イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

ツナとポテトのあっさりグラタン

 しつこかったインフルエンザも、幸い、普通の風邪程度の症状に収まってきました。体調が悪いので、買い物にも行っておらず、お義母さんが、「ビタミンCの補給に」とオレンジをたくさん買って来てくださったものの、家にある食材が尽きてきました。

 昨日の夕食のおかずにできそうな材料は、じゃがいも、ニンジン、玉ネギ、そして、ツナ缶。冷凍してあった肉や魚は、すべて食べてしまいました。こういうとき、ツナ缶は、強い味方です。インターネットで調べてみて、肉じゃがの代わりにツナを使ってもおいしいと分かり、では、と料理を始めようとするとしかし、夫から要望が出ました。

 「汁気のあるものではなく、オーブン(forno)で焼いた料理が食べたい!」

 二人ともインフルエンザを患っていたため、最近の夕食は、確かに具だくさんの温かいスープが多かったのです。と言われても、ロースト・ポテトはおなかにもたれるし、この寒い中ローズマリーを取りに行くのは、風邪引きの身には避けたい。

 というわけで、再度インターネットに向かい、料理の本を見比べて、お義母さんが作るsformato di patateのレシピも思い浮かべながら、ありあわせの材料を使って、「ええい、これならどうだ。」と、作ってみたのが、ツナとポテトのグラタンでした。勘と第六感に頼りきって作ったため、一体どういう仕上がりになるか、自分でも見当がつかなかったのですが、なかなかおいしく簡単にできたので、覚え書きも兼ねて、レシピをご紹介します。

ツナとポテトのあっさりグラタン_f0234936_19484990.jpg

 夫も何を食べさせられることだろうと不安そうでしたが、オーブンで焼き上がったところを見ると、ほんのり焼き目がついて、おいしそう。食べたら、なかなかおいしいので、とても喜んでくれました。味が分からなかったので、写真は撮っていないのが残念。今は、昨夜食べ切れなかった小さな小さな一片(上の写真)が、冷蔵庫に眠るばかりです。

     ツナとポテトのあっさりグラタン

材料   じゃがいも    中2個
     玉ネギ      1/2~1個 
     ニンジン     1/2本
     ツナ        110g(総重量が80gのツナ缶、二つ分のツナ)
     牛乳        200ml
     パルミジャーノ    適量
     塩・こしょう      適量

*材料を見れば分かるのですが、バター・小麦粉・生クリームのたぐいは使用していない、きわめてあっさりした仕上がりになりますので、こってりしたものが好きな方は、他のレシピをお探しください。お義母さんから、sformatoを作るとき、カリフラワーならホワイトソースが必要だけれど、じゃがいもの場合は、牛乳だけでいいと聞いたので、じゃがいもがあれば、あえてホワイトソースは必要ではないと考えました。それに、病み上がりの身には、バターは重たいと考えたので使いませんでした。

1.玉ネギは千切りにし、じゃがいもとニンジンはタテに二つ割り(大きければ四つ割り)にしてから、細切りにする。

2.1をひたひたの水と火にかけ、沸騰してから、灰汁を取りながら、10~15分煮立てる。

3.ゆで汁を切った1を、オーブンの深皿に入れて、じゃがいもをつぶしたあと、同じ野菜だけが1箇所に固まらないように、よく混ぜ合わせる。

4.油を切ったツナを3と合わせ、よく混ぜ合わせる。

5.4の上に、さらに牛乳200mlを注ぎ、塩・コショウで味を調え、さらに、よく混ぜ合わせる。

6.牛乳がゆでたじゃがいもに十分吸収されるまでかき混ぜたら、パルミジャーノを上から、すりおろし、ふりかける。表面全体が薄くパルミジャーノの層で覆われるようにする。

7.6を200度に熱しておいたオーブンに入れて、20分間焼く。こんがりとした焼き色が全体についてきたら、できあがり。

 焼けてこんがりと香ばしいパルミジャーノがおいしいのですが、中身はとてもあっさりとして、ほとんどゆでたジャガイモかポテトサラダのような感じです。材料を見てもお分かりのように、ツナと牛乳の中に、油分・脂肪分が若干含まれているくらいで、それ以外の油脂は加えていません。

 いつもと同じ材料、あるいは家に常備してある食材で、少し変わったものを食べてみようというときに、ぜひお試しください。

Articolo scritto da Naoko Ishii

↓ 記事がいいなと思ったら、ランキング応援のクリックをいただけると、うれしいです。
↓ Cliccate sulle icone dei 2 Blog Ranking, grazie :-)
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ   

Commented by かや at 2011-01-30 22:19 x
こんばんは☆
風邪やインフルエンザから身を守るためには、うがいや手洗いも大切ですが、アツアツの温かい食べ物を食べて抵抗力をつけることも大切ですよね♪

グラタン食べた~~~~~い!(o^ー^o)
凸d(^ー^)pochi
Commented by milletti_naoko at 2011-01-30 23:15
かやさん、こんばんは!

グラタン、作ってみてください。家に常備してある食材で、とっても簡単に作れます。ホワイトソースを使わないので、作るのも楽だし、おなかにも、もたれませんよ。かやさんも、お風邪にはご用心!

いつも応援をありがとうございます。:-)
Commented by bianchi_saitoh at 2011-01-30 23:28 x
インフルエンザ大変でしたね。
ウチも長男がなってしましました。下はピンピンしてるのに学年閉鎖が1週間に延びてようやく明日から登校です。

材料のない時の食事ってあたふたしちゃいますね。
自分ではもう作ることはなくなってしまったので(いけませんね)カミさんが悩んでいるのをたまに見ます。
材料があっても違うメニューを考えるの大変ですから・・・。

なおこさんのメニュー、ウチの直子さんにも参考にさせてもらいます☆
Commented by milletti_naoko at 2011-01-30 23:42
bianchi_saitohさんへ

やはり学校に通っているとどうしてもインフルエンザにはかかりやすくなりますよね。ご家族にかかった人がいると、ついついもらいやすいので、saitohさんもお気をつけて。姪たちの通うトーディの小学校でもインフルエンザがはやり、先週は、15人のクラスの生徒中、通学しているのが4、5人だったそうです。それでも、イタリアでは学級閉鎖にならないようですが、さすがに授業を進めるわけにもいかないので、毎日歌をうたったり、お絵かきをしたりしていたそうです。

最近、ありわせの材料で何を作ろうか、というときに、インターネット上に見つかるレシピに、よく助けてもらいます。今回はイタリア時間で正午前に記事を投稿したら、さっそくツイッターで、「昼食に作っておいしかった」と、北イタリアの方からお言葉をいただきました。インターネットってすごい!!

このグラタンはとっても簡単にできるので、saitohさんがこっそり作って、奥さまを驚かせるという手もありますよ。
Commented by Yuka at 2011-01-31 10:42 x
インフルエンザが治ったそうでよかったです。
しばらくはご自愛ください。

グラタンおいしそうですね!!
これなら私も作れそうな気がします。
最近自炊さぼりがちだし、このレシピ試してみようかな…
Commented by ムームー at 2011-01-31 11:23 x
わぁ~このグラタンあっさりとしてて美味しいでしょうね。
バターが最近もたれるようになりましたから、牛乳だけなら
私にもいいですわぁ~
さっそく作りたいです~
ご紹介ありがとうございます。
Commented by milletti_naoko at 2011-01-31 17:49
ゆかさんへ

ありがとうございます。日本でもインフルエンザがはやっているそうですから、ゆかさんとサイードさんも気をつけてくださいね。通勤ラッシュ時の電車というのは、インフルエンザや風邪のいい媒体のような気もします。冬は換気も難しいですよね。

ホワイトソースを使うと、作るのがめんどうだし、おなかにもたれるのですが、ここでは使わないので、簡単ですよ。ゆかさんも、ぜひどうぞ!
Commented by milletti_naoko at 2011-01-31 17:54
ムームーさんへ

バターは重たいからと、お義母さんもできるだけ避けるようにされていますし、オリーブオイル文化のウンブリア州ではよく、「バター(burro)は体に悪い」とだれかが言うのを耳にします。それでも、料理によっては仕上がりがおいしくなるので、時々使いますが、やっぱりホワイトソースはどうしてもこってりしていますよね。ぜひ、試してみてください。
by milletti_naoko | 2011-01-30 11:52 | Gastronomia | Comments(8)