2010年 12月 08日
tufoの里を訪ねて2


雨の日が続いたので、車の窓から見えるテーヴェレ川は、かなり水位が高くなっています。

ブドウ畑の向こうに見えるのは、トーディとオルヴィエートの間に広がるダム湖、コルバーラ湖(Lago di Corbara)です。豊かな自然に恵まれた湖と湖畔地域は、テーヴェレ川自然公園(Parco fluviale del Tevere)(リンクはこちら)に属しています。

コルバーラ湖は、テーヴェレ川から流れ込む水を水力発電に利用する一方、テーヴェレ川の水位を調整する役割も担っています。この日はちょうど、満水になったダムの水が放出されているときに通りかかり、激しい勢いで流れ落ちる水とその水しぶきを見ることができました。

tufo(凝灰岩)の岩山の上にそびえる、オルヴィエート(Orvieto)の町が見えてきました。

オルヴィエートは、ウンブリア州の南西に位置する町です。エトルリア人の足跡が残り、中世の町並みの美しいオルヴィエートを通り過ぎ、さらに南西へと向かいました。

途中、昼食休憩も兼ねて、と散歩をしたのが、ラッツィオ州の小村、オナーノ(Onano)です。(上の写真)

こちらは、オナーノ城(Castello di Onano)。1350年頃に建てられた、この中世の城は、現在はマダーマ宮殿(Palazzo Madama)とも呼ばれ、村役場を擁しています。ローマ教皇、ピウス12世(在位1939-1958)は、在位前から1908年まで、毎年夏をこの館で過ごしました。
館に入り、上の写真で、イタリアの国旗が掲げてあるところまで、階段を登り、

窓から見える風景を撮影したのが、こちらの写真です。
途中で会った村の人に尋ねると、「村にもレストランはあり、まあまあおいしいものが食べられるけれど、今から他の村にある、それはうまい店に行くので、よかったら後について来れば。」と誘ってくれました。せっかくなので、村の店で食べよう、とお礼を言って断ったのですが、その唯一のレストランは閉店でした。

そこで、再び車に乗って、レストラン探しをしていて見つけたのが、こちらのパークホテル・レストラン、Bel Vedereです。

場所はピティッリャーノ町の郊外にあるカソーネ(Casone)というところで、店名のようにレストランの前には、美しい眺めが広がっています。草むらには、羊の群れも見えます。

そして、地方の伝統料理をたくさん提供するこのレストランは、どの料理もとてもおいしかったのです。こちらは、キノコソースのラヴィオーリ。

こちらはサルシッチャと、カリフラワーをニンニク・唐がらしと共に炒めたものです。実は、店内に入ってすぐ、この店の料理はおいしいことが分かりました。なぜなら、ソラーノへと向かう道を間違えたわたしたちが偶然入ったこの店では、オナーノの村で、「他の村にある、それはうまい店」に誘ってくれた、あの紳士が食事をしていたからです。

おいしいだけあって、値段もそこそこに高かったのですが、愛想もサービスもよくて、頼んだ写真を快く撮ってくれました。

凝灰岩(tufo)を積み重ねて作った、壁や階段に、さりげない風情があって美しく、夫は庭づくりの参考にしようと、じっと観察していました。右手でも、自然のままに切り出してきた凝灰岩を、低木を育てる植木鉢として、うまく利用しています。
閉店前にレストランが見つかるかしらと心配していたわたしたちが、店に入ったのが午後2時頃。食事を終えたのは午後3時過ぎで、それから、宿泊を予約していたソラーノのアグリトゥリズモへと向かいました。
関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- tufo(凝灰岩)の里を訪ねて、ソラーノ / Città del Tufo, Sorano, Pitigliano, Sovana & Onano (7/12/2010)
- tufoの里を訪ねて3、ソラーノ温泉 / Terme di Sorano (12/12/2010)
- ソラーノ考古学公園、洞窟の住居群1 / Abitazioni rupestri di Vitozza I - Parco Archeologico “Città del Tufo”, Sorano (5/6/2011)
- ソラーノ考古学公園、洞窟の住居群2/ Abitazioni rupestri di Vitozza II - Parco Archeologico “Città del Tufo”, Sorano (6/6/2011)
- ソラーノ、凝灰岩の町 / Sorano, Città del Tufo (GR) (5/12/2015)
- イタリアのかかし二人で楽しそう / Spaventapasseri simpatici a Sorano (GR) (9/12/2015)
参照リンク / Riferimento web
- Park Hotel – Ristorante BEL VEDERE - HOME
↑各ページの右上に、英語やドイツ語で説明したページへのリンクがあります。


こんばんは!彩です。
お礼のご挨拶が遅くなってしまってすみません!
Tufoの里を訪ねて1・2ととっても素敵な旅で、私もいいところ住んでるなぁ、再確認しています。ありがとうございます。3以降も楽しみです♪
折角来ていただいたのに、バタバタしていて申し訳ありませんでした。でも、お会いできて本当にうれしかったです。
なおこさんのイタリア語の素晴らしさに、私も頑張って勉強しなきゃなぁと思っている所です。
今回お会いできたのも、旦那さまの優しさのおかげですね!
旦那様によろしくお伝えくださいませ♪
次はペルージャで…その日を楽しみにがんばります!!

イタリアの素晴らしい場所、沢山ありますね。
本当にヨーロッパって、昔からの建物など残っていて
素晴らしいですね♪
>さりげない風情があって美しく、夫は庭づくりの参考にしようと、じっと観察していました。
↑旦那様、ガーデニングが本当にお好きなのですね♪
とってもいいなと思いました♪
旅行が好きなのですが、イタリア、まだいったことがなく、
一層いってみたくなりました♪
ラブリーな景色と共に素敵な誕生日旅行を楽しまれたことだと思います。
私もいつか!!!
街並みが私のツボど真ん中でドキドキしてしまいます。
派手な街、より小さく可愛らしい旧市街のような場所に憧れる私です。
今年の夏はこういう場所へ旅行できたらいいなーと思います♪
こちらこそ本当にお世話になりました。ルイージからもくれぐれもよろしくとのことです。彩さんがお忙しいのは十分に分かっていたので、お会いできて本当にうれしかったです。いろいろ大変だと思いますが、とても密度の濃い、充実した時間を過ごされていますね。また、ペルージャでお会いできる日を楽しみにしています。
夫は京都の寺社を訪ねたときも、いろいろな庭園で、竹垣の作り方をじっと見つめて研究をしていました。テラスに竹で作ったアーチも、そういう研究と練りに練ったアイデアの賜物です。庭に池を作りたいという案はお義父さんの猛反対にあって、座礁したままですが、屋根の下に風鈴をつけたり、少しずつ和風を取り入れた、庭とテラスを創り上げているところなんですよ。
いつかぜひイタリアにいらしてください! お会いできたらとてもうれしいです。
すてきだなんて、ありがとうございます。ふだんは度胸がなくて、なかなか人に写真を頼めないのですが、この日は、誕生日だもの、とばかりに勇気を出してお願いしてみました。Acuiさんも、この先何度も、サイードさんとすてきな旅行を楽しまれることと思いますよ!!
石畳の町や赤い屋根には何だか温かみがあって、わたしもとても好きです。京都や琵琶湖の美しい写真を撮られるムームーさんに、すばらしいなんて言っていただけると、何だか恥ずかしいけれど、うれしいです♪

かわいい街並みですねえ。村人が美味しいと言ったレストランに偶然たどりついたのですね。本当に美味しそう!
イタリアに行くとそんな偶然がよくあるようなんですが…。私が旅行でコルトーナに行って町をとぼとぼ歩いていたら、旅行に来ていたイタリア語の先生(日本人)にばったり会ってびっくりしましたことがありました。
午後2時が迫っていて、どんな店でもいいから、とにかく食べられさえすればと焦っていたときに巡り会えたので、おいしい料理が、ことさらにうれしかったです。
それは、なんとも意外な偶然でしたね!イタリアの町には中心街が小さいところが多いので、偶然出会う確率も多いかもしれません。郊外を含めるとかなり広いペルージャでも、よくよく話を聞いてみると、知り合いの知り合いだったなんてことがよくあります。

写真を見ていると、どんどんお腹が空いてきました♪
車がないと、個人では観光するのが難しい、小さな、あまり知られていない村にも、本当にすてきな場所があります。カリフラワーをニンニクと唐辛子を使って炒める料理はティーヴォリでも「地元の家庭料理」として食べたことがあります。この店はトスカーナですが、ラッツィオ州との州境に近かったからかもしれません。こういう店で食べたおいしかった料理で、家でも簡単にできそうな料理は、このカリフラワーの調理法も含めて、家でも試してみます。おいしいので、おすすめですよ。