2010年 12月 28日
年末年始のコルチャーノ1
テーマは、訳すと、「コルチャーノ ~ プレゼーペ、味、芸術」。
この時期、祭りの中心となるのは、もちろん、12月25日の幼子イエスの生誕を祝うクリスマス(Natale)です。そのため、やはり「プレゼーペ」(presepe)が筆頭を飾っています。
白い上着を着た人の左横の看板には、大きく「プレゼーペの始まり」と書かれ、下には、「コルチャーノ教区教会とプレゼーペ友の会からごあいさつ。どうかよい祝祭日をお過ごしください。町の通りを歩いて、わたしたちのプレゼーペをお訪ねください」とあります。
看板の前にたたずむ人々の前方には、こうして衣装を身にまとった等身大の人形たちが並んでいます。毎年、この時期、コルチャーノでは、歴史的市街区全体が、大きなプレゼーペとなり、順路に従って歩きながら、人々がプレゼーペを楽しめるようになっているのです。
ここでは、道端で焼き栗を売っています。コルチャーノのプレゼーペのもう一つの特徴は、キリスト生誕の主な登場人物を除いては、人々の衣装や職業が、中世のコルチャーノのものである点です。
人物だけでなく、動物もたくさん登場します。こちらは鶏を始めとする、農家で飼われていた鳥たちです。
豚もいます。ポルケッタ職人の人形があるくらいですから、当然のこと。動物たちは、子供たちにとりわけ人気があり、うれしそうに歓声を上げては、立ち止まっている姿が、あちこちで見られました。
オリーブの実を収穫している人もいます。木に立てかけたハシゴに、摘んだ実を入れるカゴ、そして、実が地面に落ちないように、地面に広げた布。我が家でのオリーブ収穫は、今も、中世から変わらぬ伝統に従っているようです。
幼子イエスが生まれた場所を示す彗星(la stella cometa)をかたどるイルミネーションが、教会の上に輝いています。その手前には、泉の水を汲んで、洗濯をし、洗濯物を干す人形が見えます。
こちらの広場では、洗濯だけではなく、子供の行水の最中です。
こうして、順路に従って、プレゼーペを楽しみながら、石畳の町を歩くうちに、幼子イエス生誕の場面に出会います。
聖家族のいる馬小屋の手前には、天使と羊を従えた羊飼いがいます。矢印と共に、「キリストの生誕」(Natività)を示す看板もあります。
そして、その向かい側の家には、このように、大勢が食事を楽しむ場所や、ポルケッタ職人などが食事を準備している台所がありました。
ほかにも、鍛冶屋(上の写真)や靴屋などが、仕事に励む様子を表す人形もあり、美しい町並みを歩きながら、ちょうど、中世の町を模したプレゼーペの中を歩いているようで、興味深かったです。
彗星を目印に、幼子イエスに出会い、貢物を捧げようと、砂漠を旅する東方の三博士一行も、コルチャーノの広場に陣取っていました。1月6日は、イタリアでは、主顕節(Epifania)で祝祭日ですが、三博士がイエスと出会い、貢物を捧げたのは、この日だとされています。この日はイタリアの子供たちにとっては、ベファーナがお菓子をたくさん贈ってくれる、楽しみな日なのですが、それはまた、後日お話したいと思います。待てないという方は、とりあえず、こちらをご覧ください。
ひとつひとつのプレセーペの素晴らしさ、素敵ですねぇ。
小さい頃からこういうのを見て育つのですね。
1月6日には子供達には楽しみが待ってますね。
こちらではお正月は皆が集まりお節を食べて年賀の
挨拶とお年玉ですの。
教会の絵画と同じように、プレセーペにも本来は、当時文字の読めなかった大衆に、絵画や模型を通して、カトリックの教えやキリスト生誕の様子を伝えようという意図があったのではないかと思います。
年越しそばに門松、初詣、お節料理にお年玉。日本の年末年始が懐かしいです。
今年も残りわずかになりましたね。
プレセ―ぺは新年まで続くんですね。
日本の場合はクリスマスはクリスマスで、お正月はまた別個のイベントですから、あわただしいです。
僕は毎年、年末年始の休みは長めの旅に出ています。
今年は九州を旅行中です♪
凸\(^ー^)応援ぽち!
確かに日本では、町も家も一気にお正月に向けて、装いを変えますよね。九州旅行とはすてきですね。いつか夫と訪ねたいと思っています。温泉も行かれるのですか。うらやましい!すてきな旅行を楽しんでくださいね。
いつも応援をありがとうございます!
日記を拝見しながら、私まで、順路に従って歩いているような
そんな気分にしていただきました。楽しかったです!
イタリアでは、クリスマスから新年にかけて、ストーリーが
一貫して続いているような...そんな感じがあっていいですね。
↑の方も仰っていますが(笑)、日本ではクリスマスが終わると
今度はお正月。イルミネーションの美しかった街並も、
手のひらを返したように、門松が立ち並び、琴の音が...! !
その、変わり身のはやさは、まさに日本ならではだなぁ...と
思わずにはいられません。突然、バタバタとした気分になり、
やれ大掃除だ、年賀状だ、おせちの準備だと大わらわ(笑)
...そして、まさに今、そのまっただ中におります。
もう少しだけ、余韻に浸れる余裕があればいいのになぁ...。
今年も残すところあとわずか。なおこさんと、ネットを通じて
お話をできるようになれたことも、今年の大きな収穫のひとつ
です。どうもありがとうございました!
どうか、よいお年をお迎えくださいね。
こちらでは1月6日までは、家でもプレセーペやクリスマスツリーを飾っておくことができるので、助かりますし、またクリスマス気分が続きます。
やはりお正月は日本で一番大切な行事なのではないかと思います。新年の訪れを機に、気持ちを改める日本のお正月、いいですよね。わたしも、12月25日・26日と祝祭日で掃除ができなかったし(カトリック教では「働いてはいけない日」なのです)、大晦日から1月2日まで家を空けますので、月曜日から毎日掃除に追われています。日本で美穂さんも同じようにお掃除に励まれていると思うと、何だか掃除もうれしくなります。お義母さんは、掃除が好きだそうなのですが、わたしはあまり好きではないのです。
わたしこそ美穂さんと、すてきな作品たちと出会うことができて、うれしかったです。どうもありがとうございます!
新しい年が、美穂さんにとってすてきな1年でありますように。今の慌しい準備のおかげで、きっと、お正月はゆっくりできますよ。:-)
ウンブリア州の中にも、イタリア全国にも、興味深いプレセーペの展示や催しが、年末年始には、あちこちでありました。アッシジ近くであった本当の人によるプレセーペやマルケ州であったという岩の大きな洞窟の中のプレセーペ、夫と二人で、見てみたいねと言いながら、今回は見逃してしまいました。場合によっては、早くから、あるいは遅くまで飾っているところもありますが、確実にプレセーペが見られるのは、12月25日(24日の晩)から1月6日までです。この時期にイタリアに来られるときは、ぜひおもしろそうなプレセーペの催しをチェックしてみてください。もちろん、アメーリアのプレセーペのように、常設展示の場合も、ごくまれにあります。