2011年 02月 04日
湖とマッジョーレ島1
ペルージャからトゥオーロ(Tuoro)までは、車で約30分。無料の駐車場に車を置いて、フェリー(traghetto)で、写真の右手に見えるマッジョーレ島(Isola Maggiore)を訪れます。湖畔の砂浜から、長い桟橋を渡って、フェリーに向かいます。小さなフェリーが桟橋の左手に見えています。
料金は乗船してから支払います。右にマッジョーレ島、左にミノーレ島(Isola Minore)があります。
トラジメーノ湖の三島のうち、最も大きいのは、ポルヴェーセ島(Isola Polvese)(記事はこちら)で、自然の美しいこの島が、わたしたちのお気に入りなのですが、冬はフェリーの便がないので、訪れることができません。
湖の色は、天気や日光の当たり具合によって、青、水色、薄緑色、そして灰色と、さまざまに姿を変えます。今日は天気がいいので、海を思わせるような、鮮やかな青い色をしていました。
フェリーはトゥオーロの港を午後3時40分に出て、まっすぐにマッジョーレ島へと向かいました。到着予定は10分後の午後3時50分。もう島が近づいてきました。トゥオーロ・マッジョーレ島間は、二人分の往復料金が10.20ユーロでした。
右手に港と桟橋が見えます。島はオリーブの木々に覆われ、一番高いところに、美しい古い教会が建っています。水際と平行に家が立ち並んで見えます。この家の並ぶ通りが小さなマッジョーレ島の中心街で、夏にはバールやレストラン、土産物屋が並び、観光客も大勢訪れるので、なかなかにぎやかですが、今はひっそりと静まりかえっています。
わたしたちと同じフェリーで、島を訪れた観光客が二人いました。1時間ほどの散歩の間に、ごくわずかしかいない島の住民、二人に会いましたが、博物館も店もすべて閉まっていて、何だか世界から忘れられたような風情がありました。道の左手に立っている看板は、島のレストラン、Ristorante l’Oso(記事はこちら)のものです。湖の眺めを楽しみながら、手頃な値段でおいしい魚料理が食べられるので、わたしたちのお気に入りのお店です。
こちらは中世、13世紀に建てられた家で、その名も、「中世の館」(il palazzetto medievale)。
16世紀に建てられた、こちらの礼拝堂の名は、l’Oratorio della Buona Morte。訳すと、「安らかな死の礼拝堂」という何とも物騒な名前なのは、マッジョーレ島で、貧しい人や身寄りのない人でもきちんとした永眠の場を得ることができるようにと、活動していた信者会によって、建てられたものだからです。
家々の前を通り過ぎてからは、オリーブの木々の間を、少しずつ登っていくことになります。
坂の突き当たりにあるこちらの門構えの向こうには、遠い昔には、大きな修道院がありました。修道士たちが去ったあと、修道院は貴族が所有するものとなったのですが、この数年ずっと改築中で、大がかりな美容センターができる予定だと聞いています。
少し道を引き返して右に曲がり、さらに坂道を上って行くと、オリーブ園の向こうに、教会の鐘楼が見えてきました。
夫と話をしている方は、冬もマッジョーレ島に暮らす、ごくわずかな住民の一人。犬と一緒に散歩を楽しんでいるところです。教会の左手の、塀に囲まれたところには、墓地があります。
この教会の前からのトラジメーノ湖の眺めが、本当に美しいのです。右手には、オリーブの木々の間に、マッジョーレ島の港の桟橋が見え、さらに右の方には、フェリーで出発したトゥオーロの港も、垣間見えています。
左手には、少しずつ傾きある太陽が、まぶしい光を湖水の上に投げかけて、輝く道をつくりだしていました。
⇒「湖とマッジョーレ島2」につづく(リンクはこちら)
⇒公共の交通機関を使っての行き方や、島に住む野生のウサギとキジ、今回は訪ねなかった場所については、記事、「夏のマッジョーレ島」(リンクはこちら)で、ご紹介しています。
今から50年位前に「兼高かおる 世界の旅」という番組がありまして、赤貧チャイルドの私はただただあこがれてみていました。いまだに飛行機にも乗ったことがない私には夢の世界です。
仕事柄、食べ物のことも教えてくださるとたのしいです。
いいですね。
素晴らしい景色の所ですねぇ~
美容センターが出来るのでしょうか、どういう景色になるのでしょう。
日本では思わぬものになってがっかりすることがあります。
京都駅も昔のままが良かった~
京の都のイメージが壊れたような気分になりました。
今はもう慣れましたけれど。
>少しずつ傾きある太陽が、まぶしい光を湖水の上に投げかけて、輝く道をつくりだしていました。
素敵な表現でうっとり~
訪問・コメントをありがとうございます! 50年前の番組をご覧になっていたということは、大先輩でいらっしゃいますね。貼られているリンクが残念ながら無効のようですが、それでは、料理・食材に関わるお仕事をなさっているんですね。時々は、食べ物のことも取り上げていきますが、右のタグ一覧の、「料理・レシピ・食文化」のリンクをクリックされると、これまで書いた食べ物に関する記事をお読みになることができますよ。
イタリア中部の州で、唯一海に面していないのがウンブリアなのですが、その代わり、美しくて自慢のトラジメーノ湖があります。春には島が花でいっぱいになって、本当に美しいんですよ。
天気がいいと、洗濯物がよく乾いてうれしいですよね。
トラジメーノ湖畔、トゥオーロでは、紀元前217年に、ハンニバル対ローマ軍の壮絶な戦いが繰り広げられました。今でも毎夏この歴史を回想する催しが行われます。マッジョーレ島には、12~13世紀に生きた聖人、聖フランチェスコ(米国のサンフランシスコの地名はこの聖人に由来しています)が訪れたこともあり、ゆかりの史跡もいくつかあります。自然も美しいし、いろいろな時代が歴史の跡を刻み込んだ場所なんですよ。
そうなんです。冬のペルージャ湿度が高いので、天気の悪い日が続いたあと、ようやくカラッと晴れた日が訪れて、洗濯物が乾いてうれしいです。
前回島の近くをフェリーで近くを通ったときは、昔の修道院の建物を、そのままの姿で改築しているところを見ることができました。それは大きいみごとなお城のような造りをしているのですが、たぶん外装はそのままで、内部だけエステの施設にするのではないかと思います。景観は壊れないと思うのですが、これまでは自然や歴史を愛して訪れる人の多かった島に、エステ目当ての人たちが訪れ始めると、静かなひっそりした島が変わってしまわないかと少し心配です。昔の京都駅、わたしは覚えていないのですが、風情のあるすてきな駅だったのでしょうね。
ありがとうございます♪ 海や湖の上に、太陽や月が光を投げかけて、そこだけ光を放って見えるところ、大好きなんです。何とも言えない幻想的な美しさがありますよね。
トラジメーノ湖にはよく足を運ぶのですが、こんなに鮮やかに青い湖は、初めて見たような気がします。おっしゃるように、近づくと緑色に見えて、同じ日にも色の変化を楽しむことができます。
島から夕日を眺めようかと夫は言っていたのですが、最近の日没は午後5時20分頃で、その後一番早いフェリーは1時間後発。日が暮れると寒くなるので、日の高いうちに島を後にしました。でも、湖畔から美しい夕焼けを見ることができたんですよ。
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