2010年 12月 14日
白トリュフ、見つけた! イタリアで犬とトリュフ狩り
匂いのする場所をしばらく前足で掘り、再度匂いを確かめたあとは、穴の横にちょこんと座って、ご主人さまの訪れを待ちます。
マリアンナの主人は、まずマリアンナを「えらいぞ!(Brava!)」とほめ、ごほうびにエサをやってから、その場所を掘り始めます。必死で穴を掘るこの男性の名は、わたしの夫と同じく、ルイージです。
この朝、マリアンナが真っ先に示した場所なので、友人たちも皆興味津々に、穴を掘るルイージさんを見つめています。エミリア・ロマーニャ州に住む友人たちは、毎年12月の初め頃に、ウンブリア州の搾油場に、その年の新オイルを買い出しに来ます。
搾油場を兄弟で経営するこのルイージさんが、毎年大量のオリーブオイルを買いに来る友人たちへのサービス精神もあってか、この日、12月12日日曜日は、友人たちがオリーブオイルを購入したあと、白トリュフ狩りの様子を見せてくださいました。1820年から代々家族で経営し続けているというこの搾油場は、ペルージャ北方のコルチャーノ市にあります。
マリアンナがここだという場所に、白トリュフがあるには違いないのですが、時には1メートル20センチ掘ってから、ようやく白トリュフが出てくることもあるそうです。ルイージさんは、先の場所ではトリュフがかなり深い位置にあるようだと判断して、「別の場所を見つけるように。」とマリアンナに指示しました。
次に、マリアンナが、少し地面を掘ったあとで、お行儀よく座りこんだのは、こちらの場所です。ルイージさんが、「えらいぞ!」とエサをやる傍らで、今度は夫のルイージが穴を掘り始めました。「ここは僕も香りを感じるから、すぐにトリュフが出てくるにちがいない。」と、手に力が入ります。
まもなく、みごとな白トリュフが見つかりました。初めてで勝手が分からず、掘るうちに割れてしまったトリュフからは、こうばしい香りが漂ってきます。
夫もとてもうれしそうです。
まだトリュフの香りがするということで、フランコも手伝って、さらに地面を掘り続けます。
男たちが作業を続ける横で、掘り出されるトリュフを次々に、手のひらの上に載せ、その色と香りを満足そうに楽しんでいるのは、マヌエーラです。
手のひらのトリュフのかけらが、一つまたひとつと増えていきます。
最終的なこの日の収穫は、こちらです。「まだ地面のあちこちに残っているから。」と、ルイージさんから、貴重な白トリュフをもらって、皆で大喜び。
家まで白トリュフを持ち帰る役目を請け負ったサブリーナも、マヌエーラやフランコ、夫と同様、白トリュフ狩りを見たのも、こんなにたくさんの白トリュフを手のひらに載せるのも、初めてのことだと、本当にうれしそうです。
この日の昼食には、義父母宅に、ふだんの日曜日にもまして長いテーブルが並び、エミリア・ロマーニャ州の友人たちも加わって、総勢14名が食卓に並びました。
お義母さん手作りのタッリャテッレを、すりおろした白トリュフとオリーブオイルとからめて、おいしくいただきました。大部分はあらかじめすりおろして、たっぷりのオリーブオイルにつけておき、残りの白トリュフは、食べる直前に、それぞれの皿の上にすりおろします。
香りはとても高かったのですが、やはり食べる人数が多くて量が少ないためか、思ったほどは、食べたときに、白トリュフの味と香りがしなかったのが、少し残念でした。ともあれ、生まれて初めて、白トリュフ狩りを見て、さらに掘りたての白トリュフを手作りのパスタと共に食べるという、とてもすてきな体験をすることができました。
わ、トリュフですか!!!
マリアンナ、とっても優秀ですね♪
皆さん、本当に喜んでらっしゃったのを文面から感じました♪
うふふ
お義母様の手作りのパスタで最高のランチだったようですね♪♪♪
トリュフ狩りの様子は、公にされずに(場所が洩れるといけないから)秘密にされるのが常らしいですけど、お友達だからというのはあるにしても、お友達のルイージさん、太っ腹ですね。
お陰で、日本にいるわたしも見ることができて、ラッキー♪♪♪
ピリリとした絞りたてのオイルをパンにかけて食べたいなぁ。日本ではそういうのは手に入りませんから。
新オイルといい、トリュフといい、あぁ、食いしん坊の私にはそちらは、おいしいもの天国に見えます(笑)
頭の良い犬ですねー!
自分で採ったものを調理できる日々というのは、本当に贅沢なものですよね。
少し前まで、物欲に支配されがちだった私ですが、毎日を丁寧に暮らせることが何よりの贅沢なんだなと気づけました。
なので、もうなおこさんのイタリア暮らしは本当に贅沢以外の何物でもないなーと常々思います。
自然に囲まれて、というのは無理でも、毎日少し手間をかけたりと工夫して過ごしたいです。
珍しい~貴重な白トリュフ狩りの様子が良くわかりました。
マリアンナちゃんの活躍も素晴らしい。
なおこさんも初めての経験ですのに、紹介して貰えてラッキーですわぁ。
パスタが食べたくなりました~
イタリアに生まれ育った夫や友人たちにとっても、生まれて初めての体験で、みんなで子供のようにマリアンナとルイージさんの後を追い、白トリュフが現れたときには、歓声を上げました。
ルイージさんが太っ腹である上、やはり本職はオリーブ園などの農園経営であって、白トリュフ探しは趣味なので、見せてもらえたのだと思います。トリュフが見つかる土地だと知る人はいるようで、この日の朝も、探しに来た人が他にもいました。
いつか、11月頃イタリアにお越しください。新オイルをブルスケッタと共に楽しめる催しも、ウンブリアを始め、各地で催されています。わたしは日本もおいしいもの天国だと思いますよ。恋しく懐かしい日本の食べ物がたくさんあります。
作業は楽しかったし、マリアンナも本当に賢い犬だとつくづく感心しました。ルイージさんの愛犬でとても大事にしているようですが、名前は、奥さんと同じ名をつけたそうで、わたしたち女性陣は、「自分だったら犬に同じ名前をつけられたら嫌よねえ。」と言い合いました。
フランコはポルチーニ探しを愛し、また見つける名人です。昨年ラヴェルナまで6日間の巡礼をしたときも、時々ポルチーニを見つけ、友人の経営する宿で、調理して夕食にいただいたりもしました。Acuiさんは将来、スウェーデンで松茸狩りを楽しまれるかもしれませんね。
ルイージさんによると、本職で白トリュフを探す人の中には、犬に7、8日食事をさせずに、半ば飢えた状態でトリュフ探しをさせる人もいるということですが、彼の愛犬マリアンナには「白トリュフ探しは、楽しい遊びで、見つけたらごぼうびのエサがもらえ、ほめてもらえる」という形で、トリュフを見つけさせているようです。その方が、犬も楽しいし、人も安心してトリュフを掘り出せますよね。
「なおこも歩けばトリュフ狩りにあたる」、寒空の中友人たちと繰り出したおかげで、思いがけずすてきな体験ができて、うれしかったです!
昔は豚が見つけると聞いていたのですが、実際は犬が見つけるのですね。収穫の様子を初めて拝見しました。
そういえば、最近テレビで日本でも採れると放送していました。日当たりが良く、他に競合する菌類の居ないところであれば、どこでも育つそうです。もともと、競争力の無い菌だそうで、そのため、競争相手の居ないところで育つそうです。
そのため、珍しく貴重なのでしょうね。
豚を使うところもあるようですが、わたしがよく耳にするのは犬を使ってのトリュフ探しです。同じ動物や植物が存在しても、地域によって食べるものや珍重されるものが違うのはおもしろいですね。
土の中からチョコレートが~\(^o^)/
って、違いますね。本物のトリュフ(西洋松露)なんですね。
調べてみたら、トリュフってキノコの仲間で地中にあって、訓練された犬や豚を使って場所を探り、掘り出すんですね。知らなかったです。
白トリュフにオリーブオイルにパスタ、美味しそうですね☆
凸d(^ー^)応援pochi!
ポルチーニやハラタケなど、野山の地面に生えているキノコは、夫や友人と散歩中に、見つけたり収穫したりすることも時々あるのですが、トリュフは地中にあるため、掘り出すところを見たことがなく、それも珍重される白トリュフの発掘ということで、みんなで大喜びしました。
いつも応援、ありがとうございます!
トリュフ〜(目がハート)
トリュフなんて、年に1回、食べるかなぁ、食べないかしら...
っていうくらい、高級なイメージです! すごい!
それを、ご自分たちで探したものを、お料理して頂くだなんて、
もう、最高の贅沢ですね!
感激しているような、嬉しいような緊張したような面持ちの
ご主人も、とっても素敵ですね。こちらも、目がハート(笑)
なおこさんのイタリアでの日々って、本当に充実していて、
濃厚だなぁ...と、読者として思います。
語学の本ももちろんですが、こんなイタリアの日々が1冊の本
にまとまったりしたら、素敵ですね。
挿絵はいつでも描きます! (笑)
また、愉しいイタリアの日々を、伝えてくださいね。
黒トリュフはペルージャ近辺でもよく採れるので、年に何度かいただくのですが、白トリュフは、イタリアに住むわたしたちでも、年に1回食べるか食べないかで、たぶん食べない年の方が多いと思います。サブリーナから、「搾油場で、白トリュフ狩りの様子を見せてくれるのよ。」と聞いたときも、見つかるかしらと半信半疑だったので、マリアンナがみごとにトリュフを見つけたときには、本当にびっくりしたし、うれしかったです!
いつかこうした毎日を本にできたら、わたしもうれしいです。ありがたい申し出、そして、いつも励ましをありがとうございます。
白トリフ美味しそうですね!私はまだ食べたことがありません。百貨店のイタリア展でイタリア語の先生のお手伝いで、大量のトリフをイタリア料理屋に運んだことがあるのですが、エレベーターに乗ったらトリフのにおいが充満してました。すごいにおいだったのを覚えています。
生まれて初めて白トリュフを食べたのは、2002年の大晦日に友人たちとアグリトゥリズモで食べた夕食のときでした。スカロッピーナの肉の上に薄切りにした白トリュフが幾片か添えてあったのですが、香りも味もそれはおいしかったです。当時は、そんなに珍重されているとも高価なものとも知りませんでした。エレベータに香りが充満とは、本当にたくさんの白トリュフだったのですね!
とりたての白トリュフをのせたタッリャテッレ、美味しそうです。