2010年 12月 15日
にぎやかな週末
こちらは、12月12日日曜日の朝、オリーブオイルの購入が終わったあと、搾油場で撮った写真です。サブリーナが、ルイージさんと並び、バジル風味と唐辛子風味のオリーブオイルを手に、ポーズを決めています。
友人たちが我が家に到着したのは、前日、12月11日土曜日です。土曜の晩は、義弟パオロ宅に、大勢で夕食に招待されました。
夫は腕を見込まれて、デザート作りを頼まれました。金曜日から、レシピをじっくり研究し、アーモンドと牛乳、そして生クリーム、ゼラチンを使ったデザートを、これまたたっぷり時間をかけて、丁寧に作り上げました。土曜日も朝から、デザートにかけるオレンジ・ソース作りに熱心に取り組んでいました。
こちらが完成したそのデザート、ブランマンジェです。イタリア語名はbiancomangiare(読みは、「ビアンコマンジャーレ」)。味は、甘いアーモンド風味がするパンナコッタをご想像ください。ブランマンジェも、新鮮なオレンジを使って作ったソースも、それはおいしくて、みんなから好評でした。
土曜の晩は話もはずみ、デザートやおしゃべりを終えて、皆が引き上げたのが午前1時頃になりました。
アドリア海岸にあるリミニの町には大きな魚市場があります。フランコたちは、海のないウンブリアに住むわたしたちに海の味をごちそうしようと、市場で新鮮な魚を購入して、持って来てくれました。日曜日の朝、搾油場に発つ前に、フランコが昼食用に魚の下準備をし、40年来の親友である夫が手伝います。
フランコはハサミを使い、鮮やかな手さばきで、魚の内臓を処理したあと、細かく刻んだパセリ(prezzemolo)、ニンニクとパン粉を加えて、魚全体に十分に行きわたらせます。さらに夫が、その上からオリーブオイルをたっぷり注ぎ、これで下準備は完了です。
それから皆で搾油場に向かい、途中バールで朝食をとってから、搾油場に到着しました。オリーブオイルの購入と車への運び込みが終わったあとで、名犬マリアンナの白トリュフ狩り(記事はこちら)を、興味深く見学しました。
最初の写真にある唐辛子風味のオリーブオイルを作るための唐辛子(peperoncino)は、ルイージさんが栽培しています。夫とマヌエーラは、その唐辛子も分けてもらいました。十分に辛い唐辛子を、自分たちの畑でも育てたいと考えたからです。
家に帰ると、正午を少し過ぎた頃です。夫とフランコが、さっそく採り立ての白トリュフを、すりおろし始めました。
すりおろした白トリュフに、たっぷりのオリーブオイルを注ぎ、そのまま浸しておきます。トリュフの一部は残しておいて、あとで一皿ひとさらのパスタの上に、直接すり下ろしました。
さらに、フランコとマヌエーラが、下準備しておいた魚を、暖炉の炭火の上で、網焼きにする準備をします。
午後1時過ぎに、トーディからマルコ一家が到着すると、両頬を合わせてのイタリア風あいさつが、あちこちで交わされます。フランコが、頭と目の位置を同じにして、マッダレーナにあいさつしているようですが、恥ずかしがりやの姪っ子は、お母さんの後ろに隠れています。マルコ到着を機に、パスタは、すでに沸騰していたお湯の中へ。
皆で協力して、パスタの皿を次々にテーブルに運び、昼食が始まります。プリモは、お義母さん手作りのタッリャテッレ(tagliatelle)。まずは採れ立ての白トリュフとオリーブオイルであえたパスタ。続いて、自家製のトマトを肉や野菜とじっくり煮込んで作ったトマトソースのパスタをいただきます。
ふだんの日曜日の昼食(記事はこちら)では、セコンドは肉料理です。これは姪っ子たちが魚を食べないからでもあるのですが、今回は、フランコたちが準備した新鮮な魚がセコンドです。手前にあるのは炭火で焼いた魚、後方に見える魚は粗塩(sale grosso)に包んで、オーブンで焼いた魚です。フランコが魚を皿に取り分けるための準備をしている間、姪っ子たちは、それは興味深げに見つめています。
わたしは写真も撮影しながら、給仕係りを務めました。こちらが一人分の魚です。右手に見えるのは、サバ(scombro、sgombro)にパン粉、ニンニク、パセリ、オリーブオイルをたっぷりつけて、炭火で焼いたものです。以前フランコから聞いたのですが、サバはおいしいのに、あまり好まれないので、値段が安いとのことです。そして、イタリアで見かけるサバは日本で売られているものより、概してかなり小さいのです。皿の上でサバと並んでいるのは、ヒラメ(rombo)とボラ(cefalo)です。
魚を食べない姪たちには、義母が鶏の胸肉のソテーを用意しました。コントルノは、野菜畑で取れたサラダでした。
デザートには、まず、夫手作りのブランマンジュ。大量に作ったので、少し残っていました。この日初めて食べたマルコたちは、「おいしい!」とおかわりをしていました。
そして、マッダレーナが、テーブルの間を、お義母さん手作りのビスケット、トッツェッティ(tozzetti)を配って回ります。イタリア語やトスカーナでは、カントゥッチ(cantucci)と呼ばれるビスケットと同じものです。
テーブルには、デザートと共に、自家製のヴィン・サント(vinsanto)やクルミ酒(nocino)など甘いお酒が並びます。トッツェッティは、ヴィン・サントにひたして食べるとおいしいのです。左手の瓶は、今年の春エルバ島を旅した際に(記事はこちら)購入したグラッパ(grappa)です。
デザートとコーヒーのあと、皆で片づけを終え、またひとしきりおしゃべりを楽しみました。そして、午後4時頃に、家路に向かう友人たちに別れを告げました。
↓のトリュフの記事、興味深く読みました^^
実際に白いトリュフが採れるんですねぇ・・・
さぞかし香りがよいのでしょうね!
そして!
しぼりたてのオリーブオイル!
これは一度本当に飲んでみたいな!と思います。
オイルというよりジュースだ!とみなさんが言うのですよね。
海のないウンブリアへ、リミニからお魚を持ってきてくれるお友達!
素敵ですね~
そしてご主人様のドルチェのなんておいしそうなことでしょう!
大勢で一つのテーブルを囲んでお食事なんて、イタリアらしくてよいなぁ!と思いました。
あ、私ね、カントゥッチ、作るの上手いんですよ~^^
教えて貰ったんです、作り方!
門外不出というのを無理やりに^^;
香りが本当にいいので、皆でうれしそうに、見たり香りを嗅いだりして楽しみました。五感を使って白トリュフを楽しめた、おいしい日曜日でした。
義父がまだ幼くて、オリーブオイルがそれは高価なものだった頃、お医者さんから、「1日大さじ一杯オリーブオイルを飲むと体にいい」と言われたそうです。ブルスケッタにしたり、サラダをあえるのに使ったり、スープに回しかけたりしながら、新オイルを楽しんでいます。
カントゥッチを上手に作れるとはすばらしい! わたしも、まだまだお義母さんに教わりたいことがたくさんあります。うちで飼っている鶏やウサギ、ハトを調理することだけは、教わるつもりがはなからないのですが……
美味しそうなデザートができましたね~☆
パスタも白トリュフが入って美味しいパスタができたようですね。
焼き魚も美味しそうです。姪っ子さんは食べられないんですか。焼き魚って美味しいのにな~。
凸d(^ー^)応援pochi!
大学で少しフランス語をやったのに、全然気づきませんでした。
それにしてもおいしそう♪ぷるん♪っとして、アーモンドの香りがして・・・って想像しただけでもウキウキしちゃう。
こういう大人数で食べる食事ってステキですよねぇ、わたし、大好きです。
準備も、片付けもすごく大変なんですけど、こういう集まりって楽しくて。
ダンナさまの着ているセーター(フリース?)とっても温かそうで良いですね。
ダンナさんが、こういう明るい色の入った服を着るのってめずらしくないですか?
いつも茶色系なイメージでしたけど、あら、似合ってるわ~って思いました。
グラッパ!イタリアにいくと、よく出してくれるんですけど、お酒に弱いわたしには、バツゲームのような飲み物です。
友人たちがエミリア・ロマーニャ州からこうしてウンブリアまで新オイルを買いに来るようになって、もう10年ほど経つということで、我が家ではすっかり毎年恒例の行事となっています。来客のおかげで、わたしたちもおいしいものをたくさん味わうことができました。いつも応援、ありがとうございます!
biancomangiareという言葉は、伊伊辞典によると、16世紀にフランス語のblanc-mangerをそのまま翻訳し、借用して生まれた言葉のようです。知名度はあまり高くないようで、皆が「パンナコッタ!」と言うたびに、夫がbiancomangiareだと訂正していました。まずはアーモンドの皮むきから始まり、パンナコッタよりはかなり時間がかかるのですが、アーモンドのほんのりとした風味がおいしかったです。
夫のセーターやTシャツは見ていて楽しくなるくらい、さまざまなものがあります。何十年も大事に着ているものも中にはあって、今回Delfinoさんがおっしゃるセーターもその一つ。ちなみに、2枚目の写真で着ているオレンジ色のセーターは、私が6年前のクリスマスに贈ったものです。と言っても、お互いに贈りあうために、店に一緒に繰り出して、本人の気に入るものを選びました。
わたしもグラッパは苦手です。アルコールの度が強すぎる…… 夫が飲むグラッパの杯から本当に1、2滴だけ味を見せてもらうのですが、アルコールの強さ以外の微妙な違いやおいしさは、かつて分かったためしがありません。
お友達、またご家族と美味しいお料理に
お酒、楽しまれたようですね♪
唐辛子の栽培を旦那様はじめるのですねー。
わたし、辛い物が好きなので、私もチャレンジしたくなりました(w)
うふふ
素敵~
こういう所で食べてみたいなぁ。
最近親戚が集まって食べたのは姑さんのお別れ時でした。
皆さんがオリーブオイルを求められて、来られる。
そして宴会のようなお食事~
ご主人さまの作られるデザート美味しそうねぇ。
大きいパンナコッタを見て、特大のプッチンプリンを思いだしました。
本当にパーティーサイズ!
私の部屋は本当に小さいワンルームなので大きいパーティーができず残念です。。
にぎやかなホームパーティー憧れます♪♪
唐辛子も辛さの度合いがさまざまで、夫はとても辛い唐辛子を育てて、収穫した唐辛子を細かく刻み、たっぷりのオリーブオイルにつけて、辛いオイル(olio piccante)を、作ってみたいようです。みそじさんもぜひ、唐辛子を育ててみてください。
こちらでは、家族でも友人同士でも、何かにつけて皆で集まる機会が多くあります。特別な機会、というのでなく、ふだんから顔を合わせて食事をしておくことが、絆を深めるのかなと思います。デザート、とってもおいしかったです!
わたしたちの家も台所が小さいので、時々招待はしても、お客は4人までで、披露するのは和食が中心になります。夫は、うちでは食事のしたくができてから、呼ばれて初めて台所に来ることが多いのですが、義母宅で食べたり、友人が来ていたりすると、自分も何かしなくては、とはりきりモードに入ります。サイードさんも、台所でお料理しながら、Acuiさんを待たれるなんて、すてきですね。
スポレートへの留学は、歌を学ぶためですか、それともイタリア語を学ばれるためでしょうか。未知の土地に旅立つ前はやはり不安もあると思うのですが、スポレートはとても美しいすてきな町です。いろいろ情報を集め、楽しく、留学の準備を整えてください。これからもよろしくお願いします。