2011年 01月 03日
霧の雪山、初歩き
皆が立ち止まり、小さいエリーアを囲んで、下をのぞきこんでいるのは、
獣の足跡を発見したからです。最初は、山歩きを嫌がっていたエリーアも、この後は、興味津津。9kmの道のりを、大人たちと一緒に、最後まで歩き通しました。
野バラの実の赤い色が、白い雪山に彩を添えています。
長い間、雪山を登ったあと、まずは、こちらの教会、 Santuario della Madonna del Soccorso(標高772m)にたどり着きました。教会は1520年の建立で、ロマネスク様式。遠い昔に、Sant’Agata Feltriaの人々が、侵略者たちを、聖母マリア(Madonna)の救い(soccorso)のおかげで打ち負かした場所に建てられたので、「救いの聖母マリア教会」と呼ばれています。
こちらは、教会の近くに立っていた松です。緑の葉に宿る玉のしずくが、透き通って美しいのですが、さて、フランコがここでマヌエーラを手招きし、「見てごらん。この松かさがねえ。」呼ばれたマヌーが松の木の下に立ったとたん、フランコが松の枝を払い、マヌエーラは頭から玉しずくを浴びることになりました。
「どうしてフランコとルイージの仲がいいのか、よく分かった!」と、教会の周囲で追いつ追われる二人に、わたしは遠くから、大きな声で叫びました。
グレータの長靴に入った小石を、父親であるフロリアーノが取ってあげています。ここは、とても見晴らしがいいはずの場所で、右手の看板には、「無限に広がる景色が見えます。」とあるのですが、この日は、その無限の景色は、とっぷりと霧に包まれていました。
さらに歩いて行って、とても面白い書き込みのある立て看板に出くわしました。中央に記された地名の上下に、Sant’Agata Feltriaの方言で、「この細道をゆく巡礼者は、まったくもって哀れな巡礼者だ。」と書かれています。
わたしたちよりもはるかに先方をゆくスピーディたちと、たびたびサンティアーゴへの巡礼の旅を果たしたフランコたちは、最初は「スピーディが書いたのではないか」と考えたのですが、文がSant’Agataの方言で書かれていると、地元出身のフロリアーノから聞いて、当地のだれかが書いたのだと分かりました。
寒いので、羊たちも、少しでも暖かく過ごそうと、互いにぴったりと寄り添っています。
歩きに歩いて、ようやくSant’Agataの町外れに建つ修道院、Convento di San Girolamoまでたどり着きました。この修道院の中には、興味深い博物館があるのですが、残念ながら、この日は閉館でした。
町の中心にたどり着くと、おもしろいカタツムリの像がありました。殻の部分は、すべて美しい色とりどりのモザイクに覆われています。
町はすっかり深い霧に覆われています。左手に見えるのは、昨日の記事で、尖塔とプレゼーペをご紹介した教会、Collegiataです。ごらんのように、この教会は、町の中心広場に隣接しています。
午前11時前に宿を出発し、長い道のりを歩いて、ようやく宿に戻ったのは、午後2時20分。3時間半、9kmの散歩のあとは、すっかりおなかがすき、散歩せずに宿に残った友人が準備してくれた昼食を、おいしく、ありがたくいただきました。
なおこさん、今年もブログ楽しみにしていま~す♪
同窓会のような人数の年越し、ものすご~く楽しそうですね!!
お金をかけて、トンボラをやったのを思い出しました☆
それにしても、写真で見るだけでも、寒そう・・・ゆっ、雪がっ!
しかも皆さん、手袋をはめてらっしゃらないようで。。。
3時間半も散歩ですか!!ひえ~、私だったら、ゼッタイ宿に残ってますぅ。
夫によると、アナグマ(tasso)かヤマアラシ(istrice)だということです。ヤマアラシは以前住んでいたトスカーナとの州境に近い家の周辺にはよくいて、時々鋭いトゲが地面に落ちているのを見かけたことがあります。イタリアにも熊はいて、ニュースなどでよく聞くのはAbbruzzoの熊ですが、北部にも住んでいるようです。
こちらこそ、新年もよろしくお願い申し上げます。
ずいぶん遅い時間まで起きていらっしゃいますが、大丈夫ですか?
元旦の夜更けには子供たちを中心にいろいろ出し物があったり、皆で協力して炊事や掃除をしたりと、なんとなく学校で教えていた頃の、集団宿泊研修を思い出しました。はっきりこうと決めていないのに、誰かがゲームを持ってきたり、劇の脚本を印刷してきたり、ワイワイ言いながら、皆で楽しむことができました。この辺の計画のゆるやかさと柔軟さが、イタリアならではかもしれません。
わたしは写真撮影のとき以外は、しっかり手袋をはめていました。3時間半もと知っていたら、わたしも出かけなかったかもしれません。おかげで、前夜遅くまで食べたカロリーをいくらかは消費することができました。
見ているだけで凍えてしまいそうです。
この中を散歩するだなんて、なおこさんたち元気だなあー!
私も散歩は大好きですが、最近は寒くて寒くて長いこと歩いていられません。
手と耳が痛くて!
今年は日本も例年より寒い気がします。(代謝が落ちてきてるだけかもしれませんが 笑)
寒くはあったのですが、歩いているうちに不思議と体も温まり、おしゃべりしたり、歌ったりしながら、楽しく散歩ができました。最近運動不足なので、最後はすっかり息切れしてしまいましたが……
この濃い霧が、さらに寒さ倍増な雰囲気を醸し出していますね。
熊っぽい足跡や、身を寄せ合う羊さんたちといい、
こちらでは絶対に撮れない写真ばかり!
とくに、羊が大好きな私にとって、こんな光景に出逢えるなんて
垂涎モノでございます...。いいなぁ。
それにしても、マヌエーラさん、お気の毒に(笑)
玉雫、冷たそう...。泣けてくる(笑 ←笑っちゃいけないけど)
もう、からかってばかりなんですね、きっと。
これも、愛情の裏返し...? ですね、きっと。うふふ。
愉しい日記、ありがとうございました!
三日続けて雪かきとは、本当にたくさん雪が降ったんですね! 景色は美しくて風情がありそうですが、問題もいろいろ生じたことでしょう。雪かきのあと、お菓子とお茶、というのは、さすがです。とっても粋ですね。
羊がお好きなんですか。こちらでは車で走っていて、草を食む羊や牛の群れに行き当たることは、よくあるんですよ。小学生の頃に住んでいた札幌の家の近くに牧場があって、遠足で羊を見に行ったのを思い出します。
からかっての愛情表現というのは、幼いときにするものだと思っていたのですが、大人になってからもこういうイタズラをするのは、どうもわたしの夫だけではないということが、分かりました。日本のだんなさんにも、こういうイタズラを楽しむ方がいるのかどうかに、興味があります。こちらこそ、うれしいコメント、ありがとうございます!