2010年 11月 25日
子どもの絵と個性のゆくえ
・紘野涼の雑記帳、「見る人によって」(リンクはこちら)
教育者の方やお子さんを持つ方に、ぜひ読んで、考えていただきたい文章で、とてもすてきな先生の思い出が語られています。
~以下が、わたしの書いたコメントです。~
本当にすてきな先生にめぐりあわれましたね。絵の描き方にしても、文の書き方にしても、環境の中で育っていくうちに、その文化の物の見方、捉え方に、しばられてくると思うのです。今イタリアで幼い姪っ子たちが描く絵を見て、その独創性に驚かされ、また、日本で一般に思い浮かべるのとは違ったイメージを見て、特にそう思います。
「象と言えば、横から立った姿」ではなく、座った姿を描こうとした紘野さんの、周囲の描くイメージにしばられない自由な描き方も、その独創性を評価できた先生も、そして、その先生のすばらしさを今も思い出される紘野さんも、すばらしいと思います。開口健が『裸の王様』という小説で、ふんどしをまきチョンマゲのある裸の王様を描いた子供に、驚かされたというくだりを思わず思い出しました。『星の王子さま』冒頭で、幼い頃の語り手が、「蛇が象を飲み込んだ図」を描こうとしたのに、大人たちに「帽子にしか見えない」と言われて、絵を描くことをやめてしまったくだりも、思い出しました。
画一社会と呼ばれがちな日本社会ですが、この先生のような方が増えて、子供たちが自信を持って自分の絵を描き、自分の人生を生きていけるような学校や家庭が増え、社会になっていくよう願わずにはいられません。
*おまけ*
こちらは、今年の復活祭、4月4日の昼食後に撮った写真です。イタリアでは、復活祭に、華やかな包み紙に包まれた、卵形のチョコレートを贈ります。
姪たちを、きらびやかな包み紙と共に撮影しました。上の写真でポーズを取るのは、妹娘のマッダレーナです。
そして、こちらの巨大な折鶴は、11月21日日曜日に、姪っ子たちに頼まれて、3人で協力して、復活祭の包み紙で折り上げたものです。こんなに大きな鶴を折ったのは初めだし、折ろうと考えたこともありませんでした。
なんと、背の部分を手に持って、鶴を上下に動かすと、羽が本当の鳥の羽のように、上下に動くのです。にぎやかな模様がある方を表にして折ろうとすると、姪たちから、銀色の裏面で折ったほうがきれいだと、もっともな提案がありました。
この折鶴を折った後、わたしはマッダレーナを描きました。
見ていたマッダレーナは、「今度はわたしが描く!」とペンを手にし、
まずは、わたし、
次にルイージ、
そして、最後におじいちゃん(nonno)を描きました。わたしは「めがね」、夫は「口ひげ」、義父は「セーターの襟元」が、特徴をとらえて、よくかけています。
子どもというのは非常に繊細ですよね。
私も子供の頃の失敗体験を未だに引きずっています。(人前で話すのが苦手)
ですので、育つ環境はとっても大事だと思います。
この鶴大きいですねー!
私もスウェーデンの友人を訪ねた時、彼女の妹の小学校に招待されたことがあります。
折り紙と駄菓子を持っていったら、なんと私のために1時間の授業が用意されていました。
あがり症の私は卒倒するかと思いましたが、子供たちのリクエストで、みんなの前で鶴を折ってみせるとえらく感動されました。
その後、子供でも折れるような、クマなどを教えたら喜ばれた記憶があります。いい思い出です♪
こんにちは、いつもコメントありがとうございます。
昨夜ロンドン出張より無事戻ってまいりました。
子供が書く絵、すごく面白いですよね、
大人が考えないような所の特徴を捉えて、とても直で・・・。
僕も姪っ子に書いてもらった絵を持っています。
さて、今朝はこちらは初雪でした。
ペルージャはいかがですか?お体にお気をつけて。
子供の無垢で豊かな想像力や自分らしさが、成長するによっていっそう豊かになればいいのですが、「この動物はこう描くもの」、「こういうときは、こうするもの」と、育つにつれて、社会の枠にはめられていくところもあると思います。自分の生まれた文化に適応しながら生きていくことも大切ですが、「人と変わっていること」を何もかもにマイナスにとらえるのでなく、「個性」「その子・その人らしさ」として評価していけたらすてきだと思います。
こんなに大きい鶴を折ろうと思ったこともなかったので、作り上げて自分でもびっくりしました!「折鶴は大きくてもいい」というのも、今回姪たちのおかげでした新たな発見の一つです。
遠い国の文化に目を輝かせて、リクエストをする子供たち、かわいいですね。Acuiさんにとっても、子供たちになっても、すてきな思い出になったことと思います。
ご無事のお帰り何よりです。ところで、男の方だったんですね!! ずっと女性だとばかり思って、コメントを書いていました。失礼があったら、申しわけありません。滞在許可証の受領時に、「女は中で」とあり、室内もやはり寒かったのかなと不思議に思ってはいたのですが……。
姪っ子たちの描く絵には、いつも驚かされます。superyoshikingさんの姪っ子はどんな絵をかかれたのか、興味があります。初雪ですか!どちらにお住まいですか? ペルージャの我が家でも最近冷え込みが激しく、昨日義父が、庭の柿のみを、「凍ってはもったいないから。」とすべて摘んでしまいました。
この記事とってもステキですね。リンク先も読みました。
こういう先生がいたら良かったのにって、思いました。嫌いな先生の教科の成績悪かったなぁ・・なんて思い出しながら。
先生は何気に言ってるかもしれないけれど、その一言が子供の成長に大きく影響しますもんね。
わたしは、色んな国籍の人と接触するようになってから、生きるスピードや価値観は、普遍でないという事を実感して、自分に合うところを探せばいいんだって思えるようになりました。そうしたら随分精神的に楽になりました。
やっぱり自分と似た価値観の人と一緒にいるほうが穏やかに過ごせますもんね。
銀色の鶴、素敵!
姪っこちゃんたち、さぞ喜んだことでしょう。お疲れさまです。こんなビッグサイズの鶴は、私も折ったことがありません。それにしても、キレイに折れていますね。感心してしまいます...。
マッダレーナちゃん、可愛いですね。
この、おしゃまなポーズもまた、決まっていますね。
日本のチビっ子も、もちろん可愛いのですが、なんでしょう...、ヨーロッパのおチビちゃんの、なんとも洗練された雰囲気の可愛らしさって! グレーのタイツにゴールドのバレエシューズ、というコーディネートもまた、大人顔負けで素敵です。私、すでにマッダレーナちゃんにメロメロになっていますね。
そしてそして、なおこさん、イラストお上手ですね! 似てる〜!
マッダレーナちゃんのお名前の横に描いたハートマークを真似したのか、マッダレーナちゃんが描いたなおこさんのイラストの横にも、大きなハートらしきものが描かれているのに、思わずニヤニヤしてしまいました。...この、マッダレーナ画伯が描かれたなおこさんの絵、のほほんとした、味わいのある、いいイラストですね。
あぁ、なんだか、なおこさんの周りの、あたたかな環境が伝わってくるようです...。
おほめの言葉、ありがとうございます!「芸は身を助く」ということで、授業中にも時々絵をかいています。
「もしわたしがこの先生の立場だったら」と思うと、独創性をほめることはできても、ご両親に、遠い将来のことまで考えての助言はできなかったと思うのです。
大人がかける何気ない一言が、成長の過程で大きな意味を持つこともありますよね。わたしは中3で東京から松山に転校した時、「東京は学力が低いから」と、東京が恋しいさかりに新しい中学の担任に言われて、カチンときて、「前言を撤回させてみる」とばかりに、高校在学中に必死で勉強をしました。今になってみると、反面教師ではあれ、あのときの憤りのおかげで、高校時代勉学に励み、そのおかげで今があるような気がするから不思議です。
世界には本当にさまざまな文化がありますよね。違いが評価され、子供が自分らしさを恥じず、大切にしていける世の中になりますように、と心から思います。
おほめの言葉、ありがとうございます!小さい鶴を折ろうとすると、途中で投げ出す姪たちも、言い出したのが自分たちでもあり、最後まで投げ出さず、楽しく折り上げることができました。「折鶴は小さいもの」という意識がいつのまにか頭にあって、こんな大きい鶴を折ろうとは考えもしませんでした。異文化に生まれ育った人と暮らすと、日々新しい発見があります。
マッダレーナは生まれたときから二つ年上の姉と過ごしているためか、とてもおませで頭の回転が早く、元気いっぱいです。言われてみると、姪っ子たちはいつも本当におしゃれで、これは彼女たちの母親・祖母が小さい頃からファッションに気をつけているからです。幼いうちから、自然とファッションに敏感になるのも道理です。わたしは服は着心地が良くて動きやすければと、あまり服装には構わない方なので(仕事のときは別として)、時々おしゃれにしていると、姪たちから「あ、今日はきちんとした服をきてるね!」と驚かれ、ほめられ(?)ます。
プロのみほさんにほめたりしていただいて、光栄です。マッダレーナの描いたハート、わたしも後からハートだと気づきました。かわいいですね!