2011年 04月 25日
聖金曜日のラヴェルナ

4月22日は聖金曜日。夫と二人でラヴェルナを訪れました。
Il 22 aprile, nel giorno del Venerdì Santo, abbiamo visitato la Verna.

ベッチャからラヴェルナへと続く参詣路には、聖フランチェスコが、受難におけるイエスの苦しみを我が魂と我が身に感じられますようにと願う壁画があります。
Lungo il sentiero che conduce da Beccia alla Verna, San Francesco nell’affresco prega a Dio ricordando la Passione di Gesù.

道筋にある十字架は、春の新緑と野の花に取り囲まれています。
Ci sono diverse croci lungo quest’antica strada verso la Verna.

午後3時から、ラヴェルナの聖堂で行われた、主の受難を思い起こす典礼に、参列しました。十字架を決して無関心に眺めてはいけない、十字架を見るたびに、神の大きな愛と主の受難を胸に新たにする必要がある、という言葉が印象に残りました。
Alle 15.00 abbiamo partecipato alla Celebrazione della Passione del Signore nella Basilica. Quanto alla predica ricordo soprattutto queste parole del vescovo: "Non si deve mai vedere la croce con gli occhi indifferenti. Ogni volta che si vede la croce, vanno ricordati il grande amore di Dio per noi uomini e il suo grande sacrificio".

聖書の言葉が読み上げられ、説教が終わったあと、聖堂の扉が開け放たれ、十字架が入り口から祭壇へと運ばれました。
Dopo la lettura e la predica è entrata la Croce dalla porta ed è stata portata verso l’altare.

そして、人々が列をなして、祭壇前に置かれた十字架前に並び、一人ひとりがキリストに口づけをしていきました。

昼過ぎにこちらの教会で瞑想にふけっていると、途中から、修道士たちが、祭壇近くに飾られた花やロウソクを次々に、持ち運び始めました。後から行われた典礼で、それがキリストが受難において衣服を取り去られ、辱められたことを思い起こしてのことだと、説明がありました。
Mentre pregavamo in questa chiesetta, un frate e una suora portavano via i vasi di fiori e le candele; dopo durante la celebrazione abbiamo saputo che era per ricordare Cristo spogliato e umiliato sulla croce.

こちらの礼拝堂、Cappella dell’Adorazioneには、ペンナ山にあるブナの小堂(Cappella del Faggio)から運ばれたフレスコ画が飾られています。
Nella Cappella dell’Adorazioneci sono gli affreschi portati dalla Cappella del Faggio sul Monte Penna.

礼拝堂の中で、この祈りの言葉を見つけました。
「ああ主よ、どうか私が
慰められることよりも、慰めることを
理解されることよりも、理解することを
愛されることよりも、愛することを
求めることができるようにしてください。」
イタリアでは、よく知られた祈りの言葉で、マザー・テレサが引用したことでも有名です。わたしもとても好きな言葉なのですが、頭では分かっていて、そうありたいと願っていても、実行のなんと難しいことか……
Qui nella Cappella dell’Adorazione abbiamo trovato la Preghiera Semplice.
“Oh! Maestro, fa ch’io non cerchi tanto:
Ad essere consolato, quanto a consolare,
Ad essere compreso, quanto a comprendere,
Ad essere amato, quanto a comprendere.”
Molti conoscono queste parole, tuttavia quanto è difficile metterle in pratica!

ペンナ山のブナ林に囲まれたこちらの建物が、ブナの小堂(Cappella del Faggio)です。礼拝堂の中にあったフレスコ画は、もともとこの小堂の壁を飾っていたものです。フレスコ画に描かれているのは、福者ジョヴァンニにまつわる逸話です。現在、この小堂が立つ場所に、13世紀には、大きなブナの木があって、福者ジョヴァンニはしばしばこの木に足を運んでは、瞑想をし、祈りを捧げていました。小堂は、福者の没後に巨木が倒れたあと、この木があった場所に建てられたものです。
Questa è invece la Cappella del Faggio, dove si trovavano originariamente gli affreschi sopra. Qui nel XIII secolo c’era un grande l’albero di faggio dove veniva a meditare e pregare il Beato Giovanni della Verna dipinto negli affreschi. Dopo la caduta del faggio, fu edificata la cappella dove c’era il grande albero.

少しだけ歩いたペンナ山では、新緑の美しさが印象に残りました。
Abbiamo passeggiato solo una decina di minuti sul Monte Penna. Erano bellissime diverse sfumatore del colore verde che ornavano il monte.

20年ほど前に倒れたというブナの巨木の傍らでは、若い木が青々とした葉を茂らせています。
Accanto al faggio caduto una ventina di anni fa, c’è un albero giovane vestito di foglie fresche.

まだスミレが、ところどころで、花を咲かせていました。
Tra gli alberi ancora fiorivano le violette.

ベッチャの駐車場前の草原も、花とツクシで覆われていて、春の訪れを実感しました。
Era pieno di fiori anche il prato davanti al parcheggio di Beccia.

イタリアの聖なる一面を拝見しました。
静かな雰囲気が伝わって来ます。
不謹慎ですが、昔ハマッたゲームの「ドラクエ」を連想してしまいました。(^^)/
ラヴェルナは聖フランチェスコが静かに瞑想と祈りを捧げるためによく訪れた場所です。この日の聖堂は祈りを捧げる敬虔な信者でいっぱいで、わたしたちと同様、席を見つけられず、壁際の床に座りこんでいる人が大勢いました。
ドラクエ、はやりましたよね。音楽しか知らないので、いったいどういう連想をされたのか、興味深いです。

ここ3日ほど連続でタケノコ掘りに自分ちの山に行ってます。冬に管理したので今年は珍しく大収穫(大げさかな)です。
見つけるのは面白いけど掘るのは大変です。
そうなんですね! イタリア中部では、山を登っていて、標高が800メートル以上になると、ブナの森が現れることがよくあります。
ご自分で管理された筍を収穫されて、食べることができるなんて、すてきですね! 新鮮な筍が食べられるなんて、うらやましいです。以前に京都で筍の掘り方を教わったのですが、見つけるのも掘るのも、確かに大変そうでした。こちらで今の時期に見つけて食べるのはアスパラガスですが、幸いこちらは地表に出ているので、摘み取るのが楽です。
新緑と花の季節ですね~。
桜が咲くのって春の始まりなんですよね。
桜が散る頃には、他の植物が青々としてきて、一雨ごとに草も伸びてきます。育てている花の成長は嬉しいんですけど、雑草はさらに伸びるのが早いので草むしりがこれからは大変になってきますね。
凸d(^ー^)pochi
私はキリスト教徒ではありませんが、
写真を見ているだけなのにとっても穏やかな気持ちになりました。
祈りの言葉。
とっても心に染みますね、
私もこうありたいと思いますがなかなか難しいです。
緑がとっても眩しくてキレイです。
ラヴェルナってすごくステキな場所にあるのですね。
春は野の草花は美しいけれど、確かに雑草もどんどん育っていく時期ですよね。うちでは、庭の草刈りは夫の仕事なのですが、一面に咲いたヒナギクの花も草と一緒に刈られてしまうのが、何だかかわいそうで、夫もつい草刈を延期しがちです。
応援のポチをありがとうございます!
写真を通して、この地の持つ魅力や安らぎを感じていただけたようで、とてもうれしいです。宗教を超え、国境を超えて伝わる美しさ、教えというのがありますよね。わたしも(まだ?)キリスト教徒ではないのですが、自然や清貧を愛した心優しい聖フランチェスコは慕っていますし、彼が愛して祈りを捧げに訪れた場所やその自然の美しさに感動します。秋には紅葉が、冬には雪や裸の木々が美しい、本当にすてきな場所なんですよ。
カトリック教では、復活祭前の特に大切な典礼なので、敬虔な信者が、境内のあちこちで祈りを捧げていました。十字架の意味も、今回の説教を通して、改めて心に残りました。
訪れるたびに、季節ごとの美しい野の花が出迎えてくれるので、楽しみです。