2011年 01月 13日
スペッロでお散歩2
ここで先頭を歩くコッラードの右手の壁には、何か水色のものが掲げてあります。
空色の背景に、彗星をパンで描いています。下に、「A TISATO」と書かれているので、長年スペッロに暮らし、昨年逝去した芸術家、Orlando Tisatoに捧げられた作品のようです。(詳しくはこちら)
アーチをくぐり、パンの彗星の横を通り過ぎて、石と緑に包まれた、趣のある細道を上って行きました。
石造りの家と壁の間の細道を登り続けて、ようやく道が平坦になりました。
この道の奥まで歩くと、急に視界が開けます。
そして、茜色に染まった空と、その下に広がる赤い屋根、そして遠くの山を、見晴らすことができました。右手には、先ほどまで上の方に見えていた大きな館が見えたのですが、日暮れも近かったため、左に曲がって、坂道を下り始めました。
高い石壁や家に囲まれた道を、迷路の中を歩くような気分で、歩いて行きます。
石壁があまり高くないところでは、日没を控えて、彩の美しい空も、見ることができました。
どこかから白雪姫の歌声が響いてきそうな、そんな街角の風景を、いくつも見かけました。
そうして道を下るうち、車も人も行き来の多い、町の中心にたどり着きました。
美しい陶器を扱った店があります。
わたしたちの目と足をとめたのは、こちらの工房。店内の作品では、大地に生え、緑色の葉に覆われたオリーブの幹と枝が人の姿をしています。大地と人間、そして自然の密接な関わりを、象徴している上、作品が動きと生命力に充ちていて、とても美しいのです。
幸い、工房の中では、ちょうど作者のAndrea Roggiさんが、制作の最中で、一つひとつの作品をどう仕上げていくか、そして、オリーブ園に囲まれて育ったので、人とオリーブの木が融合した作品は、自分の中から自然に生まれたものなのだと、親切に説明してくださいました。まもなく日本の福岡でも、作品の展示が行われるということです。
入り口のドアに貼られたポスターにも、そして、かすかにですが、ガラスのドアの向こうにも、手足を伸ばした人々がつながって、球形を生み出しているすてきな作品があります。どの作品にも、命といのちのつながりが、結びつきが、力強く表現されていて、心に響きました。そして、最近、我が家のすぐ近くの路上にも、Roggi氏のこの作品が置かれていることを発見しました。年齢も国籍も、そして背負った文化もさまざまな人々が、お互いに手を取り合って、世界を支え、築き上げている、すてきな作品です。
店を出ると、もう空の青が、かなり深い色になっていました。
写真の奥に見える門は、スペッロの町のいわば正面入り口です。ふつうは、旅行者もこの城門をくぐり、すぐに町のにぎやかな場所を通るのですが、今回、わたしたちは、最初は城壁に沿って歩いたため、裏手から入って、町を散歩をする形になりました。
かなり薄暗いのですが、写真の撮影時刻は、午後5時20分です。日が暮れて寒くなってきたこともあり、この後は、近くの駐車場まで歩き、すぐに車で帰途につきました。
LINK
・AndreaRoggi.it - HOME
もう一度、自分たちのアルバムを引っ張りだしてみてしまいました。
だけど、ここで年齢を重ねて行くと、老人には本当に大変な街になりますね。
でも、そこはそれ、人々に助け合いでくらしているのでしょうかね。
↓クルミの雄花とは知りませんでした。この時期に咲くのですね。
きっとお二人で、すてきな散歩をされたことでしょう。スペッロのような町は、小さいのに店も郵便局もきちんとあるので、逆に年を重ねても、暮らしやすいかもしれません。イタリアの高齢者には、いつまでも畑で働いたり、野生のアスパラガスを探しに行ったり、元気な方も大勢います。若い頃から歩き慣れて、体が鍛えられているのかもしれませんね。
Spelloの街から車で15-20分の処にある、Collepinoの小さな村をご存知ですか?
ただ一軒レストラン”San Silvestoがあります。
私たちのお気に入りレストランです!!!