2010年 12月 10日
聖母無原罪の御宿リを祝うミサ、ペルージャ

この日は、夕方6時半から、ペルージャ中心街にある聖フィリッポ・ネーリ教会(Chiesa di San Filippo Neri)で、ペルージャの大司教(arcivescovo)が執り行うミサに参加しました。上の写真は、ミサが始まる前に、大司教があいさつを述べている様子です。

祭壇の背後に見える絵画は、聖母受胎(Immacolata Concezione)を描いたものです。ピエートロ・ダ・コルトーナ(Pietro da Cortona)による1662年の作品。17世紀に建てられた、バロック様式のこの教会が、聖母受胎に捧げられたものだからです。

ミサで読まれた聖書の章句は、アダムとイブが原罪を犯し、楽園を追放される場面と聖母マリアが受胎告知を受ける場面です。

この二つの章句を受け、説教では、大司教が、二つの場面における神との180度異なる向き合い方に触れ、聖母マリアの範に倣って生きましょう、と語りかけます。受胎告知のみならず、我が子の死にあたってまで、つねに神の御心に従って生きようとした聖母マリアの、その苦しみがいかばかりであったかも、聴き入る聴衆に思い起こさせながら。

昨夕、この教会のミサに参加したのは、夫と弟パオロが属する合唱団、コラーレ・テティウム(Corale Tetium)が、この日のミサで歌ったからです。

合唱の練習のためにと到着した午後5時頃には、天井の照明が暗かったため、見えなかった美しい絵画の数々が、ミサが始まる午後6時半前には、明るい光に照らされて、よく見えるようになりました。

ミサのあとは、大司教と合唱団の皆にあいさつしてから、来たときと同じように、雨に降られながら、イルミネーションで飾られた通りを、駐車場まで歩いて戻りました。(実は最後の写真は、教会に向かう途中に撮影したもので、左手奥に、聖フィリッポ・ネーリ教会が一部見えています。)

ちなみに、Immacolata Concezioneは直訳すると、「けがれなき受胎」。macchia「染み、汚れ」という単語は、イタリアで生活する方やcaffè macchiato「ミルクを少量加え(てミルク色を染ませ)たコーヒー」が好きな方には、なじみの多い言葉だと思いますが、このmacchiaはもともと俗ラテン語のmacula という言葉の母音uが欠け(* macla)、母音に挟まれたclがcchiと変化して生まれた言葉です。形容詞immacolatoの起源となる俗ラテン語、immaculatu(m)にも、この同じmaculaが含まれていて、immacolatoは否定を表す接頭辞in- が、macchiato「けがれのある」を意味するmaculatusについて、できた言葉です。難しくて耳慣れない言葉のように見えて、実は毎日の生活の中で使っている言葉と、とても関連が深いのです。



絵画に目を奪われそうです~
実際目の前にあると迫力があり厳粛な気持ちになりますね。
お話から真摯に生きる生き方を学べるって素敵ですねぇ~
ミサで合唱されたご主人様と

>聖母が原罪のけがれなしにイエスを宿されたことをを祝う祭日で、イタリアでは祝日です。
↑こちら、初めて知りました。。。
そして、ミサの画像から、とっても神聖で、
こちらにまで、ミサの空気が伝わってきます。
わたし、教会好きで、ミサも気持ちが落ち着き大好きです♪
絵画なども素晴らしいですね♪♪♪
今すぐにでもイタリアに行きたくなってしまった私です(w)
うふふ
この教会、素晴らしいですね。
イタリアの街々にある、その街の象徴ともいえる教会はどこもここも本当に素晴らしい!といつも思います。
ペルージャにはまだ行ったことがなくて、いつか行きたいなぁと思うのですが、いつになったらかなうやら・・・です。
私はクリスチャンではないので、知識としては知っていても、それをきちんと理解できているか、というと限りなく疑問であり、不安でもありますが、木曜日のイタリア語のレッスンがクリスマス前ということもあって、この無原罪の日のことについてでした。
でもね、実を言うとあまりよく理解できなかったんです。
そうしたら、naokoさんの記事がまあなんてよいタイミングで!!!
ありがとうございます^^
本当にnaokoさんのブログは、私にとってとてもよいお勉強の場所です。
巡り合えてよかった!!!
国によって祝日はいろいろに違って興味深いです。イタリアの祝祭日には、カトリック教の祭日が、かなり多いのですよ。各町ごとの守護聖人の祝日によるお休みもあります。
ミサがお好きなんですね! 今回のミサは、この教会にとって極めて重要な祝祭日を祝うためのミサとあって、ペルージャの大司教も修道院長も参加する、いつになくそれは厳粛なミサでした。
絵画のみごとさには、わたしも圧倒されました! いつかイタリアか日本でお会いできたらうれしいです。
この教会、実はペルージャの駐車場から中心街へと登っていく坂道の途中にあって、よく前を通り過ぎているのに、入ったのは2回目なんです。以前も友人の合唱団が歌うのを聴きに訪れました。夫が歌うからという理由でカメラを持参したのですが、こんなにも美しい教会だとは思いもしなかったので、本当に驚きました。記事にできればと思いながら、注意深く見たり聴いたり、調べたりするので、わたし自身の勉強にもなっています。
こちらこそ杏さんとお知り合いになれてうれしいです。これからも、よろしくお願いします!

教会・・・天井の絵画・・・お国柄の違いを感じますね。
日本だと神社とかお寺とかありますけど、神様に祈りを捧げるのはお葬式の時ぐらいですもんね(^^;)
日本もお釈迦様が生まれた日(いつ?)を祝日にしてくれないでしょうかね~。
凸d(^ー^)pochi!
日本の寺社も、イタリアの教会も、建築や絵画がそれぞれの文化の影響を色濃く受けていておもしろいですね。わたしは夫と日本に帰ると、日本庭園を愛する夫と共に、京都や各地の名園を有する寺社めぐりをすることになり、自然と手を合わせる回数も多くなります。いつも応援ありがとうございます!
私のブログに遊びにきてくださり、どうもありがとうございました。(^-^)
幼馴染がトスカーナにお嫁にいったので、なんだか親しみを
感じてしまいました☆
荘厳な礼拝の雰囲気、美しい教会、拝見しながら、
つかの間心はイタリアに飛んでいきました。
すてきなブログに、心が満たされました。(^^)

immacolatoとmacchiaの言葉に、こういうつながりがあったとは知りませんでした。言葉の起源をたどっていくのはすごく興味深いです。大変勉強になりました。ありがとうございました。
私のブログにご訪問頂き、ありがとうございました。
なおこさんのブログ、イタリア在住者の私にとっても
とても勉強になる記事が満載で時々お邪魔しています!
↓SORANO周辺私たち家族も、大好きで毎年、数回訪れています。
温泉、とっても気持ちよくって居心地いいですよ!次回は是非。
12月8日の祭日が過ぎ、イタリアは、いよいよ本格的にNataleを待つ雰囲気になってきましたね。
ペルージャでのなおこさんの年の瀬の記事、楽しみしています。
これからも宜しくお願い致します。
実は小さい頃から童話や昔話、おとぎ話のたぐいが大好きなのです。最近長いこと読んでいなかったのが、ブログ村のトラコミュの新着記事の題に魅かれて、心温まるすてきなお話を読むことができました。こちらこそ、訪問とコメントをありがとうございます。
俗ラテン語のCL,PL、FLは、原則として、イタリア語に変遷する過程でCHI、PI、FIとなったのですが、宗教や学術に使われる言葉については、あえて古めかしい、崇高な感じを出そうということで、かつてのラテン語風の語形が残ったものが多くあります。たとえば新しい教皇の選出は、鍵をかけた(con la chiave)部屋で行われるので、conclaveと言いますが、この「鍵」もイタリア語ではCHIAVEで、「閉めるための道具」を意味したラテン語の単語CLAVE(M)のCLの部分がCHIに変化しています。
とても勉強になるなんて、恐れ多いです。こちらこそ、すてきなクリスマス会の様子を、記事を通して楽しませていただきました。ソラーノ温泉には、「イタリアの温泉」に抱いていたイメージを覆されて、こんなにすてきなところがあるのだと、すっかり魅かれてしまいました。年に何度も行かれて気持ちがいいという太鼓判があれば、安心して行くことができます。訪れた週末は、朝霜が降りるくらい寒かったので、温泉のお湯の温度もそれほど高くないため、寒さに負けて、敬遠いたしました。こちらこそ、訪問とコメントをありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

ふらりと「ニョッキ」を検索していて迷いこんでしまい、たくさんの興味深い記事を拝見して、コメントさせて頂こう(!)とこの欄を開いてみて...agiubigiuさん(↑)を見つけてびっくり!ブログの輪だワ♪
私はカナダ在住です。イタリアにはいつか行ってみたいです。こうして歴史を感じる建築物や街並、絵画のお写真を目にすると、ますます血が騒ぎます。あ、もちろん「食」も☆
これからもどうぞよろしく!
人の輪がこうしてつながっていくのって、不思議ですね。ブログも拝見しました。わたしも、世の中にはとかく暗い記事が多い中、毎日見つかるすてきなことやささやかな喜びを伝えていけたらと思っています。わたしは『赤毛のアン』が大好きで、そのためカナダは、日本から二度訪れたことがあります。美しい町並みや大自然に感動しました。カナダには、夫も「一度は行ってみたい」と考えているようなので、いつか二人で旅行できたらと思っています。こちらこそ、これからもよろしくお願いします。