2010年 12月 16日
黄昏のソラーノ、tufoの里を訪ねて4
午後4時55分頃、ソラーノ(Sorano)の町に到着しました。
市役所近に車を置いて、見上げると、tufo(凝灰岩)でできた家の壁や塀の温かみのある土色が、夕日を浴びて、ほんのりとピンクがかった色をしています。外灯の近くには、実の色づいた柿の木も見えます。
こちらは、町へと入る門の前に並ぶ水道橋(acquedotto)と噴水(fontana)です。アーチの下からの眺めがすばらしく、翌日訪れた岩山もよく見えます。
門から中心街に入り、黄昏の町を散歩します。右手に見えるのは、聖ニッコロ教会(Collegiata di San Niccolò)。1276年の文献に記述が見られる歴史ある教会ですが、18世紀後半に大がかりな増改築が行われた、と教会内に解説があります。
tufoの切り立った岸壁の上に立つソラーノの町には、こんなふうに坂道や階段が多く、交差する路地の様子に風情があります。tufoの土色が、黄色い外灯の光に照らされて、不思議な魅力を醸し出しています。
地図もなく、あてもなく路地を歩いているうち、町の地図と観光名所を記した案内板に行き当たりました。上に大きい字で書かれているのは宿やレストランの名前で、観光名所については、ごく小さい字で、下の方にびっしりと記されています。
夜空の青が深くなります。夜の明かりに照らされたソラーノの町は、幻想的で美しく、夫と二人で、感嘆しながら散歩を楽しみました。後方に高く大きくそびえる建物は、オルシーニ要塞(Fortezza Orsini)です。
上の地図に記号Hで記された、時計台を持つ広大なMasso Leopoldiniに登って、町の眺めを楽しもうと、階段を登って行きます。
階段を登りつめ、Massoの展望台の入り口まで行ったのですが、鍵がかかっていたので、残念ながら引き返し、今度は別の方向に向かって、歩き続けました。
寒いからか、午後5時過ぎだというのに人気がなく、たまにすれ違うのは、わたしたちのように町を散策する観光客ばかりです。
「この階段を下って行こうよ。」
という夫の誘いに乗って、急な階段と坂道をどんどん降りて行きます。夫によると、円の形が刻み込まれたこの石は、昔ブドウかオリーブの圧搾機の底に使われていた石だということです。石の手前の部分が少し削れていますが、この下に木製の桶を置いて、圧搾機から流れ出すワインあるいはオイルが入り込むようになっていたとのことです。
こうして、おとぎ話に出てくるような美しい景色に出会いながら、すてきな散歩をすることができました。
かなり急な道をずんずん下ったため、再び坂道を上まで登るのに、一苦労しました。小さな町なので、1時間足らずの間に、あちこちを歩き回り、街角のさまざまな景色を楽しむことができました。
わぁ~ため息がでそうな景色です、暗闇に浮かぶ灯の数々、
こういう建物だからこそ、風情がありますね。
明るい街並みもいいですけど、こちらのような町は
ずっと受け継がれて来た歴史がありますね~素敵~
夜のソラーノは、本当に神秘的な雰囲気に満ちていました! 夜の町の美しさに、こんなに感動しながら歩いたのは初めてかもしれません。写真で表せるのは、その美しさのごく一部なのですが、ムームーさんにも伝わったようで、うれしいです♪