレート祭りの記事でご主人が食品の添加物に気を配る方だと読んだのでもしや重曹?と思いました。
もしそうなら次回は重曹を使ってみます。
レシピのご紹介、ありがとうございます。とてもおいしそうです。我が家の柿は渋柿のようで、十分に熟すまでは口に入れると渋いので、残念です。
トルコロ、気に入っていただけてよかった!写真で見てもおいしそうです。抹茶味もおいしそうですね。ベーキングパウダーは市販されている後者のものです。イタリア製で、バニラ味が入っているので、日本製のものとは若干違うかと思います。