2010年 11月 01日
甘いマカロニ
昨日は、我が家では日曜日恒例の大家族での昼食の日でした。義父母宅で、夫たち3兄弟とその伴侶たちと子供たち、さらに義母の兄である伯父も加わり、11人で食卓を囲みました。
食後のデザートとして、食卓に並んだのは、fave dei morti(訳すと、「死者のソラマメ」、詳しくはこちら)と、このマッケローニ・ドルチでした。トーディに住む義弟、マルコの奥さんの母君の手作りの一品です。ちなみに、マルコの奥さんも彼女の母君も、トーディ生まれのトーディ育ちです。
わたしは、このデザートを見たのも食べたのも、昨日が初めてで、一口食べて驚きました。
「パスタが入ってる!」
幼い姪っ子が笑って言いました。「だから、甘いマカロニって言うんじゃない。」
このマッケローニ・ドルチ(maccheroni dolci)は、ウンブリア州では、死者の日前後に食べられる伝統的なデザートの一つだと、義母や義弟の奥さんから聞きました。
まずは、パスタと合わせる甘い具、クルミ、カカオ、ケルメス、ハチミツや、パン粉、すりおろしたチョコレートを用意し、ゆで上がったパスタを、こうした材料と混ぜ合わせれば、できあがりだそうです。材料としては、シナモンや砂糖を入れることもあり、地域によってはラム酒やレモンを加えたりもするとのことです。
インターネットで調べると、クリスマスに食べる地方もあるそうです。ちなみに、今回入っていたパスタは、フジッリ(fusilli)であり、筒状のマカロニではありません。義父が育った、ペルージャ北方、テッツィオ山の中腹にあるミジャーナ(Migiana di Monte Tezio)村では、手作りのタッリャテッレ(tagliatelle)が入っていたそうですから、作る材料や食べる時期が、同じウンブリア州内でも、さまざまに異なるようです。
こうした地域差が分かって、おもしろいのが次のウェブページです。Gianniという人が、「ウンブリア各地で、死者の日前後に食べられるこのデザートは、エトルリア時代に遡り、エトルリア人も死者を追悼する儀式のために準備していた、とても歴史のあるものだ」というコメントも載せています。(この歴史の古さの真偽については、これから時間をかけて調べてみて、いずれその結果をお知らせするつもりです。)
・Style.it – cucina – maccheroni dolci
(追記: 218年11月現在では、ページが存在しないので、リンクは削除しましたが、文章に一貫性を持たせるために、上記のかつてのサイトとページの情報は残しておきます。)
最初は驚いたのですが、クルミの歯ごたえやカカオの香ばしさもあいまって、なかなかおいしいデザートです。皆さんも、機会があれば、ぜひ召し上がってみてください。
甘いマカロニ、びっくりしました。
でも、美味しそうですね♪
日本でも、ご飯にきなことお砂糖かけて
食べたりするので、
そちらでのパスタの召し上がり方、納得できました。
また、更新楽しみにしています♪
今朝は夫と二人で、朝食においしくいただきました。ちょうどクルミを収穫する時期でもあり、かむたびにクルミやココアなどの味がして、季節の味もしました。
わたしも、おもちにきなこと砂糖をかけて食べるのが、小さい頃好きでした。おっしゃるとおり、塩味でも砂糖味でもいただく食べ物が日本にもありますね。わたしも、みそじさんに倣って、まずは大根から育ててみたいのですが、もう季節は過ぎてしまったかと少し心配しています。
まったく想像しない組み合わせだったので、とっても驚きました。でも、とてもおいしかったです。確かにおいしいものをたくさん、それも家で食べられる機会が多くてありがたいです。ダイエットが遠ざかるのをおいしいもののせいにしてはいけない、と思いつつ……
ペルージャは何故なのか、どうも縁がなかったのかいつも行きそびれた街です。
家族のいる今は、なかなかミラノを離れることが出来ないのでせめてブログで旅気分を味わいたく、また覗かせて下さいね。
死者のソラマメに続き、こちらのマカロニにもびっくりです!
フジッリは、あの電話のコード状のくるくるが、食感としても愉しく、おいしいので大好きです。我が家でもよく食卓に並びます。
...が、甘いのは未体験です! (笑)
木の実がカリカリしたり、チョコレートが口のなかでとろりと溶けたりして、それらが、プニプニのマカロニにからまる感じでしょうか...。(脳内想像中)
これは、作れそうですね。一度ぜひ食べてみたいなぁ...と思います。さすがイタリア! パスタも、甘いデザートになってしまうのですね。たのしいですね!
同じペルージャ、ウンブリアでも、場所や家庭によって、料理の仕方や方言が少しずつ違っていくので、おもしろいです。ありがとうございます。調べると言っても、家にある本や親戚・知人、インターネットでは限度があり、時々互いに矛盾する情報もあって困るのですが、できるだけ正確を期して書きたいとは心がけています。
こちらこそ、ブログを拝読していると、なんとなく戸惑っていた/いることが、自分だけではないんだ、ああ、こういう見方もあるんだと、腑に落ちるというか懐かしいというか、自分の中で完成できないでいたパズルの一つひとつのピースがちゃんとあるべき場所にはまっていくような不思議な安堵と落ち着きを感じます。わたしの方もときどき寄せていただきますね。
今回食べたマッケローニ・ドルチでは、チョコレートはすりおろしてあるので、口の中に入れる前に、すでに溶けてココアやケルメス、はちみつとおいしく混ざり合っている、という感じです。でも、少し小さめに砕いて入れて、口の中で溶けるというのもおいしそうですね。わたしも砕いたチョコレートが入ったシリアルやstracciatellaのジェラートが好きです。クルミは歯あたりは柔らかいのですが触感が好きです。
いろいろ本やインターネットでも調べ、義弟の奥さんにも聞いてみたのですが、パスタと合わせる材料やその量は、各地域や各家庭でかなり差もあるし、自由であるようです。美穂さんなら、きっとおいしい美穂さん独自のマッケローニ・ドルチができると思いますよ。