2011年 02月 06日
湖とマッジョーレ島2
1136年にはすでに存在していたという記録があるものの、現在の形となったのは、13世紀のことであろうと、教会前の案内看板に説明がありました。
わたしたちが訪れるときには、いつも教会が閉まっているので、まだ見たことがないのですが、教会の内部は、13~15世紀に描かれた美しいフレスコ画で、飾られているということです。
マッジョーレ島はごく小さな島なので、教会から左の方を眺めると、オリーブ園と木々の向こうに、改修中の修道院の塔が見え、さらにその向こうには、トラジメーノ湖(Lago Trasimeno)が広がっています。
参考までに、この教会と改修中の修道院(前日の記事を参照)がよく見える、島を別の角度から撮影した写真を、添えておきます。写真は、2009年10月25日に、トラジメーノ湖を友人たちとヨットと周遊したとき(記事はこちら)のものです。
修道院よりもやや右の方向を眺めると、湖畔にそびえるカスティッリョーネ・デル・ラーゴ(Castiglione del Lago)の美しい町も、よく見えました。
聖フランチェスコもまた、このマッジョーレ島を訪れたことがあります。修道院の脇へと向かう道を下っていくと、聖フランチェスコゆかりの場所を訪ねることができるのですが、今回は帰りのフェリーの出発まで時間がなく、また、日かげになっていて寒かろうということで、行きませんでした。
今回は、大天使聖ミカエル教会の前を通り、そこからオリーブ園の間を通る坂道を下って行くことにしました。実はマッジョーレ島には、野生のウサギとキジがたくさん住んでいます。ウサギが食べてしまうので、地面に草がほとんど残っていないのが、写真を見れば、お分かりかと思います。あちこちに見える草むらのように見える緑の植物だけは、ウサギが好まないからか、毒があるからか、食べられずに残っています。
道の右手に生えている古いオリーブの木の、長い歳月に耐えて今も生きるその姿が美しく、感嘆しながら、坂道を下りました。
今回、わたしたちは、島の西側にある港からマッジョーレ島に上陸して、赤で印した小道を、矢印の方向に進んで、散歩をしました。
島の高みに建つ教会から、長い坂道を下ると、こちらの教会、Chiesa di San Salvatoreがあります。
12世紀に建てられたというロマネスク様式の教会の横を通り過ぎると、家が立ち並ぶ通りまで、あとわずかです。
ここまで来れば、港はすぐ近くです。フェリーが港に近づくのが見えた、と夫が言うので、急ぎ足で港に向かいました。
フェリーへと向かう桟橋の上から、撮影した写真です。傾きゆく日の光を浴びて、風景がオレンジ色を帯びています。アヒルたちがのんびりと、日なたぼっこをしています。
フェリーがトゥオーロの港に到着したのは、予定どおり午後5時5分。
ちょうど夕日が、水平線の向こうに姿を消そうとしている頃でした。
湖畔のバールでホットチョコレートを飲み、ゆっくり休んでから外へ出ると、美しい夕焼けが、わたしたちを待ち受けていました。湖面が、夕焼けのピンクと薄暗い青空を共に映し出す、こういう風景は、初めて見るように思えて、再び桟橋まで歩いて、美しい湖の色を楽しみました。
⇒公共の交通機関を使っての行き方や、島に住む野生のウサギとキジ、今回は訪ねなかった場所については、記事、「夏のマッジョーレ島」(リンクはこちら)で、ご紹介しています。
旧市街の雰囲気はオレンジ色がよく似合いますね!
最後の写真の湖は淡いピンクとブルーがグラデーションになっていてとても可愛らしいです。
写真それぞれが美しくて見とれています。
古いオリーブの木も素晴らしくて年月を感じますね。
島とは思えない程雄大な景色ですねぇ。
沈む夕陽の美しさ~~綺麗ですわぁ。
そして、辺りが茜色に染まる様子、いいですねぇ~
ロマンテック、神秘的~
ありがとうございます♪ オリーブの木々、これだけ幹がか細くなっても、しっかり大地に根を張り、秋にはオリーブをいっぱいに実らせる、その生命力に驚きます。
夕日が空も湖も共に染めていく様子とその淡い色合いの美しさに、わたしも感動しました。
マッジョーレ島も昔は住民が多くにぎわっていたし、夏には去年から夜間のフェリーもあるし、おいしいレストランが遅くまで開いていて、にぎやかだと思うのですが、冬は開いている店もなく、若者には娯楽がない場所だと思います。住んでいる方もお年寄りがほとんどで、夏には家の前で、だんなさんを亡くされたおばあさんたちが家の前で編み物をしたり、おしゃべりをしたりしているのを、散歩中に見かけました。
この島では、時がゆっくりと、静かに、そして豊かに流れているような気が、わたしもします。