アメーリアとプレゼーペ２

　アメーリア（Amelia）の町には、古代ローマ時代の貯水槽（Cisterne Romane）があり、地下に造られたこの貯水槽の規模の大きさとみごとさに感嘆しました。

写真は、http://www.ameliasotterranea.it/cisterneita.htm から借用

　町の地下に、巨大な貯水槽が幾列にも並んで、横たわっているのです。

　アメーリア周辺には美しい町がたくさんあるのですが、今回ご紹介する常設のプレゼーペは、ペンナ・イン・テヴェリーナ（Penna in Teverina）の町にあります。


　こちらが、展示会場の入り口です。


　このプレゼーペはとても大がかりなもので、歩いて見て回る順路が約30メートル。動作を示す像だけでも、その数が約140もあるということです。


　幼子イエス生誕の場面を中心として、周囲の野山や町で、日々の生活を営む人々の様子を見ることができます。働く人々だけではなく、木の上の小鳥や庭の鶏までが、頭や体を動かしています。


　緑や遠景、そして、屋内の細部に至るまで、非常に細密に表現されています。


　このプレゼーペもまた、照明と音楽を効果的に使って、昼から夜へ、そして再び朝へという時間の流れを表しています。夜の場面では、雪が降る様子まで見ることができました。


　幼子イエスは、左手の屋根の下に見えます。マリアとヨセフに見守られ、そして、羊たちに囲まれています。


　フラッシュの明かりのもとでは、小屋の内部が、農具まで、一つひとつていねいに作られていることがよく分かります。


　夜が訪れ、周囲が暗くなると、ランプの明かりのみに照らされた聖家族が、厳かに浮かび上がります。マリアの右手の壁が、少しずつ上に上がっていきます。


　なんと、上がった壁の向こうには、貢物を捧げに来た東方の三博士が並んでいる、という巧妙なしかけになっているのです。


こちらの常設プレゼーペは、ペンナ・イン・テヴェリーナの中央広場から、少し階段を下ったところにあります。１年中見ることができますので、近くにお越しの際は、ぜひ訪ねてみてください。


　こちらは、美しいイタリア式庭園を有するというオルシーニ宮殿（Palazzo Orsini）の入り口です。実は、わたしたちがペンナを訪れたのは、この庭園を見るためだったのですが、残念ながら、ご覧のように工事中で、入ることができませんでした。


　入り口の両側にあるこちらの彫刻は、四季（Quattro Stagioni）を表しているとのことです。


　ペンナ・イン・ティヴェリーナもまた、中世の石造りの町並みがそれは美しい町です。


町には、石造りの家々の美しさに加えて、こんなふうに、見晴らしのすばらしい場所もあり、思いがけず、すてきな散歩を楽しむことができました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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