2010年 11月 29日
雨の日曜日
テラスには屋根があるものの、風のためか、床の大部分が雨に濡れています。子猫たちが、雨に打たれない窓際にやって来て、こちらを見つめています。
暖を取るためか、仲よしだからか、互いにぴたりと寄り添っています。
12時半頃に、トーディから義弟マルコの家族が到着しました。トーディでも雨が激しく降っていて、ミサに参加するため、駐車場と教会の間を往復する間に、すっかり靴と足を濡らってしまったそうです。そこで、暖炉に火を起こし、温かい火で濡れた足を乾かせるようにしました。姪っ子たちが、暖炉の火で、凍えた足を乾かし、温めています。
トーディ勢が暖炉で足と体を温めている間、夫がお義母さんがパスタを用意するのを手伝います。大きな大きな鍋でゆでたパスタのお湯を切り、これまた大きな深皿によそいます。
パスタの上から、トマトソースとパルミジャーノをたっぷりとふりかけて、混ぜ合わせます。パスタは、お義母さんが前日に手作りしたタッリャテッレ(tagliatelle)です。トマトソースは、トマトをニンジン・セロリ・肉と共にじっくり煮込んだあと、裏ごししたもので、自家製のトマトで作るこのトマトソースがまた、何とも言えず、おいしいのです。
人数も多いので、タッリャテッレも大きな深皿、二皿分あります。皆が好きなだけ食べられるようにと、パスタはいつも多めに準備します。余ったパスタは当日の夕食にいただきます。
準備ができると、「A tavola!」(テーブルへ!)と呼びかけます。全員にパスタの皿が運ばれると、昼食の始まり。来客があったり、特別な祝いごとがある時は、前菜も用意しますが、そうでなければ、昼食は、プリモのパスタから始まります。
セコンドは、ほとんどの場合、鶏かウサギの肉を、たっぷりのオリーブオイル、香草、ニンニク、パンチェッタと共に、オーブンで焼き上げたものです。ローストチキン(pollo arrosto)の場合が多いのですが、昨日はウサギの肉でした。今ではわたしも食べられるようになりましたが、最初はやはり抵抗がありました。一方、ハトの肉は、今も食べる気になれません。
つけあわせの野菜(contorno)は、ローストポテト(patate arrosto)とグリーンピースを玉ネギと煮たものです。ふだんはグリーンピースではなく、畑のサラダ菜か青菜が登場するのですが、この日は大雨で、野菜畑はぬかるみ、泥だらけでした。
デザート(dolce)は、こちらです。姪っ子たちがうれしそうに、義父母におねだりして買ってもらった飾りを、デザートの上に立てていきます。
色とりどりの華やかな傘に囲まれた、うつくしいデコレーションになりました。「今日は雨だし、傘の飾りつけはうってつけね。」と、お義母さんがほほえみます。皆で姪っ子たちのデコレーションをほめたあと、傘と人形を少しずつ取り除き、デザートを小皿によそっていただきました。
姪のアイデアを採り入れて、お義母さんが作った独創的なこのデザートは、あっさりとした甘さがとてもおいしかったです。材料こそ違いますが、作業手順は、ティラミス作りによく似ています。深皿の底にビスケットを敷きつめ、サクランボのシロップとコーヒーを上からかけて、ビスケットにしみこませます。そして、その上をクリームの層で覆います。この作業を3、4回繰り返して、できあがりです。
デザートを甘いお酒、自家製のヴィンサント(vinsanto)、クルミ酒(nocino)などと共に味わったあと、食後のコーヒーを飲みます。夫がエスプレッソマシンで準備し、わたしが食卓に運びます。そして、コーヒーとおしゃべりをゆっくり楽しむのです。
さっそくのお越し、ありがとうございます! この日曜の昼食を記事にしようと思ったのは、haruさんのツイートがきっかけで、こうした昼食も、日本に住まれている方には、興味深いかなと、気づいたからです。こちらこそありがとうございます。暖炉の火は体も温めますが、赤く踊る火を見ているとそれだけで心が浮き立つすてきな気分になります。
素敵~私こういうの憧れなんですよ。
手作りのお料理にケーキを親戚の人たちと頂くことっていいですね。
日本で親戚があつまるのは冠婚葬祭でしょ、たまに集まっても
こういうのじゃないから、見てて嬉しくなりましたわ。
ネコちゃん達も賑やかさに引き寄せられたのでしようねぇ。
今日も子猫ちゃんの画像ですね♪
うふふ。愛らしいですね。
お義母さまのパスタとっても美味しそうですね♪
自家製トマトで、ほんとうにマンマの味なのでしょうね♪
やはり、イタリアは家族そろって、食事することが多いのですね。
毎週の家族団欒の時間、楽しまれたようで、よかったです♪
パスタが厚めでおいしそう^^ 子供たちのデコレーション、和風で可愛いですね♪
食後のまったりとした時間、私も大好きです。
ここ半年くらいは彼が忙しかったりで毎日ゆったりとはできていませんが、いつかなおこさんの家庭のようになれたらいいなーと思っています。毎日、本当に充実してらっしゃって素敵だなーと憧れています!
まあなんて美味しそうなパスタなんでしょう!
しかも大量に!!!
これだけのパスタを手打ちするお義母さまは素敵です!
うさぎ、やはり抵抗がありますよねぇ・・・
日本のイタリア料理店で、最初に食べたときは、う・・・かわいそう・・・と思いました。
次はアッシジでだったのですが、そのときは「あら?美味しい?」で・・・
慣れは恐ろしいです。。。
暖炉はよいですね。
この雰囲気だけで、冷たい雨もなんとなく許せちゃう感じです。
子猫ちゃんたち・・・
「お家の中はあったかそう・・・」って思っているのかしら・・・
可愛いです♪
まだまだウンブリアでは、毎週週末に大家族が集まって、ゆっくり皆で食事を楽しむ習慣が根強いようです。毎週準備するお義母さんは大変だと思いますが、家族の絆を深めるという意味で、やはり定期的に、何かがあるというわけではなく食事を共にするのはすてきな慣習だと思います。最近こそ雨やオリーブ収穫で週末は家にいるものの、わたしたち、実は週末にトレッキングでいないときもあるのですが、家にいるときは、できるだけお手伝いするようにしています。
お義母さんのパスタ、おいしいです。家族が近くに住んでいる場合は、やはり週末に大家族で集まることが多いようで、夫の従姉妹にも、土曜日は実家の家族と、日曜日は嫁いだ家の家族と大勢で食事をするという人もかなりいます。
デコレーションは、姪たちが義父母と買い物に行ったときに見つけて、おねだりをして買ってもらったようで、折につけて、ケーキなどの上に飾って楽しんでいます。この傘、よくできていて、開いたり閉じたりもできるんですよ!
パスタ、本当においしいです。実は義弟のマルコが「肉類入りのトマトソースは食べない」ので、日曜には肉でも味をとったトマトソースのことが多いのですが、夏はズッキーニ、あるいはpesto genovese、秋はキノコのパスタなども登場します。
暖炉の火と温かさ、わたしも大好きです。準備と後片づけが大変なので、今回がこの秋初めての使用でした。夏は小鳥が煙突から入ってくることがあるため、暖炉の上方は閉じてあります。実は、この日は、うっかり上方のフードを開けずに、暖炉に火を起こしたので、最初は室内が煙でいっぱいになるというハプニングもありました。大人たちが慌てて窓やドアを開けるのを見ながら、姪たちは、「わたしたち燻製になっちゃうね。」と、楽しんでいました。
お義母さんを手伝いながら、教えていただくこともあれば、レシピのアイデアや何かをおいしく料理するコツを、何気なくおしゃべりしながら教えていただくこともあります。マルケ州の語学学校でイタリア料理の講座にも通ったのですが、そのときのプリントや料理の本、インターネットのレシピも、よく参考にするし、知人・友人にレシピを聞くこともあります。
今朝もニョッキ作りを、お母さんを手伝いながら教わって、今戻ってきたところです。