2011年 01月 09日
電車でおでかけ、友を訪ねてスポレート
大学時代の友人、エリーザと会いに、ペルージャ南方のスポレート(Spoleto)に行くためです。上の写真の手前で、左を向いているのが、スポレート生まれ、スポレート育ちのエリーザです。背後に見えるのは、スポレートの大聖堂、Cattedrale di S. Maria Assuntaです。
イタリア国内を結ぶTrenitaliaの鉄道駅、ペルージャ・フォンティヴェッジェ駅(Stazione di Perugia Fontivegge)の窓口で切符を購入しました。乗車時間は1時間余りで、料金は、片道5ユーロ。
駅入り口の出発案内表示板で、わたしが乗るスポレート行きの電車は、3番ホームに発着し、終着駅がローマ・テルミニ駅だと確認しました。そこで、地下通路を通り、こちらの3番ホームまでやって来ました。
学生や友人たちから、そして、ニュースで、しばしば「遅延」「不清潔」を耳にする、イタリアの鉄道。わたしがホームに入ったのは、出発の数分前でしたが、幸い、すでに電車が到着していました。
さて、乗車前に忘れてはいけないことがあります。日本のように改札口があるわけではなく、乗車前に、こちらの刻印機で、刻印をする必要があります。
装置には、"CONVALIDA"(訳すと「刻印しなさい」)と書かれ、下向きの逆三角形で、切符を差し込むべき場所を示しています。切符の左側を、刻印機に奥深く差し込み、ガチッと音がしたら、切符に「乗車場所・日時」がきちんと刻印されていることを確認します。
こちらが2等客車内です。客車入り口には、乗車前に、切符を購入しない場合や刻印を忘れた場合には、多額の罰金を科される旨が、大きな字で書かれていました。わたしが手にした切符の、左手の刻印が見えるでしょうか。切符には、有効期限は発行から3か月、刻印から6時間と書かれています。行きも帰りも、車内で切符の検札がありました。ただし、日本のように、検札の前にていねいにあいさつしたり、切符を点検したあとで、礼を述べたりするわけではありません。
ペルージャ・フォンティヴェッジェ駅を出た電車は、すぐに、ペルージャ郊外のペルージャ・ポンテ・サン・ジョヴァンニ駅に到着するのですが、その際、ちょっとしたハプニングがありました。電車がペルージャ駅を発ったとたん、中年の移民と思わしき人物が、にぎやかに楽器を奏で始め、すぐに演奏をやめたかと思うと、家族を支えるために必要なので、と乗客の間を回って、お情けをもらって歩き始めたのです。
わたしは、小銭もないし、こうやって働かずに物乞いをして過ごすことには反対なので、「残念ですが、払えません。」と断りました。ちなみに、エリーザによると、この演奏物乞いおじさんは、この路線にはよく出没するようで、わたしがこの日の夕方に乗った帰りの電車でも、ペルージャ・ポンテ・サン・ジョヴァンニ駅を出発したとたんに、演奏が始まり、朝と同じ光景が、車内で繰り広げられました。
電車はペルージャを発ち、アッシジ、スペッロ、トレーヴィと、ウンブリア州の美しい中世の町並みの傍らを通って、スポレートへと向かいます。電車の窓からは、車で移動するのとは、また違った風景が見えて、興味深かったです。
車窓から、アッシジ(Assisi)の町が見えます。町の左下には長く大きく横たわる聖フランチェスコ教会(Basilica di San Francesco)があり、その右手に、石造りの町並みが広がっています。右上の丘の上には、中世の要塞(Rocca Mediovale)が見えます。
次に車窓から見えた美しい町は、スペッロ(Spello)。自動車道路の向こうの丘の上に、中世の町並みが見えます。スペッロは、夫とつきあい始めた頃に、初めてペルージャを出て二人で散歩した町なので、わたしにとっては特別に思い出のある場所です。
実は、今日1月8日日曜日の午後、久しぶりに、友人たちと、スペッロの町を散歩したのですが、今日の散歩については、別の機会に、記事にしたいと思っています。
丘の斜面に築かれたトレーヴィ(Trevi)の町並みも、電車の駅からよく見えます。上の写真の左手に見えるピンク色は、駅舎の屋根の一部です。
こうして、のんびりと電車の旅を楽しむうち、午前11時16分に、定刻どおりペルージャ駅を出発した電車は、到着予定の12時21分よりも数分早く、スポレート(Spoleto)の駅に到着しました。「電車が予定より早く到着すること」を予期していなかったわたしは、思わず感嘆しました。
電車通学・通勤をする学生や友人からは、電車の苦情もいろいろ聞いていますが、たまに利用する分には、思ったより快適に、手軽に旅ができると、イタリアの電車を、少し見直したのでありました。スポレートでの友人との再会や散歩については、また次回以降の記事で、お話したいと思います。
そして町並みの写真もあーなんだか本当に絵本みたい!
私たちカップルは共に無免許なので常に電車移動です。
電車の旅はいいですよね♪
逆にイタリアの友人が、日本で京都のバスに乗り込み、乗車したとたんに、運転手さんの目の前で、小銭に料金をひたすら入れ続け、「もういいですよ。」と合図されるまで投入し続けて、その直後にバスを降りるように促されて、「料金は降りるときに払うのだ」と知ってあせった、という楽しいハプニングもありました。国によっていろいろと習慣が違うので、おもしろいのですが、見知らぬ国を旅するときは、大変です。
曇り空で残念だったのですが、風景の写真も喜んでいただけて、うれしいです。
何も知らない東洋人が、楽しく旅行している最中のうっかりミスだろうし、言っても言葉も通じなくて面倒だから、まあいいか。
と、思ってくれたに違いない!と思うのですが、どうでしょう?
旅行者にも容赦ないと聞いたことはありますが、きっと私達は善良な旅行者に見えたんだと、勝手に良い方に解釈してます。
それから10年近く前、ローマの街角で、小さな子供たちに突然囲まれ手を差し出されました。即座に夫がものすごく大きな声で「NO~~!!!」と叫び、すると蜘蛛の子を散らしたかのように走り去って行きました。その間私はわけがわからずボーッとしておりました。そんなことがあったなあと、なおこさんのお話を読みながら思い出しました。
国によって運賃の払い方が違うから仕方がない、と旅行者であることが明らかな外国人には、大らかに接してくれる場合も多いですよね。国籍を問わず、バスや電車の刻印をわざとしない人もいるため、不正乗車対策に、厳しい場合も多いのですが、やっぱりゆんさんご夫婦は善良な旅行者に見えたのでしょう。
そういえばわたしも、かつてイタリア旅行中に、ソレントで、旅行仲間と一緒に、初めて市内バスに乗ったとき、「乗車前にバスの切符を買う必要がある」と誰も知らなかったのですが、優しい運転手さんは、わたしたちが下車して切符を買う時間を設けてくれました。
でも、ペルージャの市内バスで、刻印をしていたのに、刻印機のインクが切れていて切符に文字が印刷されておらず、ひどい対応をされたこともあります。もう一度切符を刻印機に通したときの音で、刻印が済んでいたことは証明できたのですが、こういう嫌な思いをしないためにも、切符の事前の購入と刻印は、大切だと思います。
旅行中には楽しいこともあれば、ハプニングもいろいろつきものですよね。