イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

日本特集! 雑誌、『Meridiani』 2月号

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 新聞の広告で、日本特集号が発売中と知り、今日さっそく雑誌を購入して来ました。

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 『Meridiani』は、毎号、休暇で訪れたい場所、国や島、町などを一つ絞り込んで、特集して取り上げ、その土地について、観光名所や旅の情報だけではなく、文化や歴史なども、深く取り下げ、美しい写真と共に、紹介している雑誌です。

 雑誌名の下に「Giappone」と書かれているように、今月、2月号は日本特集

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 買ったばかりで、まずは巻頭言とローマ日本大使、安藤氏のあいさつの言葉を読み、ざっと雑誌をめくり、目次に目を通しただけなのですが、とにかく写真の美しさと記事の多様さに目をみはりました。

 20年以上におよぶ雑誌の歴史の中で、日本を取り上げるのは今回が初めてということで、日本の姿をくまなく伝えようとすれば、複数冊必要であろうところを、1冊でできるだけさまざまな日本を紹介しようと工夫をした、と巻頭言に書かれています。

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 目次を見ても、Tradizioni (伝統)、Tokyo(東京)、Fuji (富士)、L’imperatore (天皇)、Giardini(庭園)、Cultura pop (ポップカルチャー)、Tecnologie (技術)、Animali(動物)、Kyoto(京都)、Robot(ロボット)、Architetture(建築)などと、記事の内容が多彩であることが分かります。

 ただ本や映画の紹介に関しては、イタリアでも人気のある吉本ばななや村上春樹、北野武の作品が中心になっているのが、残念です。日本文学を教えている身としても、『枕草子』や『徒然草』、『伊勢物語』、『源氏物語』、そして松尾芭蕉などの俳句作品ももっと取り上げてほしいと思いました。こうした作品の底を流れる自然を愛する心や感性の細やかさ、豊かな叙情性は、日本の文化の他の側面とも、切っても切れないものだと思うからです。

 Quanto all’introduzione alla letteratura giapponese, mi dispiace molto perché la rivista presenta soprattutto le opere degli scrittori contemporanei già assai conosciuti in Italia, mentre tralascia diverse opere classiche che, oltre ad offrire una lettura piacevole, vennero scritte con l’amore per la natura, una sensibilità raffinata e un ricco lirismo i quali sono osservabili anche negli altri aspetti della cultura giappones come i giardini giapponesi, la filosofia e i costumi nella vita quotidiana ecc. Forse di questo dovrei scrivere io stessa sul blog o sul sito, cercando di trovare il tempo.

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 鶴や温泉を楽しむ猿など、日本独特の動物たちを紹介している記事もあります。ちなみに日本の鶴については、つい先日RAI3の『Geo & Geo』という番組でも、求愛の踊りや絶滅の危機について、説明されていました。

 “I Samurai del Tonno”(マグロの侍たち)と題する、築地魚市場を語っているらしい記事もあります。記事の最初に掲げられた写真は、大きな冷凍のマグロがびっしりと並ぶ中を、卸売り業者が点検しているところを撮影したものです。マグロについては、わたしの夫は時々、「イタリアの最も質のいいマグロは、皆日本に行ってしまう」と、恨めしげに言っています。また、漁業については、イタリアのテレビでは、時々、「また日本が野蛮な捕鯨を……」といった具合で、偏見を助長するような口調で、ニュースに取り上げられることがあるので、この記事がどう書かれているのか、かなり気になります。

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 わたしが教えてきた日本人学生の中には、アニメ・漫画の大ファンで、日本語を勉強したくなったという学生が、大勢います。中には自分で、インターネット上の漫画を読んだりして、次々と漢字を独学で学んで、日本人でも平仮名で書くだろうという漢字を、必死で覚えている学生までいました。ある日授業をしようと教室に入ったら、黒板が二人の学生たちが書く漢字や文字でびっしり埋まっていて、びっくりしたこともあります。というわけで、もちろんこの雑誌にも、アニメと漫画についての記事があります。

 イタリアのテレビや新聞を見ていると、ニュースで日本が登場する機会は非常に少なく、大きな地震が起こったときや経済、科学技術の最先端の話題に加えて、捕鯨問題や雅子妃のうつ病が報道される程度のような気がします。一方、世界の文化を伝えるような番組では、日本の文化のさまざまな側面が紹介されています。

 イタリア人の友人には空手・合気道など、日本の武道をたしなむ人も多く、わたしの夫も、柔道の教室に通ったことがあるそうです。最近のニュースでは、日本料理がイタリア中で人気を集めていると語られており、確かにペルージャにも、得てして中国人経営であることが多いものの、日本料理が食べられる店が増えているようです。日本人向けの求人情報を見ても、寿司や日本料理が作れる人を、イタリア中でしばしば募集しています。アニメから、武道から、日本料理からと、さまざまな動機で日本に興味を持つイタリア人が多い一方で、ただし、中国と日本の違いがあまり分からないような人がたまにいることも事実です。

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 そんなふうに、イタリアで報道される、そして、知られている日本文化の側面が偏りがちであることを考えると、この『Meridiani』の日本特集号は、少ない誌面をうまく活用して、イタリア人が関心を持つ話題を数多く提供しつつも、既成の枠にとらわれない、さまざまな日本の姿を伝えていると言えると思います。イタリアでは「日本と言えば地震」と思う人も多く、もちろん、地震(terremoto)についての記事もあり、耐震建築や学校での避難訓練の写真が添えてあります。

 巻末には、交通機関や年中行事、宿やレストランの紹介など、旅をするのに役立つ便利な情報(La guida - Notizie e consigli)も添えられています。

 というわけで、イタリア人の配偶者や家族がいて、ぜひ日本をよりよく知ってもらいたいという場合にも、イタリアで日本がどう紹介されているかを知りたいという場合にも、とてもいい雑誌だと思います。値段は6.20ユーロ。日本語と日本文化を教えているので、イタリアで日本文化を紹介する本は、自分でも何冊か持っていますし、書店でも気にしながら見ているのですが、これだけ安い値段で、豊富な写真を使って、的確に日本のいくつかの側面を紹介する雑誌を購入できるのは、めったにない機会だと思います。まだ具体的に記事を読み込んでいないのではありますが、美しい写真を眺めているだけでも、日本人としてうれしくなり、誇らしい気持ちがわいてくるものと思います。よかったら、ぜひ一冊購入してみてください。

LINK
- amazon.it - Rivista monografica di viaggi, "Meridiani - Giappone" (Domus)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2011-02-07 19:15 | Giappone