2011年 05月 30日
5月の庭から

みごとに熟れたサクランボはワインのように深い赤色をしているのですが、こういう枝の低い位置には見当たりません。

次から次へと熟して、食べ頃になると、義父母がすぐに収穫してしまうからです。サクランボ(ciliegia)を摘むのは、ツグミたちとの戦いになります。ツグミ(merlo)ときたら、サクランボでも梨でもリンゴでも、果実が熟さないうちにつついてしまいます。梨やリンゴの場合には、果物は、ツグミがくちばしでつついた後を残したまま、木に残っているのですが、サクランボの場合は、鳥たちがくちばしでつつこうとする端から、実が地面に落ちてしまうことが多いのです。そうして、ツグミたちは、地面に落ちたサクランボには見向きもせず、枝につりさがるサクランボをつついては、落ちるので食べられず、またつついてということを繰り返すため、気をつけていないと、ツグミがサクランボを、次から次へとつついて、地面に落としてしまうのです。
「地面に落ちたサクランボを食べる方が楽なのに、ツグミったら、そこまで知恵が働かないのかしら。」と、日曜日の午後、昼食後の食器を皆で片づけている最中に、わたしが言うと、お義母さんは、そのとおりと、深く深くうなずきました。
その後、しばらくして、お義父さんが急にわたしの名を呼ぶので、いったい何かと思ったら、指を口に当てて、「声を立てないように」促しながら、窓の方を指さします。窓の外では、ツグミが地面に落ちたサクランボを、くちばしにくわえて食べ、食べ終わるとまた、別のサクランボを地面からくちばしで拾って、食べていました。「頭のいいツグミもいるんだね。」と、皆で感心しながら、しばらくツグミを眺めていました。

庭では、ジャスミン(gelsomino)たちも、色とりどりのかぐわしい花を咲かせ始めました。

淡いピンク色のジャスミンもあります。葉はたくさん茂っているのに、花がごくわずかしかないと夫が心配しています。

次から次へと白く美しい花を咲かせているのは、こちらのジャスミン。

こちらの黄色いジャスミンも、いつもたくさんの花が咲いています。

エニシダ(ginestra)も花盛りです。

オリーブの木(olivo)にも、小さな花のつぼみが、たくさんあります。今年の花が咲くまで待てないという方は、とりあえず、昨夏のオリーブの花の写真(記事はこちら)をご覧ください。


ツグミにはご馳走ですねぇ~
地面に落ちたのを食べる器用なツグミもいるなんて
可愛い。
鳥を追い払わずに見てあげるなんて優しいですね。
お庭には色んなお花が咲いていますねぇ~
優しい時間が流れてるのが伝わります~♪
サクランボが美味しそうです。(^○^)/
自然に生きる森の動物や鳥たちも美味しい食べごろの時期を知っていますね。
もしかすると…。
ツグミはサクランボを落として熟して美味しくなることを知っているのかもしれません。
観察していると意外な発見もありそうです。
花と果実、どちらも美しいです。(^^)/
サクランボ、甘くてとてもおいしいんですよ。ふだんパンやケーキのくずを庭にまいて、鳥たちが食べられるようにしてあることもあって、鳥たちが多く来るのですが、果物を食べるのには、義父母も閉口して、去年だったかは、案山子のようなものをサクランボの木の上にくくりつけたのですが、あまり効果がなかったようです。
ジャスミンは、夫が特にかぐわしい品種の花を選んで買っているため、香りもとてもいいんですよ。
サクランボ、おいしいです。軍語学学校では、"Per addolcire gli insegnanti"(先生たちが優しくなるように)と言って、わたしたちの生徒さんも含めて、チョコレート菓子やアメを持参してはくれる軍人さんたちが多いので、わたしもお礼に、いつかサクランボを摘んで、学校に持って行きたいと思っていたら、今日はすでにサクランボを持参した軍人さんがいて、先を越されてしまいました。
動物って意外と賢いんですよね。さて、実際のところはどうなのでしょう。我が家でツグミがしでかすいたずらには、地中の虫を食べるつもりか、ジャスミンの植木鉢の土を掘り返して、周囲に散らかしてしまうというのがあります。これも、土の中には何もいないはずなのに、よくやらかしてくれます。