2011年 03月 06日
夏のリミニ1


写真は、昨年9月5日に、イジェア・マリーナ(Igea Marina)の海岸を撮影したものです。砂浜にはもうビーチパラソルが幾列にも並び、冬には閑散とした砂浜も、海水浴客でにぎわっています。

この日は、イジェア・マリーナの海岸で、ルーカ、シモーナと落ち合いました。二人は、この朝、リミニから砂浜に沿って、ここまで歩いて来たのです。このあとは、四人一緒に車でリミニに赴き、リミニ(Rimini)の町を散歩をしました。

こちらは、ティベリウスの橋(Ponte di Tiberio)。古代ローマ時代、紀元14年に、アウグストゥス帝が、当時アリミヌス川と呼ばれていたマレッキア川(fiume Marecchia)に、この橋の建設を始め、21年に次の皇帝、ティベリウス帝が完成させました。
橋の向こうには、リミニの郊外地区、ボルゴ・サン・ジュリアーノ(Borgo San Giuliano)が広がり、橋の手前はリミニの中心街となっています。

橋を渡った先に、旅行者と船の絵が掲げられているのは、ちょうどBorgoの祭りがあって、そのテーマが移民だったからです。

ちょうどこの前夜に、ティベリウスの橋とマレッキア川を舞台として、光を巧みに利用した劇が上演されたので、わたしたちも、見に行きました。

散歩中に、橋のたもと近くにあったピアディーナ屋、NudeCrudで、昼食を取りました。

4人全員が、こちらのPidburgerを注文して、食べました。キアニーナ牛の肉と、サラダをピアディーナに包んだバーガーという、初めて見るメニューに興味を持ち、おいしそうだと思ったからです。
7ユーロですが、ご覧のようにボリューム満点。具や肉汁を落とさないように食べるのに苦労しましたが、とてもおいしかったです。

このあと、まずはしばらく、ボルゴ・サン・ジュリアーノを散歩しました。移民をテーマとした祭りのために、こんなふうに、旅行かばんの形をした、移民の家が、道端に置かれています。

あちこちの家の壁に、ドイツ、ブラジル、パリなどと、土地の名前が大きく書かれた旅行かばんが、掛けられています。かばんに書かれた地名は、かつてイタリア人が祖国を後にして、移民として暮らし始めた場所の名前です。
漁師の多い貧しい地区であったということで、漁師の生活を描いた壁画があり、壁には網も飾られています。

家の壁には、イタリアを発って、新しい場所で移民として暮らした人の人生が、語られていて、氏名に、生没年、そして、どういういきさつで移住を決意したかなどが、書かれていました。

こんなふうに、漁師の生活を描いた絵画の展示もありました。

ボルゴには、色やつくりに趣のある家が立ち並び、壁画(murale)の美しい家も、たくさんあります。この家の壁には、先にご紹介したティベリウスの橋が描かれています。

日本でも知られる映画監督、フェデリーコ・フェッリーニ(Federico Fellini)は、リミニの出身です。

彼の映画、『Amarcord』で世に知られることとなったボルゴ・サン・ジュリアーノには、巨匠を偲ぶ壁画が、そこかしこの家の壁に、大きく描かれていました。(つづく)



技術の高さと労力に敬意します。
現代でも本当にスゴイと思います。他の建築物もそうですが完成度の高さには本当に驚かされます。
東京ではスカイツリーの影に隠れがちですが“東京ゲートブリッチ”という名称の橋が建設中です。
両側から工事が進められ、中央部分がかけられると一気に繋がるということで最近チョット話題になりました。
派手さはありませんが新工法での建設、やはりスゴイです!
古代ローマ時代の建造物で、中世や近代に修復、増築されたものの中には、かつての古い基盤は今もうまく機能しているのに、何世紀も後から造られた部分の方がガタが来ているということも、たまにあって、今のように大がかりな機械もコンピュータもない時代に、よくもこんなに完成度が高く、歳月と風雪に耐える建造物を生み出すことができたなと、感心することがよくあります。ウンブリア州の南、アメーリアの町の地下にある巨大な貯水槽が、そのいい例です。
東京ゲートブリッジ、完成が楽しみですね。

こんにちは、日本では考えられないようなことでしょうかぁ。
壁に壁画を描くって何と素晴らしい讃え方でしょう。
家に対する概念が違うと一言では言えないですね。
誇りや意地や芸術性、素晴らしいですねぇ~
金沢で見た、土塀にかけられた藁の覆いに感激しました、大切に
守る見事な美意識でした。
サルデーニャの村を始め、イタリアには、家の壁に、地域の歴史的な産業や生活を描いている村や町が、時々あるんですよ。ボルゴはフェッリーニに愛された場所だということで、地域と芸術家の深い結びつきが、こうして町並み、美しい壁画に現れているのがすてきだと思います。
日本の土壁を大切にしようとするならわしも、とてもすてきですね。