イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

夏のリミニ2

 ボルゴ・サン・ジュリアーノを散歩したあとは、ティべリウスの橋(Ponte di Tiberio)を通って、マレッキア川を渡り、リミニ(Rimini)の中心街へと向かいました。

夏のリミニ2_f0234936_141312.jpg

 ティベリウスの橋は、紀元21年の建造以来、2千年の歳月の間に、地震やマレッキア川の洪水や戦争によって、何度も破壊の危機にさらされました。五つのアーチのうち、最もボルゴ・サン・ジュリアーノに近いアーチ(上の写真の手前)には、ゴート族と東ローマ帝国の戦いの爪跡が残されています。第二次世界大戦中には、撤退中のドイツ軍が、地雷をしかけようと試みたそうです。

夏のリミニ2_f0234936_141306.jpg

 こうした説明は、リミニ市の観光案内看板に、イタリア語と英語の2か国語で書かれています。(上の写真)看板の地図には、古代ローマ時代の遺跡や建造物を訪ねて歩く散歩コースが、赤い線で記されています。

夏のリミニ2_f0234936_1422732.jpg

 こちらは、カヴール広場(Piazza Cavour)です。写真の右手には、アレンゴ宮殿(Palazzo dell’Arengo)、執政長官の館(Palazzo del Podestà)などの歴史的建造物が並んでいます。

夏のリミニ2_f0234936_1425225.jpg

 カヴール広場には、レオナルド・ダ・ヴィンチもたたえたという美しい噴水があります。ペルージャの大噴水と違って、周囲に柵がなく、水を飲むこともできます。

夏のリミニ2_f0234936_144840.jpg

 広場の反対側には、1747年に落成した魚市場(Pescheria)があります。

夏のリミニ2_f0234936_1444525.jpg

 かつて多くの魚が並び、売買が行われていた台は、大理石で作られています。いかに漁業が、リミニの産業で重要な位置を占めるかが、このみごとな魚市場からよく分かります。

夏のリミニ2_f0234936_145580.jpg

 商店の並ぶ通りを歩いて行きます。ペルージャ出身の女性企業家、ルイーザ・スパニョーリ(Luisa Spagnoli)が興したファッションブランドの店が、ここリミニにもあります。ルイーザ・スパニョーリは、ぺルジーナのバーチ・チョコレートを考案したり、アンゴラうさぎの毛をニット製品に利用することを思いついたりと、進取の気象に富んだ女性でした。

夏のリミニ2_f0234936_1485724.jpg

 こちらの広場は、Piazza Tre Martiri。16世紀に建てられた時計塔(Torre dell’Orologio)が、独特の雰囲気を醸し出しています。

夏のリミニ2_f0234936_1494177.jpg

 このマラテスタ家の寺院(Tempio Malestiano)は、ここに建っていた13世紀の教会を、15世紀のリミニの領主、シジズモンド・ロドルフォ・マラテスタ公の意向で改修したものです。

夏のリミニ2_f0234936_150833.jpg

 教会を覆う大理石には、細やかな彫刻が施されています。

夏のリミニ2_f0234936_1502960.jpg

 途中、シモーナが勤める工房にも立ち寄って、ロマーニャ伝統のデザインを布に施して、製品を作り上げる過程を、見せてもらいました。

夏のリミニ2_f0234936_151489.jpg

 こうして、リミニの町で、友人たちと散歩を楽しんだあと、わたしたちは、温泉のある海辺の町、リッチョーネ(Riccione)に向かいました。実は、今回リミニを訪れたのは、湯治客として、リッチョーネに滞在していた義父母を迎えに行く必要があったからなのです。近くで開催されていたオートバイ世界選手権がちょうど終わった頃に帰途に着いたため、リッチョーネ周辺では、しばらく渋滞に巻き込まれました。

 そのときは、帰宅するまで、このレースで日本の富沢選手が重傷を負い、しかも、リッチョーネの病院に運ばれて、亡くなったとは、思いもよりませんでした。

夏のリミニ2_f0234936_1514187.jpg

 車がマルケ州に差しかかった頃は、どしゃぶりの雨が降っていて、車の窓から、二重の虹が見えました。

夏のリミニ2_f0234936_15159100.jpg

 ウンブリア州に入ると、雨もやみ、グッビオ(Gubbio)の町を通りかかった頃には、美しい夕焼け空を、見ることができました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

↓ 記事がいいなと思ったら、ランキング応援のクリックをいただけると、うれしいです。
↓ Cliccate sulle icone dei 2 Blog Ranking, grazie :-)
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ  

Commented by ムームー at 2011-03-08 17:02 x
なおこさん
こんにちは。
古代ローマの遺跡や建造物も見れるなんて夢のようです。
魚の台が大理石って大切に扱われていたのですね。

二重の虹珍しいです~
なかなか見れないですわ、そして夕焼け空も素晴らしいです~

こんな風に歴史を垣間見ることが出来て嬉しいです。
Commented by milletti_naoko at 2011-03-08 18:10
ムームーさん、こんにちは。

イタリアの歴史のある町は、町ごと歴史博物館のようで、ここには古代ローマの橋があり、そこには中世の建物があり、という形で、興味深いです。
Commented by クロちゃん at 2011-03-08 20:30 x
なおこさん、こんばんは♪
石の文化を感じます。
そして、長い歳月を行きぬいて来たティベリウスの橋の歴史はとても興味深いです。(^^)/
Commented by milletti_naoko at 2011-03-09 01:36
クロちゃん、こんばんは♪

長い歴史の間に、さまざまな時代の人々が時代特有の衣装を身にまとって、この橋を渡ったことだろうと、なんだか感慨深いものがあります。
by milletti_naoko | 2011-03-07 17:56 | Emilia-Romagna | Comments(4)